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五條地域防災拠点等候補地の調査業務委託仕様書
第1 業務の概要
近い将来発生が懸念され、県内でも大きな被害が想定される南海トラフ巨
大地震の際、県内被災地はもとより、甚大な津波被害が想定される紀伊半島
沿岸地域への支援拠点として、紀伊半島中心部に位置する五條市に、陸上自
衛隊のヘリポートを含む駐屯地の配置が是非とも必要と考え、防衛省に対し
て陸上自衛隊ヘリポートの先行的整備を要望していたところ、平成 27 年度
に引き続き平成 28 年度政府予算に、将来的な展開基盤の設置に係る基本構
想業務として調査費が計上された。また、県としても大規模災害時に、県内
外の被災地へ迅速・的確に応援を実施するための県広域防災拠点を併設して
整備することとしており、平成 27 年度に引き続き平成 28 年度の県予算に、
県広域防災拠点の整備等の基本構想策定のための調査費を計上した。
本業務は、昨年度までに県と五條市が選定した2ヶ所の調査候補地【別
紙1】について、現状地形等の把握のため航空レーザ計測を行って立体画像
を作成するとともに、それに基づき防災拠点等の土地造成所要の仮検討を行
うなど、調査候補地選定に必要となる資料の作成を行うことを目的とする。
第2 用語説明
(1)五條地域防災拠点等
津波被害が想定される紀伊半島沿岸地域の被災地を含め広域的に支
援するために、奈良県南部に設置を検討している新たな防災拠点と、
奈良県が防衛省に対して要望している自衛隊展開基盤としての陸上自
衛隊ヘリポートをいう。
(2)航空レーザ計測
航空レーザ計測システムを用いて、航空機により計測データを取得
する作業をいう。計測データには、GNSS 基準局の電子基準点データ、
航空機の GNSS 観測データ、IMU(慣性計測装置)データ及びレーザのレ
ンジデータの取得が含まれる。
第2 業務内容
(1)計画準備
業務の目的を把握したうえで、業務全体の作業方針を立案するとと
もに、業務計画書を作成して業務の計画準備を行うこと。
(2)航空レーザ計測の実施
2ヶ所の候補地【別紙1】について、航空レーザ計測を下記により
行うものとする。
① 全体計画の作成
本業務の着手において、測量作業の方法、使用する主要な機器、要
員、日程について適切な作業計画を立案し、作業実施計画書としてと
りまとめて発注者に提出し、承認を得なければならない。
② 計測計画の立案
航空レーザ計測の計画は、対象地域の地形条件を考慮し、計測諸元、
飛行コース計画、GNSS 衛星配置を踏まえた GNSS 観測計画等を立案す
る。なお、計測密度は 1.0m×1.0m 以下の範囲内に1点、各飛行コー
ス間の重複部分は30%以上となるよう計画するものとする。
③ 調整用基準点の設定
計測範囲内の平坦地にて、GNSS 測量等により調整用基準点を設け、
調整用基準点と三次元計測データの座標値との標高誤差の点検を行
うものとする。また、各飛行コース間の重複部分にコース間点検ポイ
ントを選点し、標高点の相互較差の点検を行うものとする。
④ レーザ計測の実施
航空機により航空レーザ計測システムを用いて計測データを取得
するが、取得されたデータは、ノイズ除去やフィルタリング処理を行
い、三次元データとする。なお、デジタル画像データは、レーザ計測
と同時に取得することを原則とする。
(3)航空レーザ計測による立体画像の作成
三次元データに基づき、下記により立体画像を作成するものとする。
① オリジナルデータの作成
三次元データについては精度検証した点検結果に基づき、標高調整
によりオリジナルデータを作成するものとする。
② グラウンドデータの作成
作成されたオリジナルデータより、植物・植生分離処理により地盤
データを抽出する。次に、部分的に残った地物や植生に対して、可視
化画像等を利用して部分分離処理を実施し、地盤データと合わせるこ
とにより、グラウンドデータを作成するものとする。
③ グリッドデータの作成
グラウンドデータに対して TIN(地表面を多数の三角形で表現)に
よる計算を実施し、DEM(数値標高モデル)を1mメッシュとしてグ
リッドデータを作成するものとする。
④ 等高線データの作成
作成された1mメッシュの DEM データを基に、1m間隔の等高線デ
ータを作成するものとする。作成するデータは DXF 形式とする。
⑤ 数値地形図データファイルの作成
作成されたオリジナルデータ、グラウンドデータ、グリッドデータ、
等高線データ(DXF 形式)等を各仕様に基づいて電子媒体に格納する
ものとする。
⑥ 立体画像の作成
航空レーザ計測と同時に取得した地表面画像データに外部標定要
素を与え、簡易オルソフォト画像を作成するものとする。また、レー
ザ計測により取得されたグラウンドデータを利用して、効果的に詳細
地形が把握できるような立体画像を作成する。
(4)土地造成所要の仮検討
① 仮モデル(範囲)の設定
五條地域防災拠点等としての類似施設及び、陸上自衛隊と県のヘリ
コプターの訓練要領等の確認、専門家へのヒアリングを行い、同防災
拠点等地域としての大きさ及び形状・条件等を整理し、仮モデル(範
囲)を設定するものとする。
② 平面補正容量の検討
作成したレーザ計測データ及び解析ソフト等を活用し、2ヶ所の調
査候補地について、一定標高断面による平面補正容量の検討を行うも
のとする。なお、検討数量については各候補地内においてそれぞれ2
案を想定しており、これをもって土地造成所要の仮検討とする。
(5)動画の作成
作成した各種データを活用し、動画作成(鳥瞰的に見ることが可能
なもの)を行うものとする。また、レーザ計測データ等を見ることが
できるビューワソフトも同時に収めるものとする。
(6)中間成果の報告
平成28年6月10日までに(1)、(2)①~③及び(4)①の結
果について整理し、中間成果報告書として県に報告を行うこと。
なお、同報告書には仮モデル(範囲)設定の前提となるヘリコプタ
ー訓練要領のイメージ図を含むものとする。
(7)最終成果の報告
平成28年6月末日までに最終成果報告書を完成し、県に報告を行
うこと。
第3 貸与資料
(1)「五條地域防災資料の収集整理業務委託 報告書(平成26年度)」
1式
(2)「五條地域防災拠点ヘリポートの調査業務委託 報告書(平成27年度)」
1式
(3)「五條市地図データ DXFファイル 1/2500・1/10000」
1式
第4 成果品
(1)報告書
(2)航空レーザ測量データ
(3)簡易オルソフォトファイル
(4)立体地図
(5)作業記録簿
(6)ビューワソフト
(7)その他監督員が指示するもの
10部
1式
1式
1式
1式
1式
第5 その他
公契約条例に関する遵守事項(特定公契約以外用)
【別紙2】を遵守する
こと。
五條地域における調査候補地
❶
●
調査候補地
❶:阿田峯公園南西台地地区
❷
●
❷:プレディアゴルフ地区
別紙1
別紙2
公契約条例に関する遵守事項(特定公契約以外用)
本業務を受注しようとする者は、この遵守事項を理解した上で受注すること。
1 奈良県公契約条例の趣旨にのっとり、公契約の当事者としての社会的責任を
自覚し、本業務を適正に履行すること。
2 本業務の履行に当たり、次に掲げる事項その他の法令を遵守すること。
ア 最低賃金法第4条第1項に規定する最低賃金の適用を受ける労働者に対
し、同法第3条に規定する最低賃金額(同法第7条の規定の適用を受ける労
働者については、同条の規定により減額して適用される額をいう。)以上の
賃金(労働基準法第 11 条に規定する賃金をいう。)の支払を行うこと。
イ 健康保険法第 48 条の規定による被保険者(同法第3条第4項に規定する任
意継続被保険者を除く。)の資格の取得に係る届出を行うこと。
ウ 厚生年金保険法第 27 条の規定による被保険者(同条に規定する 70 歳以上
の使用される者を含む。)の資格の取得に係る届出を行うこと。
エ 雇用保険法第4条第1項に規定する被保険者について、同法第7条の規定
による届出を行うこと。
オ 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第4条の2第1項の規定による届
出を行うこと。
3 本業務の一部を、他の者に請け負わせ、若しくは委託し、又は本業務の履行
に他の者が雇用する労働者の派遣を受けようとするときは、当該他の者に対し、
この遵守事項を周知し、遵守するよう指導すること。
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