知る 全てが揃ってようやく育つ 幼虫が育つ水中、成虫が飛ぶ し て い て 水 分 し か 摂 取 せ ず、 いう間です。成虫は口が退化 成虫として生きられるのは 約1~2週間…本当にあっと 求めて光るのです。 して羽化した後、交尾相手を ナギの状態で眠ります。そう 約1カ月ほど土マユというサ 土に潜り、成虫になるために ~5月になると陸に上がって ケボタルの2種類。幼虫は4 タルは、ゲンジボタルとヘイ ます。市内に生息する主なホ ことにもつなが くことが、豊かな自然を残す タルが住める環境を残してい 準にもなります。つまり、ホ それだけ変化に敏感な昆虫 ※ なため、指標昆虫にも指定さ なってしまいます。 は一気に過酷な生育環境に 害されると、ホタルにとって 人工物の設置などによって阻 のいずれかの環境が、汚染や が揃わないといけません。そ 中など、ほぼ全ての環境条件 れ、良好な自然環境を示す基 幼虫期に蓄えた栄養だけで過 るのです。 (約10日) 岸辺 水中 ホタルの存在は 自然が残されている証 一生の大半が水中 ホタルは甲虫で、カブトム シなどと同じ仲間です。ホタ 空中のほか、産卵するコケ類 日の命 ルの一生は約1年。そのうち のある岸辺、サナギが眠る土 羽化して 約 カ月を幼虫の姿で過ごし ホタルは一生のうちにあら ゆ る 環 境 を 介 し て 育 ち ま す。 副会長 君島 章男 氏 ごします。 卵 土中 時間をかけて 育むことが大切 次第に崩れる共存バランス ホタルは昔から人と共存し てきました。しかし、近年こ のバランスが崩れつつありま す。主な要因として農薬の散 布、人工光の増加、エサの減 少、水辺の開発などがあげら れます。これらはいずれも人 間の生活要因によるもの。 「光害」 と呼 人工光の増加は ば れ、 光 に 敏 感 な ホ タ ル は、 人工光が照るところから姿を 消してしまいます。また、幼 虫の餌であるカワニナなどの 巻貝の減少は、水質汚染によ る影響が大半。人間が配慮す ることで共存できる余地は大 いにあると思います。 復活は時間をかけてゆっくり ホタルは生息する水系ごと に 固 有 の 遺 伝 子 を 持 ち ま す。 実際に東日本と西日本とで発 光間隔が倍以上異なる個体群 もいるほど。そのため、ただ いたずらにホタルを放すのは よく考えなければなりませ ん。ホタルが減った原因を分 析し、今ホタルがいるところ をこれからも守っていくこと が最も大切だと思います。 産卵 (約30日) 孵化 (約30日) 土マユ(サナギ) (コケ類) (4月頃) 交尾 成虫 羽化 (6~7月頃) 4 平成28年6月5日号 平成28年6月5日号 5 ボなども指定されている。 とが確認された。 ることが必要です。この地域で長年ホタル を見守ってきた君島さんに話を伺いました。 ホタルの一生 6 月下旬~ 7 月 陸上・空中 ほかにタガメやハッチョウトン 広く生息しているこ い る こ とが1つ の 指 標 と な る。 プ。河川部を中心に、 環境に生息するため、生息して 作成したホタルマッ 市動植物調査研究会 ホタルが見つかった地点 体長7~10mm で ゲ ン ジ ボタルより一回り小さい。 前胸部の中央に太く黒い 縦の帯がある。ゲンジボ タ ル に 比 べ て 光 は 弱 く、 発光間隔が短い。 体長12 ~ 20mm。 前胸部の中央に丸 い黒紋がある。光 が強く発光間隔の 長さが特徴。 種類の昆虫のこと。良好な自然 査した結果をもとに 10 前胸部 ※環境調査のために選ばれた10 市 が 平成21年 に 調 10 ヘイケボタル ゲンジボタル 地域資源でもあるホタルの保護。そのため には生態やホタルが置かれている現状を知 幼虫(~3月)
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