別紙1 論 文 審 査 の 要 旨 報告番号 甲 第 論文審査担当者 2713 号 氏 名 主査 小風 暁 教授 副査 中館 俊夫 教授 副査 田中 和生 教授 久保 浩子 (論文審査の要旨) ラベンダー精油(LO)はアロマセラピーで使用される代表的 な精油で、医療、美容など さまざまな分野で世界的に使用されている。しかしその科学的根拠は乏しく、人体への影 響が不明な経口使用については、推奨する国(フランスやベルギー)と推奨しない国(イ ギリスやアメリカ、日本)に二分している。本研究ではヒトの臨床適応に即してラットに LO を経口投与後、主に消化器系の組織を採取して遺伝子発現を網羅的に解析し、各臓器へ の影響を検討した。 その結果、小腸では 310、脾臓では 240、肝臓では 544 の遺伝子発現に影響が認められ た。特に遺伝子発現の増減が大きかった6遺伝子については RT-PCR 法で再確認を行った。 さらに生物学的パスウェイや疾病特異的遺伝子に注目した遺伝子発現プロファイリング を行ったところ、LO は抗炎症作用、抗うつ作用、抗エストロゲン作用 、糖・脂質代謝改善 による生活習慣病改善作用を有する可能性が示唆された。 動物モデルで LO の経口投与による遺伝子発現変化を初めて解析した本論文は学術的価 値があり、学位論文に値すると判断した。 論文題名:Unraveling the Rat Intestine, Spleen and Liver Genome-Wide Transcriptome after the Oral Administration of Lavender Oil by a Two-Color Dye-Swap DNA Microarray Approach (ラベンダー精油経口投与後のラット小腸、脾臓、肝臓の DNA マイクロアレイ 2 色 Dye-Swap 法による網羅的遺伝子発現解析) 掲載雑誌名:PLOS ONE Vol.10, No.7, e0129951, 2015 年 (主査が記載、500 字以内) 掲載
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