世界を知り、日本を学ぶ実体験が 育む﹁ 本当に使えるグローバルな力 ﹂

無 謀 とも 思われたこのプログラム
覚させることへとつながった。
ることの重 要 性 を、入 学と同 時に自
自 分の目で見て、耳で聞 き 、体 験 す
の話 を 聞いた り 。こう した 経 験は、
上海工場を訪ね、﹁世界で働く ﹂人々
Chiba University of Commerce
世界を知り、日本を学ぶ実体験が
育む﹁本当に使えるグローバルな力﹂
千葉商科大学
入学式後に上海へ。
4年間を
﹁学びたい!﹂
からはじめる
4月2日 。入 学 式 を 終 え た 国 際
教養学部の第一期生たちは、
スーツケ
ースを 手にその足で上 海へと飛び立
う 。授業では学生たちが食い入るよ
の成 果は、帰 国 後 す ぐに表れたとい
うに講 義を聞 き、常に多 くの質 問や
外 から日 本 を 見つめる 最 初の必 修
講 義﹃ 海 外 文 化 研 修 ﹄で あ る 。
﹁挑
発 言 が 飛び交 う 。語 学の必 要 性 を
った。目 的は、外 国の文 化を体 験し、
戦 的な試みでしたが、狙いはま ず 最
かったのです ﹂と宮 崎 緑 国 際 教 養 学
たところから学 修 をスタートさせた
学ぶモチベーションを 最 大 限に高め
りないと気づいたものを 満たすため
から持 ち 帰った知 識 欲や、自 分に足
し続けている。それぞれが海外体験
国 語 を 学び、現 在 も 語 学 力 を 伸 ば
初にカルチャーショックを 与 えること。 感 じ た 学 生 は 、自 発 的 に 英 語や 中
部長は語る。重要なのは、
この﹁入学
の大 学 生 と英 語やジェスチャーを 交
見て、これは功を奏したと感 動しま
ら 自 立 的 な 学 修 を する学 生 た ち を
自 然と身につけていたのだ。
﹁ 初めか
に、自ら行 動して学んでいく 姿 勢 を
えて交 流 し、異 文 化に触れたり 、在
した﹂と、宮崎教授は笑顔を見せる。
入 学 して間 も ない一年 生 が、現 地
式直後﹂であることだ。
上 海日 本 国 総 領 事 館や日 本 企 業の
世 界と日本を
体 感する
アクティブ
ラーニング
4年間の学びは海外からスタート。上海市内の見学や、領事館・日系企業
への訪問、同学と緊密な提携関係にある上海立信会計学院の学生たちと
の交流を通して、これからの学修へのモチベーションを一気に高めた。
2016年4月入学の二期生は、やはり入学式当日にベトナムへ。歴史や文
化、
日本との関係について体験的に学ぶことで、世界への扉を開く。
国際教養学部
4月
海外フレッシュマンキャンプ
(海外文化研修)in 上海
実学教育の大学である千葉商科大学
で、2015 年より始動した国際教養学
部。海外体験からはじまる斬新な教育
プログラムは、着実に実を結びつつあ
る。わずか1年で学生を大きく成長させ
た鍵は、
アクティブラーニングにあった。
取材・文/草苅敦子
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Parent 2016
for
社会で本当に役立つ力を養う
アクティブラーニング
﹁ 世 界で働 き ﹂
﹁ 世 界 と働 き ﹂
﹁世
界 を もてな す ﹂グローバル人 材の育
成 を 目 的に、
2015 年4 月 、千 葉
商 科 大 学に国 際 教 養 学 部は誕 生し
た 。実 学 教 育 を 長 年 実 践 する同 学
した 人 材 を 数 多 く 輩 出 して き た 。
ちの大 きな成 長の要 因 となっている。
んなアクティブラーニングが、学 生た
て事 前に学び、各 自 研 究テーマを 設
き た 奄 美の歴 史や自 然 、産 業につい
と 琉 球の間で 独 自の文 化 を 築いて
持って
年 次には、それぞれにミッションを
りたい﹂と展 望 を 語っているという 。
の多 くが﹁世界と日本の懸け橋にな
です が、
グローバルな 企 業や 職 種に
千葉商科大学
奄美での調査結果はポスター
で発表。島田晴雄学長や、
サ
マープログラムで訪れていた海
外の学生からの質問にも回答
し、
意見交換を行った。
ポスターセッション
& サマープログラム
7月
Cサマープログラム﹂が開 催されてお
り、海 外の学 生 ともポスターを 前に
ディスカッションを繰り広げていた。
体験から学修するプロセスが
視野を世界へ広げていく
体 験の中 か ら 興 味 関 心 を 広 げ 、
同 学 部 も ま た、多 くのアクティブラ
1、
2年 次には好 奇 心や意 欲を刺 激
自 ら 行 動 して 理 論 を 練 り 上 げ 、身
ーニングによって﹁ 本 当に使 えるグロ
する多くの仕掛けを用意し、
3年次
は、
アクティブラーニングを 積 極 的に
ーバルな力﹂の修得をめざしている。
以 降は企 業に協 力 を 得た課 題 解 決
を もって知 識 を 身につけていく 。そ
海 外へ行 くと﹁日本とはどんな国
型の授 業も展 開していく 。こうした
採り入れ、社 会で役立つ実 学を修 得
なのか﹂という 、自 分のアイデンティ
先 進 的なプログラムや大 学の手 厚い
からの評 価も高い。
じる。初めに外から見つめた日 本 を、 サポートに対しては、企 業や保 護 者
ティに関 わる 疑 問 が 少 なから ず 生
別の角 度から学ぶために行われるの
年 目 ながら、第一期 生
定して現地を訪問した。地元の人々
る。学 生たちはそこでどんな答えを
入 学 して
や伝 統工芸・芸 能に触れ、
日本を再
見つけてくるのか。帰 国 後のさらな
について 学 生 同 士 が 質 問や 意 見 交
進むことは確か。 年後には卒業生
巣鴨高等商業高校
(1928年)
を前身として1950年に開学。国際
教養学部、
商経学部、
政策情報学部、
サービス創造学部、
人間
社会学部の5学部7学科を擁し、
専門的知識と幅広い教養を
身につける
「実学教育」
を展開する。
採用意欲の高い企業をネ
ットワーク化した「CUCアライアンス企業」
約660社
(2016年
2月現在)と連携するほか、
合同企業セミナーや学内選考会
等、
企業連携キャリアプログラムも豊富だ。
6月
「私たちがつくり上げた挑戦的な教育プログラムの成
果はすでに表れています。学ぶ“意欲”
があれば、真の
グローバル人材へ成長できると確信しています」
フィールドワーク
in 奄美
宮崎 緑 教授
が奄美でのフィールドワークだ。薩摩
発 見 し た 学 生 は、その研 究 結 果 を
﹁ 今はまだ視 野を広げている段 階
る成長に宮崎教授は期待を寄せる。
換 を 活 発に行った 。同 時 期には、各
が世 界 中に散らばり、活 躍している、
●DATA
週 間の短 期 留 学へと出 発 す
学 内にポスターを 展 示し、その内 容
﹁ポスターセッション﹂の形 式で発 表 。
国の大 学 生を同 学に招 待し、
日本の
というのが私の理 想です ﹂
4
Parent 2016
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文 化や経 済を体 験してもらう﹁CU
千葉県市川市国府台1-3-1
TEL
047-373-9701(入学センター)
URL http://www.cuc.ac.jp/
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大島紬の工房で泥染めを体験
したり、
マングローブの原生林を
カヌーで探索したり…。奄美で
の体験や調査が、より深く日本
を理解するきっかけに。
千葉商科大学
国際教養学部 学部長
1
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