国家一般職専門択一 講評②

平成 28 年度 国家一般職本試験(専門試験[多肢選択式]
) 講評 その②
№
科目
出題内容
正解
正答率※
講評
【財政学・経済事情】
問題構成は財政学2題と経済事情3題である。№41 は我が国の財政制度に関する問題であるが,肢4の地方交付税の算
定方法がやや細かな内容を問うているが,全体としては基本レベルである。№42 は我が国の財政事情について,平成
27 年度一般会計予算の規模と歳入歳出の内訳を問う典型的な問題である。№43 は我が国の経済事情に関する問題で,
主要な経済指標の動向を中心に,直近の『経済財政白書』や『通商白書』等で最近の経済動向の概要を押さえていれば
解答できる問題である。№44 は我が国の経済成長やその背景を問う問題で,№43 と同様,直近の『経済財政白書』で
該当する箇所を押さえておくことで解答できる問題である。
№45 はユーロ圏の主要な経済指標や経済政策の動向を問う
問題で,直近の『世界経済の潮流』等で該当する箇所を押さえておくことで解答できる問題である。
【経営学】
№46 は経営の国際比較や国際経営に関する問題で,問われている内容は典型的な論点も多く解答しやすかったであろ
う。№47 はマーケティングに関する問題で,初見の場合であれば難易度が高く感じられたであろう。№48 は企業の戦
略に関する問題であり,問われている内容も一部でやや難しいものあるが,全体としては主要な論点が問われている。
№49 は技術経営に関する問題であり,イノベーション・マネジメント等についてしっかり学習していれば解答できる問
題肢も多いが,難易度は高めである。№50 は動機づけの理論に関する問題であるが,主要な論点が詳細に問われており,
難易度は高めである。
【国際関係】
「理論・歴史・英文」という近年頻出の3大テーマが今年も出題された。まず,№51「国際関係の理論」では正解肢5
の集団安全保障の説明が標準的であり,選択しやすかったであろう。№52 の「国際紛争の歴史」では世界史(特に 19
世紀ヨーロッパ以降の歴史)の知識も活用すれば,消去法で肢1を選択できたのではないだろうか。№53 の「国際連合
設立後の異なる条約」(英文)では3つの条約の成立順が問われた。イが「米州相互援助条約」(1947 年)であることを理
解することは難しかったと思うが,
「Europe or North America」というキーワードから,アが「北大西洋条約」(1949 年),
そして,「Japan and the United States of America」というキーワードから,ウが「(旧)日米安全保障条約」であるこ
とを理解できれば,
「ア→ウ」という選択肢は肢2しかないため,比較的容易に選択できたのではないだろうか。№54
「国際関係の経済思想と史実」は理論と歴史の融合問題であった。№52 と同様に,世界史の知識を活用すれば,世界恐
慌後の持てる国と持たざる国の対立を適切に説明した肢3を選択できただろう。最後に,№55「開発や貧困問題」では
消去法で肢2を是非とも選択してほしいところである。
【社会学】
№56 肢1の「Z.バウマンの学説」や,№58 肢2の「財産階級」と「営利階級」
,№60 肢2の「内容分析」など過去の
出題では見られなかったものもあったが,しっかり勉強していれば,全5問のいずれも容易に正解できる問題ばかりで
あった。№56 と№59 は5人の学者の名前と学説の説明を入れ替えただけのものである。№57,58,60 は内容をしっか
りと理解していないと解けない問題であるが,№58 の肢2や№60 の肢2を知らなくても(ちなみにこの2つの肢はい
ずれも不正解である)
,正解肢に容易にたどり着けたはずである。したがって,全体の難易度はA[易問]である。
【心理学】
・
【教育学】
省略
【英語基礎】
内容把握3問,文法問題等2問の構成は昨年と変わらない。しかし,昨年は内容把握の問題文が3問中2問が 1.5 ペー
ジ近くあったが,本年は3問とも問題文は1ページに収まっており,選択肢の英文も短くなっている。また,英文も教
養試験のものよりもむしろ読みやすい文章となっており,選択肢が英文であるというだけで(選択肢の英文も容易)
,
専門試験であるが,得点源にできたのではないか。ただし,選択肢の該当箇所を探してその部分の英文だけを読んで解
答するということはできないため,全体を正確に速読する必要はある。また,消去法で正解肢を導く必要のある問題な
ど,教養試験の英文とは傾向が違う部分はある。しかし,来年も同様の傾向が続くなら,教養試験の英文対策をしっか
りやった人なら,英語(基礎)は全問正解が可能であろう。
【英語一般】
内容把握5問の構成は昨年と変わらない。英語(一般)も英語(基礎)と同様,問題文の文章が短くなっている。5問
中2問は問題文が1ページ程度であり,問題文が1ページを超える問題も,昨年と比べると短い。問題文は英語(基礎)
よりも当然のことながら難易度が高く,1文も長いため,意味がとりにくい文章も多い。英語(一般)は安易に選択科
目として考えない方がよい。
財政学・
我が国の財政制度
1
A
経済事情
我が国の財政事情
5
C
43
最近の我が国の経済の状況
3
B
44
我が国の経済成長とその背景
4
B
45
近年のユーロ圏における経済情勢
4
B
46
経営の国際比較・国際経営
4
A
47
マーケティング
5
A
48
企業の戦略
3
A
49
技術経営
1
C
50
動機づけ理論
3
C
51
国際関係の理論
5
B
52
国際紛争の歴史
1
C
53
国際連合設立後の異なる条約(英文)
2
C
54
国際関係の経済思想と史実
3
A
55
開発や貧困問題
2
C
現代の社会学説
5
A
57
社会システムに関する理論
3
A
58
階級・階層
4
B
59
逸脱に関する社会学理論
2
A
60
社会調査
3
A
知覚・認知
3
C
62
学習・問題解決
3
B
63
S.フロイト
4
C
64
J.E.マーシャ
4
A
65
社会的認知や社会的行動
4
C
近代教育思想
3
A
67
B.バーンスティン
5
C
68
学校法規
2
B
69
生涯学習等
4
A
70
学校における教科
3
A
内容把握
2
A
72
内容把握
3
B
73
内容把握
3
A
74
空欄補充(文法)
2
B
75
空欄補充(文法)
4
A
76
内容把握
1
B
77
内容把握
5
A
78
内容把握
1
B
79
内容把握
3
B
80
内容把握
4
B
41
42
56
61
66
71
経営学
国際関係
社会学
心理学
教育学
英語基礎
英語一般
※ 正答率(A:60%以上,B:40%以上60%未満,C:40%未満)は,LEC公務員試験 受験生応援企画『本試験無料成績診断』のデータ(6/13 15:00 時点)に基づいて算出して
います。本成績診断のご利用方法等の詳細は,LEC公務員Web サイトの専用ページ(http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/seiseki/)にてご案内しています。
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