航空写真撮影及び正射投影画像作成業務 仕様書 平成28年7月 前 橋 市 財 務 部 資 産 税 課 第 1 章 総 則 (目的) 第1条 本業務は、本市の地図情報整備計画に基づいて実施する各種地図の整備、未整備情報の 補完、異動判読および更新作業に資するため、根拠となる航空写真の取得と画像の正射変 換を行うことを目的とする。 なお、本業務の後続作業として撮影成果を利用する下記の各種地図整備があることを認 識し、これらの整備に支障のないよう考慮して実施するものとする。 (1)都市計画課における現形図(地形図、地図情報レベル2500) (2)道路管理課における道路台帳基図(同1000) (3)資産税課における地番現況図(同1000)、および家屋現況図(同1000) (適用範囲) 第2条 本仕様書は、前橋市(以下、「甲」という。)が受託者(以下、「乙」という。)に委 託する「航空写真撮影及び正射投影画像作成業務」(以下、「本業務」という。)に適用 する。 (関係法令等) 第3条 本業務は、本仕様書によるほか、下記の関係法令に基づいて実施するものとする。 (1)測量法(昭和24年法律第188号) (2)測量法施行令(昭和24年政令第322号) (3)航空法(昭和27年法律第231号) (4)公共測量作業規定の準則(平成20年国土交通省告示第413号) (5)地理情報標準プロファイル/JPGIS2.1 (6)地方税法(昭和25年法律第226号) (7)不動産登記法(明治32年法律第24号)(平成16年法律第123号全部改正) (8)固定資産評価基準(平成26年総務省告示421号) (9)国土調査法(昭和26年法律第180号) (10)個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号) (11)前橋市個人情報保護条例 (12)その他関係法令等 (守秘義務) 第4条 乙は、本業務により知り得た内容および結果を、第三者へ漏洩してはならない。 (実施要項) 第5条 本業務を実施するにあたっては甲の意図および目的を十分に理解した上で、経験豊かな 技術者を主任技術者として選任するものとし、適切な人員を配置して最高技術を発揮する よう努めると共に、正確丁寧にこれを実施しなければならない。また、疑義等が生じた場 合には、甲と乙で協議を行うものとし、乙はその指示に従い業務を遂行しなければならな い。 2 本業務においては安全確保に細心の注意を払うものとし、航空法、労働基準法および 労働安全衛生法等の関連法令を遵守した上で、業務を遂行しなければならない。また、万 一の事故等に備え、迅速な対応が取れるよう緊急時の連絡体系等の整備に努めておかなけ ればならない。 (作業計画) 第6条 本業務を実施するに当たり、乙は下記書類を作成し、甲に提出するものとする。また、 乙は作業の進捗状況を監督員へ定期的に報告するものとする。 (1)作業実施計画書 (2)主任技術者届 (3)業務従事者一覧表(本業務に従事する全ての者の所属と氏名を列挙) (4)業務体制表 (5)業務工程表 (6)身分証明書交付願 (7)労働環境報告書 (主任技術者) 第7条 本業務の従事にあたっては、空間情報の高度な利活用と甲の技術的要求に応じる必要が あるため、本業務における主任技術者は、測量法第49条に基づく測量士の有資格者で1 0年以上の実務経験を有し、且つ、過去5年以内に国(独立行政法人及び国立大学法人を 含む。)又は地方公共団体(地方独立行政法人を含む。)が発注した同種業務において、 主任技術者としての実績を有する者を選任するものとする。なお、同種業務とは、デジタ ル航空カメラによる空中写真撮影及び写真地図作成(地図情報レベル1000)の両方を業務 内容に含み、且つ、公共測量を適用し実施されたもののことを言う。 (事務手続き) 第8条 本業務の実施に当たり、必要となる関係官公庁への事務手続きは、乙の責任において速 やかに処理するものとする。 (参照系) 第9条 本業務を実施するにあたり必要とする空間参照系は、平面直交座標第Ⅸ系(平成14年 国土交通省告示第9号)とする。また、高さ原点は測量法施行令(昭和24年政令第32 2号)第2条の規程による日本水準原点を使用するものとする。 地図情報レベル1,000 識別子 JGD2011,TP/9(X,Y),H 世界測地系(測地成果2011) TP/H 東京湾平均海面 (測量法に基づく手続き) 第10条 乙は、作業着手に際し、測量法に基づき下記の書類を作成し、甲の承認を受け、責任を 持って手続きを行う。なお、申請する測量種別は「撮影」、「同時調整」とする。 (1)公共測量実施計画書(測量法第36条) (2)測量標・測量成果の使用承認申請書(測量法第26条、同30条) (3)測量成果の提出(測量法第40条) (4)その他必要な手続き (成果品の検定) 第11条 乙は、本業務における測量成果(航空写真)について、甲が指定する第三者機関による 検定を受けなければならない。 2 検定を受ける測量成果は、撮影成果の全てとし、範囲は甲の指定する箇所とする。 3 点検測量の際、甲が必要と認めた場合は甲が立ち会うこととする。 4 受検後は速やかに検定証明書並びに検定記録書(またはこれに類する書類)を提出す るものとする。 (個人情報の保護) 第12条 個人情報の取扱については、契約期間内における情報漏洩の防止はもとより、本業務完 了後においても、知り得た個人情報等秘密情報に対し、継続して守秘義務を課すものとす る。 (業務の完了) 第13条 本業務の成果品については、納品後、主任技術者立会いのもとで、甲の検査を受けるも のとする。 2 甲の検査の合格をもって業務完了とする。検査の結果不合格となり、業務の内容につ いて補正を命ぜられたときは、乙は、遅滞なく当該補正を行い、再検査を受けなければな らない。なお、本契約期間以降であっても、成果品の内容等に誤りや不備が発見された場 合には、乙の責任において速やかに修正作業を行うものとする。 (成果品の帰属) 第14条 本業務において得られた成果品及び中間成果は全て甲に帰属するものとし、乙は甲の許 可なく複製、保有、貸与並びに流用してはならない。また、乙が成果品に関する著作者 人格権を有する場合においても甲及び甲指定の者に対してこれを行使しないものとす る。 (業務期間) 第15条 本業務の履行期間は、平成28年9月5日から平成29年3月17日までとする。 第 2 章 作 業 (作業概要) 第16条 本業務の作業概要は、以下のとおりとする。 (1)航空写真撮影 311.59k㎡(前橋市全域) (2)写真地図作成 311.59k㎡(前橋市全域) 概 要 第 3 章 航空写真撮影 (業務実施方針) 第17条 本業務は、地理空間情報活用推進基本法のもと、作業規定及び国土地理院発行の付帯要 領等により実施する公共測量であり、作成する写真地図データファイルは、共用空間デー タとしての利用を前提とする。 2 本業務の作業数量は概数として示すものであり、これを原則とする。ただし、作業要 領等及び作業数量に変更がある場合には、乙は速やかに甲に申し出るものとし、甲の承認 を得た上で変更できるものとする。この場合の経費は全て乙の負担とする。 (品質要求) 第18条 本業務の撮影成果に求める品質は以下のとおりとする。 品質基準 面 積 前橋市全域 311.59k㎡ 標準地上解像度 12.0cm オルソ品質 地図情報レベル1000 (撮影基準日時) 第19条 本業務においては、平成29年1月1日の正午を中心とした時間帯(10:00から14:00) を基準日時として設定する。なお、撮影は基準日時から1週間前後を目途に、気象状況が 良好で、尚且つ大気の状況が安定しており、煙霧、霞等、雲、雲影およびハレーション等 の影響が少ない天候を選んで実施することとする。ただし、本市においては、冬季の強風、 晩秋から初冬にかけての北部での降雪が見込まれるため、甲乙協議の上、天候の状況に応 じて適切な時期に撮影を行うものとする。 2 本市域は自衛隊における飛行訓練空域(自衛隊高高度訓練/試験空域 エリアH)に 設定されており、政治情勢等による飛行制限が生じる可能性もあるため、飛行経路およ び日程を十分調整することとする。 (撮影計画及び撮影) 第20条 空中写真撮影は、下記に定めるところにより実施するものとする。 (1)前橋市の地形を考慮し、実体空白部を生じないよう撮影を行う (2)撮影コースは直線かつ等高度とする (3)撮影方向は東西とする (4)撮影コース内の隣接空中写真間の重複度(オーバーラップ)は60%、コース間の重 複度(サイドラップ)は30%を標準とし、下記国土基本図図郭内における隣接空中 写真間の重複度は80%、コース間の重複度は60%とする •09IC423B~09IC433B(西から東へ計6図郭) •09IC424B~09IC434B(同上) •09IC520B~09IC530B(同上) •09IC521B~09IC531C(西から東へ計7図郭) •09IC522B~09IC532C(同上) •09IC523B~09IC533C(同上) •09IC524B~09IC534D(西から東へ計8図郭) •09IC620B~09IC630D(同上) •09IC632D、09IC632E、09IC633D、09IC633E (5)撮影基準面は、現地の比高差等を考慮し、適宜定めるものとする。 (6)航空写真撮影実施前には、関係する航空交通管制と事前調整を行い、事故防止に努 めるものとする。 (使用航空機及び器材) 第21条 撮影に使用する航空機及び航空カメラは、以下の性能、条件を満たすものとする。 (1)撮影に使用する航空機の性能は、撮影に必要な装備(FMCおよびジャイロマウン ト)を保有し、所定の高度で安定飛行を行えると共に、撮影時の飛行姿勢、デジ タル航空カメラの水平規正および偏流修正角度のいずれにも妨げられることな く、常時写角が完全に確保されるものとする。 (2)撮影に使用するデジタル航空カメラには、DMCⅡまたはこれと同等以上の性能を 有する機器を使用しなければならない。 (3)撮影に使用する航空カメラは、フレーム(エリア)センサ型のデジタル航空写真 カメラを使用するものとし、FMC装置およびGNSS/IMU装置を実装した機器とする。 (4)航空カメラおよびGNSS/IMU装置は、6ヶ月以内にキャリブレーションを実施し、 公共測量での使用実績があり、数値地図レベル1000に対する精度検証等が事前に 行われている機器を使用するものとする。 (標定点の設置) 第22条 標定点の設置は、撮影成果およびデジタルオルソの確かな品質を得るために、以下の点 に留意して実施するものとする。 (1)GNSS/IMU装置による標定要素の解析結果の検証および同時調整に使用することを目 的とし、撮影範囲内に標定点を配置する。 (2)標定点は、航空写真上で明確に判読できる地上構造物等を同時調整計算の基準とな る点として選点し、GNSS測量等により4級基準点以上の精度基準で設置するものとす る。 (GNSS基準局への観測) 第23条 本作業は、撮影機器の位置を連続キネマティックGNSS測量で求めるため、地上GNSS基準 局の設置を行い、撮影飛行時に観測を行うものとする。なお、設置に当たっては以下の基 準に従うものとする。 (1)GNSS基準局として国土地理院により設置された電子基準点を用いる場合、GNSS観測 データの取得間隔は1秒以下のものであること。なお、電子基準点の利用に際しては、 当該撮影範囲から50km以内で最短距離にあるもの、または当該撮影範囲に内包され るものを選点すること。 (2)GNSS基準局設置にあたっては、上空の視界が確保されていること。 (画像合成) 第24条 撮影終了後は、速やかに以下の要領にて画像合成処理を行うものとする。 (1)撮影画像データには撮影日、コース番号、写真番号などの情報を付加するものとす る。 (2)カラー(R・G・B)画像およびパンクロマティック画像について合成処理を行い、 航空写真デジタル画像データ(非圧縮Tiff形式)を調整する。 (点検) 第25条 撮影および画像合成処理が終了したときは、速やかに下記の点検を行い、点検の結果に より必要がある場合は、速やかに再撮影を行うものとする。なお、点検結果は精度管理表 に取りまとめるものとする。 (1)撮影高度の適否 (2)撮影コースの適否 (3)実体空白部の有無 (4)写真の傾きおよび回転量の適否 (5)数値写真の統合処理の良否 (6)数値写真の画質 (撮影評定図作成) 第26条 撮影結果に基づき1/25,000地形図へ以下の項目を記入し、撮影評定図を作成するものと する。 (1)撮影日 (2)撮影コースおよび写真(主点)番号 (3)図様割線および図様割番号 (4)その他必要な項目 第 4 章 デジタルオルソ画像作成 (要旨) 第27条 前作業で撮影した中心投影画像データを、電子計算機を用いて正射投影画像に変換する ものとする。品質基準ごとに色別されたオルソ作成エリア図(撮影エリア図)は別添参照 とする。 なお、点検項目の標準値は下表のとおりとする。 品質基準 前橋市全域 オルソ品質 レベル1000 面積 311.59k㎡ 水平位置精度 1.0m以内 地上解像度 12.5cm以内 グリッド間隔 10m以内 標高点精度 0.5m以内 データファイルの分割 レベル1000 (検定点測量) 第28条 航空写真撮影時点における連続GNSS観測結果の妥当性を検証すると共に、デジタルオル ソ画像作成時に求められる精度を確保するために実施するものとする。 2 検証点は撮影範囲内において5点以上設置するものとし、公共測量作業規定の基準点 測量に準じて実施するものとする。なお、使用する機器については、第三者機関により検 定を受け、その有効期限内にあるものを使用しなければならない。 (GNSS/IMU解析) 第29条 航空写真撮影時に同時取得した機上GNSS/IMU観測データ、写真撮影時刻データおよび地 上GNSS基準局で取得した観測データより、三次元座標値の算出を行い、外部標定要素を以 下により調整するものとする。 (1)航空機に搭載したGNSS/IMUの観測データと地上GNSS基準局で取得した観測データよ り、撮影主点位置および3軸の傾き(外部標定要素)を精密に算出する。 (2)撮影主点の位置および3軸の傾きの調整は、航空機搭載GNSSの1秒毎の軌跡を解析 した後、IMUで取得した3軸の傾きの解析を行い、航空写真撮影時の写真主点位置を 求めるものとする。 (3)GNSS/IMUデータ解析で得られた結果を初期値として、パスポイント、タイポイント を取得し、外部標定要素の誤差を最小となるようにブロック調整計算を実施する。 (同時調整) 第30条 航空写真撮影時に観測したGNSS/IMUデータおよび現地検証点測量成果を用いて、外部標 定要素を調整するものとする。 (1)GNSS/IMU解析により求めた、外部標定要素と現地検証点測量成果を用いて、同時調 整計算を行い、撮影主点の位置および外部標定要素(3軸の傾き)を精密に求める。 (2)撮影主点の位置および3軸の傾きの調整は、航空機搭載のGNSSの1秒毎の軌跡を解 析した後、IMUで取得した3軸の傾きを解析の上、航空写真撮影時の写真主点位置を 求めるものとする。 (3)GNSS/IMUデータ解析で得られた結果を初期値として使用し、残存縦視差および外部 標定要素の誤差が最小となるよう調整計算を行う。 (数値地形モデルの作成) 第31条 デジタル写真測量システムを用い、前条までに求められた標定要素を使用して、ステレ オマッチング手法により標高情報を自動取得するものとする。取得した標高情報は、グリ ッドへ変換し数値地形モデルを作成するものとする。 なお、ステレオモデルと比較し、著しく地表面と異なった標高データについては修正を 行なうものとする。 (正射変換) 第32条 デジタル写真測量システムで生成されたステレオモデル上で、前条で作成された数値地 形モデルを用いて正射変換を行い、正射投影画像(デジタルオルソ画像)を作成するもの とする。 (モザイク) 第33条 隣接するデジタルオルソ画像との接合にあたっては、著しい地物の食い違いおよび色調 差が生じないようデジタル処理により、丁寧に接合を行うものとする。 (データファイルの作成) 第34条 前条までに作成されたデジタルオルソ画像を、以下の仕様に従い電子記録媒体に記録す るものとする。 (1)国土基本図郭1/1000図郭(世界測地系)単位で分割するものとする。 (2)位置情報を付加するためのインデックスファイルとして、位置情報ファイルを図郭 ごとに作成する。 (3)画像ファイルはTIFF形式、位置情報ファイルはワールドファイル仕様で格納する。 (4)その他詳細について必要があれば、甲乙協議の上決定するものとする。 第 5 章 成 (成果品) 第35条 本業務の成果品は、下記のとおりとする。 (1) 航空写真撮影 (ア)撮影画像データ (イ)撮影画像データ外部標定要素 (ウ)撮影評定図 (エ)撮影記録、撮影諸元及び精度管理表 (オ)地上検証点明細表 (カ)製品仕様書 (2) 写真地図作成 (ア)デジタルオルソデータファイル (イ)位置情報ファイル (ウ)精度管理表 (3) その他 (ア)打ち合わせ協議記録簿 (イ)その他甲が必要と認めたもの 果 品 (納品) 第36条 電子ファイルの納品は、外付けハードディスクドライブを使用し、正副2式を提出する こと。
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