『日本における多元的正当化方略の検討』(H28-H30)

若手研究(B)
『日本における多元的正当化方略の検討』
(H28-H30)
研究課題番号:16K17298
研究代表者:総合社会学部・講師・川嶋 伸佳
社会的不平等の是正は、近年日本における重要な課題の 1 つである。システム正当化理
論は、主に欧米人を対象とした研究結果から、社会的不合理がもたらす脅威を回避するため
に社会の現状を正当化する動機が存在し、それが不平等是正の心理的障壁となることを明
らかにしてきた。しかし、同様のメカニズムは日本人には必ずしも当てはまらない。そこで
本研究は、システム正当化とは異なる対処法略(多元的正当化方略)の存在を明らかにする。
具体的には、国や社会に対してマクロ水準では不公正評価を下しながらも、自分自身に関す
るミクロ水準では公正感を維持する心理学的機構を仮定し、実験手法を用いた調査を通し
てその解明を目指す。