RSCJ at the UN のページに掲載された本校生徒の

国連 NGO RSCJ at UN のホームページ(YOUTH 欄)記事
(https://sacredheartattheun.org/article/study-tour-sacred-heart-students-japan)
「日本の札幌聖心女子学院生による国連研修ツアー」和訳
国連本部の前で
国連広報部のスタッフ、
フェリペ・クエイポ氏と
国連日本代表部にて関口公使と共に
ニューヨーク聖心生と一緒にスラムの
保育園でボランティア活動
10 人の高校 1 年生と 2 人の引率を迎えての国連研修とニューヨークの聖心女子学院訪問
はつむじ風のような一週間でした。札幌聖心の前校長で現在はチャプレンであるシスター
田口保子は、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定を受け、その補
助のもとにこの研修を実施し、一緒にベテランの英語科の市川暁子教諭が引率しました。
現地では、ニューヨークに詳しいシスターグエン・ホッフェルがグループを導き、国連の
NGO RSCJ at the UN 代表のセシル・メイヤー(文責)がそのネットワークを生かして、
このプログラムを実現しました。
もちろん主役は「今日の世界における国際性」、「他者
との共生力」
「国境を越えた相互依存」について学びにきた高校一年生です。
2 月 9 日(月)に到着した生徒たちは、札幌聖心が SGH のテーマとして掲げた「共生と
対話」について学ぼうと熱心でした。スケジュールが詰まった 1 週間は、火曜日と木曜日
は国連で、水曜日は姉妹校である当地の聖心女子学院を訪問、ホストシスターとの交流、
一緒にボランティア活動をし、金曜日に自由の女神とエリス島の移民博物館見学の後、最
後の振り返りを英語で行い、分かち合いました。聖心会の NGO が国連広報部(DPI)と提
携しているため、第一日目は、午前中に国連広報センターで、広報部職員のフェリペ・ク
エイポ氏から、国連について生き生きとした実例や逸話が盛り込まれた興味深いオリエン
テーションを受け、また 2 人の日本人職員の体験談を聞きました。
「私はお話の中で言われたことばが心に残りました。『もしあなたが同じ文化
背景を持つ人と争うなら、普通どちらか一方に非があるでしょう。しかし、もし
あなたが異なる文化背景を持つ人と争うなら、どちらか一方に非があるとは言え
ません。両方に非があるでしょう。もし一方が他方に自分の意見や文化を押し付
けるなら、異文化についての理解を欠くことになります。私たちは相手の見方を
受け入れる必要があります。』 これを聞いたとき、他者を理解して受け入れるこ
とはなんと難しいのだろうと思いました。私たちの文化、言語、背景は異なって
います。このグローバル化の時代に私たちは文化、背景、宗教の違いを乗り越え、
互いを受け入れるよう努めなければなりません。また、自分の考えや意見を伝え
られるようにならなければなりません。」― 真衣子
「私たちはフェリペさんに、『国連は戦争をやめさせることに成功したことはあ
りますか』とたずねました。『あります。』と答えられた時、私は驚きました。
メディアは否定的な報道をしがちなので、私たちは国連の働きがうまくいってい
ないと考えがちです。公平な報道、とらわれない報道がこれからもっとも重要だ
と思います。」― 彩華
午後は国連日本政府代表団を訪問しました。生徒たちは前もって質問を用意していまし
たが、関口公使のお話に関しての適切な質問もしていました。
「私たちは日本の国連外交、『世界開発目標』や『ポスト 2015 年開発アジェンダ』
と『持続可能な開発目標』についてのお話を公使から伺い、国連が世界の平和と
安全、経済的発展の実現と人権尊重のためにどのように貢献しているかを学びま
した。公使のお話から、私は当たり前と思っていた平和のために国連がいかに尽
くしているかを悟りました。また日本が対話と協力により、どのように国連に貢
献しているかについて学びました。今日のグローバル化した世界で、私たちは、
自分と異なる人々をどのように受け入れ、お互いに理解するように努めながら、
勝ち負けではなくともに win-win の関係(お互いに価値を得る関係)となるか
を考えなければなりません。また情報を得るときには、物事を総合的にとらえ、
主観的にならないように考えなければなりません。このようなお話を伺い貴重な
機会をいただいたことに感謝しています。」― 友香里
水曜日には、生徒たちはニューヨーク聖心生と交流し、協力し、実際に終日ともに過ご
すことができた特別な一日となりました。生徒達は一緒に授業を受け、ボランティアに行
き、夕方にはホストファミリー宅に帰り、一晩を共に過ごしました。
「ニューヨークで一番感動したことは、ホストファミリーと一晩を一緒に過ごし
たことです。私の部屋にカメルーンの国旗が飾ってあったので、アフリカ系であ
る自分のアイデンティティーを大切にしている証しだと思いました。日本では、
二つの異なるものがあればひとつにしようとします。一方でアメリカでは二つの
異なるものがあれば、まず一つ一つを受け入れてから別々のものとして捉えます。
それは、日本とアメリカの一番大きな違いで、その様なことをまず認識すること
により、人々が世界で共存できる第一歩になると思います。」― 汐音
「お伝えしたいのは、ニューヨーク聖心から心温まる歓迎とおもてなしを頂いた
ことです。私達は一人一人を聖心のネットワークの一員として、とても丁寧に接
して頂きました。聖心家族のメンバーであることは本当に恵みだと思います。こ
れから海外からのお客様を受け入れる時には、ニューヨークで心温まる歓迎をし
ていただいたのと同じように、私たちも受け入れていきたいと思っております。」
― 暁子(引率)
木曜日には、国連で、国連難民高等弁務官事務所のスタッフからお話を伺った後、
「世界
開発目標」から「持続可能な開発目標」にどのように移行するかというテーマで開かれた
国連広報部の週例会議に参加しました。
「国連広報部の会議で、『持続可能な開発目標』が『世界開発目標』にとって代
わっていく過程で、私たち若い世代が意見を出し世界を変えていかねばならない
というお話がありました。私は、自分の考えを伝え、意見を分かち合うことの大
切さを忘れてはならないと思います。黙っていてはいけないと思います。」― 麻帆
「この旅で一番強く感じた事は、私たちが『持続可能な開発目標』実現のための
リーダーとして行動しなくてはならないということです。『世界開発目標』は、
各国のリーダーと重要なポストに就く人々によってつくられましたが『持続可能
な開発目標』実現を促進するためには、私たちはまだ達成されていない目標と新
しい事にチャレンジする意欲をより深めていなかくてはならないと思います。世
界で今起こっていることを更に意識し行動に移していく必要があると感じていま
す。」― 美桜
会議が始まる前に生徒達がステージに呼ばれて紹介され、2011 年 3 月 11 日に起きた東北
大震災への支援に感謝し、復興記念の歌「花は咲く」を歌いました。
(IL DIVO が歌ってい
る英語版の曲は YouTube で見ることができます。
)この様子はすぐに広報部によりツイッタ
ーに投稿されました。
金曜日は自由の女神とエリス島の移民博物館に行きました。
「自由の女神像を見学した際に、ふと見上げると飛行機が、”Black lives matter”
(『アフリカ系・カリブ系アメリカ人の命も大切だ』)というのぼりをつけて飛ん
でいました。すべての人の命は大切です。人は皆平等に生まれてきました。人と
してお互いの命を大事にするべきです。日本の外務省と国連職員の方が、私たち
はお互いの違いを理解し、受け入れなくてはならないとおっしゃっていました。
このお互いの理解は日常生活にある小さな違いと同様に宗教や人種も含めて考え
られます。もしそれが出来たら、私達は共存や共生を実行できると思います。」
― 百合
「今回の国連研修ツアーは目まぐるしいものでしたが、皆の意識を変えるものと
なりました。同級生に伝えたいのは、私達が世界を変える必要性があるというこ
とです。私達はいくつかの国連機関を訪問し、その全ての場所でどんなにささや
かでも自ら行動することなしに、他人任せにしてはならないと思います。この世
界をよりよくする為には、相手を理解し、敬意を払うことが第一歩だと思います。
お互いに宗教や性別、人種の壁を作ってはなりません。人は、皆平等に生まれて
きたのですから。私達の文化的な違いは、お互いが理解し敬意を払う手段である
べきで、お互いを傷つける手段ではないのです。」― 妃那
「国連研修の終わりに先生方に『グローバル・リーダーとして、相応しいのはど
んな人ですか?」と聞かれました。私は「誰とでも対話ができ、英語だけでなく
他の言語でも話せる人です。世界的リーダーは全ての人々を歓迎し、感謝とおわ
びを伝えることができ、周りの人が自分らしくいられるように認めてあげられる
人です。自分が誰かを理解し、主体性が強く自分の健康や時間や考えを管理でき
る人です。一方、広い視野を持ち周りの人を助けてあげられる人が真のリーダー
だと思います。」― 舞依
「私は、国連の方針とは議論と対話を通し、成果を成し遂げるものだということ
を理解し始めました。世界にいろいろな文化や宗教があり難しいですが、人々が
平和な世の中を作ることを目指す限り、不可能ではないと思います。時間が掛か
るとは思いますが、お互いを理解できる結果につながる議論や対話は、問題を解
決する最善策だと思います。ニューヨーク市での一週間で自分の成長を感じるこ
とが出来ました。旅はまだ終わったわけではありません。学んだことをこれから
同級生に伝えていきます。分かち合い、伝え、考え、行動を起こすことにより、
この国連研修ツアーを実現させてくださったすべての皆様と歓迎してくださった
皆様に感謝の思いを伝えていきたいと思います。」― 麻美果
「一人の教師として授業の中で、生徒たちが「持続可能な開発目標」について学
ぶよう教育し、可能な限り、一人でも多くの生徒が知るように努めます。」
― 暁子(引率)
「私は振り返りの時を過ごした国連のダグ・ハマーショルド記念瞑想室で、彼の
言葉を思い浮かべて心打たれたひとときを思い出します。『起きたことすべてに感
謝し、これから起きることすべてを受け入れます。』この旅の間、かくも多くの恵
みを祝福を受けた後で、すべてはこの一言に尽きると思います。」
― 保子 rscj (引率)