平成27年度事業報告 本県における共同募金運動は、終戦直後の1947(昭和22)年に始まった 本土から5年遅れて1952(昭和27)年に初めて取り組まれ、戦後の貧困と 米軍統治下で社会保障制度の整備が遅れる中、県民の助け合いによって年々募金 実績を拡大し、生活困窮者の支援や福祉施設・団体の事業推進に大きな役割を果 たしてきた。 しかしながら、地域コミュニティの変容や個人の価値観の多様化等を背景に、 全国的には、平成7年以降共同募金実績が減少に転じ、本県においても平成10 年をピークに減少傾向が続いている。 一方、近年の社会・経済・雇用情勢等の変動とともに、社会的孤立や経済格差 の広がりなど福祉問題は一層複雑化しており、地域福祉事業の果たす役割への期 待に応えうる財源の確保が重要となっている。 このような中、平成27年度は 41 市町村共同募金委員会(支会・分会)とと もに募金実績の回復を目指して、次の事業を重点的に実施した。 1 平成27年度(第64回)共同募金運動の実施 (1)平成27年度赤い羽根共同募金 平成27年度の赤い羽根共同募金(一般募金)は、A目標(施設団体配 分、災害準備、運動経費等)80,000,000 円、B目標(市町村社協地域福祉 活動費)133,348,000 円、合計 213,348,000 円の目標を掲げて共同募金運動 に取り組んだ。 その結果、市町村総額では 172,485,282 円で前年比 99.3%、1,193,512 円の減額、目標達成率は 90.7%となった。 41 市町村の内、目標達成は 20 町村、前年度実績額を上回ったのが 25 市 町村。各種募金方法の内、街頭募金、学校募金等では前年度実績を超えた が、戸別募金、法人募金等が下回った。 なお、県共募事務局受付に琉球新報社が本年 1 月から 3 月にかけて実施 した「りゅうちゃん 子どもの希望募金」9,110,585 円が加わったため、県 全体の募金総額は 193,574,698 円、前年比で 697 万円余の増額となった。 (2)平成27年度赤い羽根共同募金の広域配分及び地域配分 平成27年度赤い羽根共同募金の広域施設団体事業への配分には、29 施設 団体から 44 事業の申請があり、共同募金配分委員会における審査及び理事 会・評議員会の承認を経て、23 施設団体の 37 事業に 20,969,000 円の配分が 内定した。 また、地域配分として 41 市町村社会福祉協議会に、総額で 110,581,125 円、 募金総額の 57.1%の配分が内定している。 なお、A目標の内、57,264,000 円は共同募金運動経費、災害等準備金等へ の積み立てに充てられた。 2 平成27年度歳末たすけあい運動の実施 歳末たすけあい運動は、市町村 59,406,000 円、県共募 9,000,000 円の計 68,406,000 円を目標額に掲げ、「つながりささえあうみんなの地域づくり」を スローガンに 12 月 1 日から 31 日までの間、各市町村社会福祉協議会と協働で 実施した。 市町村の地域歳末たすけあいは目標額の 98.5%にあたる 58,519,534 円の募 金実績で前年度より 89 万円余の増額、県共募取り扱い分については、目標額の 67.1%にあたる 6,045,730 円の実績で前年度より 15 万円余の増となった。 なお、地域歳末たすけあいの義援金は市町村社会福祉協議会を通じて配分し、 県共募取り扱い分については離島町村の要援護世帯への助成に配分したほか、 児童養護施設等の卒園予定児童の自立生活支援費、NPO 法人等の障害者サービ ス事業所などへ備品整備費や歳末の行事費として 65 団体へ配分した。 3 災害たすけあい運動の実施 平成27年5月の「屋久島町口永良部島新岳噴火災害」及び同年9月の「茨 城県・栃木県・宮城県台風18号等災害」被災者支援のため県内市町村共同募 金委員会(支会・分会)とともに義援金を募集し、合計 1,623,745 円を被災地 の県共同募金会を通じて被災者へ配分した。 また、9月28日の台風21号によって与那国町が大きな被害を受けたため、 全国の共同募金会の協力を得て義援金募集活動を展開し、8,852,402 円を与那 国町を通じて被災者へ配分した。 4 特定寄附金・指定寄附金の取り扱い 地域密着型特別養護老人ホーム 1 ヶ所の工事建築費の一部として、県内1法 人企業から指定寄附の寄託を受け、中央共同募金会の審査を経て払い出しを行 っている。(2 件:8,720,753 円) 5 公益資金補助事業の取り扱い 中央競馬馬主社会福祉財団の委託を受けて、平成28年度助成事業申請の募 集、審査、推薦事務を執り行い、社会福祉法人 6 団体及び NPO 法人 2 団体の 備品・設備・車両整備に合計 4,490,000 円が助成された。 また、車両競技公益資金記念財団によるボランティア活動推進事業の県内取 り扱い窓口として、市町村社協等の協力を得て申請団体の募集と推薦を行い、 3団体の備品整備に合計 723,500 円が助成された。
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