CONTENTS Vol.43

Vol. 43
学 長 か ら の メ ッ セ ー ジ
CONTENTS
「きらきら輝く滋賀大学」に向かって
3 学長からのメッセージ
「きらきら輝く滋賀大学」に向かって
滋賀大学長 位田
滋賀大学長
一
い だ りゅう いち
位田
一
4 新役員メッセージ
2)人社系と理系の「文理融合」による逆Π(パイ)型教育研
究とΓ(ガンマ)型人材育成
6 特集
2017年度から本学は全国で初めてのデータ・サイエンス学
データサイエンス学部新設に向けて
〈おうみ学術出版会〉誕生 ̶ 新方式の本作りで ̶
8 滋賀大学のいま 附属学校園における学習発達支援
5年一貫による教育プログラムについて
10 卒業生のいま
西嶋 良 さん(滋賀大学教育学部附属小学校 教諭)
伊勢 麻衣子 さん(株式会社みずほ銀行)
12 学生支援 食と健康 ∼滋賀大生の生活習慣∼
14 在学生のいま
学生による教育活動団体ILE∼科学ワークショップによる社会および子どもへの学習推進活動∼
インターンシップと様々な就職支援活動
16 クラブ&サークル インフォメーション
このたび新しく学長に就任しました。私は4年間の任期
部を新設します。
これは理系学部ですが、現代社会はもはや理
において、
「きらきら輝く滋賀大学」に向けて、大学の教育・
系と文系が分かれていては進歩・発展しません。現実の社会は、
研究、そして社会との連携を推し進めていく所存です。
自らの専門分野を縦軸に、相互に理解しあい全体を俯瞰する力
今や国立大学は、大学改革、社会への貢献、人文社会系の
を横軸に、文系と理系が常にそれぞれの強みを生かしつつ融
再編成、財政削減など、様々な批判と要請に直面し、激動の
合していっています。
これからの滋賀大学は、経済と教育をそれ
時代に入っています。多くは的外れで、大学とは何か、学問と
ぞれ縦軸に、データ・サイエンスを横軸にして、教育・研究を進
は何か、人文社会科学の意義などが、社会に十分に理解され
めます。
これを逆Π(パイ)型といいます。教育の学生も経済の
ているとは思えません。
しかし、
これまで大学は、
あまりにも社
学生もデータの理解と取扱いを会得し、データ・サイエンスの学
会との関係をおざなりにしてきており、
とくに目に見える生産
生は、教育や経済を中心にその他の様々な領域の基礎的知識
活動とは距離を置く人文・社会系や教員養成系は、研究成果
を習得することで、
どの分野にでも応用のきく人材に育っていき
が必ずしも社会の抱える課題と結びついてはいませんでし
ます。
これをΓ(ガンマ)型人材育成と考えています。
た。
こうした大学の姿勢が、いま問われているのです。
3)地域に根ざし世界に飛び出すグローバルな視野と活動
滋賀大学は、今年度から第3期中期計画期間に入り、新
いまやあらゆる人間活動がグローバルに結びついていま
しい時代を迎えます。滋賀大学が、
この激動の時代を乗り
す。国内やまた地元滋賀においても、世界を相手に活躍し
越えて、
これまで築き上げた知的資産を基礎として、新しく
ている企業や団体、個人があり、学生たちもグローバルな活
「きらきら輝く滋賀大学」
となるために、次の3つを柱とし
躍を目指しています。教育学部が育てる「教師」は、児童や
ます。
生徒が世界で活躍する夢を描くことの後押しをします。経済
1)現代社会の課題とその解決に貢献する大学であること
は、地域・国・世界の境界なくグローバルな経済が日常生活
漕艇部
教育学部
大学が社会の中の知的創造の場である以上、常に社会
と密接に結びついています。そしてデータは国境を越え世
女子ハンドボール部
教育学部
の抱える様々な課題を意識しつつ研究します。すべての研
界中を飛び回っています。いまや、滋賀大学が地域に根ざ
少林寺拳法部
経済学部
究が実用的であれ、
といった薄っぺらい考えではなく、個々
しつつ培ってきた能力と活力を、
これまで以上に世界に向
軽音楽部
経済学部
の研究が社会とのかかわりを常に意識し、社会の様々な事
かって伸ばしていく時です。
象や活動の理論的な基盤を明らかにしていく作業だという
この4月に入学される新入生諸君は、
この滋賀大学の発
ことです。その中でも、分野横断的に
「課題解決型・提言型」
展に自ら貢献し、自ら新しい道を切り開いていく主役であ
の研究を進めることは重要です。社会の中に大学のこのよ
り、
「きらきら輝く」滋賀大学の新しい歴史の証人ともなるの
うな知的貢献があってこそ、そこで学ぶ学生諸君の知的好
です。若い力と意欲の学生諸君と、伝統と経験に裏打ちされ
奇心を掻き立て、地域に貢献する人材、世界に飛び出す人
た力を持つ教職員とが、
しっかりタグを組んで、新しい時代
材に成長するのです。
に乗り出しましょう。
18 留学体験記
ノルウェー留学で学んだこと
経済学部 4回生 柿木 知足
19 表紙解説
明治後期の理科教科書―『小学理科』
比良暮雪と竹生島
「湖水浦廻り 名所・寺社便覧図蹟」より
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