ニュースウォッチ9/憲法改正の是非

TV 報道検証
テレビ局: 日本放送協会 (NHK)
報告書
番組名:ニュースウォッチ9
放送日: 2016 年 5 月 2 日
出演者:【キャスター】河野憲治鈴木奈穂子、他
,
検証テーマ:憲法改正の是非
報道内容要旨:
・気温上昇“真夏日”も 照りつける強い日ざし 被災地も暑い一日に…
・住まいの再建が進まない
・(熊本地震)医療に深刻な影響
→赤ちゃん・妊産婦 高度医療の拠点も被害
→医療に深刻な影響 患者受け入れできず 在宅療養で看護師訪問
・サミットで“財政出動”のメッセージも
・衆参同日選は “解散の「か」の字も考えていない”
・NHK 世論調査 憲法改正 “必要” 27% “必要ない”31%
→明日は憲法記念日。NHK の世論調査で、憲法改正が「必要あり」との回答が 27%、「必要ない」
31%。 「ど
ちらとも言えない」が 38% 。
平成19年からの5回の調査で、「必要ない」と答えた割合は今回が最も多かった。
街頭インタビューでは「憲法について普段考えますか?」との質問。
街の人の声として以下のような言葉が伝えられた。
「あまり考えない」「生活の中で支障があることはあまりないかな」「戦争が起きたり何か身近に危険が
起きたときに感じるのかな」「変な方向に行ったときに改めて考えるがそのときには遅いというのが実情だろ
う」
また、憲法 9 条改正については、「必要ある」が22%、「必要ない」40%、「どちらとも言えない」33% 。
3年前の調査では「必要ある」33%、「必要ない」
33%と拮抗していたが、一昨年からの3回の調査ではいずれ
も「必要ない」が上回っている。
「必要ある」の理由は、「自衛力持てることはっきり書くべき」が 55% 、「や国連中心の軍事活動に参加出来る
ように」が 23% 、「自衛隊含め軍事力放棄明確に」が 10%、「海外で武力行使できるように」が 5%。
「必要ない」の理由は「平和憲法として最も大事な条文」 65%、「憲法解釈変更で対応できる」15%、「海外で
の武力行使歯止めなくなる」 12%、「アジア各国などと關係損なう」4%。
今年 3 月安全保障関連法が施行され、日本が手段自衛権行使が可能になったことについては「賛成」 25%、「反
対」27%、「どちらとも言えない」40%。
“政府の権力を制限して国民の人権を守る”という「立憲主義」についても聞いた。
憲法解釈や改正を議論するにあたって「立憲主義」を重視するべきかと聞いたところ「重視すべき」が
69%、
「重視する必要はない」が 12%
調査を踏まえ、憲法学者二人のコメント。
九州大学・井上武史准教授:『憲法が70年間変わっていないということは、70年間の社会の変化を全く捉え
ていないということ。9条の問題だけはなく、私たちの現実の生活や政治に関する具体的な問題に対処するよ
うな憲法であるように、そういう議論であってほしい。』
東京大学・石川健治教授:『(調査結果は)改憲の土壌がまだできていない、改憲の条件が遠のいたということ
を示している。変えるべき点が変えられるような土俵をどうやって作っていくかが大事で、戦後70年でそれ
が「できている」と断言できればよかったのですが、残念ながらそれはまだだという認識を持っている』
・海外目指す日本企業
→日本企業支える“ママ友”ネットワーク 市場調査のカギは 現地の“ママ”の声/他
・捜査書類にうその内容の疑い
・「ビットコイン」“考案者”名乗り
・高額消費の減速 鮮明に
・気象情報
検証報告(放送法第 4 条の見地から):
『NHK 世論調査 憲法改正 “必要” 27% “必要ない”31%』とのニュースについて検証した。
世論調査については、今回の結果を過去の結果と比較して近年の動向を客観的に伝えている。
街頭インタビューは、「憲法について普段考えますか?」という質問なので、憲法改正の是非に言及した答えは
なかった。賛否の意見が紹介されたのは、最後の二人の憲法学者によるコメントのみである。
時間を計測したところ、九州大学・井上武史准教授(改憲派)のコメントが29秒、東京大学・石川健治教授
(護憲派)のコメントが30秒で、ほぼ50%ずつの時間配分であり、公平な編集であったと言える。
検証者所感:
特になし
備考: