ドラマ「滋賀大学の未来」

Vol. 44
学 長 か ら の メ ッ セ ー ジ
CONTENTS
ドラマ「滋賀大学の未来」
3 学長からのメッセージ
ドラマ「滋賀大学の未来」
滋賀大学長 位田
滋賀大学長
一
い だ りゅう いち
位田
一
4 特集
イエンス学部であり、教職大学院(高度教職実践専攻)
であ
我が国初の「データサイエンス学部(申請中)」が誕生します
る。
それらは、社会の動きや変化を、学問研究として、
また教
6 滋賀大学のいま 育として、大学が主体的に取り入れた構想である。今年度中
教育学部 教育学部と滋賀県・市町教育委員会との連携
滋賀には「海」はないが、日本最大の「琵琶湖」がある。都
にこれらの二つは文部科学省による審査が行われ、来年4
―地域教育の発展・向上を目指して―
から近い淡水の海という意味で「ちかつあふみ」
(近淡海)、
月にはそれぞれ彦根と石山にその姿を見せ、活躍が始ま
万葉集では「あふみのみ」
(淡海の海)
と呼ぶ。琵琶湖は大
る。それは、既存の2学部にとっても、新しい可能性を開く
きいだけではない。古代湖で、50種類以上の固有生物が生
ことである。教育学部と経済学部を縦軸に、データサイエ
息する。湿地の生態系保存のための「ラムサール条約」 に
ンス学部を横軸にした逆Π(パイ)型の教育研究体制に
登録された、生物圏としても世界的に著名な湖である。滋賀
より、これまでになかった主たる専門と副たる能力を兼ね
県では琵琶湖を「Mother Lake 母なる湖」
と呼んでいる。滋
備えたΓ(ガンマ)型人材の育成が、また学校教育の高度
賀大学は、
この豊かな自然「琵琶湖」を背景に、湖東彦根に
なプロフェッショナルの養成によりわが国の「人づくり」の根
経済学部を、大津石山に教育学部を擁して、3年後には大
幹の強化が、目指される。
学設立70周年を迎えることになる。
その主役は在学生と新入生、そして将来滋賀大学に入学
この100年近くの間に、日本は、そして世界は大きく変容
する学生たちである。学生諸君が、
こうした構想を基盤に、
を遂げた。18世紀が産業革命の世紀と呼ばれたのに対し
自分たちの滋賀大学をどんな大学にしたいか、
どんな大学
て、20世紀は科学技術革命の世紀と称された。私たちはそ
であって欲しいか、を考えながら、
「滋賀大学の未来」
という
れぞれの革命の恩恵を受け、今に至っている。
そうした変容
壮大なドラマを創るのだ。
の中で、大学は何を目指すのか。大学を取り巻く社会が変
※「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」
(1971年2月2日制定)
経済学部 史料館の「企画展」のこと
10 卒業生のいま
※
矢田 麻希子さん(彦根市立城北小学校 教諭)
山本 大貴さん(関西電力株式会社)
12 学生支援 生活協同組合の学生支援活動
14 在学生のいま
「未来への食育」に向けた活動
東南アジア、
ラオスの現状と寄付活動
16 クラブ&サークル インフォメーション
女子硬式テニス部
教育学部
アカペラサークル MEBA☆CHIKO
教育学部
滋賀大学生協学生委員会 CIEL
経済学部
バドミントン部
経済学部
容する中で、大学はどうあるべきなのかが、いま問われてい
る。長い伝統と優秀な教職員・学生を擁する滋賀大学も例
外ではない。
これまでの伝統を誇りにし、礎としつつも、いま
私たちの置かれた社会の中で大学の新しい役割と責務を
考えなければならない。学問には日々新しい展開がなけれ
ば進歩はない。大学もまた毎年新しい学生諸君が入学し、
18 留学体験記
留学で学んだこと
教育学部卒業生 真木 優美
韓国留学体験記
経済学部社会システム学科 4回生 小倉 早央里
新しく卒業生が社会に出ていく。
そこに前進がなければ、大
学の価値はない。大学とは、単に深い知識を得るところでは
ないことは入学式で述べた。
「考える場」
である。今までにな
19 表紙解説
宇田川準一『物理全志』
「琉球貿易図屏風」
い新しい考えを模索し、新しい解決を見出し、新しいものを
発見・発明するところである。
では、滋賀大学はどこに向かおうとしているのか。私たち
はその答えを世に問おうとしている。その一端が、データサ
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