手法について

Science-based targets
科学と整合する目標設定
手法について
CDP 日本事務所
プログラムマネージャー
高瀬香絵
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1.全手法についての概説や比較表
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SBT認定シナリオと認定手法
2℃目標
SBTイニシアチブ認定シナリオ
SBT イニシアチブ認定目標設定方法7種
※手法については本プレゼンテーションでは、SBT設定マニュアル(ドラフト)(http://sciencebasedtargets.org/wpcontent/uploads/2015/09/SBTManual_PubComDraft_22Sep15.pdf)に基づいております。
2016年5月中に発表予定の確定版を必ずご確認ください。
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認定シナリオ
出典
基準年 目標年
IPCC 第4次報告書 1990
2020 付属書Ⅰ国
(A-450 ppm CO2 –
-25~40%
eq)
2020 非付属書Ⅰ国
ラテンアメリカ、中東、東アジア、計画経済アジアにお
いて基準から大きく異なる
2050
IPCC第5次報告書 2010
(Overshoot < 0.4
-41~72%
W/m2)
2050
IPCC第5次報告書 2010
(RCP2.6)
-66%
2050
IEA エネルギー技 2012
-76%
術展望2014 2DS
Science-based Target Setting Manual (パブコメ版)をもとに作成。
http://sciencebasedtargets.org/2015/09/23/for-public-comment-science-based-target-setting-manual/
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2050 付属書Ⅰ国
-80~95%
2050 非付属書Ⅰ国
地域によって基準から大
きく異なる
認定手法 どうやって自社の目標値を設定するのか?
7種の手法を“認定”しています。
これからSBT認定を受ける、または目標開発をする場合は、
現実的には6種の手法となります。(米国の2020年目標に特化
した手法, 3% solution)
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手法の概要
1.
Absolute Emissions Contraction(総量同率削減):認定シナリオと同じ軌道、または同じ削減率で削減。
2.
Sectoral Decarbonization Approach (SDA):IEAの2℃シナリオの部門別原単位に2050年に収束するように設定。
3.
Corporate Finance Approach to Climate-stabilizing Targets (C-FACT):総量目標であるが、計算プロセスとして付加価値(粗利
益)あたり原単位をどの程度へらすべきかの計算を含む。
4.
Climate Stabilization Intensity Targets (CSI):付加価値あたりGHG排出量が世界全体の比率と同率で減少。
5.
Context-based Carbon Metric (CSO):同上であるが、OECDの排出総量についてバジェットを上回らないように調整するロジック
を付加。
6.
Greenhouse Gas Emissions per Value Added (GEVA):付加価値あたりGHG排出量が世界全体の比率と同率で減少。
7.
3% Solution:米国企業について、2020年の国の目標を達成するべく部門別に目標設定。
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原単位の場合の「収束(Convergence)」と「圧縮(Compression)」
圧縮
Compression
収束
Convergence
原
単
位
最終年の原単位が同じ
原
単
位
年
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削減率が同じ
年
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それぞれの手法の分類
Science-based Target Setting Manual (パブコメ版)をもとに作成。
http://sciencebasedtargets.org/2015/09/23/for-public-comment-science-based-target-setting-manual/
収束 (convergence)
圧縮(compression)
収縮(Contraction)
物理的原単位
付加価値あたり原単
総量
位
経済全体
グローバル
部門別
SDA(Hm)
SDA(Ht)
経済全体
CSI
C-FACT
地域別
部門別
3% Solution
HmはHomogeneousの略であり、単一物生産を行う部門である意味。
HtはHeterogeneousの略であり、複数の生産物を生産する部門である意味。
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SBTの目標設定方法論の類型
GHG/付加価値
総量同率削減
SDA(セクター別脱
炭素化手法)
C-FACT
CSO
GEVA
CSI
3% ソリュー
ション
シナリオ
いずれも可(IPCC
AR5推奨)
IEA, 2DS
いずれも可
(IPCC,AR4)
いずれも可
いずれも可
(IPCC,AR4)
IPCC,AR4
米国政府目
標(2020)
基準年
いずれの年も可
2010年以降
2007
いずれの年
も可
2007
2007
1990
目標年
2050
2050までのいずれ
の年も可
2050
いずれの年
も可
2050
2050
2020
削減率
2010~2050
41-72%
部門によって異な 先進国80%,
る
途上国50%
50%
80%(年率
5.9%の原単
位削減)
25%
いずれも可
S1とS2
(ツールでは、S3一 S1+2+3を推 S1とS2(S3は
S1(S2も可能)
部可能, 乗用車製
奨
オプション)
造部門)
S1+2
S1とS2(S3に
ついても拡張
可)
スコープ
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いずれのシ
ナリオも可
SBTの目標設定方法論の開発者・開発年・主な利用者
SDA(セクター
総量同率削
別脱炭素化 C-FACT
減
手法)
特になし
開発者 (一般的考え方)
特になし
開発年 (一般的考え方)
利用者 Mars(2009)
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CSO
CDP, WRI,
Autodesk
WWF, Ecofys
2015
CSO
2009
2006
Autodesk
Ben&Jerr
y(2006)
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3% ソ
GEVA
CSI
リューショ
ン
WWF, CDP,
BT &
Jorgen
McKinsey
Jorgen
Randers
& Copany,
Randers
Point 380
2012
2012
BT (2012)
2013
その1
Absolute Emissions Contraction
総量同率削減
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方法論その1:総量同率削減 (Absolute Compression Reduction)
 シナリオと同じ率で企業としても削減率を設定するという考
え方です(総量)。
 シナリオは、認定シナリオすべてを選ぶことができます。
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同じ2050年削減率でも3つの道
①同率削減の場合、r=(目標年の排出量/基準年の排出量)^(1/期間の年数)-1 が削減率となります。
これに100をかけると、パーセントとなります。②直線補完の場合、毎年の削減“量”が同量となります。
その場合、削減率は分母が小さくなる先の年において大きくなります。
2030年(2010年比)
①34%減
②28%減
Reduction Pathways
100
90
③
Linear (直線補完、同量削減)
Emissions
80
②
70
CAGR(同率削減)
(1+CAGR)^n
①
60
50
40
2010
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2015
2020
2025
Recommended 56.5% reduction - linear
2030
Year
2035
2040
2045
Recommended 56.5% reducrion - geometric
③については例であり、実際のシナリオの値とは一致しない。
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2050
その2
Sectoral Decarbonization Approach (SDA)
部門別脱炭素化アプローチ
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方法論その2 SDA (部門別脱炭素化アプローチ)
SBTイニシアチブのために、CDP、WRI、Ecofysにて構築。
IEAのエネルギー技術展望2014における2050年の部門別炭素集
約度を利用。
その部門別炭素集約度に“収束”するように、各企業も2050年の原
単位を設定する。
式に基づき、生産量が増加する企業は、途中の原単位減少がその
分大きくなるが、2050年の原単位はIEAの値と一致する。
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原単位とは?部門別の活動量
原単位
CO2 = CO2/活動量*活動量
部門
中部門
活動量
電力
製造業
輸送サービス
サービス・商業ビル
電力量(MWh)
鉄鋼
粗鋼生産(トン)
セメント
セメント生産(トン)
アルミ
アルミ生産(トン)
紙・パルプ
紙・板紙生産(トン)
化学・石油化学
付加価値(ドル)
他製造業
付加価値(ドル)
旅客(航空,乗用車,バス,鉄道)
収益・人・キロ(revenue passenger kilometer)
その他輸送
付加価値(ドル)
貿易,小売,金融,不動産,公共部門,病院等,教育,他商業
床面積(m^2)
※農林部門、他の土地利用変化、石油・ガス製造、熱供給、産業用エネルギー利用、家庭用建築物については扱っていない。
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部門別の原単位
Source: Pedro Faria and Nicole Labutong,
“A Review of Climate Science Based GHG Target Setting Methodologies for Companies”, March, 2015
化学
アルミ
電力
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定式化(2050年の原単位を定義する式)
ある企業の目標年(y)の炭素集約度目標は、①所属する部門の2050年の原単位(SI2050)を目指して、②pyの軌道で収束していくが、
③基準年におけるIEAの部門別原単位と企業の原単位の差と(d)、④該当年の活動量が大きくなると早く収束するというパラメータ(my)の影響を
反映している。
基準年の集約度と
2050年目標値の差
マーケットシェアが大きくなると小さくなる係数
(式6)
CIy
2050年の部門の集約度(ETA)
経路(pathway)を決める係数(2050年にはゼロ)
d
d*py*my
SI2050
産業の業態(活動)によって異なる目標を設定でき、
それが世界全体では2度目標の達成を理論的に行えるもの。
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その他の式(その2)基準年の企業の目標原単位との差d
(式3)係数として式6において利用するdを定義。基準年の原単位と2050年の原単位の差。
𝑑 = 𝐶𝐼𝑏 − 𝑆𝐼2050
𝑑
基準年の炭素原単位と目標原単位の差
基準年の炭素原単位
IEAの示すその部門の原単位(t-CO2/活動量)
𝐶𝐼𝑏
𝑆𝐼2050 2050年の炭素原単位
ある企業の基準年
原単位(t-CO2/活動量)
式6:𝐶𝐼𝑦 = 𝑑 ∗ 𝑝𝑦 ∗ 𝑚𝑦 + 𝑆𝐼2050
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d
2010
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2050
その他の式(その3) 年ごとの原単位の動きpy
(式4)係数として式6に利用するpを定義。
SI2050にどの程度加えるかの項にて、y年のシナリオ値を示す値。
該当年のシナリオ原単位の目標年との差 基準年のシナリオ原単位の目標年との差
𝑝𝑦 = 𝑆𝐼𝑦 − 𝑆𝐼2050 / 𝑆𝐼𝑏 − 𝑆𝐼2050
𝑝𝑦
𝑆𝐼𝑦
𝑆𝐼2050
𝑆𝐼𝑏
該当年の目標年との差
y年における脱炭素化水準
基準年の目標年との差
部門のy年における炭素原単位(tCO2/活動量) IEAより
部門の2050年における炭素原単位(tCO2/活動量)IEAより
部門の基準年における炭素原単位(tCO2/活動量)IEAより
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pyによるCIy(企業のy年の排出原単位)への影響
d(基準年における企業の原単位のシナリオ目標原単位との差)
に、pyをかけることで、シナリオと同じ率で目標年との差が縮まる。
ある企業の基準年
原単位(t-CO2/活動量)
基準年の目標年との差
分母
分子
d
式6:𝐶𝐼𝑦 = 𝑑 ∗ 𝑝𝑦 ∗ 𝑚𝑦 + 𝑆𝐼2050
IEAの示すその部門の原単位(t-CO2/活動量)
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該当年の目標年との差
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その他の式(その4)マーケットシェアによる影響
(式4)係数として式6に利用するmを定義。
基準年のマーケットシェアとy年のマーケットシェアの比率。シェアが大きくなっていくと小さくなる。
基準年の企業のシェア y年の企業のシェア
𝑚𝑦 = 𝐶𝐴𝑏 𝑆𝐴𝑏 / 𝐶𝐴𝑦 𝑆𝐴𝑦
基準年の企業のシェア
y年の企業のシェア
𝑚𝑦
𝐶𝐴𝑏
𝑆𝐴𝑏
Y年におけるマーケットシェアのパラメータ
基準年における企業の活動量 𝐶𝐴𝑦
該当年における企業の活動量
基準年における部門の活動量 𝑆𝐴𝑦
該当年における部門の活動量
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myによるCIy(企業のy年の排出原単位)への影響
dにpyをかけて、企業のy年における所属部門一般的な原単位を得たのちに、
マーケットシェアによる補正を加える。シェアが大きくなると、原単位は小さくなり、
シェアが小さくなると原単位は大きくなる。
いずれにせよ、2050年には原単位は部門のシナリオ値に収束する。
ある企業の基準年
原単位(t-CO2/活動量)
1
1.シェアが小さい場合。
2
2.シェアが大きい場合。
d
式6:𝐶𝐼𝑦 = 𝑑 ∗ 𝑝𝑦 ∗ 𝑚𝑦 + 𝑆𝐼2050
IEAの示すその部門の原単位(t-CO2/活動量)
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その他の式(その5)
(式7)複合部門についての総量排出量の定義式
基準年に対して、シナリオの総量排出の増加率を適用。
𝐶𝐸𝑦 = 𝐶𝐸𝑏 ∗ 𝑆𝐸𝑦 𝑆𝐸𝑏
𝐶𝐸𝑦
𝐶𝐸𝑏
𝑆𝐸𝑦
𝑆𝐸𝑏
y年における企業の排出量(tCO2)
基準年における企業の排出量 (tCO2)
y年における部門の排出量(tCO2)IEAより
基準年における部門の排出量 (tCO2)IEAより
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その他の式(その6) Scope2排出原単位
(式8) 部門別のScope2排出原単位は、シナリオが示す電力部門の原単位(SIpower,y)
に対して、部門別の電力消費量(PSy)をかけてその部門の排出量を計算したのち、それを
Say、つまり部門の活動量で割ることで、活動量あたりのスコープ2排出量原単位を計算
している。
𝑃𝑆𝑦 ∗ 𝑆𝐼𝑃𝑜𝑤𝑒𝑟,𝑦
𝑆𝐼𝑆2𝑦 =
𝑆𝐴𝑦
𝑆𝐼𝑠2𝑦
𝑃𝑆𝑦
y年における部門のスコープ2原単位(tCO2e/活動量)
y年における部門の電力消費量 (MWh)
𝑆𝐼𝑝𝑜𝑤𝑒𝑟,𝑦 y年における電力部門の排出原単位目標値 (tCO2)IEAより
y年における部門の活動量 (tCO2)IEAより
𝑆𝐴𝑦
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その他の式(その7) バジェットや軌道を守る
(式1)部門別年間排出量(=活動量×原単位)の年・部門合計がカーボンバジェットを下回る。
𝐴𝑖,𝑗 × 𝑆𝐼𝑖,𝑗 + 𝑂𝑡ℎ𝑒𝑟𝑦 ≤ 𝐵𝑢𝑑𝑔𝑒𝑡2℃,2050
𝑖
𝑦
(式2)部門別年間排出量(=活動量×原単位)は2℃達成のための年間排出量を下回る。
𝐴𝑖,𝑗 × 𝑆𝐼𝑖,𝑗 + 𝑂𝑡ℎ𝑒𝑟𝑦 ≤ 𝐸𝑚𝑖𝑠𝑠𝑖𝑜𝑛𝑠2℃,𝑦
𝑗
𝐴𝑖,𝑗
j部門のy年の活動量
𝐵𝑢𝑑𝑔𝑒𝑡2℃,2050 2℃目標のためのカーボンバジェット
𝑆𝐼𝑗,𝑦 j部門のy年の炭素原単位
𝑂𝑡ℎ𝑒𝑟𝑦 y年のSIに含まれない排出量 𝐸𝑚𝑖𝑠𝑠𝑖𝑜𝑛𝑠2℃,𝑦 2℃目標のための年間排出量(y年)
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SDA目標設定ツール
http://sciencebasedtargets.org/tools/ にて利用可能。
2016年5月5日現在メンテナンス中であるが、5月中にアップ
デートされて公開予定です。
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【暫定措置】SDAツール公開までに御社のSDAによる目標値を知りたい方
[email protected]に以下の情報を送ってください。SBTIテクニカルワーキンググループから
結果が送付されます。
1) Sector(s):
·
Power Generation/ Iron & Steel/ Cement/ Chemical & Petrochemical (this sector
currently has errors in the Excel tool that have not been updated)/ Aluminum/ Pulp &
Paper/ Manufacture of light-duty passenger vehicles/ Other Industry/ Passenger transport
– Aviation/ Passenger transport – Light Road/ Passenger transport – Heavy Road/
Passenger transport – Rail/ Other transport/ Services , Commercial Buildings
2) Base year (2010 and later)
3) Target year (up to 2050)
For each sector:
4) Activity in the base year (include units)
5) Activity in the target year (include units)
6) Base year scope 1 emissions (in tCO2e)
7) Base year scope 2 emissions (in tCO2e)
8) Power consumption (in MWh)
1) 部門(複数も可):
発電/鉄鋼/セメント/ 化学・石油化学 (現在修正中にて計算できない場合がありま
す)/ アルミ/ 紙・パルプ/ 乗用車製造/ 他製造/ 旅客輸送(航空)/ 旅客輸送(乗用
車)/ 旅客輸送(大型自動車)/ 旅客輸送(鉄道)/ その他輸送/ サービス業・商業
ビル
2) 基準年 (2010 年以降)
3) 目標年 (2050年まで)
各部門について以下の値:
4) 基準年の活動量 (単位も明記)
5) 目標年の活動量 (単位も明記)
6) 基準年のスコープ1排出量 (tCO2e)
7) 基準年のスコープ2排出量 (tCO2e)
8) 基準年の電力消費量 ( MWh)
*乗用車製造部門については、上記に加えて、9) Growth rate of the activity level (%/year)(活動量の増加率),10) unit GHG emissions per
activity level (g-CO2e/rpk=revenue passenger kilometers)(活動量あたりの排出量)、11) Electricity emission factor for the base year
(基準年の電力排出原単位)を送付してください。
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他の参考資料
SDA簡単な説明
http://sciencebasedtargets.org/wp-content/uploads/2015/05/A-Quick-Guide-to-the-SectoralDecarbonization-Approach.pdf
SDA詳細マニュアル
http://sciencebasedtargets.org/wp-content/uploads/2015/05/Sectoral-DecarbonizationApproach-Report.pdf
IEAによる「エネルギー技術展望2014」
http://www.iea.org/etp/etp2014/
Nature Climate Change誌の論文(査読付き)
http://www.nature.com/nclimate/journal/v5/n12/full/nclimate2770.html
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Page 29
その3
C-FACT
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方法論その3 C-FACT
Autodesk社が開発(2009年)
総量削減が基準年比先進国で80%減、途上国にて50%減となるように、原単位の削減
目標を設定する。
基本的には総量削減であるが、毎年の変動ではなく5年間で考えるべき、等、実務上の
方法論が示されている。
アナリストによる企業の短期収益予測を活用する等によって、実務上目標設定が行い
やすい工夫がされている。
説明:http://images.autodesk.com/adsk/files/greenhouse_gas_white_paper000.pdf
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方法論その3 C-FACT 実際のステップ
Step1: ①基準年のCO2排出量を示す。②基準年の企業のGDPに相当する祖利益(Gross Profit)を示す。③アナリスト等の示す自社の祖利益の成長予測を延長
して、2050年の祖利益を計算する。④その祖利益においても先進国の場合80%削減、途上国の場合50%削減が達成できるよう原単位目標を設定する。
Step2: 目標の約束を行う期間を選択する。
Step3: 年削減率を計算し、毎年の目標管理を行う。ただし、5年間の平均の考え方を用いることで、短期変動に左右されることを避ける。収益の予測についても
アップデートする。http://sustainability.autodesk.com/available-solutions/c-fact/
①基準年・目標年・基準年排出量・基準年収入・基準年利益・利益率・対基
準年目標削減率を入力。
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②経年での年間収入(最低5年間)を入力。
その4,5,6
GEVA, CSI, CSO
付加価値あたり原単位の圧縮
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方法論 その4・5・6 GEVA, CSI, CSO
付加価値(企業の場合は粗利益)あたりのCO2排出量、つま
りGDPあたりのCO2排出原単位について、認定シナリオが示
す世界または地域の値と同じ率で削減する考え方。
温室効果ガス排出量
原単位 =
付加価値(粗利益)
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方法論4 GEVA(Greenhouse gas Emissions per unit of Value Added)
付加価値あたりGHG排出を年率5%で低下
Greenhouse gas Emissions per unit of Value Added  GEVA “付加価値あたりの温室効果ガス排出原単位”の意
ノルウェービジネススクールのJorgen Randers によるEnergy Policy誌掲載の論文(2012)を参照している。
出典: Jorgen Randers, “GREENHOUSE GAS EMISSIONS PER UNIT OF VALUE ADDED (“GEVA”) - A
CORPORATE GUIDE TO VOLUNTARY CLIMATE ACTION, Energy Policy, 2012, vol. 48, issue C, pages 46-55.
http://sciencebasedtargets.org/wp-content/uploads/2014/10/p120329-Randers-on-GEVA-Energy-Policycolor.pdf
“もし、すべての国が“GDPあたりのGHG排出量を毎年5%削減するならば、全世界のGHG排出量は2050年には
2010年比で50%削減される。これは、経済成長が過去の水準と同等の3.5%/年で成長したとした場合である。この5%
削減については、企業が”付加価値あたりGHG排出(=GEVA)“を年5%削減することに相当する。”
科学的に2℃目標を達成するシナリオをもとに、付加価値あたりの原単位で
考えて目標を設定しようという考え方の基礎(査読論文)
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方法論5 CSI(Carbon Stabilization Intensity):
付加価値あたり排出原単位を2050年まで年率9.6%で削減
GEVAの考え方と同じであるが、2008年にBTがCDP
に委託して行った研究に基づく。
付加価値あたりの排出原単位を、2050年までに年率
9.6%下げなくてはいけないという研究成果に基づき、
2020年までについては先進国は付加価値あたりの排
出原単位を80%削減すべし(1996年比)との結論。付加
価値は実質。
http://www.btplc.com/Betterfuture/NetGood/OurNe
tGoodgoal/OurCSIMethodology/index.htm
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方法論6 CSO(Context-based Carbon Metric) by Center for Sustainable Organization
付加価値あたり排出原単位を2050年までIPCC RCP2.6に応じて決定
2006年にBen&Jerry’sの支援によりCSO(Center
for Sustainable Organization)が開発。(科学と整合
のある手法としては初めて。)
その後アップデートを重ね、2011年にはドネラ・メド
ウズ研究所とPontifex Consultingとの協働にて自治
体版を開発、2014年には大学における大学等高等教
育機関用のものが開発された。
IPCC RCP2.6に基づく版について、Excel ツール
がフリーで提供されている。
http://www.sustainableorganizations.org/contextbased-metrics-in-public-domain.html
OECD諸国内の総量バジェットによって、調整をす
るロジックが組み込まれている。
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その7
3% Approach
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方法論7 3% Solution:米国企業の2020年までの目標と節約額を部門別事情を考慮しながら設定。
米国政府とマッキンゼー社、WWF、
CDPにより、米国内企業の2020年部門
別目標設定ツールとして構築した。
部門とその部門の排出全体に占める
割合を入力。(合計で100%になるまで
部門を増やしていく。)
基準年の排出量を入力。
企業全体の排出量を入力
マーケットシェアの変化率を入力。
ツール:http://www.worldwildlife.org/pages/carbon-target-and-profit-calculator
説明:https://c402277.ssl.cf1.rackcdn.com/publications/575/files/original/The_3_Percent_Solution_-_June_10.pdf?1371151781
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ご連絡先
[email protected]
(担当:高瀬・岸岡)
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