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雁行型経済発展論・再検討
小島, 清
駿河台経済論集, 9(2): 75-136
2000-03
Departmental Bulletin Paper
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/16735
Right
Hitotsubashi University Repository
雁行型経済発展論 ・再検討
論 文
雁行型経済発展諭 ・再検討
小
島
清
Ⅰ 問 題
わが恩師赤松要博士が1
9
3
0年代央に創唱された 「
雁行型経済発展論」或いは
略 して 「
雁行形態論」が,過去1
5
年の間に, 日本のみならずアジア太平洋諸国
において,学会,政府,ビジネスさらにマスコミを通 じて, きわめて有名にな
り,高 く評価 され,ポピュラーに活用 されるようになった。いわば 「
雁行型発
展」,f
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,或いは丑y
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emo
de
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という
言葉が一人歩 きするようになった。 これは故赤松要博士 (
1
8
9
6
-1
9
7
4
) とその
弟子 どもにとって光栄であ りまことに嬉 しいことである。
だがかかる言葉の一人歩 きは,雁行形態論の赤松 オリジナルはどんなものか,
その中核的理論は何であるか,またか くもポピュラーになったのは何故である
か,などの疑問を素通 りしている。 これ らの問題を再検討 しようというのが,
本稿の最初のね らいであった。
赤松 オリジナルの力点 は,後発工業国がいかに して先進国に追いつ くかの
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t
c
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ng
-up pr
o
c
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s
sを,製品の輸入一生産一輸出とい う生産の能率化 (
雁行
基本型) と産業構造を多様化 し高度化することによって明 らかにすることにお
かれていた。 この追いつ き過程 を理論的に精密化する必要がある。 さらに一つ
一つの産業が追いつ きに成功 した後は,経済全体は貿易拡大,海外直接投資進
出など対外経済活動を宏めるのが よい。それが雁行塑発展の国際伝播 をひきお
こし,地域的経済統合 を促進する。 こういった赤松 オリジナルでは残 された雁
行形態論の重要な側面をモデル化 し,で きれば世界一流の経済発展論にまで仕
立て上げたい。それは赤松博士の遺 された意志で もある。 これをね らって博士
の弟子 ども,ことに私 (
小 島晴)がい くたの努力を重ねてきた。その諸成果の
整理 ・体系化が本稿で試み られている。それ故,潜越であるが,「
雁行型経済
-7
5-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
200
0)
発展の赤松 ・小 島モデル」 と敢 えて称す ることに したい。
そこで第 Ⅱ節では,赤松 オ リジナルを 7つの引用 に要約 して示 している。す
なわち(
1)
新産業は輸入一生産一輸出 とい う雁行基本型 を経て成長す る。(
2)
消費
財か ら生産財へ,或いは租製品か ら精巧品へ といった雁行変型 (
或いは副次型)
が生ず る。(
3
)
後発工業国のc
a
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hi
n㌢up pr
o
c
e
s
sを明 らかにす るのが雁行形態
4)
輸出が輸入 を上回るようになる時期 に,その産業のキャッ
論の特徴である。(
5)
キャッチ ・アブ してか ら対外進出を
チ ・アブが一応完了 した とみな しうる。(
どうしてよいかを究明せねばな らないが,それは今後の課題である。 これ らの
命題が明言 されている。 また第 Ⅱ節で初期雁行形態論 に対する内外の多数の反
響があげ られている。
雁行形態論 は赤松博士 による 2つの英語論文の発表 (
1
9
6
1
,1
9
6
2
) によって
世界的に評価 をうけるようになったが,ハーバー ド大学のVe
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n教授のPr
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一
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論が出現 (
1
9
6
6
) したので,両者の優劣 ・異同が問われ,雁行形態
・
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論 の理 論 構 築 の要 請 が 高 まっ た。私 は,雁 行 型 産 業 発 展 論 はc
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l
eであると特色づけた。
赤絵 オ リジナルは明確 ・精密 にすべ き諸命題 と残 された課題 とを多数含んで
いる。第Ⅲ節では,弟子や関心者 によ り次の ような雁行形態論の第 1次展開が
果たされたことを明 らかにす る。すなわち第 1に赤松博士 をは じめ門下生たち
によって,雁行基本型 と変型の実証研究が多数行われ,羊毛産業,綿工業,秩
鋼業,電産機, 自動車産業 などにつ き産業内多様化 を描 き出 している。 また韓
国や タイなど外 国について も雁行型の実証検 出が試み られた。
第 2に,赤松 オリジナルでは近代経済学の手法に よる雁行形態論 (
基本型 と
変型)の理論化 は果たされていない。そ うい うモデル化の努力が小島によって
試み られた。資本蓄積 (
ならびに学習効果)の進展 につれ,一産業の能率化 ・
輸 出化が果たされ, さらに一産業か らより高度な産業 (
大 きいカテゴリーで見
た産業分類での)へ と発展段 階的移行つ ま り産業構造の多様化 ・高度化が達成
で きるとす る追い上げ工業化モデルである。かかる「
能率化 ・多様化構造変動」
モデルが雁行型経済発展の第一の基礎理論 になるのである。 これは赤松 オ リジ
ナルの雁行基本型 と変型 を理論化 した ものに他 な らない。
優秀廉価 な外国品が輸入 され,国内需要が十分な規模 に拡大す ると国内生産
が始め られる。 これが雁行型産業発展の第 1段階の輸入代替期である。次いで
-7
6-
雁行型経済発展論 ・再検討
この新産業の能率化がはか られ輸出が始 まりやがて輸入 を上回るに至る。 これ
が第 2段階の輸出化期である。ここでは輸入代替 と輸出化 は直結 している。輸
出競争力を持ち得ない産業は不実幼稚産業であ り放棄 されるべ きである。第 1,
第 2段階によってキャッチ ・アブ ・プロセスつ まり雁行基本型は成功裡に完了
する。そ して経済は輸出,直接投資 といった対外進出の第 3段階に前進するの
である。
もとより大範噂の産業の中で,次つ ぎに製品の多様化が行われる。だが労働
集約的軽工業か ら資本集約的な重化学工業へ,さらに資本知識集約的な機械産
業へ というように,大分類産業について産業構造の多様化 ・高度化が生ずるこ
と (
雁行変型)が重要である。こうして国ごとの発展段階差に応 じて,国 (
也
域)別,産業別の順次的な雁行の国際的伝播が生ずることになる。この国際伝
播 プロセスが第Ⅳ節で吟味 される。
大来佐武郎博士が1
9
8
5
年 に,戦後 日本が雁行型産業発展に成功 し,それが韓
国な どN
I
ESに,次いでAS
EAN諸 国にさらに中国に と伝播 した ことを,アジ
ア太平洋諸国にデビューされた。 この喧伝 によって,雁行型発展論は一躍世界
的に有名 にな り,「
雁行型」 とい う言葉が一人歩 きす るようになった。ただそ
の対象は雁行形態論の全容ではな く,国際的伝播の局面に限られていたことに
注意 したい。
第Ⅳ節では続いて,雁行型発展の国際的伝播の担い手が海外直接投資 (
FDI
)
であ り,それによるホス ト国での産業構造の高度化 と能率化が貿易拡大 と成長
をもた らす メカニズムが究明 される。そ して 「
順貿易志 向的海外直接投資-
PROT-FDI
-」なる雁行形態論の第 2基礎理論が提示 される。それは動態的
比較優位原理に従って,先導国は比較優位 を弱めて きた産業 (
Ⅹとせ よ一輸出
化 に成功 したY産業ではな く-)か ら直接投資進出をし,ホス ト国でその産業
を能率化 して比較優位 を強めるようにするのである。ホス ト国では輸出主導成
長が始動拡大することになる。先導国はより高度な新産業 (
Yとせ よ)を拡大
し,原材料や資本財 (
一括 して中間財)の生産 と輸出を拡大で きる。 こうして
双方国での貿易拡大 と成長 との調和的 ・相乗効果が生ずる。
経済発展段階差に照応 して,相手国別に,また産業別に順次 「
順貿易志向的
海外直接投資」 を推進 してい くな らば,「
海外直接投資前線の拡延」が生 じ,
雁行型産業発展の調和的国際伝播が もたらされるのである。
-7
7-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
20
0
0
)
ホス ト国が直接投資を導入 して比較優位 を強め輸出で きるようになった産業
(
Ⅹ) にっては,投資国 とホス ト国との間に,細別商品 (
或いは差別化商品な
い し隙間需要) ごとに産業内水平分業 (
小島の言 う合意的国際分業一第Ⅲ節で
解説 した-)を実現することが望 ましい。
こうして東アジア地域 における国際分業や地域統合の在 り方が構想で きるよ
ma
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うになる。それは結局動態的比較優位原理に従った,市場の力による (
dr
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n)多国籍企業の戦略に依存するとい うことになる。
第Ⅴ節において,雁行型発展論が公的にもジャーナ リスティックにも広い関
心 をよびおこし,高い評価 を得るようになったことが報告 される。国際的伝播
の実証的支持 も増えて きた。 クルーグマ ンによるアジア経済の奇跡的発展への
警告 と,サ ックス らによる雁行型発展 に基づ く反論があげられる。多国籍企業
の直接投資に依存する経済発展は 「
見せかけの発展」 しか もたらさない との従
9
9
7年 7月の通貨 ・金融危機 を契機に,雁行
属理論による批判 も検討される。1
型発展論の見直 しが必要になってきたが,これについては稿 をあ らためて論ず
ることにする。
最後に第Ⅵ節で,理論的命題を要約するとともに,残 された研究課題につい
て触れることにする。
Ⅰ 雁行型経済発展論 ・赤松オリジナル
赤松要博士 (
1
8
96
-1
9
7
4年)が雁行形態論 を創唱された第 1論文は 「
吾国羊
毛工業品の貿易趨勢」名古屋高商 ・商業経済論叢第1
3
巻上冊 (
1
9
3
5
年 7月)で
あった。詳細な実証研究の結果 を踏 まえて,次の結論 に達 している (
同論文,
p.21
0)。
赤松第(
∋引用
しか して,すべて一国内に生産が振興 しきたることは,多 くの場合,当
該商品の輸入増加の刺戟によるものである。最 も多 く輸入 される完成品,
半製品の生産事業に向って資本が集中 し,生産活動が興 りきたることは,
条件のゆるす限 りきわめて当然である。即ち輸入品の殺到 とともに,やが
て国内産業がおこってこれを防過せんとするのである。か くしてこの産業
が国内に発展 しきたるときは,またやがて輸出産業に転換するにいたる。
モスリンは比較的はや く,かかる輸入,生産,輸出の各段階を次 ぎ次 ぎに
-7
8-
雁行型経済発展論 ・再検討
経過 したのであった。か ような理由によって,吾 々は一産業における輸入,
ヽヽヽヽヽ
生産及び輸出の雁行的発展 を定式化 しうるのであろう。 まさに羊毛工業に
おいては,少 くともモスリン,ラシャ ・セルデス,毛糸の 3者は彼等の間
に前後の雁行関係があるとともに,その各の輸入,生産,輸出においてま
た雁行的発展 をなすのである。従って 3つの羊毛工業品は輸入,生産,輸
出の各段階を雁行的に通過 し,歴史的には 3つの系列 よりなる 3つの雁行
形態 として現われるのである。
ここには 2種の雁行的発展が一緒 に述べ られている。 1つは,後に変型或い
は副次型 と呼ぶ ようになったものであるが,輸入額が品種的に多様化 し,モス
リン,ラシャ ・セルデス,毛糸 というように次つ ぎに 「
雁行列 をなして」変化
したことが示 される。 もう 1つは,同種の雁行列が タイムラグをおいて生産額
に,さらに輸出額にあ らわれるのである。各品種別に,或は羊毛工業全体 とし
て,「
輸入-生産-輸出」 とい う雁行的発展が見出される。 これを後 に基本型
と名づけたのである。
0
9の第三図は,輸入額の 3つの雁行列を上段 に,生産額のそれを
同論文p.2
中段 に, さらに輸出額のそれを下段 に描 くという表示方法 をとっている。それ
はいささかわか りに くい。各品種 について輸入一生産一輸出の基本型雁行を描
いた方が理解 し易い。それはここに図 1として引用する赤松第 2論文に示 され
た 「
我国錦業発展の雁行形態」である。
赤絵博士の第 2論文 「
吾国経済発展の綜合弁証法」は名古屋高商 ・商業経済
0巻上冊 (
1
9
3
7年 7月) (
pp.1
7
9
-21
0) に発表 された。その前半は 「
吾
論叢第5
国の経済発展」 を博士独特の 「
綜合弁証法」の論理によって把握すべ く,その
方法論の若干の解説が試み られている。 この解説は未完成であるとしてカット
し,後半の実証研究 (
図 1としてここに転載 した綿布,綿糸,.
それに紡織機,
機械器具の 4品種 に関する輸入一生産一輸出の雁行形態図)だけが,博士の主
著 『
経済新秩序の形成原理』理想社 ,1
9
45の第 3章 「
新興国産業発展の雁行形
pp.2
9
9
-31
4) として取上げ られている。その結論的要約 を引用 しておこ
態」 (
う。
赤松第②引用
(
1
)(
我国産業の)「
発展段階を概括するときは,第 1期,完成品輸入時代,
第 2期, 自己生産の勃興 と完成品輸入の減退時代,第 3期, 自己生産の
-7
9-
第 9巻第 2号 (
20
00)
駿河台経済論集
図 1 我 国綿 業発展 の雁行 形態
1
.
0
0
0
万円
8
0
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6
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0
4
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1
00万円
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20
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万
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六
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八
七
七
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八
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七
九
〇
二
九
〇
七
九
一
二
九
一
七
九
九
九
九
二
七
二
六
出所 :赤松要 「
吾国経済発展の綜合弁証法」名古屋高商 ・商業経
済論叢 第 1
5
巻上冊 (
1
9
3
7
.7)
,p.
2
0
0
0
赤松要 『
経済新秩序の形成原理』理想社 ,1
9
4
5
,p.3
0
3
0
ヽヽ
輸出産業化時代 とすることがで きる。これはわれわれが産業発展の雁行
ヽヽ
形態 と名づけているものであって,輸入の次に生産,生産の次に輸出が
時を隔ててつ ぎつ ぎに興 りきたっているか らである。
(
2
) 「この発展段階について, さらに考察を進めると,第 1期の完成品の
輸入は主 として完成消費財の輸入であ り,第 2期の自己生産の勃興は原
料品の輸入 とともに生産機械器具の輸入を伴 うのである。第 3期の輸出
産業化の時代 は-
生産手段 は原料を含むが, ここには主 として完成生
-8
0-
雁行型経済発展論 ・再検討
産手段たる機械等 を意味する-
の自己生産を確立 しているのである。
さらにまた輸入は完成品よりも半製品,原料品へ移行する。但 し輸入完
成品の減退はその内の租製品より始 まり,精製品はなが く残留する。 自
己生産は半製品,租製品より完成品,精製品へ,従って輸出はまた半製
品,租製品より完成品,精製品への傾向を伴 うのである。
」
9
45年 ,pp.299
-300)0
(
赤松要 『
経済新秩序の形成原理』理想社 ,1
上の第(
1
)
パラグラフが雁行形態の基本型 を,第(
2)
パラグラフがその副次型を
指摘 しているわけである。
1
939年)
赤松博士は名古屋高商か ら東京商科大学 (
現一橋大学)へ移 られて (
わが国産業の雁行形態一
か ら,雁行形態論 に関す る第 3論文 を発表 された。「
一機械器具工業 について-
」 一橋論叢
36巻 5号 (
1
956年1
1月) これであ
る。機械器具工業 (
これは現在の分類の機械類に相当 し非常に広汎な業種 を含
む)についての実証研究が追加 されるとともに,雁行形態論についての概念規
定ない し問題点がい くつか明確 にされてきた。
赤松第(
診引用
(
1
) 「ここに産業発展の雁行形態 とい うのはい くつかの意味 をもつのであ
るが,一つの共通的な意味は後進産業国あるいは新興産業国の産業が先
進産業国の産業 を摂取 し,それを追跡 しつつ成長発展するばあいに一般
」(
p.68)。
的に成立する発展法則 を指すのである。
a
t
c
hi
ng
-up (
追いかけ)の理論である, と定義 されて
つ ま り雁行形態論 はc
いる。
ヽヽ
(
2) 「
構造変動 をともなう産業発展の段階が時期のずれにおいてつ ぎつ ぎ
におこる状態を産業発展の雁行形態 とよぶ。--・
輸入,生産,輸出の三
段階が雁行形態の基本形態 ともいうべ きものである。--・
雁行形態の基
本型 を中核 として種 々の変型が考えられる。その一つは消費財 と異った
・
生産財についての雁行的発展である。・
.
-・
・
消費財について も生産財につ
いて も--雁行的発展 は租製品についてまずおこ り,つ ぎつ ぎに精巧品
pp.6
9
-70)0
に向って上ってゆ くのである」 (
ここに雁行形態の基本型 と変型 (
後に副次型 とも呼ばれるようになった) と
いう規定が打ち出された。
(
3) 「さいごに,最 も重要な雁行形態の-は後進諸国の発展段階がそれぞ
- 81-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
れ異なることによって一つの産業のそれぞれの国における雁行的発展が
ヽヽ
時期のずれにおいてつ ぎつ ぎに現われて くることである。たとえば日本
が綿工業においてその雁行的発展 を完了 したとき,インドの綿工業は雁
行形態の第 2段階にあることが可能であるし,当時の支那においてはま
だ第 1段階にあったことが実証 されるか も知れない。
ここにおいて比較的先進の産業国の雁行形態 には第 4段階 として当該
産業の輸出並 に生産の低下並 にすでにネグリジブルとなっていた輸入が
再び増大することがおこりうる。たとえば日本,イン ド,香港などか ら
イギ リスに向って粗布が輸出されるごときである。
」
(
4) 「
か くしてた とえば消費財産業が後進諸国にお こ りきたるときは比較
的先進の諸国は消費財の輸出を後進諸国にまかせ,自か らは生産財,あ
るいは精巧品の輸出に特化する傾向があ らわれ,製造工業において も国
際分業化がおこ りうるのである。諸国産業の雁行形態が諸国において重
な り合 うことな く,時間の隔 りにおいて雁行的であるときに国際分業は
順調に行われうるのである。
」(
p.71
)0
ここに雁行形態の国際的伝播 とそれが生み出す国際分業の変化 (
赤松博士の
「
世界経済の異質化 と同質化」 という問題)が浮上 して くるのである。
その後,赤松要博士は国際経済学研究の集大成 『
世界経済論』国元書房 ,1
9
6
5
を公刊 され,その第1
0
章 として 「
低開発国経済の雁行的発展」 を収録 された1
'
。
また次の二つの英文を発表 し,雁行形態論を世界に向けて捷唱された。 これに
対 しい くつかの海外か ら高い評価が得 られ2
'
,博士 を勇気づけた。
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これか らやや遅れてハ-ヴァ ド大学のRa
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) によって
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rPC)論が捷起 され有名になった。赤絵雁行形態
9
3
5
年の古 きに提唱されたものだが) との比較が課題 となるに至っ
論 (
それは1
た (
後述)
0
さらに赤松博士の還暦 (
1
9
5
6
年)や一橋大学退官 (
1
9
6
0
年) を記念 して同学
-8
2-
雁行型経済発展論 ・再検討
者や後継者による赤松体系の拡充が推進 され,次の二者が出版された3
)
0
赤絵要博士還暦記念論集刊行会 (
代表小島清)編 『
経済政策 と国際貿易』春
秋社 ,1
9
5
8
,pp.5
3
2
0
世界経済研究協会編 『日本貿易の構造 と発展』至誠堂,1
9
7
2,p
p.
5
2
8
0
これ らの経緯 をふまえて赤松博士 自ら雁行形態論をまとめ られたのが,赤松
9
7
4,pp. 2
2
2の第 6章 「
新興国産
要 『
金廃貨 と国際経済』東洋経済新報社 ,1
業発展の雁行形態」である。主要な論点は既にかかげた 3つの引用 と同 じであ
るが,次が追加 されている。
赤松第④引用
「
雁行形態 と名づけたのは,秋の月夜 に雁が列 をな して飛んでゆ くとき,
山形の列 をなし,その列が 2つ 3つ交錯 して飛んでゆ くようなイメージが,
わた くLにあったためである。英文ではWi
l
dGe
e
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yi
ngPa
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e
r
nと書 き
」(
赤
雁が秋に北方か ら飛んで くるときⅤ字形の逆の形 をとると説明 した。
.
7
4)
松要 『
金廃貨 と国際経済』p
Ve
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yc
l
e
論は,先進国が新製品の開発に成功 し,生産方
法が標準化 された後,開発途上国へ海外直接投資を通 じて生産を移植すると言
うものである。先導国の内生的技術革新 に基づ くもので,赤松博士の言われる
ように 「
先進国か らみた雁行形態」(
『
金廃貨=--』p
.1
5
6
) と言ってよい。 こ
れに対 し赤松雁行形態論は後発国の輸入技術 (
bo
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gy)による
追い上げ過程において発生するp
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eである。それ故小島はc
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uppr
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eと名づけた (
Ko
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ma1
9
7
8
,p.6
5
)
。それを赤松博士は 「これ
ならばプロダク ト・サイクルを知っている人には理解 しやすい言葉か と思われ
『
金廃貨--』p.1
7
4) と受けいれている。
る」(
赤松雁行形態的発展 を成功 させ,或 る段階にまで到達す る とc
a
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eに転換 してい くということになるのであ
卒業 し,ヴァ-ノンの自生的1
ろうか。 とにか く追上げをなしとげた後はどうすべ きか とい う問題4
)
に当面す
ることになる。 この間題に関連 し,
赤松第⑤引用
雁行形態の 「
第 1期 は輸入の増加率が もっとも急速な時期,第 2期は生
産,次いで輸出の増加率が輸入増加率 を超ゆる時期,この時期においては
輸入は増加 しなが らその増加率は逓減的である。第 3期は生産 と輸出は増
-8
3-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
00
0)
加をつづけなが ら輸入は減少傾向をとる時期である。 しか して輸出が輸入
を超ゆるのは第 2期 においてもおこることはあるが,多 くのばあい第 3期
においておこり,この第 3期において雁行形態は一応の完了に達するので
ある。
」
9
5
6
.l
l,p
.
7
6
)
(
一橋論叢,1
つま り輸出が輸入を上回 り,財別出超に転ずる時期 を一つの雁行形態追上げ
の完了 (
卒業) とみるのである。
赤絵第⑥引用
「わが国産業はか くして ヨーロッパはやアメリカにおける工業の高度化
を追跡 しその高度水準 に接近 したのである。今後,わが国が新たな産業革
新 を外国か ら導入するのでな く,国内において始発 し,産業発展の始発的
動因を輸入か ら国内における独 自の産業革新に切替えうるか否かは重大な
問題 として残 されている。いずれに してもこの発展の道は ドイツやアメリ
カがかつてイギ リスを追跡 しつつた どったの と同 じ道である。
」(
『
金廃貨
--』p
.1
7
3
)
或る製品についての一つの雁行形態が完了 した後にどうするかについては,
その自国生産を縮小 し,今や より低廉 になった開発途上国か らの輸入に転ずる
とい う道がある。雁行形態の第 4段 階 として輸入が再び増大す ることになる
(
既載 赤松第③引用の(
3)
)
。か くてヴァ-ノンらの海外直接投資 (
FDI
)が
投資国と受資国双方の経済発展 を促進するメカニズム として登場 して くること
になる。
9
7
5
年 2月号p
.3の巻頭言 「海
ここに赤松博士の遺稿である,世界経済評論1
外投資の雁行形態論」が登場 して くる。
赤松第⑦引用
雁行形態 という名称は,詩的にす ぎて経済理論 としては難解 というべ き
か も知れない。 しか しこれは1
9
3
5
年に発表 した私の実証的研究で,発展途
M) に始発 されて生産 (
P)
上国にあった 日本の経済が先進国か らの輸入 (
をおこし,それがやがて輸出 (
Ⅹ) にまで発展 したこと,またそれが消費
財産業か ら資本財産業へ と上昇 していることを証明 したのである。
それか ら約3
0
年後にアメリカのハーバー ド大学の学者たちがプロダク ト
サイクル論 を発表 した。先進国の輸出 (
Ⅹ)が外 国生産 (
P.
) をよびお こ
-8
4-
雁行型経済発展論 ・再検討
M′
)す ることになるとい うのである。 これが多国
し,ついには逆輸入 (
籍企業の本国への逆輸出を意味するものである。この両論は後進国と先進
国 とか らみた同一の貿易パ ターンのうらはらの変化である。
ところが貿易か ら投資への変化で,アメリカは革新的な資本集約産業 を
外国に投資するが, 日本は初め労働集約産業 を後進国に投資 し,それが次
第に資本集約的産業に高度化 しつつあるようだ。プロダク トサイクルでは
投資はその革新産業で行われ,サイクル的系列はない。やがてそれがアメ
リカに逆輸入 される傾向にあ り,現在のアメリカ不況の一原因で もある。
日本か らの投資は,初め紡績業のような労働集約産業か ら機械類の資本
集約産業に,また租製品産業か ら精製品産業に上昇する傾向があ り,投資
の雁行形態が形成 されつつある。 しか し問題はアメリカと同様, 日本 も,
繊維品について,電気器具について,後進国か ら追い上げられる傾向があ
り, 日本の不況の重要 な原因となっている。これは結局,技術水準は後進
国で も日本 とあまりかわ らないが労働貸金が安いために日本に逆輸入 され
ることになっているようだ。その点ではアメリカも日本 も同 じ悩みをもっ
ている。
どうした らよいか。 日本産業が より一層の精製品に上昇 し,知識産業 と
いわれるような超重化学工業に発展 し,そこに日本の雇用を吸収するべ き
であろう。要するに,貿易で も投資で も今や輸入か らでな く,自身の創造
によって雁行的発展 を無限に進行せ しめることだ。
これは雁行型発展に成功 した産業のその後の対外活動に関する示唆多 き発言
であるが,精密化 しなければならない問題を沢山含んでいる。
Ⅱ 雁行形態論の第 1次展開
196
0年代 と1
97
0年代にかけて,赤松博士の直接 ・間接の弟子 どもによって,
赤松オリジナルの整備 と発展がはか られた。雁行形態の基本型 と変型 (
副次型)
に関するものを第 1次展開 として本節で検討する。雁行型発展の国際的伝播の
局面 を第 2次展開 として次節で取上げたい。雁行型産業発展の実証研究はかな
り進んだが,理論的モデル化は遅々としていた。
(
雁行型産業発展の実証研究)
赤松博士 自らは次の実証研究 を行われた。
-8
5-
第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
駿河台経済論集
(
1
) 羊毛工業について,モス リン,ラシャ ・セルデス,毛糸の各品種 について,
輸入一生産一輸出という雁行型が見出される。 と同時に時の遅れを伴って羊
毛工業品種の多様化が見出される。
(
2) 絹業について,綿布,綿糸 と,紡績機について同様な検証がなされる。機
械器具 まで含めたがそれは行 きす ぎであったか もしれない。
そこで(
3
)
機械器具工業について,紡績機械, 自転車,電気機械の三種 を取
上げ同様な実証分析 を果た した。
いずれ も特定産業 (
産業の範囲を規定するのはむつか しいが割に小 さいカテ
ゴリー)のい くつかの品種 について,雁行形態の基本型が見出されることが主
目標であった。 と同時に特定産業内の生産品種の多様化 という雁行形態の変型
(
ない し副次型)が見出された。つ まり 「
産業内多様化雁行形態」が検証 され
た。生産品種の高級化 というケースと,完成品か ら原材料 さらにその生産手段
たる機械の生産 というような生産プロセスの高度化のケースとが含 まれる。こ
の後者が産業の自己生産回帰 として赤松博士の弁証法による分析の対象になっ
たのである。
私 (
小島)は,雁行形態の基本型 を 「
生産の能率化」,変型 を 「
生産の多様
化 ・高度化」 と定義するようになった (
後述)
。 もっと大 きな産業 カテゴリー
(
例えば繊維産業,重化学工業,機械産業 といった)について国民経済全体の
産業構造の多様化 ・高度化が論究 されねばならない。 これに先の雁行形態の変
型の論理がそのまま適用で きるであろうか。残念なが ら実証研究は 「
産業内多
様化雁行形態」の発見に止 まっていた。
雁行形態の実証研究に没頭 されたのは松浦茂治博士である。その成果は次の
三著 にまとめ られている。松浦茂治 (
1
9
7
5,1
9
8
3,1
9
9
4)
。赤松博士の実証 は
明治開国か ら1
9
2
0年代央 までの 日本近代産業の創成期 についてのパイオニア的
分析 として意義があった。松浦博士は最近年 まで分析 を延長 している。分析対
象の産業 も広汎に及んでいる。消費財産業 として最 も早 く勃興 した繊維産業を,
絹,棉,毛,化繊,合繊 といった順序で,各々につ き糸 と織物の雁行基本型を
描 き出 している。次いで基礎生産財 としての鉄鋼業の発展,その銑鉄 と鋼材の
雁行型が跡づれ られる。 さらに,1
9
7
0年代か ら急速に成長 した機械産業のうち
電産機 (
コンピューターと集積回路Ⅰ
.
C.
) と自動車が取上げ られた。
日本についてだけでな く,先発のアメリカや欧州 と,他方後発の韓国,台湾
- 86-
雁行型経済発展論 ・再検討
について も雁行型発展 を検出 している。そ うして産業の c
a
t
c
h
i
ng
up p
r
o
c
e
s
s
だけでな く,成熟 し停滞ない し衰退過程に入った局面 をも究明 しようとしてい
る。実 にたんねんに統計資料の収集 を行 った雁行形態論 による業界発展史で
あって,松浦博士の貢献は輝か しいものがある。
私 (
小 島) による日本鉄鋼業の実証研究がある (
小 島清 1
9
6
3,1
9
72
)
。 日本
鉄鋼業が レール,形鋼,棒鋼,鋼板 といった基礎的製品か ら,鋼管,線材,ブ
リキなどに, さらに特殊鋼,帯鋼 といった高級品にと,産業内多様化雁行的発
展 を成功 させて きたことが描 き出される。 これに対応 して鉄鋼の輸出市場が近
隣諸国か ら次第に遠隔の開発途上国に,ついには北米,オース トラリアといっ
た先進国にまで拡延 していった (
輸出前線拡延) ことが検出されている。
私の博士論文 『日本貿易 と経済発展』 (
小島清 ,1
9
5
8
a) は全篇1
0章を通 じて
序
「
雁行形態的経済発展説」 (
p.
3)による 日本貿易発展の実証であった。
9
8
4,
わが弟子 山揮逸平の博士論文 『日本の経済発展 と国際分業』 (
山滞逸平 1
英文1
99
0) はいっそ うリファインされた雁行形態論そのものであると許 してよ
い。 ことに第 4章で繊維産業,第 5章で鉄鋼業の雁行形態的発展 を詳 しく分析
し,第1
0章で発展途上国 (タイ)における雁行形態的産業発展 を実証 し日本モ
デルの適用可能性 を検討 している。
雁行の基本型 において,生産/内需
(
S
/
D)比率
(
ただ し内需 -生産 +輸入
一輸出)が 1に達 した時は,輸出/輸入 (
Ⅹ/
M)比率 も 1になる。それが戎財
について輸入代替生産を経 て自給 に達 し,輸出入の均衡す るc
a
t
c
hi
ng
u
p完了
の重要な転換点である。それ以後は出超 に転ずることがで きる。山浮はこの生
塞/内需比率を有効に活用す る。そ してこの生産/内需比率の山型 カーブがアメ
リカ- 日本一NI
CS-AS
EANとい うように国際的に伝播す る とい う図 を示 し
ている (
山揮逸平 1
9
8
8,p.5
8)
0
赤松博士の一橋外での後継者に (
現明治大学教授)毛馬内勇士がある。赤桧
経済学 をめ ぐる多数の論稿 を発表 しているが 「
雁行形態の国際比較一韓国工業
毛馬内勇士
の雁行形態的発展-」 (
1
9
7
2
)が最 も充実 している。韓国の よう
な日本 より一段 と工業化の遅れた国において,戦前 (
植民地時代) と戦後 とで,
雁行形態が どのようにあ らわれて きたか, 日本の場合 とどう違って きたかを実
証的に究明 している.産業発展のc
a
t
c
h
i
ng
u
p pr
o
c
e
s
sとその完了後 とで,輸
入一生産一輸出の三曲線がいかなる位置関係にあるか,上 り下 りの傾向とその
-8
7-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
000)
変化率の相違 とによ り,非常 に多 くのケースが生ずる。諸ケースの比較か ら何
らかの法則 を見 出 したい としている。 また (
毛馬内
1
9
9
8.1)の ように,蘇
合弁証法による赤松経済政策論の全体系 を解明 しようと試みている5
'
。
雁行形態論 は赤松博士 による 2つの英語論文の発表 (
1
9
6
1
,1
9
6
2
) によって
r
no
n教授
世界的に評価 を受けるようになった。 さらにハ-ヴァ ド大学のR.Ve
によって Pr
oduc
tCyc
l
e論が捷 唱 (
1
9
6
6
) されるに及 んで両者の比較 ・異 同 ・
優劣の検討 といった世界の関心がいっそ う高 まった。
(
雁行形態論の理論モデル)
赤松要博士 は, 日本や新興工業化国の産業発展 を彼の独特の綜合弁証法の論
理によって解明 しようと努力 して きた。その一番 よい説明が次の引用であると
思われる。
赤松 第(
参引用
かかる産業発展の雁行形態 は一つの弁証法的過程である。輸入完成品の
増大 は, ここに国民の購買力が集中す るため, (
在来)固有産業の低下,
或は衰滅 をきたす矛盾 に逢着す る。 この矛盾 を止揚せん とする力 は,一つ
は固有産業 における資本が利潤高 さ輸入品の製造業 に自然的に流動 しきた
ること,並 にこの動向を国家の経済政策が促進す ることに存す る。か くし
て輸入完成品の増大は必ずや これを否定す る自己生産の興隆に転換せ ざる
をえないのである。 しか し自己生産の勃興 は生産方法が確立す ることな く
して起 りえざるものであって, ここに生産手段の輸入 を必然的に増加する
こととなるのである。生産手段 によって産業の独立化
すなわち消費経済
に対立す る生産経済の確立が行わるるのである。生産手段が設定 されない
限 り,生産は単 に消費経済に結 びついた家庭的 自己生産であるか,或 はこ
れに代 る舶来品の輸入かである。か くして完成品の輸入 を阻止するために
は生産手段 の輸入が必須的 とな り,これによって 自己生産が確立せ られる。
始発的動因 としての 自己生産はそれが本質的動向 をとる限 り,国家的保護
政策 をよび起 し,これに助長促進せ られ, この始発的動因 と促進的動因 と
の綜合 は輸入 を否定 して 自己生産を確立す る。産業の反省的段階であ り,
産業の 自立化である。
次にきたる ものは生産手段 の 自己生産であって,この段階において,戟
国の地盤 に適応せ る機械器具などの発明改良が行 われ,外来的生産手段 の
-8
8-
雁行型経済発展論 ・再検討
矛盾,不適合性が除去せ らるるにいたる (
例えば我国の風土,職工などに
適合す るため,如何 に機械の改良が行われたかを検せ よ !)
。 この段階に
おいて輸出産業 としての確立が完成せ られる。 これが 自己生産にかかる生
産要具によって自己生産が行わるる時代,産業の自己還帰の段階であ り,
我国産業の反省の反省であ り理性化である。 しか しただ原料品については,
か ような自己還帰は我 国の本土だけでは行われ難い。我国としては原料国
と工業国との基本的異質性 を前接 とせねばならず,産業の自己還帰 ととも
に,いよいよ多 くを外部 より摂取せねばならない。
9
3
7
.7,pp.1
9
8
-9
9; 『
経済新秩序の形成原理』
(
名高商 『
商業経済論叢』1
pp.3
0
0
-3
01
)
以上の引用⑧ は,赤松博士の綜合弁証法か ら見れば十分な理論化であると言
えよう。 しか しそれは近代経済学の観点か らする理論化,数学方程式 システム
によるフォーマライゼイシ ヨン或いはモデル化 とは程遠い。新古典学派の成長
t
he
o
r
yo
ff
a
c
t
o
rpr
o
po
r
t
i
o
n)
論 とヘクシヤー -オリー ンの要素既存比率論 (
を結びつけて雁行的産業発展の基本型 (
生産の能率化)と変型ない し副次型 (
生
産の多様化) とを解明 しようとしたのが,小島清 (
1
9
5
8
b)の論文 「
資本蓄積
と国際分業一赤松博士 `
産業発展の雁行形態'
の-展開-」である。その要約
はこうである。
先ず小島は,雁行的発展の基本形態 (
生産の能率化) も副次的形態 (
坐
産の多様化) ち,一国の資本蓄積の進展,いいかえれば資本対労働賦存比
率が高 まることを軸 として継起するとのモデルを提出 した.すなわち,〟
産業の生産方法の改善,生産能率の向上,コス トの低下は,資本蓄積が進
み資本対労働比率が高 まり, より資本集約的な生産方法に移ることによっ
て可能になる。他方,所与の労働 ・資本価格比率の下で,Ⅹ財 よ りもY財
は,Y財 よりもZ財はさらにいっそ う, より資本集約的な生産方法 をとる
としよう。そうであるならば資本蓄積が進み一国の資本 ・労働既存比率が
高 まっては じめて,Ⅹ財のほかによ り資本集約的なY財 も,さらにZ財 も
生産 しうるに至る。つ まり生産の多様化 も資本蓄積の関数 とみなしうる。
こうして資本蓄積が進 むにつれ,生産の能率化 と多様化 との二つが可能に
なる。 しか し両者の間にはかな りの選択の余地が残 されてお り,そこに興
味ある国際分業の動態問題が発生する。すなわち,資本蓄積が進み資本 ・
-8
9-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
労働賦存比率が高まるにつれ,第 1に,労働 ・資本相対価格 を低 く抑 えて
おけば, より資本集約的な財 も生産で きるように,生産の多様化 をはか り
うる。だが第 2に, よ り資本集約的な財の国際競争力 を高めるには,労
働 ・資本相対価格 を高め,生産の能率化 をはか らねばならない。第 3に,
労働 ・資本相対価格が高 まると, より労働集約的な財の生産費は相対的に
高 まり,比較劣位に陥る。 より有利な産業への転換か (
構造調整の必要)
海外直接投資進出かを求めざるをえな くなる。 これ らの選択 に直面 しつつ,
生産の多様化 と,多様化 した各生産の能率化,さらには比較優位弱化産業
の海外直接投資進出を くり返 してい くのが,一国産業発展の動態なのであ
る。
農業),Ⅹ (
軽工業),Y (
重化学工業)なる三産業の生
小 島はそ こで,N (
産関係 を仮説数字例で示 し, 日本経済が1900年頃以降,資本蓄積の進展につれ,
第 1段階一農業Nだけか ら先ず軽工業Ⅹをもつ ように多様化 しその生産性の向
上 (
能率化)をはか り輸出がで きるまでに育てた。第 2段階一次の構造変動に
より重化学工業Yをもてるようにいっそう多様化 ・高度化 し,その能率化 をは
o
n
o
mi
cJ
o
u
r
n
a
l(
1
9
6
0
)に発
か りつつあることを例示 した。かかるモデルをEc
表 したOこの資本蓄積 と産業発展パ ター ンというのが小島の重要な貢献の一つ
であ り6
)
,「
雁行形態論の赤松 ・小島モデル」が一歩一歩構築 されてい くことに
なった。
(
雁行基本型の概念図)
ヴァ-ノンのプロダク ト・サイクル (
PC) 論 との比較 も念頭 にお きなが ら,
繊維産業 とせ よ)の雁行基本型の概念図を措いてみた。
図 2として特定産業 (
特定商品についてまず輸入増加 というカーブ
(
M)が描かれ,輸入が相当な
量に達 し, したがって国内に需要が植えつけられその量が国内生産に踏み切っ
P)が開始 される。 もとより
て も引 き合 うという規模 に達す ると,国内生産 (
国内生産の初期段階では一方関税その他によって外国の競争 を阻止することと,
他方,補助金や政府需要の保証 といった幾多の保護育成措置が必要 とされる。
また外国の優れた技術の導入,外国の直接投資などが必要 とされる。だが外国
の優れた技術の習得が進み生産規模が拡大 されるにつれ,コス トは逓減 しやが
て世界価格 と同 じあるいはそれ以下で生産で きるようになる。そうなると輸入
が減 り,輸出 (
Ⅹ)が開始 されやがて急増す るように′
なる。 これがM (
輸入)
-9
0-
雁行塑経済発展論 ・再検討
図 2 雁行基本型
各 変数 の実質 量
t2
t)
3 t
*t
d
t
キ ャ ッチ ・アブ期
-p (
t
5
t
H
ポス ト ・キ ャッチ ・アブ期
(自力的発展期)
時間
衰退
期
あ り,輸入代替か
生産)-Ⅹ (
輸出)
とい う三つのカーブが次つ
ぎに生起す る雁行形態で
ら始
まり輸出にまで進出
してい
キャッチ
t
*
時 ング ・アブのプロセスなのである。
く後発工業国での先進国への
点に達すると輸出xが輸入
P+MMと一致 し,国内生産
Pと国内需要
D(
それは
ら出超 に転
じうることになる.
Ⅹ)と同一になる.それ までの入超か
キ
ここまでをキャッチ ・アブ期 と見て よい。オリジナル赤松雁行形態論 はこの
(
小島)はこれを
ャッチ ング ・アブ
・
プロセスを究明することに力点がおかれていたので,私
c
a
t
c
h
i
ng
-uppr
o
duc
tc
yc
l
eとして外国にも紹介
1
9
7
8
,
p.
61a
ndp.
65
)
。
Ko
j
i
ma
,
した (
輸出で
輸入が国内需要を開拓す
きるように能率
るという役割 をもつ とすることと,生産を拡大 し,
るとした ところに
化す るのを輸入技術 (
bo
r
r
o
we
dt
e
c
hno
l
o
gy)に依存す
企業による自生的,雁行型発展すなわち
(
ge
n
Ca
t
c
hi
ng
-UPP.
C.の特色がある。 自国
が急増す
リジ
ui
neo
re
nd
oge
ne
o
us
)技術革新によって,生産 と輸出
るとす るのが,Ve
r
no
nらの自生的プロダク ト・サ イクルである。オ
し ナル赤松雁行型発展論では,キャッチ ・アブを成功裡に完成 (
或いは卒業)
た。図
たポス
ト・
キャッチ
・アブ段階はいまだ十分な考察の範囲に入っていなかっ
2のt
*
時点
を見 る
と生産 と輸 出が急増す るVe
r
no
nの 自生 的 プ ロダク
キャッ
ト・サチ
イクルの新
生期し自力的発展に前進するためには自生的技術進歩
+成長期 に相 当す る ことが わか る。雁行型発展で も
・アブを卒業
第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
駿河台経済論集
欠である。 こうして雁行型発展はキャッチ ・アブ段階か ら自生的プロダク ト・
サイクルの段階へ進展 してい く。今や前者だけでな く両段階を含んだものを,
雁行形態論は考察の対象にしていると,私は拡大解釈 したい。
ポス ト・キャッチ ・アブ期の 自力的発展が進むにつれ,この方産業の比較優
FDI
)進出による海外生産p位が弱 まり輸出が困難に陥ると,海外直接投資 (
が行われ,製品 (
中間財 も含 まれるが,簡単のため最終財 としてお く)の一部
が逆輸入M′されることになる (
後に詳論す る)。t*
*
時点でⅩ-M′,P=Dとな
り,それ以降入超に転ずるのである。
さい きん (
1
9
8
0-1
9
9
0
両年代)の東アジア地域統合 は,先発国 (
日本)が図
2のポス ト・キ ャ ッチ ・アブ期 にあ り,後続 国 (
NI
Es
つ いでAS
EAN4)が
キャッチ ・アブ期にあるという状況で進展 している。そ して後続国のうちの一
部が,またい くつかの産業について部分的に,既にポス ト・キャッチ ・アブ段
階に入っている。そういう複雑な関係 において成長 (
発展)の国際的伝播が う
まく行われうるか どうかが,究明さるべ き課題 となっている。
(
生産の能率化 :雁行形態の基本型)
既述の生産の能率化 (
雁行形態基本型) と多様化 (
雁行形態変型)を解明す
るには,生産関数の技術革新 による構造変動 を検討 しなければならない。かな
り混み入った展開を必要 とす るので,その詳細 は別稿7
'
にゆず り,ここでは要
点のみ紹介 しておこう。
次の一般的生産関係 を措定する
Y(
t
)
=F[K(t),L(t),A(t)]
ここで,Y(
t
)はt
期の産出量 ,K(
t
)は資本投入量,L(
t
)は労働投入量,そ して
A(
t
)は技術知識水準 を示す もの とする。
資本 と労働の投入増加につれ産出量は増加する。資本,労働はそれぞれの限
界生産物 (
或いは限界生産力)は正, しか し限界生産物は逓減する。規模 に関
して収穫はコンスタン ト (
c
o
ns
t
a
ntr
e
t
ur
nst
os
c
a
l
e
)であるとする。生産関
数(
1
)
式のうちA (
t
) を無視 し,上の仮定を入れると,
L(
一人当 り産出量),k-K/
L(
資本労働投入比率或い
となる。ただ しy-Y/
は労働一人当 り資本装備率)である。縦軸 にy,横 軸 にkを とる図 を措 けば,
f(
k)なる産出曲線は増加率が逓減する右上 りの曲線になる。
-9
2-
雁行型経済発展論 ・再検討
t
)が高 まると,産 出 曲線
さて問題 は,何 らかの原因に基づ き技術水準 A (
f
(
k)
が上方へ拡大する (
s
hi
f
t upと言 う) ことを究明 したいのである。その一
つは,各企業が行 うR&D (
研究開発)に基づ く技術革新 (
i
nno
va
t
i
o
n)である。
これが技術水準A(
t
)を大 きくし,生産関数f
(
k)をシフ ト・アブさせる。
市場 (
需要)の拡大に応 じ,投資が増加 され, より大規模生産の方式 (
最小
最適規模MO
S
のより大 きいs
upe
r
i
o
rな生産方式)が開発,採用 される。労働者
は生産経験 を積むほどより能率的な技能を習得 し生産性 を高める。 これが学習
l
e
a
r
ni
ngbydo
i
ng)である。 これは技術知識 (
t
e
c
hno
l
o
gi
c
a
lkno
wl
e
dge
)
効果 (
huma
nc
a
pi
t
a
l
)の蓄積である。パテン トの増
A(
t
)の増加であ り,人的資本 (
加 もその一つP)証拠である.こうして生産関数f
(
k)
のシフ ト・アブが生ずる。
s
pi
l
l
-O
ve
re
f
f
e
c
t
)が生ずるO各企業の技術知識は公
もう一つ,普及効果 (
共財 (
publ
i
c go
od)であって,他の企業に普及 し,他の企業 はゼロコス トで
利用で きるもの とする。つ ま り-たん開発 されると技術知識はその産業の全企
業に普及する。そ うす ると技術知識の蓄積 と普及 (
A(
t
)の増加)に伴 って,
k)が高 まる。 これを 「
社会的規模経済の利益」の実現だ と
産業全体の生産性f(
解 してよい。 これは各企業 にとって内部経済ではな く,外部経済効果なのであ
る。
以上のごとき生産関数f(
k)のシフ トアブが生産の能率化 (
雁行形態の基本型)
に他ならない。学習効果 +普及効果が,私の強調する資本蓄積の進展 と平行 し
て促進 されることは言 うまで もない。資本蓄積
(
Kの増加)が進み,各企業の
投資を通 じてラーニ ング ・バイ ・ドウイングが生ずる。知識の創出は投資の副
産物である。物的資本の増加 を試みる企業は,より効率的に生産する方法を同
時に学習することになる。具体的には,企業の資本ス トックの増加 によって,
それに相応する知識のス トックA(
t
)の上昇が もた らされる。か くて学習効果
プラス普及効果は資本蓄積 (
人的資本 を含む)を促進 し,k-K/
L(
資本労働
比率)を高め,一人当 り産出高 (
生産性) を向上 させるのである。
こうして投資の長期的収穫逓減性 は超克され,収穫不変ない し収穫逓増が実
現 され うる。そ うして成長 (
発展)が継続 しうることになる。 これが内生的成
長の秘訣である。
(
サ ンクコス ト・モデル)
上述の生産関数 を基礎 に して,コス ト (
生産費)分析 を試み よう。「
最小最
-9
3-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0)
適規模 (
MOS一mi
ni
mum o
pt
i
ma
ls
c
a
l
e
-)付 きs
unkc
o
s
t(
埋没費用)モデル」
を用いる (
小島清 1
99
4,p.2
1
1f
f
.
)。
i
fx≦Ⅹ*
総費用TCC(
Ⅹ)-
------(
3)
----・
fx>Ⅹ*
(
/
Ⅹ:
*.
+
b)
Ⅹ i
;
a
'
,
:
x
(
ただ La
,b,Ⅹ*±c
o
ns
t
a
nt
)
a
/
Ⅹ+b
i
fx≦Ⅹ*
----・
----(
4)
平均費用AC-C(
Ⅹ)
/
Ⅹ(
a
/
Ⅹ*+b)Ⅹ i
fx>Ⅹ*
(
ここでⅩは生産量 ,aは生産量のいか んにかかわ らず一定額 を要す る創設 固定
f
i
xe
dc
o
s
t
)であ り埋没費用 (
s
unkc
o
s
t
) と呼ばれる。けだ し固定設備
費用 (
を-たん建設 した上 は,その回収 は困難で,埋没 したに等 しいか らである。b
は生産量 に比例 して繰返 し必要 となる産出物単位当 り可変費用 (
va
r
i
a
bl
ec
o
s
t
)
である。 またⅩ*は最小最適規模 (
MOS)生産量である。生産量ⅩがⅩ*に達す る
までは固定投資費用たるa
/
ⅩはⅩの増加 につれ逓減す る。Ⅹ*
量 で規模経済 は実
現 されつ くし,最小 の単位 コス トになる。Ⅹ*に達 した時 に,固定投 資費用 た
/
Ⅹ*-0とな り,従 ってⅩ*に達 し
るaはすべて減価償却 されているとすれば,a
/
Ⅹ*+b-0+bとなるのである。
た時の平均費用 はa
図 3を見 よう。 αとい う生産方式 と,それ よ りMOSの大 きいs
upe
r
i
o
r
な βと
図3
AC
雁行型経済発展論 ・再検討
いう生産方式による平均費用曲線 を措いているのであるが,先ず α, βの添字
を無視 して説明 しよう。A-S
-A′なる折れ線が平均費用 曲線である。S点 を
スケール ・ポイン トと呼ぶが,その点まで技術的規模経済が働 らき,平均費用
/
Ⅹ+bが逓減する。S点で減価償却済み とな り,a
/
Ⅹ*-0になる。その時の
のa
生産量Ⅹ*
が最小最適規模 (
MOS)であ り,コス トは最小 になる。 この最小費
-A′線 とい うコンス タン トな可変費用bの高 さとなる。それは限
用の水準 はS
MC) で もある。 したがってS
-A′線上で需要曲線が交わって価格が
界費用 (
決 まるならば,完全競争の条件 を満たすことになる。
さて,α一生産方式に くらべ β-生産方式は,最小最適生産規模 (
MOS)がⅩ
:
か らⅩ蒜
へ大 きくな り,かつ平均生産費がba
か らbo
へ低下す るのであるか ら,
より大 きな規模経済の得 られる卓越 (
s
upe
r
i
o
r
)生産方式である。各企業の α
一生産方式か らβ一生産方式への転換 (
生産の能率化)は,学習効果 +普及効果
によって,企業にとっては外部経済 として実現 されるわけである。企業の資本
/労働比率 (
或いは労働一人当 り資本装備率)の増加 を必要 とする。
S。,Sβなどというスケールポイン トを連ねるとその軌跡 (
或いはe
nve
l
q
pe
)
としてLAC (
長期平均費用)曲線が求 まる (
図示 していないが)。これは産業
(
或いは経済)全体 としては社会的規模経済が獲得 されて,長期的費用逓減が
実現 されることを示す。
(
分業の利益)
α
Aα
Sα
A ′線 なる α一方式の供給 曲線 にAβ
Sβ
Aβ
′なるβ一方式の供給曲線が交
わるe点が求め られる。e点は α一方式か らβ一方式へ移るのが有利 となる転換点
であ り,その時の生産量がⅩ■である。
図 3に需要曲線Dり Dpを追加 しよう。Da
線 は需要が少 くe
点の左側 を通る。
それはβ一方式供給曲線 とは点 1で, a一方式のそれとは点 2で交わるOすなわ
ち需要が少い時にはMOSの小 さい α一方式による方が低いコス トで供給で きる。
線になるな らば, β一方式の供給価格 は点 4で,α
これに対 し需要が増大 しDβ
一方式の点 3の供給価格 よりも低廉 になる。需要曲線が転換点eよりも右側に来
upe
r
i
o
rな生産方式の方が有利になるので
るほどに増大すると,MOSの大 きいs
ある。
いまDα
線は国内需要曲線 であ り,輸出が加 わる と (
た とえば相手国の貿易
自由化 に基づいて)Dβ
線 に拡大す る としよう。需給均衡 は点 4に決 まる。こ
-9
5-
厳河台経済論集
第 9巻第 2号 (
20
00)
れが輸出 (
国際分業)の開拓 ・拡大が生産方法の能率化構造変動 を惹起すると
いう一つの動態的利益である.
(
合意的国際分業)
さらに水平分業或いは合意的国際分業 (
a
gr
e
e
d s
pe
c
i
a
l
i
z
a
t
i
o
n)8'
の利益 も図
3で説明で きる。いま類似の 2国が,或 る財Ⅹを点 2で ともに生産 していた と
する。 このとき第 1国はこのⅩ財の生産を止めて全部第 2回の生産に任かせ る
とする。そ うすると第 2国は国内需要 と輸出需要の合計がDβ
線 に拡大 し,点
4での内外市場への供給が可能になる。両国 とも前 よ りも安い価格でより沢山
のⅩ財を入手で きることになる。 もう一つの財Yについて今度は第 2回がその
生産 をやめて第 1国に任かせれば,同様 な利益が得 られる。 これが私の言 う
「
合意的国際分業」である。
これは等発展段階にある類似の工業国の間でお互いに違った差別化製品 (
di
f
・
f
e
r
e
nt
i
a
t
e
d pr
o
duc
t
s
) を特化生産 し貿易するという水平分業ない し産業内貿
易 (
i
nt
r
a
-i
ndus
t
r
y t
r
a
de
) に他 ならない。それ らは若干の価格差など市場の
力によって (
ma
r
ke
t・
dr
i
ve
n)特化の方向が決 まる。だがその極端なケースと
して,われわれの仮説例のように,生産条件,需要条件,そ して価格 も全 く等
しい類似 2国, 2商品については,分業を行 うなん らかのきっかけ,つ まり話
し合いによる合意が必要か も知れない という意味で 「
合意的国際分業」 と称 し
r
ke
t dr
i
ve
nな分業 も内外企業間の契約つ まり合意
たのである。 しか し逆にma
によって決まると言ってよいであろう。
「
合意」 とか 「
話 し合い」 と言 うと大げさで反市場機構 と聞えるか もしれな
い。実はそうではない。む しろ企業が 日常的に行っている企業内分業の一面な
い しその延長に他 ならない。た とえば,AとBとい う 2車種 を第 1工場で も第
2工場で も, aとい うi
n
er
f
i
o
rな方式で生産 していた としよう。 この ときA車
種 は全部第 1工場で,B車種はすべて第 2工場で特化生産するようにすれば,
s
upe
r
i
o
rなβ一方式 を両工場で ともに採用す ることがで きるようになる。この
際第 1工場は日本,第 2工場 は中国 というように違った国に立地 させることも
で きる。
タイプの違 う部品ごとに最小最適規模 (
MOS) を達成するように,い くつ
かの国に分けて立地するの も同様である。 またOEM (
相手企業のブラン ド名
による受託生産)を相互に行 うことは合意分業に他ならない。多種多様の企業
-9
6-
雁行型経済発展論 ・再検討
M&A) その他の国際提携のね らい もこの点にある。
の合併 (
その他いろいろな方法 を用いて多国籍企業 (
MNC)が リー ジ ョナルに,或
いはグローバルに進出 し,ホス ト国で社会的規模経済を国際的 ・継起的に実現
させていった。それが地域統合の強力な担い手になった。 このことを次節で解
明 したい。
(
生産の多様化 :雁行形態の変型)
雁行形態の変型つ まり生産の多様化 ・高度化 も,図 3を借 りて次のように解
明で きる。Aa
Sa
A付
′
線をⅩ財 (
労働集約的な繊維産業 とせ よ)の供給曲線 ,Ap
′
線 をY財 (
資本集約的な重化学工業)の供給曲線であるとしよう。初期
Sβ
Aβ
には点 2でⅩ財の生産 (
と消費)だけが行われていた。資本 (
人的資本 も含む)
蓄積が進むと,点 4で資本集約的なY財の生産をも行 うことがで きるようにな
る。Ⅹ財のほかにY財 をも生産で きるようになること,これが生産の多様化で
ある。或いはⅩ財の生産割合 を減 らして よ りs
upe
r
i
o
rなY財の生産割合 を増加
す ることがで きる-
産業構造の高度化である。ただ しⅩ財 もY財 も,最小最
適規模 (
MOS)の能率的な方式で生産 されるようにしなければならない。
(
能率化 ・多様化構造変動モデル)
生産の能率化構造変動 を行 うにも,また生産の多様化構造変動 を行 うにも,
ともに資本 (
人的資本 を含 む)蓄積の進展,資本/労働比率の増加 を必要 とす
る。繰返 しになるが, したがって一国の経済発展は,農業生産中心の状態か ら,
先ず労働集約的な軽工業 を育成するという多様化構造変動 を行い,ついでその
能率化構造変動 をはか り輸出産業にまで成長 させる。多様化 と能率化 を一挙に
行 うことは資本不足か ら不可能である。広義の一産業につ き多様化 と能率化 と
を完成するには2
0
-3
0
年を必要 としよう。次の工業化第 2段階 として,より資
本集約的な重化学工業が発展の中軸になるよう,多様化 と能率化の構造変動を
行 う。そ して工業化第 3段 階 としてより資本 ・知識集約的な機械産業へ と高度
化すべ きである。 こういった順を追った,S
t
e
p by s
t
e
pの着実な段階的産業発
展が不可欠であ り,飛び級的躍進は困難に陥る。 このような資本蓄積のスピー
ドに制約 される構造変動,その資源配分の変化をモデル化することは興味ある
重要な課題9)である。その要点はこうである。
経済全体の t時点での資本/労働既存度 (
K/L)
tがⅩ財のMOSでの生産に投
入 される資本/労働係数k
x
-Kx
/
Lx
に等 しくなるな らば,全資源 (
生産要素)を
-9
7-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
20
00)
Ⅹ財だけの生産に投入する (
完全特化) ことが資源の最適活用 になる。Ⅹ財の
最低 コス トでの極大生産が得 られる。他財の生産がゼ ロであるか ら,Ⅹ財生産
が比較優位産業にな り,輸出される。
資本蓄積が進み,経済全体の K/Lが高 まるにつれ,kx
よ りもよ り資本集約
的な,より高級な財たるY財の生産 (
それはk,
-KY
/L,
,ただ しkx
<ky
を必要 と
K/L)
t
.
1
がk,
に等
する)に次第に資源 を配分することが可能になる。そ して (
しくなると,Ⅹ財の生産を止め,Y財の特化生産に移 ることが,資源の最善利
用になる。このようにして生産の多様化,産業構造の高度化が進行するのであ
る。かかる 「
能率化 ・多様化構造変動」モデルが雁行型発展の第一の基礎理論
となるのである。
能率化 と多様化の構造変動 を順 を追って進展 させるその第 1条件はこのよう
に資本蓄積のスピー ドであ り,経済全体の資本/労働既存度 (
K/L)の成長率
である。資本蓄積の源泉は貯蓄である。外国資本を導入で きれば重要な補完 と
なる。
第 2に,新産業 を起す には最小最適規模 (
MOS)生産 を吸収す る程の需要
が保証 されねばな らない。MOSの企業が一つでは独 占に陥る。故 に相当数の
そういう企業が起って競争する体制が必要である。雁行形態基本型では,輸入
が国内需要を十分に喚起することを期待 した。国民の代表的需要が大規模生産
を有利 として輸出産業にまで成長するとの リンダ- (
1
961,訳1
96
4) の説 もあ
る。代表的需要は国民の所得水準の向上につれ多様化 し高級化 してい く。それ
を素早 く満たす よう新生産を最小最適規模で起 してい くことが企業にとって有
利なことである。だが国内需要に局限されることな く,海外市場 をも開拓でき
るならば, より大 きな最小最適規模 (
MOS)生産に構造転換 しうる。 ここに
雁行型経済発展を海外 にまで延長することによって,いっそ う大 きな社会的規
模経済の利益を実現 しうるという,雁行形態の国際的伝播の局面に到達する。
第 3に,より手のこんだ高次の産業に高度化 し,さらにそれを能率化するた
めには物的資本の蓄積が不可欠だが,それだけでは十分でない。知識,技術の
ス トックの拡充が要る。教育の充実により,労働者,技術者,経営者の能力 を
高め,人的資本 をも蓄積 しなければならない。金融 ・流通機構の整備,運輸 ・
通信 ・電力など社会的インフラの充実 も必要である。 さらに法制度,議会制度,
市場機構,文化,モラルなどの近代化 も要る。畢展段階のステ ップ ・アップに
-9
8-
雁行型経済発展論 ・再検討
は これ ら社 会 ・経済全体 の改革 (
r
e
f
o
r
m) ない し構 造変動 が な され なけれ ば
な らないのである。
Ⅳ 雁行型発展論の第 2次展開
(
大乗博士 の雁行型発展論 デ ビュー)
日本経済 において成功 した雁行型産業発展が東 アジア経済 に次つ ぎに国際的
r
egi
o
na
li
nt
e
gr
a
t
i
o
n) を促進 し,後発諸国の急成長 を
伝播 を遂 げ,地域統合 (
もた らした とい う雁行形態論 の第二次展 開が見 られた。 これは故大来佐武郎博
Oki
t
a Sa
bur
o,1
9
85また1
9
86に収録)第 4回PECCソウル会議 において
士が (
会長 ア ドレスを行い,アジア太平洋地域 の ダイナ ミズムの源泉 として,赤松博
9
3
0年代 に創唱 したt
hef
l
yi
ngge
e
s
e(
FG)pa
t
t
e
r
no
fde
ve
l
o
pme
nt
を登場
士が 1
させ紹介 した ことによるl
o
)
。 これによ り雁行形態論 は広 くアジア太平洋諸 国に
おいて,いな世界的に有名 にな り,研究者のみな らず政治的 リー ダーの関心 を
呼ぶ ようになった。 ジャーナ リズムにおいて も,雁行型発展の国際的波及が,
雁行型発展」 なる言
その理論的裏づ け を問 うこ とな く頻繁 に と り上 げ られ,「
葉がいわばひ と り歩 きす る ようになった。 そ して,第 Ⅴ節 で述べ るように,高
い評価 とともに多 くの批判 を被 ることになったのである。
大来博士 は次の 2点 を強調 してい る。第 1に,雁行型発展 は特殊 なダイナ ミ
ズムである。 アジア ・太平洋では,米国が先ず先導国 とな り, 日本が繊維 な ど
非耐久消費財,家電 な ど耐 久消費財そ して資本財 といった順序で追い上 げ的発
Es
,ついでAS
EAN諸 国が 日本の跡 を追 っている
展 に成功 した。今や アジアNI
(
oki
t
a1
9
8
5
,
p.
21
)
。
第 2に,雁行塑発展の東 アジア地域へ の伝播 は,各国の成長 を促進 し,それ
がお互の輸入市場 を拡大す ることにな り,域 内貿易の拡大,地域全体の発展 を
加速す る とい う継起 的 ・累積 的な 「
発展 の好循環」 を生み出 した。資源既存度
や経済発展段 階差があるため, ダイナ ミックな国際分業が促進 され る。その う
え, 日本か らの資本 ・援助 ・技術提供, また低廉 な資本財 ・中間財の輸出によ
り,後続 国の新工業の継起 的勃興が促進 された。最初 の フォロワーたるアジア
NI
Esもやが て資本揖 供者 に まで成長 し,地域全体 の好循環 的発展 を加 速 した,
と言 うのである。
大来博士の指摘 を待つ まで もな く,われわれ赤桧学派 も次の 2点 を理論的に
-9
9-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
20
00)
究明 しなければならないとして努力 してきた。すなわち第 1に雁行型産業発展
が先導国か ら追跡国へいかに して伝播 してい くかのメカニズム,第 2にそれ ら
が もたらす地域統合の利益,これである。
(
追跡国の利益)
EU (
欧州同盟)の ように関税 同盟,単一市場,さらに通貨統合 といった深
い (
de
e
pe
r
)統合にまで進んだケース もあるが,ここでは輸入 を自由化 し外
国直接投資 (
FDI
) の投入 を歓迎す るといった開放経済化 と同 じ程度の浅い
(
s
ha
l
l
o
w)統合 を或る地域のい くつかの国が敢行す ることを前提 としよう。
また雁行型産業発展 は先導 国 (
l
e
ade
r
)
A か ら追跡 国 (
f
o
l
l
o
we
r
)B,C,D,
--・
へ と外国直接投資を媒体 として行われるもの としよう。
先導国A (日本) と追跡国B (
た とえば韓国) との間の初期比較生産費差 は
表 1のとお りであったとしよう。すなわち資本集約財 (
たとえば鉄鋼など中間
財)Yに くらべ労働集約財 (
繊維 など軽工業品)Ⅹの生産においては,労働豊
富にして低賃金のB国の方がA国に くらべ比較優位 をもつ。 しか しB国のⅩ財生
産はいまだ国際競争力が十分 に強 くはない。た とえば為替 レー トが 1円 -1
ウォンに決 まるとⅩ財は両国で同 じ価格 にな り,B国か ら必ず輸出で きるとは
言 えない。これに対 しY財 はA国で 1円,B国で 2ウ ォン即 ち 2円 とな り,A
国か らB国へ輸出で きることがはっきりしている。
さてここにおいて,B国のⅩ産業がA国企業の直接投資進出を誘引す るのに
成功 した としよう。 (
ここでA国で比較優位 を弱めた産業Ⅹか ら直接投資進出
することに注意 してお きたい。
)直接投資は資本のみな らず優れたよ り能率的
な生産技術,経営知識などを一括 して移植 し,B国Ⅹ財の生産費 を一挙 に,た
5ウォンに引下げる。そ うす ると今 まで輸入 していた
とえば表 2のように,0.
製品Ⅹを排除 して国内市場 に販売 し,一部は投資国Aへ逆輸出 し,一部は第三
国に輸出で きるようになるのである。直接投資導入 を起爆剤 としてB国Ⅹ産業
の改革 (
r
e
or
f
m)が敢行 され,産業 ・貿易の構造変動 を推進 し,輸 出主導成
表 1 初期比較生産費
表 2 直接投資後比較生産費
雁行型経済発展論 ・再検討
長e
x
p
o
r
トl
e
dg
r
o
wt
hに前進で きることになるのである。
外資導入企業によって実現 した生産改革,生産性向上はい くつかの波及 (
外
部)効果 をもた らす。外資導入産業での他 (
国内)企業の学習過程 を通 じて産
業全体の社会的規模経済を誘発する。原材料や部品など関連産業を喚起する。
産業全体 として成長が速いほど,投資増が多 く,生産性改善,社会的規模経済
が より多 く実現 される。生産改革 と成長の好循環が生ずるのである。
B国Ⅹ財の輸出がス ター トし伸長す ることはそれだけ輸入購買力が増加 した
ことであ り,これが外国の輸出を拡大 させ,それを挺子に外国での生産改革,
社会的規模経済の獲得,高成長の実現 という国際的好循環が生ずる。これが地
域統合の利益である。
B国の輸出拡大の代価 としての輸入が表 2の拡大比較生産費に沿ってA国の
Y財に向け られるとすると,それはB国の国内生産では 2ウォンを要 した もの
が, 1円 -1ウォン (
為替 レー トが 1円 -1ウォンならば) という半分のコス
トで入手で きることになる。 これは輸入品が より安 くより沢山に入手で きるよ
うになるという 「
貿易の利益」である。A国で もY財輸出拡大 につれ生産串革
が進むな らば (
後述),Y財の生産費はた とえば0.
5円に低下 し,B国の入手価
.
5ウォンといっそ う低廉 になるであろう。 この輸入財がB国Ⅹ財生産の直
格は0
接投入物であるならばその生産費をさらに引下げるというもう 1つの波及効果
が生ずる。
しか しなが らB国は往 々にして,Ⅹ財の輸出拡大以上に他材の輸入を増大 し,
貿易収支赤字に陥 り勝ちである。輸出産業Ⅹの設立 ・道営のための資本財や原
材料の輸入がかさむこともあるが,高度成長に伴 う消費財輸入が過大になるた
めであることが多い。注意 を要する点である。
(
順貿易志向的海外直接投資)
他方,先導国A (日本)では,高度成長に伴い労働力不足 に陥 り賃金率が高
騰する。 このため労働集約財Xは比較優位 を弱め比較劣位化する。そこで表 2
のように,低賃金のB国へⅩ財生産を移す ことになる。 ここで比較劣位化す る
産業か ら (
比較優位化 した新産業か らではな く)海外直接投資進出することが
重要である。 これは投資国,受資国双方の貿易を補完的に拡大する。順貿易志
p
r
o
t
r
a
d
eo
r
i
e
n
t
e
do
rPROT)直接投資11'
と呼ぶ。 これ と逆に,比較
向的 (
優位産業か ら海外直接投資進出をすると,投資国,受資国双方の生産 ・輸出は
-1
01-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
競争的にな り,両国間の貿易は縮小する。逆貿易志向的直接投資 (
ANT-FDI
)
である。上の順貿易志向的海外投資 という小島理論が雁行型発展論の第 2の基
本理論 となるのである。
さて受資国BでⅩ財生産の改革が成功すると進出企業は黒字収益 をかせ ぐこ
とがで きる。現地市場への販売 と第三国への輸出とな らんで投資母国Aへの逆
輸入1
2
'
が行われることになる。海外直接投資が過大 に行われると投資国当該産
業の空洞化 (
ho
l
l
o
wi
ng
o
ut
)が生ずると懸念 される。 しか し低廉 になったB国
Ⅹ財 を輸入で きることは,現地の生産改革効果 と貿易 (
輸入)利益の両者 を投
資母国は享受 しうることを意味する。 ことに対象Ⅹ財が投資母国Aの必要 とす
る部品,中間財であるならば,A国のコス ト節約 に貢献するところは大 きい1
3
)
0
そういう多国籍企業戦略が発動 されているのである.
B国が開放経済に移 り,輸入を自由化 し,直接投資 を導入す るようになると,
新企業設立のための資本財,原材料その他中間財,な らびに所得水準アップに
伴 う輸入需要の増加が生ずる。それ らがA国のY財への需要増加 になるとしよ
う。A国ではこの輸出拡大 を契機 に して,Y財生産の能率化改革を行い,それ
がY産業全体の社会的規模経済を実現 させ るという既述の好循環 メカニズムを
生み出すのである。そ してそれがB国の輸入利益 を大 きくすることになる。
つ まり相互の輸入市場開放 と順貿易志向的直接投資進出に伴って,相互の補
完的輸出拡大が誘引され,それが生産改革1
4
'
の国際的伝播 を生み出す という継
e
xpo
r
t
l
e
d
起 的 ・累積 的好 循 環 が もた ら され る。各 国 の 輸 出主 導 成 長 (
gr
o
wt
h)である。それは多国籍企業の海外直接投資戦略 によって推進 されて
きたか ら,海外直接投資主導成長 (
FDLl
e
d gr
o
wt
h) と名づけて もよい。こ
れが地域統合のね らう国際的好循環発展に他ならない。それが成功するか否か
が,順貿易志向的直接投資15'
でなければならぬ とい う点で,発展段 階論に基礎
をお く雁行型産業発展論 と深 く結び付いているのである。
(
直接投資前線の拡延)
東アジア経済 (
NI
Es
,ASEAN,中国)は, 日米か らのみならずお互の直接
投資の急増 と工業製品相互貿易の拡大 によって,「
直接投資主導型成長」に成
アジア太平洋経済協力会議)の貿易投資 自由化計画によっ
功 してきた。APEC(
ていっそう発展が促進 されるとの明るい見通 しにある。 この地域への 日本の海
外直接投資の長期的 (
1
9
7
2
-9
2
年)動態を調査 してみた (
小島 清著 『
開放経
-1
0
2-
雁行型経済発展論 ・再検討
1996) 第 7章)
。天気図の温暖前線に似た 「
直接投資前線の拡延」 と
済体系』 (
いう規則的進展が見出された。
日本の直接投資は先ず近隣の工業化先発組たる韓国や台湾へ ,L工業 (
労働
集約的な繊維,雑貨),Ⅰ
工業 (
資本集約的な鉄鋼,化学 など中間財),K一
工業
(
資本技術集約的な電気, 自動車など機械類) という順序で進出 した。直接投
資の 「
産業別高度化」である。 日本 自体の産業構造高度化の成果であるが,ホ
ス ト国での賃金水準,生産技術能力 (
吸収能力),購買噂好 などの向上 に照応
することによって成功 した。
日本のL
一
工業直接投資は,韓 ・台で成功 し成熟すると,1
0年位遅れて,後発
一
組のマ レーシア, タイなどへ, さらに最後発組の中国へ と 「
広域化」 した。Ⅰ
工業投資は,ホス ト国の大小や資本既存状況に左右 されるので余 り規則的でな
い。K工業投資はし工業 と同様に, より賃金の低い新工業化国を求めて,次 ぎ
つ ぎに広域化が推進 された。
か くて,ホス ト諸国を横 に,L,Ⅰ
,Kという産業 を縦 にな らべたマ トリック
スにおいて,直接投資前線 は,各ホス ト国での産業別高度化 によって垂直に拡
延するし,他方各工業 ごとの広域化によって水平に拡延する。 このような二方
向への直接投資前線の拡延が,かな りきれいに,描 き出されたのである。
日本の直接投資前線の拡延が完結に近づ きつつあることは,東アジア 9カ国
が 日本経済を雁行形態的に追いあげ, 日本 と東アジア,また東アジア諸国同士
が,遅速の差はあるものの,お互によく似た工業構造パ ター ンを持ち,競合的
関係に陥 り易いことを意味する。
こうして,一方産業別に,他方地域的に (
相手ホス ト国別に)順次多様化 さ
れ高度化 された日本FDI
の前線の拡延が起った。その分析は小島 (
1
996)の 「
わ
が国海外直接投資の動態」が最 も詳 しい。何人かの方が私の 「
直接投資前線の
拡延」 をわか り易 く説明す る概念図を描いて くれている (
たとえば青木健 ・馬
1
977,p.35)。大野健一 ・桜井宏二郎 (
1
997,p.1
9) など)
。
田啓一編著 (
(
NI
Esの投資国化)
東アジア経済へのFDI
のいっそうの複雑化が生 じて きた。米国多国籍企業は
大部分, 日本 と同 じような順貿易志向的進出を果 した。これ ら先進国に加 うる
に,1
9
80年代 か らNI
Es (
韓 国,台湾,香港,シンガポール)が,次いで 1,
2のAS
EAN諸国 (
マ レー シア, タイ)が投資国の地位 に加 わ り, 日,栄を上
-1
0
3-
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
20
00)
回る程の投資急増を果た している。つ まり,東アジアへの投資国が重層化 して
きた。ただ し,NI
Es
の投資 シェア増加 をもって,渡辺利夫教授 (
1
9
9
7
)の よ
,
うに 「
東アジア経済の投資 ・貿易の 自己循環 メカニズム」が始動 しは じめた
Es
の経済発展 の進行 に伴 う当然の
とまで誇張す る必要はあるまい。む しろNI
結果である。つ ま・
り「
対束 アジア投資の重層化」 と見た方が よいであろう。
NI
Es
のFDI
は,小 島の順貿易志 向的直接投資が予見す るように, 日本 よ り 1
期ない し 2期遅れて労働集約的軽工業か ら主に中国向けに始め られているので
ある。
(
直接投資 ・貿易の連環的拡大)
繰返 しになるが, 日本を含む東アジア経済は,直接投資主導経済成長 (
FDI
-
1
e
dgr
o
wt
h)或いはMNC-a
s
s
i
s
t
e
dr
e
s
t
r
uc
t
ur
i
ngによって, ミラクルとも見え
る急成長に成功 した。その成功の秘訣はどこにあるのであろうか。先発国 日本
の直接投資が投資国 ・受資国双方に利益の多い貿易を創造ない し拡大 したか ら
である。ただ し直接投資が補完的貿易を拡大するためには直接投資が比較優位
パ ター ンに沿って,投資国で比較劣位化 した産業か ら進出 し,受資国でそり産
業の比較優位を強めるように行われねばならない。つ まり小島の言 う 「
順貿易
志向的 (
pr
o
-t
r
a
de o
r
i
e
nt
e
d)FDI
」でなければならない。 これが成功するた
めのポイン トである。
先ず 日本が比較優位 を弱めて きた労働集約財 (
た とえば繊維産業)をNI
Es
に直接投資進出させたとしよう。それが図 4パネルAの I
J
l
である。 これにつれ
ホス ト国でのたち上 りに必要な資本財 ・原材料などの中間財 (
図 4パ ネルBの
e
J
り が 日本か らNI
Es
へ輸出される。第 1の貿易創出である 6
'
。
1
FDI
) というのは,単に資本だけでな く,優 れた生産技術,
海外直接投資 (
経営スキルなどの経営資源のパ ッケージ移植である。技術移転は当然含 まれて
いる。 これによって,先の資本財 ・原料の入手 とあわせて,ホス ト国において
能率の高い,比較優位をもった生産が開始 される。 このように,ホス ト国で生
産性が高め られ,比較優位 をもった産業が創造 される或いは従来の生産にとっ
て代 り拡大 されることが,不可欠なポイン トである。
進出企業の産出物は現地販売,投資国 日本への輸出
(
E
N
l
)
,第三国 とくに米
国へ の輸出 (
E㌔
)にふ り向け られ る。 (
この他 にASEAN4,EU,ROWへ の
輸出 もあるが図では省いた)
。 ここに第 2の貿易創出が生ずる。 この うち対 日
-1
0
4-
雁行型経済発展論 ・再検討
輸出は, 日本か ら見れば域外調達
(
o
f
f
s
h
o
r
es
o
u
r
c
i
n
g
)である。 日本の国内で
生産するよりも安 く入手で きるようになるわけである。 このE
N
l
が完成消費財
であるならば,われわれの厚生 を高めることは自明であろう。地下資源の開発
l
の一部が他産業の中間財であるな らば,
輸入の場合 はすべてそ うであるが,EN
その生産費を低廉 にするのに役立つわけである。
製品の販路のめん どうをよく見るところに多国籍企業 (
MNC)の もう一つ
の貢献がある。多国籍企業はグローバルなネッ トワークを通 じ製品の販売に努
力する。ホス ト国の輸出入は大部分多国籍企業の企業内貿易になるのである。
また 日本では総合商社が直接投資活動に参加することによって,販路の開拓 ・
確保がはか られてきた。
直接投資進出企業は,進出先の同種企業や関連企業の競争 をか り立て,その
技術改善,近代化に刺激を与える。 このスピル ・オーバー (
波及)効果によっ
て,ホス ト国の成長は促進 され,所得水準は上昇する。所得水準上昇の結果,
輸入需要が高 まる。その一部分は,投資国日本か らの一般的諸商品の輸入を増
やすことになる (
図示 してないが)。これが第 3の貿易拡大である。
日本では,F
DI
の出 しす ぎが 日本経済の空洞化
(
h
o
l
l
o
wi
n
g
)をもた らすの
DI
である限 りその心配はない と
でないか と懸念 された。 しか し順貿易志向型F
言えよう。た しかにF
DI
進出をする比較劣位化産業では輸出が現地生産にとっ
て代 られて減少するとともに,海外生産品の逆輸入が生ずるか ら,国内生産 と
Ⅰ
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
20
00)
雇用が圧迫 されることになろう。 しか し産業内水平分業の余地はある。 また日
本経済全体 としてみれば,比較優位の強い資本財 ・原材料部門か らの輸出が増
加する。 さらにホス ト国の所得水準上昇に基づ く一般的輸出もふえるか らであ
る。
発展途上国は経済 開発 を進めるに当って二重 ギ ャップとい う困難 に遭遇す
る1
7
)
。 1つは,貯蓄不足 に基づ く開発投資資金の不足 である。貯蓄
(
S
)を上
回る投資 (
Ⅰ
)を為 さざるをえない。 もう 1つ は,貯蓄不足 に見合 って,対外
Ⅹ) を上回る輸入 (
M) という貿易収支の赤字が発生する。 これ
的には輸出 (
を埋めるには外貨が要る。国際収支の壁 と言われる。
外国か らの直接投資導入は,上の二重ギャップを埋めることになる。既述の
ヽヽ
ように直接投資は必要な投資資金を外貨で持込んで くれるわけである。ホス ト
国での生産開始の初期では,資本財 ・原材料の輸入のため入超に陥るが,生産
が進展 し5年位経過すると製品輸出が増 して くるので,当該進出企業 としては
出超 に転 ず るはずであ る。 この こ とを確 実 にす るため輸 出加土 区 .
(
e
xpo
r
t
pr
o
c
e
s
s
i
ng z
o
n
e
)では高い輸出義務が課 されていた (タイなどの近年の大幅
入超継続は,直接投資導入に基因するのでな く,過大 な経済発展計画の結果,
インフレと一般的輸入増加 を招来 したか らであろう。通貨バーツの過大評価 と
賃金上昇のた め輸出が激減 したこともひびいている)
。 とまれ,直接投資導入
(
つ まり外資依存)は,開発資金不足 と国際収支赤字の二重ギャップを回避 し
て,経済発展 を推進 しうる最適の経済発展方式だと言えるのである。
直接投資が投資国 ・受資国双方に利益 をもたらす補完的な貿易を創出 ・拡大
・することが直接投資主導型成長の最大のメリッ トである。 この創出 ・拡大 され
る貿易の多 くが,完成消費財貿易ではな く,む しろ資本財 ・原料など中間財貿
Es
への直
易であることに注 目されたい。図 4のパネルBにおいて, 日本か らNI
接投資につれ,e
J
l
なる輸出が生 じたが,これは進出工場のたち上 りに必要な資
本財 ・原料 とい う中間財であった。NI
Es
で直接投資の成果 として生産 された
製品が 日本へ輸出される (
EN
l
)O これは日本 と棲み分け分業 した差別化製品 (
完
成消費財)をも含むが,大部分は加工原材料,部品といった中間財か ら成って
いよう。米国は じめ第三国への輸出E㌔もそ うであろ う (
はっ きり中間財輸出
である場合に小文字の eで,そ うと断定できない場合 に大文字の Eであ らわ し
た)0
-1
0
6-
雁行型経済発展論 ・再検討
自国内で生産で きないか,自己生産 よりも相当に安 く入手で きるので外国産
中間財 を輸入することになる。中間財が安 く入手で きると,それを使用 して生
産する完成財のコス トが下が り輸出競争力が増強されることになる。 したがっ
て中間財輸入への関税その他障害を撤廃 し自由化することは大 きな利益を生む。
貿易 自由化の動 き■
は中間財輸入 を優先的な対象 とす ることによって,ス ピー
ド・アップされるであろう。 また,中間財貿易が拡大することは,関係諸国の
生産プロセスがお互に連結 され,安易に遮断で きない関係 に統合 されることを
意味する。東アジア経済の実質的な統合は直接投資 ・中間財貿易の連環的拡大
によって,深化 されつつあるのである。
(
投資国NI
Es
の登場)
Es
が成長 して直接投資供給国として登場 して きたことについては既
さてNI
に指摘 した。図 4では,「
ASEAN4」 とい う枠 を加 えるべ きであるが,混雑
Es
か らI
N
l
なる直接投資が中国に向けてなされた
す るので省略 したOここでNI
とす る.その結果,NI
Es
か らe
N
l
なる資本財 ・原料 中間財の対 中輸 出が創 出さ
J
2
なる中間財 (
ただ し台湾のe
N
l
とは異 奉っ
れる。 日本 もⅠ
,
2
なる村中直接投資,e
た財)の村中輸出が拡大 される。これ ら村中直接投資が成功すると,中国製品
が,NI
EsにEc
l
, 日本にEc
2
,米国その他第三国にEC
3とい うように輸出されるこ
とになるのである。
日本 としては,この産業 (
労働集約的な繊維産業)の対NI
Es
直接投資が既
に十分 に行 われ,NI
Es
の賃金上昇 な どによ りそれ以上の投 資 は引合 わ な く
なった。そこで賃金率が大幅に低い中国,開放経済に転 じた (
1
9
7
9年)中国に
の地域的多様化である)
1
8
)
0
直接投資先 を移 したのである (日本のFDI
NI
Es (
た とえば台湾)の村中直接投資進 出の動機 も日本 と同 じである。す
なわち,台湾の貸金上昇が著 しいので労働集約財産業は比較劣位化 し,賃金率
のより低い中国へ直接投資進出するようになった。小島の言 う 「
順貿易志向的
FDI
」である。 この結果,中国では, 日本か らの とNI
Es
か らの とで,重層的
直接投資受け入れ構造になったのである。
台湾の対中直接投資が可能になったのは,台湾が 日本か らの直接投資を受入
れ,優れた生産技術や経営方式を習得 したか らに他ならない。 日本が リーダー,
f
ol
l
ower
)であった ものが,今度は台湾が リー ダー とな り
台湾がフォロワー (
フォロワーたる中国へ新産業を移植 して行 くと言 う,直接投資 ・貿易拡大の重
-1
0
7-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
層的連環関係が実現 した。これが東アジア地域の急速 な成長の担い手の一つに
なったのである。
NI
Esのごとき後発工業化国が直接投資供給者 として登場 したことは特別の
メリットを生み出す。たとえば台湾の中国への投資では, 日本が投資者である
場合に くらべ,所得水準差が少な く, したがって需要の噂好が共通である。そ
れ故 日本 よりも中国により適 した生産物,生産技術,経営方式を台湾は中国へ
移植することがで きる。その上緊密な人脈 をもっている。 こうして, 日本 と台
湾 との対中国投資は差別化商品についての棲み分け現地生産を実現することに
なる。これは中国の消費者にとって選択の範囲を多様化するものであって,そ
の厚生を高めるのに役立つのである。
初期の欧州共同体 (
EC) 6カ国の ように,経済発展段階や所得水準が よ く
似た国々の間でなければ,経済統合 は成功 しない との考 え方が一時支配的で
あった。これに対 し東 アジア経済は多様性 に富んでいる。発展段 階の階層性
(
hi
e
r
a
r
c
hy)があるか ら,東 アジアの直接投資 ・貿易の重層的連環効果 はか
えって大 きいのか も知れない。検討に値する興味ある問題である。
(
東アジアの城内分業)
雁行型産業発展が,労働集約財か ら資本集約財,さらに資本知識集約財へ,
経済発展段階の高いNI
Es
か らより低いASEAN諸国, さらに中国,ベ トナムな
どへ と,東アジア地域 に国際的伝播 をひき起 した。 日本か ら見ると,直接投資
前線の拡延である。後発国か ら見ると,かれ らの直接投資 ・輸出主導型の成長
である。相当に長い期間を必要 とするが,これが成功するとして,果た して東
アジアの城内分業 ・貿易構造はどんな姿にな り,繁栄するでろうか。それを促
進するための地域統合 (
r
e
gi
o
na
li
nt
e
gr
a
t
i
o
n) も課題に上って くる。
2)
類似商品間水平分業 (
貿易)の
ここで(
1
)
発頃段階格差垂直分業 (
貿易) と(
2種に分けて考察 してみたい。
先ず発展段階格差は一人当た り所得水準のベ ンチマーク別 (
たとえば 2万 ド
ル以上 , 1万 ドル以上,2
0
0
0ドル以上 ,2
0
0
0ドル以下 といった)階差にょって
代表 させ得 よう。発展段階格差が存在する二国間では,これまでに説明 したよ
うな大 きなカテゴリーの商品群-
労働集約的軽工業,資本集約的重化学工業,
資本知識集約的機械工業 といった-
の間の生産分業が比較優位原理に従って
喚起 される。 これは完成消費財 と中間財 ・資本財の交換 という垂直 (
ve
r
t
i
c
a
l
)
-1
0
8-
雁行型経済発展論 ・再検討
貿易である場合が多い。かかる発展段階格差垂直貿易が,発展段階格差の変化
に伴い,各国の多様化 と能率化の構造変動 をひき起 しつつ,創造 され拡大 して
い く。そ して各国に直接投資 ・貿易拡大の相乗利益 をもた らしつつその成長を
加速 させる。既述のとお りのメカニズムである。
これに対 し,ほぼ等 しい発展段階に達 した二国の間では,その発展段階に適
した一つの大分類類似商品群の中で,お互に得意 とする細別商品について (
或
いは差別化商品について)水平分業或いは私の言 う 「
合意的分業」 を進んで行
うことが有利である。 自国で代表的大量需要のある商品の生産に特化するとか,
相手国で隙間 (
ni
c
he
)需要のある商品を供給す るとかするのである。いわゆ
i
nt
r
a
i
ndu
s
t
r
y)貿易が盛んになる。それには工程 間分業 もあ り,
る産業内 (
租製品対高級品の分業 も含 まれる。分業 に当ってMOS (
最小最適規模)生産
を実現することが重要である。
かかる類似商品群の中での水平分業 (
貿易)は,等発展段階国間に限 られる
わけではない。われわれが既 に用いてきた例であるが,先発国 (日本)で比較
劣位化 して きたⅩ財は,直接投資を媒体 として後続国の比較優位財 になるので
あるが,この類似商品群Ⅹのヴラエティにつ き,水平分業或いは合意分業が推
進 されてよいのである。 こう考えるとアジア地域での域内貿易拡大の余地は決
して小 さくない1
9
'
。多 くの国が同 じ隙間商品に注 目す ることか ら生ず る過剰供
給は避けられねばならない。
このようにダイナ ミックに変遷 ・拡大 してい く東アジアの域内分業 (
貿易)
は,結局,市場の諸力に従 う (
ma
r
ke
td
r
i
ve
n)多国籍企業の意志決定,その
行動によって展開されているというの他はない。各国政府 とか東アジアの超国
衣 (
それは存在 しない) とかの計画によって左右 されるといった性格の もので
はない。
日本はフル ・セ ッ トの工業化,つ まり工業に関する限 りアウタルキーを目標
としてきたとよく言われる。 これは正 しくない。大分類産業のすべてを持 とう
としたことは事実である。だが各大分類産業の中の細別商品については水平貿
易や海外生産を推進 して きた。その他に食糧その他農産物∴天然資源,進んだ
技術等の輸入 (
開放経済化) な くしては,今 日の高能率の国民経済は達成 され
なかったのである。
東アジア諸国 も日本 と同様に考えるのが良いであろう。すなわちフルセ ット
-1
0
9-
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
2
0
0
0)
の工業 自給化 をめざすべ きではない。軽工業,重化学工業,機械工業 といった
大分類産業カテゴリーの一つ一つにつ き,その国が比較優位をもてる,親模経
済の大 きい,キイ産業をい くつか起 し,国内経済発展の基礎 とするとともに,
その輸出市場 を開拓すべ きである。規模経済の小 さい細い商品,部品について
は水平分業 (
貿易) を推進すべ きであるzo
)
。その方が国民経済全体の能率 (
e
f
-
f
i
c
i
e
nc
y)を大いに高めることになるか らであるo外界か らの (
景気変動 とか
紛争などの)衝撃を回避するためにフルセ ッ ト工業 自給化 をね らってはならな
い。それは不可能なことである21
)
。 目標は各国民経済の能率 を高め所得水準の
向上を達成することにあるか らである。束アジア諸国は先ず 日本の水準 まで一
人当 り国民所得を高めることを目標 とすべ きである。そのために上述のような
域内貿易 ・投資拡大 という地域統合 をいっそう促進すべ きである。
ここで渡辺利夫教授 (
1
997)が 「
東アジア経済の自己循環メカニズムの胎動」
を指摘 されたことが注 目される。東アジア (
NI
Es
,ASEAN,中国)経済は,
1
96
0年代 ,1
97
0年代では域内貿易比率が案外低かった。 これが最近,輸出財の
需要先 と投資資金の供給先 とを域内に求めることが増加 し,東アジアの自弓循
環 メカニズムが確立 しつつある, と言 うのである。 この動向は中川信義教授
(
1
997) によって も注 目されている。
これに対 し 「アジア太平洋 トライアングル貿易論」がある (
たとえば青木健,
1
9
83)。 日本が資金 と資本財 とを供給 し,東 アジアに生産基地を設け,そ こで
東アジア諸国が製品に加工 し,米国に輸出 した。米国が大 きな市場 を開放 して
くれなかったならば,この トライアングル貿易による末アジアの経済発展は不
可能であったというのである。 ここには, 日本がアジア製品への市場開放 (
輸
入増大)を十分に行っていないという問題が潜む。
/
しか しなが ら, 日本はいうまで もな く,米国や西欧 を疎外 した東アジア経済
の自己循環はとうてい不可能である。それ らはアジア製品の吸収者 (
購買者)
として,また資本 と技術の供給者 として不可欠である。それ故,APEC (
アジ
ア太平洋経済協力) といった地域経済統合は閉ざされたブロックになるのでな
開かれた地域主義 o
pe
nr
e
gi
o
na
l
i
s
m」 を採 ることが勧め られているので
く,「
ある (
たとえば小島清 ,1999. 4を見 よ)
。
(
要約)
小島の 「
順貿易志向的海外直接投資原理」に従って,先導国は比較優位 を弱
-1
1
0-
雁行型経済発展論 ・再検討
Ⅹ) か ら後続国へ直接投資進出をし,そこでの生産性 を改善 し
めて きた産業 (
(
能率化構造変動 を成功 させ)比較優位 を強め,輸出主導成長を実現 させる。
先導国では一段高級なY産業か ら後続国の必要 とす る原材料や資本財の輸出を
拡大 しそれを契機に規模拡大による能率向上を達成する。すなわち順貿易志向
的直接投資を媒体と して先導国 も後続国 もお互いに生産改革 (
r
e
f
o
r
m) を促
進 しうる。これが発展段階差 を活用 した雁行型産業発展の国際的伝播の利益で
ある。発展段階差のない類似国の間,或いはキャッチ ・ア ップに成功 して両国
で ともに生産 しうるようになった類似商品 (
大範噂)についてはその細別 ・差
別化商品について,お互に規模経済利益が実現で きるよう産業内水平分業を実
現することがで きる。
Ⅴ 雁行型発展論の評価
大来博士によって 「
雁行型産業発展の国際的伝播」が東アジアさらに米欧の
学会 ・政府 ・ビジネスに広 く紹介されて以来1
9
9
7
年 7月のタイに始 まる通貨 ・
金融危機に至るまで,雁行形態論は広 く検討 され高い評価 を獲得 した。そうい
う文献 を先ず紹介 しておこう。従属理論に立脚する批判 も出てきた。だが東ア
ジア通貨 ・金融危機に遭遇 して,雁行形態論の見直 し論に一転 したOこのこと
にも少 し触れてお きたい。
(
公的文献の評価)
雁行型経済発展の国際的伝播が公式に引用 され検討 されるようになった。 日
1
9
9
4
)年版』p.1
2
0
,p.1
2
5
本では,経済企画庁編 『
世界経済自書 平成 6 (
が次の ように指摘 している。 (
この他 日本では 『
通産自書』が しば しば雁行形
態論を活用 している。
)
「
7
0
年代以降高成長 を遂げた東アジア成長経済では,その貿易規模 も拡
大 してお り,世界輸 出に占め る東 ア ジア成長経済 の輸 出額 は,7
0
年の
4
.
3
%か ら9
2
年には1
4.
1
%に増大 した。 (
中略)
。東アジア成長経済におい
ては,労働集約 的 な分 野 を中心 として,後発途上 国が先発途上 国へ の
キャッチアップを進める一方で,先発途上国はその産業構造 を変化 させる
とい う,いわゆる雁行塑経済発展が進んでいる」
。
「
最近ではアジアNI
Es
か らASEANへの直接投資の流れに加 えて,中国
への投資の流れが大 きくなってお り,また,ベ トナム,インドへの投資の
-1
1
1-
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
流人 も見 られるなど,東アジアの経済成長の波及が見 られる」
。
世界的には,UNCTAD (
国連貿易開発会議)のWor
l
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ntRe
po
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99
5
p.25
8-2
6
0にわたるカコミ (
Bo
xV.4) をThe"
lyi
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一
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"pa
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がp
と遺 して大 きく紹介 している。これは私の盟友小津輝智 コロラ ド州立大学教授
のUNCTADのDi
vi
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へのア
ドヴァイスに負 う。 また同 r
e
po
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のc
ha
p.
Vは東アジアへの雁行型発展の国際
的伝播 を詳細に実証 している。 このカコミは雁行波を図示するとともに次の点
を明 らかにしている。すなわち,(
∋雁行型発展論は1
9
3
0年代の古 きに赤松要博
士の創唱 した経済発展の一般理論である。輸入一生産一輸出という基本型雁行
a
t
c
h
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-u
ppr
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l
であると特徴
が中心命題である.②小島清がc
r
o
t
r
a
d
e FDI(
外国直接投資) を媒体 として雁行型
づけた。③ 同 じく小島がp
発展の国際的伝播の好循環が生ずることを明示 した。
(
世銀 レポー ト)
世界銀行の調査 レポー ト 『
東アジアの奇跡(
オリヂナル 1
9
9
3,邦訳
経済成長 と政府の役割-
』
1
9
9
4) は,開放経済化 (
輸入 自由化,輸出振興,
,
外資流入)の下で 「
急速な資本蓄積,効率的な資源配分 (
産業構造の高度化),
生産性 (
全要素生産性 TFP)の高い伸 びとい う好循環」 (
邦訳 ,p
.1
05
)に
よって東アジア諸国は高度経済成長つ まり奇跡 (
mi
r
a
c
l
e
)を達成 した と見 る。
主に 「
内生的成長理論」に基礎 をおいた優れた包括的な分析である。雁行型
e
f
e
r(
参照) して くれていないのは残念である。
経済発展の赤絵 ・小島理論 をr
しか し,日本,韓国,台湾,マ レーシア,タイ,中国などの貿易 と成長のプロ
セスの解明は,われわれの雁行形態論を多用 しているように見 うけ られる。少
くとも供給創造的接近 (
s
u
pp
l
yc
r
e
a
t
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vea
ppr
o
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c
h)
22
'
であるという意味で 『
東
アジアの奇跡』 と雁行型発展論 とは同一線上にあるのである。
(クルーグマ ンの問題捷起)
世銀 レポー トを意識 してMI
T教授Pa
u
lKr
ug
ma
n(
邦訳 1
99
5. 1)が 「
奇
跡などあ りえない」 との注 目すべ きコメン トを提起 した。1人当 り国民所得の
成長は,(
1
)
高い貯蓄率 と資本蓄積による物的資本投入の増加 ,(
2)
労働力投入の
増加 (
教育による労働の質の向上を含む) とい う 「
投入の増大」 と,(
3)
技術進
歩,学習効果による知識 ・技能の向上,生産組織や経営方式の能率化など 「
生
産効率の改善」に基づ く。(
3)
は(
1
)
,(
2)
の貢献分を計測 した残余の 「
全要素生産
・
一
二1
1
2-
雁行型経済発展論 ・再検討
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vi
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y:
TFP」 として把握 される。
性 To
日本 と中国を含む東アジア諸国の発展初期にあ らわれた高い成長率は,その
殆んどが資本 と労働の投入の急増大に基づ くものであ り,生産効率の改善はご
く僅かかむ しろマイナスであった。高率の投入の増大は永 く続けられない し,
収穫逓減に陥る。生産性改善を伴なわない成長はいずれスローダウンせ ざるを
えない。中国のGDPが米国を上回るなどの過大 な経済予測が出されているが,
それは誤 りである。
全要素生産性TFPの計測 は微妙である。世銀報告 (
訳 p
.
4
8
)は一人当 り成
長率の 3分の 1はTFPによるもの と見ている。 これに対 しクルーグマ ン (
1
9
9
9
第 2章) も再論 して,ほ とん どのアジア諸国の経済ではTFPの向上 はないか,
む しろマイナスか,あるに して もごくわずかであって,先進国 との生産性の格
差 を縮めていなかった (
p.6
8) と結論 している。
技術進歩,学習による波及効果など生産性改善は殆んどなかったとすると,
その原因は何であるかが問われねばならないことになる。東アジアの急速な経
e
dgr
o
wt
hであ りbo
r
r
o
we
dt
e
c
hno
l
o
gy依存であったか らであろ
済発展がFDLl
うか。こういう従属理論学派が提出 している雁行形態論批判が,後に試みるよ
うに,検討 されねばならないことになる。 もちろん私は,多 くのクルーグマ ン
批判のように,東アジアで も先進国よりは低いがかな りの生産性向上が,こと
に段階的構造変動に伴って もたらされたもの と推測 している。
クルーグマ ンが,東アジア諸国の成長にいずれ停滞が訪れると1
9
9
4年に予言
したことが,1
9
9
7
年 7月以来の タイか ら始 まったアジア金融危機 を的確に予測
したもの として,再び関心が高 まっている。 しか し今回の危機の原因は明 らか
に金融,通貨,為替投機の問題であ り,クルーグマ ンが旧稿で指摘 した全要素
生産性つ まり技術進歩の欠如ない し不足の問題ではない。 クルーグマ ン自身も
9
9
9
,第 5章)
そう述べている。 (
クルーグマ ン,邦訳,1
(
サ ックスの雁行型支持論)
Ra
de
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これに対 レ ヽ
-ヴァド大学のサ ックス教授は (
Sa
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s
,No
v.
/
De
c
.1
9
9
7
)において,東アジアの通貨 ・金融危機
は金融機関の建て直 しによって 2-3年で克服 され,これまでの超高速ではな
いにして も先進国よりは速い成長を今後30年間は続けるであろうと予測 してい
る。東アジアの経済発展は赤松要博士の且y
i
ngge
e
s
emode
l
に従ったものであ
-1
1
3-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
り,健全であ り, したがって東アジア経済はこの発展方式 を継続 してよいと評
価 している (
p.48)。東アジア諸国が順 を追って,多国籍企業の直接投資を導
nc
l
a
ve (
飛び地)すなわち輸出プラッ トフォームを作 り,繊維
入 して適地にe
やアパ レル,電子産業 というように工業化 を進め,速い輸出と成長を達成 した
と (
pp.5
2
-55),われわれの雁行型産業発展の東アジアへの拡延を要約 して く
れている。
ハ-ヴァ ド・グループが雁行形態論をアジア経済発展の基礎理論の一つ と高
く評価 して くれていることは感激である。かれ らはアジア開発銀行の調査研究
Eme
r
gi
n
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a:Cha
n
ge
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ndChal
l
e
n
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s1997 (
吉田恒昭監訳 ,1998) と関係が
Fo
r
e
i
gnAHai
r
s
,1
997,p.46 注 2)
.その第 2章 2のアジア製造業
深い らしい (
製品輸出主導成長の解明は,名前 を明示 していないけれ ども,多分に雁行形態
論である。
(
広汎な関心)
雁行型」 とい う用語 とか赤絵 ・小島の
雁行型産業発展の国際的伝播論 を,「
文献 をレファー しつつ,支持 して くれる論文が増 えて きた。前節で注記 した
pe
t
r
i(
1
988) やCh
e
n(
1
993) の ように若干のコメン トを付加するが大局的に
は雁行形態論を肯定的に評価 している。そういうものをい くつか挙げておこう。
To
hMumHe
nga
ndLi
ndaLo
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1
993)0 Pyu
n,Cho
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1
9
85)。 Ku
1
996)0 Gr
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m,Edwa
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(
1
996)。 Ch
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n,Ed
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990)。 Di
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990). Ch
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995). Yo
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993). Ar
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1
996)O 市川周 (
1
996,1
997). 田中高 (
1
997). 篠原三代
平(
1
99
8)。 大内秀明 (
1
998)。 菅原秀幸 (
1
997)。 経済企画庁調査局 (
1
99
8)0
大野健一 ・桜井宏二郎 (
1
997)。 大畑弥七 ・横山将義編 (
1
99
8)。 近藤健彦 ・
1
998,p.46)。 本岡昭良 (
199
8,1
999. 8)0
中島精也 ・森康史編著 (
(
国際的雁行伝播の実証)
1
996 第
雁行塑産業発展の東アジア経済への伝播の最 も詳 しい実証は小島 (
7章)の 「
海外直接投資前線拡延」の実証分析である。 これをサポー トするこ
とになるい くつかの実証研究が行われた。
APECEc
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t
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1
995)。 Oz
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mo (
1
993,1
996)。
-1
1
4-
雁行型経済発展論 ・再検討
UNCTAD(
1
9
9
5
) Ur
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a
,Shu
j
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1
9
9
6) (
以上 4編 については小 島 (
1
9
9
8
.
0
0
1)で紹介 した。
Ada
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1
9
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1
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。
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1
9
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Le
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(
1
9
9
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)
。 トラ
ン ・ヴ ァン ・トウ (
1
9
9
9・3/4)。 篠原三代平 ・西 ケ谷 ともみ (
1
9
9
6
)
。 清
水隆雄 (
1
9
9
9
)
。
(コルホーネンの高評価)
雁行形態論の全体系 を二冊の労作 をもって検討 し高 く評価 しているのが北欧
の小国フィンラン ドの若 き優秀 な政治経済学者Pe
kkaKo
r
ho
ne
nである (
1
9
9
4
a
,
1
9
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b,1
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9
8.なお私 は小 島1
9
9
9
. 4の レビュー ・アーテ ィクルに紹介 した)0
「
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は経済発展の一般理論である」 (
Ko
r
。 日本経済は,経済第一主義 (
エ コノ ミズム) に立脚 し,
ho
ne
n1
9
9
8
,p.2
2
)
1
9
7
0
年代初期 (
オイル ・シ ョック) までは雁行型産業発展 に成功 し,小 国意識
か ら経済大国に転 じた。 ドクター大来 と小島の貢献が大 きいが, 日本企業 は東
アジア地域 に直接投資 を通 じ,雁行型産業発展 を順次伝播 し,平和 な経済第一
主義のアジア建設 に努力 している。か くて 「
1
9
9
0
年代初め までに,雁行形態論
は東アジア発展モデルをあ らわす十分 にス タンダー ドな理論 となった。
」(
Ko
r
-
ho
ne
n1
9
9
8
,p.1
4
3
) 1
9
6
8
年のPAFTAD (
太平洋貿易開発会議)創設以来今
0
日のAPEC (
アジア太平洋経済協力会議) に至 るアジア太平洋の地域統合運動
の基礎理論にわれわれの雁行形態論が置かれていると高 く評価す るのである。
(
多国籍企業戦略への コメン ト)
多国籍企業 (
MNC)の海外直接投資によるホス ト国の雁行型産業発展 は,「
見
せか けの発展」 を もた らし,投資国へ の従属経済化 に陥るか ら,「自力経済発
展」の追求が必要であ る とす る,多分 「
従属理論 (
de
pe
nde
nc
i
a
)
」 に立脚す
uc
eCumi
ngs(
1
9
8
4
)が噂失で
る一連の厳 しいコメン トが碇 出されている。Br
r
na
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da
nd Ra
ve
nhi
l
l(
1
9
9
5,1
9
9
9
)が さらに詳 しく展開 し,エス
あるが,Be
ロン ・イーザ- (
1
9
9
9
)
,M.
L.シュ レスタ (
1
9
9
6
),契勇明 ・
(
Fa
nYo
ngMi
ng
1
9
9
2
) な どが同種 の批判 を繰返 してい る。 この種 コメ ン トの存在 を田中武憲
(
1
9
9
8
b)が教 えて くれた。
r
i
gi
na
l
とVe
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tc
yc
l
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論の混合
第 1に,現行の雁行モデルは赤松o
i
nt
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r
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ha
nge
a
bl
y)に用 いて よい と,赤松 の雁
物 であ るか ら,両者 を互換 的 (
-1
1
5-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2000)
行形態図を詳 しく紹介 しつつ,解釈す る (
バーナー ドニラヴェ ンヒル 1
999,
pp.3
7
-3
9)
。そ して産業発展の国際的伝播は雁行形態論によってではな く,多
国籍企業の海外直接投資戦略によって形成 されてきた と解明 した方が よいとす
998 なる大著 もそうである)
0
るのである (
本岡昭良 1
た しかに東アジア経済の産業別 ・地域別産業構造の段階的発展は,海外直接
投資主導成長 (
FDL1
e
d gr
o
wt
h)であった。産業ごとの発展については多国
籍企業の直接投資戦略によって解明することがで きる。ただ私が強調するよう
に,投資国で比較優位を弱めて きた産業か ら直接投資進出 し,ホス ト国でその
PROT-FDI
)
」でな
産業の比較優位 を強めるとい う 「
順貿易志向的直接投資 (
ければならない。そうであれば地域全体の継起的 ・累積的発展の好循環が生ず
るのである。すなわち小島においては,海外直接投資論は雁行形態論に基礎 を
お くものであ り,両者は別々の ものではないのである。
第 2に,外国企業の直接投資進出は,資本 も技術 も,中間財 (
部品 ・原材料
など)や資本設備 もすべて先導国か ら輸入 し,輸出基地 という飛び地を造って,
ホス ト国の低賃金労働 を活用する加工貿易型工業 を運営するにす ぎない。現地
経済への波及効果は少ない。外国企業のネッ トワーク作 りの一環 とな り,先導
国へ の従属経済 と化す る。収益 は先導 国へ吸 い上 げ られ る。借 りもの技術
(
bo
r
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c
hno
l
o
gy)依存であ り,ホス ト国自らのR&D (
研究開発)は進
まない。要するに外資依存の経済発展は 「
見せかけの発展」にす ぎない。外資
従属経済化 に陥 り搾取 されるだけである。このように批判する。
hi
e
r
a
r
c
hy)
結局, 日本企業 による東アジア地域への生産販売拠点の階層 (
構造が形成 されたにす ぎない。かつての 日本の帝国主義,植民地支配の復活に
連な りかねない。 また日本が逆輸入を十分に拡大 しないので,中間財 と技術は
日本が輸出 し,東アジアが低賃金労働をもって加工生産 し,市場 を米国に求め
るという太平洋貿易三角形におわっていると言 う。
「
見せかけの発展」ではな くして, 自らの貯蓄に基づ く投資, 自国の技術革
釈,自国企業による 「自力経済発展」 こそ必要不可欠である言 うのである0
非難 されるような多国籍企業性悪説に陥るのは,私の言 う,米国型逆貿易志
向的直接投資 (
ANT-FDI
)に基づ く場合が多い。 (
ただ し米国の対 アジア投
資は最初はANT型であったが, さい きんは日本型 に近い ものが多 くなってい
る)。それは米国の トップ技術の巨大企業がホス ト国市場 を独 占 (
ない し寡占)
-1
1
6-
雁行型経済発展論 ・再検討
i
nt
e
r
na
l
i
z
a
t
i
o
n)利益の極大
す るための直接投資進出であ り,企業の内部化 (
化 をはかるべ く,ホス ト国への技術移転などは考慮外 に置かれているのである。
1
9
7
0年代初期 に,OPEC (
石油輸出国機構)による石油国有化 とかNI
EO (
新
国際経済秩序)運動 とか,従属理論に立脚 した多国籍企業批判が もち上った。
1
9
7
4年 1月の田中首相訪問への タイやイン ドネシアでの反対運動にみ られるよ
うな 「オーバー ・プレゼ ンス」の非難 もそうであった。開発途上国はこのよう
な閉鎖主義か ら一転 してその後開放主義,市場経済化に移 り,外資歓迎によっ
て ミラクル的成長を遂げたのである。た しかに外資導入が他国より遅れればそ
れだけ経済発展が遅れるという状況にあった し,今 もそうである。
もとより,イージーな外資導入型経済発展 に過度に依存するのは慎んだ方が
よい。今や 自己資本蓄積, 自国経営者, 自国頭脳による自力主導開発に重点を
移 して行 くべ きである。外資導入は,先端産業創設,輸出拡大,インフラ整備
など,必要不可欠な分野に限るべ きである。
(
雁行型発展は墜落か)
"
雁の群れ
日本をか しらに 失速 し'
'
これは1
9
9
7年 7月初め タイか ら始 まった 「アジア通貨 ・金融危機」の翌年の
,
J
ETROバ ンコックでの年頭川柳である2
3
'
。 このほか 「アジア経済雁行論」 「
雁
」「雁行型発展」など新聞雑誌の見出 しに用い られ,われわれ
は飛んでいるか
の「
雁行形態論」が 日本やアジアでいかにポピュラーになってきたかを物語る2
4
)
。
アジア通貨 ・金融危機 を契機に, ミラクルと言われた東アジアの高度成長は
挫折 し,その指導理論であった雁行型経済発展論 も行 きづ まった と,評価が一
9
9
7.
転 した。武者陵司の「
幻だった雁行形態型アジア発展」(
論争 東洋経済 1
l
l
)が一つの代表である。だが東アジアの今回の困難は,明 らかに 「
通貨 ・金
融危機」であって実体経済の危機ではない。クルーグマ ンもサ ックス もそ う
言っている (
既述)0
た しかに東アジア諸国の遅れた金融機構 を整備 し近代化 しなければならない。
また巨額の寝期資金が急激 に流出入する為替投機 を防止する国際的 (
或はアジ
アの)通貨機構 を設立すべ きである。だが雁行型経済発展論 自体が誤 りであっ
たわけではない。 またそれに代 る発展論は未だ打ち出されていない。 したがっ
て改訂の必要はあるが,大局的には,雁行型経済発展の線に沿って,東アジア
諸国は現在の 日本や米国の所得水準に追いつ くよう成長 を続けるのが良い。改
-1
1
7-
駿河台経済論集 第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
訂は,外国直接投資への過大依存 を避け, 自力経済発展に重点を移すべ きこと
である。 また外国直接投資 ももっと能率的に,ホス ト国により多 く貢献するよ
うに,その運営が改善 されなければならない。
これ らについて論ずべ き点は多い (
小島清
1
99
8. 1
1
で少 しく論 じた。
)
。だ
が本稿は既 に膨大にな りす ぎたので,稿 をあ らためて展開することにしたい。
Ⅵ
結
語
赤松要博士が1930年代央に着想 された雁行型発展論は,私 (
小島)が展開 し
た以下の 3命題によって理論化 され,経済発展の一般理論たる体系 を整えてき
a
t
c
hi
ng
-uppr
o
duc
tc
yc
l
eという特色を
た。(
1
)
雁行型発展の基本型 と変型は,c
もつ。それは資本蓄積 と学習効果 を起動力 として生産の能率化 と多様化 という
プロセスを段階的に繰返 しつつ工業化に成功 し,経済発展 (
成長)を達成する
というモデルによって解明 しうる。
(
2)
追上げプロセスを成功裡 に完了す ると,新産業
(
Yとせ よ)は輸出拡大に
Ⅹ)か ら (
新産業Yか らではな
努める。同時に比較優位 を弱めて きた旧産業 (
く)直接投資進出をする。ホス ト国でこのⅩ財生産を能率化 しその比較優位 を
強めさせ,輸出主導発展 を達成 させる。投資国の方はY産業か らホス ト国向け
に原材料や資本財の輸出を拡大で きる。海外直接投資が相互の貿易拡大を導 き,
雁行型発展の国際的伝播の好循環をもたらす。これが 「
順貿易志向的海外直接
-」なる小島理論である。
投資-PROT-FDI
(
3
)
ホス ト国が生産を拡大 し輸出を増加す ることになるⅩ産業 については,そ
の産業の中の類似細別商品 (
或いは差別化商品)についてお互に規模経済が実
現で きるように産業内水平分業 (
小島の合意的国際分業)を推進すべ きである。
残念なが らこれ ら三命題は未整備であ り十分にフォーマルでない。関心のあ
る方々の協力を得て,厳密な 「
雁行型経済発展の赤松 ・小島モデル」 に仕立て
あげたい。赤松博士は輸入経済学でな く自己生産の独 自の 日本的モデルを樹立
したいと願ってお られた。 しか し上の赤於 ・小島モデルが全 くユニークである
と僧称するものではない。けだ し経済学 もこれ程 グローバライズ した今 日,わ
れわれが先学の知識蓄積か ら何 らかのヒン トを得,それ らを改善 し自らのモデ
ルを組立てていることは当然であるか らである。決 して孤立的ではあ りえない。
赤松博士の着想 と小島の三命題 とが一流発展経済学をどれだけ上回っているか
-1
1
8-
雁行型経済発展論 ・再検討
が評価 されて然 るべ きであ る25
)
。
残 された諸問題の うち一つ だけ最重要 な ものを挙 げてお きたい。雁行型発展
weal
t
h) の長期 的生 産 ・供給 の増大 を優 先 的 に論ず る 「
供
論 は明 らか に富 (
給説」成長論 に他 な らない。追上 げプロセス方策の究明に特色があった。 これ
に対 しケインズ経済学の ような 「
需要説」が存立 している。景気循環問題では
「
需要要因」が プ リ ドミナ ン トな決定因 となる。 だが長期 においては どうであ
l
f
ar
e(
福
ろ うか。追上 げ過程 を完 了 した後 は,長期 的 に,発展段 階 的 に,we
礼) 向上が, したが って 「
需要説」が よ り重要 になる 「
成熟経済」 に移行す る。
この ように考 えるべ きであろ うか。興味ある課題である。
〔
注〕
1)雁行形態論への日本での初期の評価のい くつか。
Shi
no
ha
r
a
,Mi
yo
he
i(
1
9
62
)
.谷口重曹 (
1
9
6
9
)
0
2)外国での初期の紹介と評価。
Zi
mme
r
ma
n,LJ
.
(
1
9
6
5
)
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,Be
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1
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9
)
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1
9
7
3,
1
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7
4)
.
Ra
pp,
Wi
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m V.(
1
9
6
7
,1
9
7
5
a
,1
9
7
5
b)
.
3)『
赤松要名誉教授記念号』一橋論叢,第4
4巻第 1号 (
1
9
6
0. 7)
。
1
9
7
4年)に当 り次の追悼論集が出され,雁行形態論が再
また赤松博士の逝去 (
評価 されることになった。
門下生 (
代表小島 晴)編 『
学問遍路一赤松要先生追悼論集-』世界経済研究
協会,1
9
7
5
0
拓殖大学海外事情研究所 『
海外事情1
9
7
5・6-特集 :赤松要博士追悼号一国際
経済学の現代的課題-』0
4)フリー ドリッヒ ・リス トが1
8
41
年に次のような 「
工業化の四発展段階」を提示
した。
「
国際貿易による諸国民の国民的経済発展には,それ故に 4つの異なる時期が認
め られる。第 1期には,国内農業は外国工業品の輸入 と国内農産物および原料品
の輸出とによって発展する。第 2期には,外国工業品の輸入 と並んで国内工業が
発達する。第 3期には国内工業は国内市場の大部分に供給する。第 4期には国内
」F.Li
s
t
,Da
s
工業品が大量的に輸出され,外国の原料および農産物が輸入される。
nat
i
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m de
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e,1
8
41
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gsAus
ga
be
,S.7
0
,谷口書
-1
1
9-
駿河台経済論集
彦 ・正木一夫訳
第 9巻第 2号 (
200
0)
,『国民経済学体系』 (上), (改造文庫 1940),pp.78-79.
この リス トの命題 を赤松博士 は雁行形態論の着想時 (
1
935
年)には関知せず,
1
9
61
年のWe
l
t
wi
r
t
s
c
h
a
Pl
i
c
h
e
sAr
c
h
i
v論文 (
p.2
07,注 1) において始めて独語原文を
,
世界経済論』 (
1
96
5),p. 1
7
2の注1
5) においてその邦訳文 を示 されてい
引用 し 『
る。そ して 「リス トはこのような発展形態 についての着想をもっていたことを知っ
」(『金廃貨 と国際経済』1974,p.169,注 1) と言われている。
た。
この ことと関連 して最近次の ような破壊 的 コメ ン トが 出 されている0 (
エスロ
ン ・イーザ-,1
99
9,pp.2
3
-2
5.
)
「
つ ま り雁行形態モデルは, 日本経済の分析 か ら発案 された とい うよ り, リス ト
の発案 を, 日本の経済発展 に当てはめた ものなのであるまいか。
」
「まった く偶然に赤松が リス トと同様の結論 に達 した として も,やは りその独 自
性 には疑問を投 げかけるべ きであろう。
」
私 どもは赤松博士の独創 を信 じて疑わない。けだ しリス トの四発展段 階論のね
らい と雁行形態論のそれ とは全 く異 なるか らである。先ず リス トの四発展段 階は,
農業特化段 階か ら工業化 を推進 し成功 した場合 に当然 に生ず る産業 ・貿易構造の
変化 を一般的に述べ ただけである。 リス トはこの工業化 を推進す るにつ いては,
自由貿易 を原則 とし,新工業の設立 には一時的 な保護育成策 を認める (
成功 の後
には自由貿易 に戻 る) とい う彼の基本理論 を展開す るための前書 きに四発展段 階
を置いたにす ぎない。
これに対 し赤松博士 の発見,つ ま り雁行形態 の基本型 (
次つ ぎの商品 (
産業)
について輸入一生産一輸 出の波 (
雁行)が起 る) と変型 (
産業構造が多様化 し高
度化す る) とい う発展パ ター ンの着想 は,その実証研 究か ら見出 された全 くの独
創であ り, リス トに追随 した ものではないのである。
,『新版
リス ト研究の権威 たる板垣輿一博士 は
政治経済学の方法』勤草書房,
1
963,p.43
3
注 4において,次の ように明言 されている。
赤松要博士 は リス トの段 階説 とは無 関係 に,博士 の綜 合弁証法 の立場 か ら,わ
が国の紡織工業の発展形態 に関す る実証的研究の成果 として,ここに述べ られた
リス トの四段階説 と同巧異 曲の 「
産業発展 の雁行形態論」 (
三段 階) を創唱 された。
9
56年11月号 の赤絵論文 「わが国
また板垣博士 にた しかめた ところ,一橋論叢1
産業発展の雁行形態」 を契機 に,当時論叢編集者であった板垣博士が赤松博士 に
リス トの上記引用文につ き示唆 された とのことである。
5) このほかに多数の雁行形態 の実証研究が ある。た とえば,蚕糸業 について,下
1
9
7
8,1
9
79,1
9
8
0)
。紙 ・パ ルプにつ いて 『
興銀調査』 (
1
96
9)。機械工業
条英男 (
について玉置正美 (
1
971
)。産業機械工業 について吹田尚- (
1
97
3.1
0)
0
-1
2
0-
雁行型経済発展論 ・再検討
6) 私が雁行形態的発展 を規定する基本的変数は資本蓄積である としたのに対 し,
,
生産経験の累積 と生産
山揮逸平は生産能率化 ・コス トダウンのプロセスにつ き 「
規模の拡大 につれて生ずる生産性の上昇」つ ま り 「
技術習得の過程」 を導入す る
9
7
2
)
。これは拙論 に対する重要な補完ではあるが,本質的に対立 ・矛
(
山揮逸平1
盾するものではない。けだ し技術習得は人的資本の蓄積 とみなす ことがで き,人
的資本 も含めた広義の資本蓄積の中に包摂することがで きるか らである。この外,
山浮が需要要因と政府の保護政策を陽表的に導入 したことは一つの貢献である。
1
9
9
8.9,1
9
9
9
.3,1
9
9
9.
l
l
)
7)小島清 (
j
i
ma(
1
9
7
0
b)に英文で発表 された。小
8)合意的国際分業について。 この概念はKo
島 (
1
9
9
4)pp.3
41
-6
0が簡潔な説明を与えている。岩戸謙介 (
1
9
9
8
)が合意的国際
分業の小島理論 についての忠実なフォロー ・ア ップを果た している。 また田中武
憲 (
1
9
9
8
)は,多国籍企業 の (
合意的国際分業 をめざしての)協調的行動 によっ
て,東アジアの地域統合が促進 されるべ きことを強調 している。 と同時に合意的
分業のアイデ ィアを実際に適用するに当っての諸問題,諸困難を指摘 している。
9)動態的資源配分を小島 (
1
9
9
4)p.2
2
2
-2
4
8が試みている。 またDo
na
l
d W.J
one
s
(
1
9
7
9
)pp.2
2
-2
5
が参考になる。これを小島晴 (
1
9
9
8.l
l
)pp.1
0
-1
1
が紹介 して
いる。
1
0)早 くか ら赤松経済学に重大 な関心 を寄せ られている篠原三代平教授 は (
篠原 ・
西ケ谷 1
9
9
6,p. 2
8
),雁行型の国際的伝播の局面は大来博士が喧博 され有名 に
,
大来型の "
i
nt
e
r
-c
o
unt
r
y"の雁行的キャッチ ・ア ップ過程」 と呼ば
なったので 「
れる。間違ったことではないが,わざわざ 「
大来型」 と称 されないことを希望 し
てお きたい。
l
l
)順貿易志 向型海外直接投 資 (
PROT-FDI
)は私の主著 (
小 島晴1
9
71
,1
9
7
7,英
文1
9
7
8
)で展開 し,小沢輝智教授 との共同論文 (
Ko
j
i
maa
nd Oz
a
wa
,1
9
8
4
)でリ
1
9
7
5
)や Chung H.Le
e(
1
9
8
7
)によって,比
ファインした。これに対 し池本晴 (
較利潤率基準ではな く絶対利潤率基準で よい との コメン トを得,これに対 し (
小
9
89,Cha
p.2
)で答えた。
島,1
Le
e(
1
9
8
0
)は,韓国-の米 ・日の直接投資において日本のは順貿易志向型であっ
命題をサポー トするい くつか
たことを実証 している。その後私の順貿易志向型FDI
の実証研究があらわれて きた。Le
e
,C.
H.(
1
9
9
0
)
.Lュ
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,She
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nn (
1
9
9
4
)
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1
9
9
4)
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1
9
9
5
)
,Ada
msa
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c
hmur
o
ve(
1
9
9
7
)
などである。
1
2
)逆輸入の問題 を 「ブーメランbo
o
me
r
a
ng効果」 としていち早 く把 え られたのが
,
9
7
6 『
産業構造論』第 2版,筑摩書房,p
p.
篠原三代平教授 である (
篠原三代平1
-1
21-
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
20
00)
21
7
-2
0)。その後各所でこの コンセプ トを使いつつその内容 を充実 された。逆輸入
は投資国に とって一つの負のブーメラン効果であ るが,それだけではない。受資
国か らの第三国輸 出が投資国の輸出を圧迫す るの も負 のブー メラ ン効果である。
他方,直接投 資が進出国への各種輸 出を増す誘 因 をつ くる。 これは正のブー メラ
ン効果である。ブー メラン効果 は技術移転 につ いて も同様 に正,負双方が考 え ら
9
82 『
経済大国の盛衰』東洋経済新報社 ,p
p. 2卜27)。 ここで
れる。 (
篠原三代平 1
逆輸入は当該産業の空洞化 をもた らしかねない とい う意味で負 のブー メラ ン効果
とみなされているのであるが,そ うではな く,低廉輸 入 を可能 にす る正 の貿易利
益 と評価すべ きであろう。
なお (
篠原三代平 ・西 ケ谷 ともみ ,1
9
96.1
0) は雁行型産業発展の国際的伝播,
即ち海外直接投資主導型成長 に関する優れた実証研究である。
1
3) ここに赤松要博士の 「
供給乗数」が雁行形態論の重要 な一環 を成 していること
9
48.1
2,英文
が見出 される。供給乗数の オ リジナルは,赤松要 (
一橋論叢 1
1
9
5
0)である。小 島清
,『開放経済体系』1996,第 4章,英文Oct.1998
Oc
t
.
が供給乗
数の再検討 を試みている。
1
4)改革 (
r
e
f
o
r
m)の進むことが地域統合利益の源泉であ るとしてEt
hi
e
r(
1
99
8) は
モデルを組みたてている。ノ
ト島 (
1
99
8)で指摘 したVe
r
d
o
o
r
n e
f
f
e
c
tも同 じもので
r
d
a
l(
1
95
7) の言 う 「
循環的 ・累積的因果関係」 も同種の外部性利益
ある。G.My
である (
それについて松本邦愛 (
1
99
7. 3) を参照 されたい)。 また貿易 ・投資 自
1
99
8),Gr
a
ha
m,Ed
wa
r
dM.(
1
9
96)
由化,地域統合の利益については,OECD (
が説得的である。
1
5
)順貿易志向的直接投 資は比較優位 に従 うのであるが,比較優位 を実際 に見 出す
比較生産費)では
には多 くの困難 を伴 う。第 1に,一時点での静態 的比較優位 (
な く,一定の長期 にわたる動態的比較優位 を基準 に しなければな らない ことであ
,「供給面, コス ト面では比較的技術進歩率
る。 この点で
(したがって生産性上昇
率)が高い産業 を選ぶべ きである-生産性上昇率基準。需要面では所得弾力性 が
相対的に高い生産物 を輸出産業の製品 として選ぶべ きである一所得弾力性基準。
」
1
987,p
p.182
-3)の 「
産業構造策定基準」が有用である。
とする篠原三代平教授 (
第 2に,比較生産費 (
或 いは比較優位)原理 は国際貿易の基本命題であ り普遍
の真理である。だがそれは二回二財のバー ター (
物 々交換)モデルにおいてのみ
的確 に適用 しうる。多数国多数財か ら成 る現代 の貨幣経済 においては,為替相場
o
mpe
t
i
t
i
ve a
d
va
n
で換算 して見出す貨幣価格 の国際比較 に よる 「
競争的優位 :c
」 を基準にするよりしょうがない。その見込み価格 とコス トの比較によ り, よ
t
a
ge
り高い利潤が期待 される産業 を選ぶべ きであるということになる。
-1
22-
雁行型経済発展論 ・再検討
1
6)図 4が労働集約財に関す る直接投資 ・貿易の連環的拡大 を示 した ものであると
すれば,それ よ り一期 (
1
0-1
5年 ぐらい)遅れて重化学工業 について,さらに一
期お くれて電気機械 について,図 4と同様 な図が措 ける。 これによって, 日本の,
また東アジア地域の産業別直接投資 ・貿易の多様化 (
高度化)が明示 される。余
りに複雑になるの.
でこれ らの点は割愛せ ざるをえない。
1
9
91.1
0)p.5
3を参照。
1
7)小 島清 (
1
8)(
i
) トラン ・ヴァン ・トウ (
1
992
)が合繊産業 を取上げ,1
95
0年代 に成功裡 に
発展 した日本の合繊産業が,労働集約的な川下部門
(
衣類その他の 2次製品)
か ら始め,次に川中部 門 (
織物,ニ ッ トなど),最後に大規模投資を要する川
上部門 (
合成繊維の紡績) とい う順序で,また地域的には1
96
0年代 に韓国,
Es
へ,1
9
80年代 にアセアン諸国へ,さらに中国,ベ トナムへ とい
台湾な どNI
う順序で,直接投資進 出 し,合繊産業 を 「
投資前線拡延」の方向に沿 って東
アジア諸国へ移植 したことを詳細に跡づけている。
トランは最近 (
1
9
99),東アジアへの工業化の雁行型国際的波及を見事 に実
Tr
a
na
ndKo
s
a
i
,1
99
4).
証 している.その理論化 も深めている (
なお他の個別産業についてはそれぞれ詳 しい実証研究が進め られている。
例 えば半導体産業 につ いては次 を見 よ。徐正解 (
1
9
95), 日本 開発銀行調査
0
(
Åug.1
999)
(
i
i
) 中国生れの研究者
周牧之はその著 (
1
99
7)において,東アジアの工業化
の成功的急進展 をとくに電気機械産業 に焦点 をあてて分析 している。われわ
れの雁行形態論 をとくに指摘 してはいないが,われわれ と同様 な東アジアの
,
順次的工業化の好循環 を実証 している。その中で 「メカ トロニクス革命」が
成功 を導いた一要因であるとしていることが注 目される。1
97
0年以降半導体
技術 を始め とする電子情報通信技術の飛躍的な発展 に伴い,電子情報通信技
me
c
ha
t
r
o
ni
c
s
) と呼ばれ
術 と在来機械系技術 とが融合 したメカ トロニ クス (
る新 しい技術体系が構築 されて きた。 このメカ トロニ クス とい う新 しい製造
技術の誕生は,工業生産に必要なあ らゆる情報 を機械 に内包 させ ることを可
p. 7)。他方,一定の訓練 を受ければ誰にで も工業生産活動の戦力
能にした (
になれるようになったことで (
労働サービスのマニュアル化)∴労働集約的な
産業部門の活動は,例 えば電子産業の組立工程 に典型的に現れた ように,質
p.1
2
)
0
金水準の高い先進国か らそれの低い発展途上国へ と移 り始めた (
R
これは興味ある発言である。すなわち,新製品や新生産方法の研究開発 (
&D)は先進国に任かせ,進んだ技術 を体化 した機械設備を直接投資によって
導入すれば,後続国は,マニュアルに従 う労働サー ビスによって,低賃金を
-1
23-
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
2
0
0
0
)
武器 として,投資母国よ りも安 く生産で きることになる。これはGe
r
s
c
he
nk
-
r
o
n(
1
9
6
2
)の言 う 「
後発性利益」の重要な一部 をなすのである。 もとよ り,
このような外資依存の発展 は 「
みせかけの もの」 にす ぎず,自立的発展 を志
向すべ きであるとのコメン ト (
従属理論 による) は残 るが,それについては
次節で論ずる。
佃
コロラ ド州立大学の小揮輝智教授は戦後 日本の産業構造高度化 に照応 して
対束アジア直接投資が次の 4段階にわたって進出 し,雁行的国際伝播 をとげ
Oz
a
wa
,1
9
9
3)
0
たとし,巧妙な図表にまとめている (
9
5
0
年代 ∼1
9
6
0
年代前半 :労働集約財
第 Ⅰ段階 1
(
繊維,雑貨など軽工業)
の海外生産。
第 Ⅱ段 階 ・
1
9
6
0年代初期 ∼1
9
7
0
年代初期 :国内の重化学工業化 に対応す る
海外資源開発ならびに公害産業の海外立地。
9
6
0
年代後期∼1
9
8
0
年代後期 :電気産業や 自動車産業 な どアセ
第Ⅲ段 階 1
ンブリングの海外立地。
9
8
0年代初期か ら今後 :情報技術産業の戦略的ネットワーク (
授
第Ⅳ段階 1
携)作 りの海外投資。
この ような段階別説明原理の精微化が必要か もしれないが,私 には,い さ
さか複雑にな りす ぎると懸念 される。
小浮教授 は,雁行形態論 ならびに順貿易志 向的直接投資の小 島理論の支持
者であ り,それ らを評価するい くつかの論文 を発表 されている (
例 えば駿河
9
9
6:"
Fo
r
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gndi
r
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ti
nve
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,
"
台経済論集1
UN,Tr
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l
.1No
.1
,
Febr
ua
r
y1
9
9
2
.
)
0
1
9
)雁行型産業発展の国際的伝播が私の 「
投資前線拡延」の線 に沿って順次成功裡
に実現するか どうかについてはい くつかのコメン トが出てきた。
t
e
rA.
Pe
t
r
i(
1
9
8
8
) は,At
he
o
r
yo
ff
o
l
l
owi
ng (
後追い理論) という
第 1に,Pe
新譜を生み出した。これは小島が 「
雁行形態論の中核 はc
a
t
c
hi
ng-uppr
oduc
tc
yc
l
e
である」 としたことときわめて類似す る.ただ彼 によれば "
o1
f
l
o
wi
ng'
'とい う概
be
ha
vi
o
r
) を他の主体が意識的に (
c
o
ns
c
i
ous
l
y) に再現
念は,モデル主体の行動 (
(
r
e
pl
i
c
a
t
e
)することである」(
p.5
4)
。韓国は日本の雁行型産業発展を忠実に模倣
ol
l
o
wi
ngと定
して きた。そ して後発性利益 を獲得 した。いわば一直線的な追随 をf
o1
l
o
wi
ngの限界 を感
義 したのである. しか し韓国は相当程度発展 に成功す ると,f
i
c
he (
隙間)市場の発見 とか,
じ,独 自の発展方策を模索せ ざるを得な くなった。n
新 しいR&Dへの努力である。
第 2に,菅原秀幸助教授 (
1
9
9
7,p. 3
5
) は雁行型産業発展の国際的伝播 を評価
-1
2
4-
雁行型経済発展論 ・再検討
した上,次のコメン トを与え られている。
各国が,工業化の段階に応 じて,それぞれ比較優位 を有す る工業品を輸 出
し,補完的分業関係 を築 きつつ,さらに工業化水準 を高めてい く。こうして,
先発国,後発国が共に,産業構造の より一層の高度化 をめ ざしてい くことで,
アジア全体の成長が実現 されている。
しか しこの形態 では,各 国の経済成長 は促進 され る とはいえ,いつ まで
たって も各国のポジシ ョンに変化が生 じず,編成が変わることはない。つ ま
り,後発国が先発国に追い着 き,追い抜 くことは不可能 となる。確かに,直
接投資の最前線では,安価 な労働力が決め手 となってお り,その限 りでは,
この編成は崩れることはないであろう。 とはいえ,後発国が高度な技術力 を
特定分野で獲得 した場合には,その特定分野で先発国を追い抜 くことも可能
となるであろう。
r
d K.Che
n教授 (
1
9
9
3,邦訳,1
9
9
6,p.1
3
5
-6.
)は,
第 3に,香港大学のEdwa
順序正 しい雁行型産業移植でな く,多国籍企業の生産 と販売のネッ トワーク作 り
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)的拠点がいわば曲芸飛行の編隊 (
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のため最適の立地に飛び地 (
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n)のように形成 される。この編隊は技術の急速な進歩 に対応 して進め られ
9
9
9,を参照 されたい。)
る, と言 うのである。 (
なお阿部清司,1
このようない くつかのコメン トに もかかわ らず,大分類産業群の間では,各国
の発展段階格差に従って, 順序ある雁行型産業移植が行われる。大分類産業群の
中の水平分業 については, コメ ン トの如 く,多国籍企業の戦略 と市場 の諸力 に
よって,いろいろなヴラエティが生ずる。 このように私は解釈 したい。
2
0
) この ような考え方の基礎づけは私の多国籍企業の内部化利益論 によって与 え ら
れているo小島,1
9
9
6,第 8章
2
1
)市川周 (
1
9
9
7,p
.1
3
3
)が 「
広域 フルセ ッ ト型産業構造戦略」 を提案 しているが,
一層の検討 を必要 としよう。
2
2
)韓国ではわれわれの雁行型発展論 と類似 した供給側か らせ まる経済発展論が展
1
9
88
),朴聖相 (
1
9
91
),渡辺利夫 ・金昌男 (
1
9
9
6
) などを
開されている。金泳鏑 (
見 よ。
2
3
)次は非常にうまい要約である。
雁行型発展
ブーメラン形の隊列 を組 んで移動す る雁 (
がん)の群れの棟に,経済の成
熟度に応 じて産業構造や技術水準が国か ら国へ と伝播 (
でんば) してい く経
済発展の形態。アジアでは 日本が先頭 を引っ張 り,その後 を韓国,台湾,シ
NI
Es
),続いてフィリピンやマ レーシアな
ンガポールなどの新興工業経済群 (
-1
2
5-
駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
2000)
ど東南アジア諸国連合 (
ASEAN)の国々が,相互補完関係 を保って発展する
様子の例えとして使われる。
しか し, 日本のバブル崩壊 に伴 う不況の長期化や9
7年以降の通貨 ・金融危
機などで,アジア経済発展の隊列 は乱れが ちだ。 このため,域内各国か らア
ジア全体の発展 を目指 してアジア通貨基金や 自由貿易協定など新たな城内協
.
力の枠組みを作ろうとい う声 も出ている。 (日本経済新聞,1
996. 6. 5,p
9のカコミ)0
2
4)多数の労作が雁行型に関説 しなが ら世に問われている。
日本経済新聞社説,1
9
98. 1.1
8。 高橋琢磨 ・関志雄 ・佐野鉄司 (
1
9
98)0
梶原弘和 (
1
999
)0
25)例 えば,高 山展 (
1
9
85)や大川-司 ・小浜裕久 (
1
993
)では雁行形態論が指摘
されているが,Oma
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1
991
)ではそうでない。
参照文献
阿部清司 (
1
9
99)
,「東アジアの六つの構造問題 と成長ポテ ンシャル」国際経済
第5
0号。
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)
.
赤松 要 (
1
9
35. 7),「
吾 国羊毛工業品の貿易趨勢」名古屋高商 ・商業経済論叢
第1
3
巻上冊。
-
(
1
9
37. 7),「
吾国経済発展の練合弁証法」名古屋高商 ・商業経済論叢第1
5
巻
上冊。
,
-
(
1
9
45
) 『
経済新秩序の形成原理』理想社。
-
,「貿易乗数 と供給乗数」一橋論叢 20巻 5・6号。
(
1
9
48.1
2)
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.1.
赤松
要 (
1
95
6.ll
),「
わが国産業発展の雁行形態一機械器具工業について-」
一橋論叢 36
巻 5号。
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26-
雁行型経済発展論 ・再検討
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)
,『
金廃貨 と国際経済』東洋経済新報社。
-
(
1
9
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5
. 2)
,「海外投資の雁行形態論」世界経済評論 ・巻頭言。
1
9
8
3
)
,『
戦後世界貿易の発展 と構造変化』谷沢書房。
青木 健 (
-
(
1
9
9
4
)
,『
アジア太平洋経済圏の生成』中央経済社。
1
9
9
7
)
,『日本企業 と直接投資』動草書房。
青木 健 ・馬田啓一編著 (
1
9
9
8
)
,『
WTOとアジアの経済発展』東洋経済新報社。
青木 健 ・馬田啓一編著 (
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アジア開発銀行著,吉田恒 昭監訳 (
1
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)
,『
アジア :変革への挑戦』東洋経済新
報社。
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)
,「雁行 とプロダク ト・サ イクルの神話- リー
ジ ョナ リズム,階層化,工業化-」進藤発一編 『
アジア経済危機 を讃み解 く-雁は
飛んでいるか-』 日本経済評論社,第 2章。
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) 「東アジアにおける対外直接投資 と技術移転」
小宮隆太郎 ・山田豊編 『
東アジアの経済発展』東洋経済新報社,第 5章。
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) 『中国の工業化 と外国資本一経済開放の現状
と展望-』文集堂。
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小島 清監修 ・麻田四郎訳 (
1
9
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1
)
.『
ハー シュマ ン ・経済発展の戦略』 巌於堂。
イーザ一 ・エスロン (
1
9
9
9)
,「雁行モデルの終蔦一批判的考察-」進藤栄一編 『ア
ジア経済危機 を読み解 く-雁 は飛んでいるか-』 日本経済評論社,第 1章。
周 (
1
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), 『
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市川
-
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),『中国に勝つ一 日本 よ 「アジアの家長」たれ-』PHP研究所。
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),『
東 アジア工業化 と世界資本主義一 第 4世代工業化論-』東洋
経済新報社。
岩戸謙介 (
1
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8. 9),「合意的国際分業論の研究」明治大学経済学研究論集第 9
号。
1
9
9
9
),『
海外直接投資の経済学』創文社。
稲葉和夫 (
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梶原弘和 (
1
9
9
9
), 『アジア発展の構図』東洋経済新報社。
上久保敏 (
1
9
9
7.1
0
),「赤松要の綜合弁証法一哲学的研究 と実証研 究の両立-」
経済セ ミナー。
経済企画庁編 (
1
9
9
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), 『
世界経済白書』平成 6年版。
経済企画庁調整局編 (
1
9
9
8. 1),『アジア欧州経済展望-ASEM経済相乗効果報
普 -
』
。
毛馬内勇士 (
1
9
71
. 1),「工業化 と雁行形態論」拓殖大学海外事情研 究所 ・海外
事情。
-
(
1
9
7
2)
,「雁行形態の国際比較一韓国工業の雁行形態的発展-」世界経済研究
協会編 『日本貿易の構造 と発展』至誠堂。
-
(
1
9
9
8. 1),「
経済政策の基本的問題 と赤松経済政策論」明治大学,経済論叢
第6
6
巻第 3号。
1
9
9
9
),丸山意也 ・佐藤替 ・小林英夫編著 『アジア経済圏 と国際分業の
小林英夫 (
進展』 ミネルヴァ書房。
興銀調査 (
1
9
6
9
),「アメ リカ紙 ・パ ルプ資本の海外進 出 と西 ヨー ロ ッパ紙 ・パ ル
プ企業の対応」Nn1
5
4.
1
9
5
8
a
),『日本貿易 と経済発展』 国元書房 ,pp.
3
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駿河台経済論集
-
第 9巻第 2号 (
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)
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b) 「資本蓄積 と国際分業一赤松博士 「産業発展の雁行形態」の-展 開
-」赤松要博士還暦記念論集
『
経済政策 と国際貿易』春秋社。
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) 「日本鉄鋼業 の発展形態」酒井正三郎博士還暦記念論文集 『
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済構造 と経済政策』 東洋経済新報社。世界経済研究協会編 『日本貿易の構造 と発展』
(
1
9
7
2
)に収録。
-
(
1
9
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7
)「関税 同盟 と合意的国際分業」名和統一教授還暦記念論文集 『
現代世
界経済 と国際経済理論』。
-
(
1
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)「合意的国際分業原理 ・再考」一橋大学経済学研究1
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71) 「海外直接投 資の理論- アメ リカ型 と日本型-」一橋 論叢 (6
月)
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(
1
9
7
2
) 「雁行形態論 とプロダク ト・サ イクル論一輪入代替 ・輸 出化成功 の
条件-」世界経済研究協会編 『日本貿易の構造 と発展』至誠堂。
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77) 『
海外直接投資論』 ダイヤモ ン ド社。
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)『
多国籍企業の直接投資』 ダイヤモ ン ド社。
-
(
1
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7. 8) 「国連での多国籍企業行動規範作 り」世界経済評論。
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) 『
海外直接投資のマ クロ分析』文晃堂。
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(
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0
) 「多国籍企業の内部化理論」池 間誠 ・池本清編 『
国際貿易 ・生産論
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章。
の新展開』文具堂,第1
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0) 「開放経済発展戦略」世界経済評論。
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) 『
応用国際経済学』第 2版,文展堂。
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小島 清 (
1
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) 『
開放経済体系』文異堂。
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上記英論文がすべて収録 されている。
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)「開放的経済発展戦略」世界経済評論。
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,「供給説経済成長論一新古典派の開放経済体系-」駿河台経済
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) 「
東 アジアの雁行型経済発展」世界経済評論。
,
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. 3)
,「需要説経済成長論一国際収支の壁-」駿河台経済論集,8の
2。
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9
9
9
.4)
, レビュー ・アーテ ィクル 「アジア太平洋の地域統合」世界経済
評論。
-
,
(
1
9
9
9
. 8) 「これか らのアジア太平洋経済協力」世界経済評論。
,
1
9
9
8
) 『
アジア通貨危機の経済学』東洋経済
近藤健彦 ・中島精也 ・林廉 史編著 (
新報社。
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,「まほろしのアジア経済」中央公論。
クルーグマ ン ・ポール (
,
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) 『
世界大不況への警告』早川書房,
ポール ・クルーグマ ン著 ・三上義一訳 (
第 2章 「アジアの奇跡の正体 をさぐる」。
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第 9巻第 2号 (
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,「開発経済学における外部性の再考」ソシオサイエ ンス,
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) 『日本繊維産業の発展分析 と展望一 雁行形態論的分析-』至誠
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,『日本鉄鋼 ・電算機産業の発展分析 と展望』 出光書店,pp.2020
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) 『
増補改訂 ・日本 自動車産業の発展分析 と展望一雁行形態論的分析
,
-』 出光書店,pp.1
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) 『
多国籍企業形態論 の研究一海外直接投 資の 「
先導型」 と 「
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本岡昭良 (
,
跡型」の学説的展開を中心 に して』法政出版。
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伝播」龍谷大学経営学論集
第39
巻第 2号。
武者隆司 (
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)『
経済理論 と低開発地域』東洋経済新報社。
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) 『イン トラ ・アジア貿易 と新工業化』東京大学出版会。
中川信義編 (
日本開発銀行
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)Nn
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アジア諸国の動向か らの考察-』。
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)
,「
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日本経済新聞社説 (
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大畑弥七 ・横 山将義編 (
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) 『
経済の グローバ ル化 と日本経済』早稲 田大学 出
版部。
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雁行型経済発展論 ・再検討
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大川-司 ・小浜裕久 (
1
9
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) 『
経済発展論一 日本の経験 と発展途上 国-』東洋経
済新報社。
,
大野健一 ・桜井宏二郎 (
1
9
9
7
) 『
東アジアの開発経済学』有斐閣。
,
大内秀明 (
1
9
9
8
) 『
東アジア地域統合 と日本経済』 日本経済新聞社。
,
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)(
1
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) 『
開発経済学のフロンテ ィア :後進国経済開
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発のための供給経済論』有斐閣。
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国本和孝訳 (
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クリスチ ャン ・ソテー著 小金芳弘訳 (
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4),『ジャポ ンー その経済力は本物か』
産業能率大学出版部,第 9章。
下条英男 (
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)「故赤松要先生の綜合弁証法 と雁行形態発展論 について」城
西大学関学十周年記念論文集。
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)「蚕糸業の国際的雁行形態発展論」 (Ⅰ) (Ⅱ) (
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大学経済経営紀要,第 1巻第 1号,第 2巻第 1号,第 3巻第 1号。
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,『企業の多国籍化 と技術移転- ポス ト雁行形
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) 『
企業戦略 と産業 発展一韓 国半導体 産業 の
キャッチア ップ ・プロセスー』 白桃書房。
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6) 『
産業構造論』第 2版,筑摩書房。
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(
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)
,『経済大国の興隆 と衰退』東洋経済新報社。
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篠原三代平 (
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) 『日本経済の構造 と政策』筑摩書房。
,
篠原三代平 ・西 ケ谷 ともみ (
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) 「東 アジアにおけ る 『
直接投 資主導型成長』
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,「海外直接投 資 と東 アジア発展 途上国の経済成長」 日本大
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雁行型経済発展論 ・再検討
学短期大学部 『
研究年報』第11
集。
,
1
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7
) 『メカ トロニ クス革命 と新国際分業一現代世界経済 におけるア
周 牧之 (
ジア工業化-』 ミネルヴァ書房。
菅原秀幸 (
1
9
9
7
)
,「アジアの経済成長 と日本の直接投資」
,青木健 ・馬田啓一編著
『日本企業 と直接投資』勤草書房。
1
9
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.1
0
)
,「
産業機械工業の成長過程一雁行形態 的発展の検証-」三
吹田尚- (
菱経済研究所 ・日本機械工業連合会共編 『日本産業機械工業の成長 と構造』。
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関 志雄 (
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)
,「明暗 を分ける資本移動規制」 日本経済研究セ ンター
会報。
,
高橋琢磨 ・関志雄 ・佐野鉄司 (
1
9
9
8
) 『
アジア金融危機』東洋経済新報社。
玉置正美 (
1
9
7
1
),「日本機械工業発達史ノー ト」機械振興協会経済研究所 ・機械
Q5.
経済研究 N
1
9
8
5
)
,「開発経済学の現状」
,安場保書 ・江崎光男編 『
経済発展論』創
高山 最 (
文社。
田中武意 (
1
9
9
8
. 2)
,「
発展途上国地域経済統合 と合意的国際分業」同志社大学
0
号。
社会科学第6
-
(
1
9
9
8
.1
2
)
,「発展途上国工業化 における雁行形態一雁行形態離脱説 と韓国
ES化の特質-」同志社 『
経済学論叢』第5
0
巻第 3号。
半導体産業におけるNI
,
1
9
9
7
) 『日本紡績業の中米進出』 古今書院。
田中 高 (
1
9
6
9
. 6)
,「
貿易サイクルの理論」 世界経済評論。
谷口重苦 (
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)
,『産業発展 と多国籍企業 :アジア太平洋 ダイナ ミ
ズムの実証研究』東洋経済新報社。
-
(
1
9
9
6
)
,『ベ トナム経済の新展開 :工業化時代の始動』 日本経済新聞社。
-
(
1
9
9
9
年 3/4月) 「アジアの産業発展 と多国籍企業」 日本輸 出入銀行 海外
5
の 2。
投資研究所報 ,2
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駿河台経済論集
第 9巻第 2号 (
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浦田秀次郎 ・入山章栄 (
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)「中国への直接投資 と技術移転」 日本経済研究セ ン
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浦田秀次郎 ・木下俊彦編著 (
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世紀 のアジア経済一危機か ら復活へ-』
東洋経済新報社。
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渡辺利夫 ・金昌男 (
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,『
韓国経済発展論』勤草書房。
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),「
東 アジア国際分業の再編成」 国際東 アジア研究セ ンター
渡辺利夫編著 (
『
東アジアへの視点』。
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世界銀行著,白鳥正喜監訳 (
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東 アジアの奇跡 ・経済成長 と政府 の役割』
東洋経済新報社。
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山滞逸平 (
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,「産業発展 と外 国貿易」世界経済研 究協会編 『日本貿易の構造
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(
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(
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,「
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世紀の太平
洋協力』 時事通信社。
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