議事録(PDF:506KB)

平成28年度第1回宮崎県総合教育会議 議事録
日
時:平成28年5月19日(木)15:00~16:00
開催場所:宮崎県庁本館 2 階講堂
出 席 者:宮崎県知事 河野俊嗣
教 育 長 四本孝
教育委員 島原俊英、山崎里都子、東秀一、宇田津真理子、春日由美
発言者
司会
(総合政策部長)
河野知事
司会
四本教育長
内
容
平成28年度第1回の宮崎県総合教育会議を開催します。私は、本日の進行役を努め
させていただきます総合政策部長永山でございます。どうぞよろしくお願いします。そ
れでは開会に先立ちまして、知事からご挨拶を申し上げます。
皆さん、こんにちは。本日は大変お忙しいところ、総合教育会議に出席いただきまし
て感謝を申し上げます。本会議も昨年4月に設置をして2年目ということになります。
また、四本教育長をはじめ、新しい体制での初めての会ということになるわけでありま
して、引き続きよろしくお願いします。
先日、国への要望活動を行いまして、初等中等教育に関しましては、学校職員の定数、
先生方の定数の話も要望してまいりました。本当に現場の皆さんは、いろんな思いで、
ご負担がかかる中、確かに子どもの数は減っていますが、今後、学校現場をどう考えて
いくのか、しっかり、これも含めて、国に、地方の声、現場の声を届けていきたいと思
ったところであります。
今日は、3つのテーマで協議させていただきます。若者定着対策は、地方創生を推進
する上で非常に重要な課題であります。また、主権者教育の取組は、18歳選挙権がこ
の7月に予定されている参議院選挙で始まるということであります。それから、残念な
がら、本県でも発生しましたが、いじめ防止対策ということ。3つのテーマについて限
られた時間ではありますが、皆様、是非いろいろなご意見をいただき、実りある内容に
していこうということを申し上げまして、挨拶といたします。よろしくお願いします。
ありがとうございました。次に、四本教育長からご挨拶をお願いします。
知事には大変お忙しい中、本日、教育委員との会議を設けていただきまして感謝を申
しあげます。
さて、昨年度の本会議におきましては、教育大綱における協議を深めるということで、
教育、文化、スポーツ等の幅広い分野について、現在取り組んでいる施策等も含め知事
との意見交換をさせていただいたところであります。また、教育委員会では昨年9月に
県総合計画及び教育大綱を踏まえて、教育振興基本計画を改定いたしまして、今後の本
県教育の方向性を定めたところであり、23の施策と10の成果目標、それから、39
の管理指標を掲げまして、教育委員会一丸となって、施策推進に取り組んでいるところ
でございます。
今回、知事からお示しいただきました3つの協議テーマというのは、教育委員会とし
ても、今年度重点的に取り組まなくてはならない必要性の高いテーマでございまして、
この時期に、知事と直接意見交換ができるということは、誠に時宜を得たものであると
考えております。また、当然ながら、今日の3つのテーマといいますのは、いずれも教
育委員会の取り組みだけでは十分な効果をあげることができないものであり、知事部局
はもとより、その他の関係機関とも、まさにチームとして取り組んでいくことが重要で
1
発言者
司会
雇用労働政策課長
司会
雇用労働政策課長
内
容
あると考えております。
本日は、各テーマの現状や課題について、知事のお考えを伺い、また、教育委員会と
しての考えをお伝えする、そして、率直な意見交換を行わせていただくということで、
今後の取り組みの方向性を確認したいと考えております。
本日の協議を通じまして、本県教育のさらなる推進、充実を図ってまいりたいと思い
ますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。それでは、早速議事に入らせていただきます。
お二方の挨拶にもありましたように、今日は大きなテーマが3つございます。事務局
からの説明はシンプルにして、意見交換を中心に有意義に行いたい、また、時間をしっ
かり守ってやりたいと思っていますので、御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず1番目のテーマの若者の定着対策について、雇用労働政策課から現在
の情勢等について報告をしてもらいます。
雇用労働政策課でございます。資料1若者定着対策の1ページをお開きください。
『高
校生の雇用動向』等についてあります。
まず、
「1 県内就職の状況」についてでありますが、
(1)は、本県の高校生の県内
就職率と全国順位の推移であります。本県はここ10年60%を下まわっておりまして、
昨年の卒業生は、54%ということで、全国最下位という状況になっております。次に、
(2)本県と他県の状況でございますが、下の表の右側にあります南九州2県をみます
と、本県同様県内就職率が低い状況にあります。一方、左側の北陸3県は非常に高く、
事業者数が本県よりも少ない山陰なども本県を上回っている状況にあります。次のペー
ジをご覧ください。
(3)は産業別の就職状況です。産業別に見ますと、最も、就職者が
多い製造業は、就職者1,000人中531人が県外に就職している状況にあります。
(4)は、高校生の県外就職に関する意識についてであります。まず、①は県外就職が
比較的多い県立4校の3年生を調査したものでありますが、県外希望者は4校全体で5
2.9%、特に高い工業科では、7割近い数値となっております。次のページをご覧く
ださい。
(2)は県外希望の理由ですが、この表にありますとおり、
「大企業だから」
、
「希
望する職種・業種がある」
、
「給与やボーナスが高い」
、こういったものが上位を占めてお
ります。次に②は高校3年間の県外希望者の割合の変化について、県立4校で調査した
ものでありますが、工業科、農業科、総合学科では、1年生時点よりも3年生時点での
ほうが県外希望の割合が増え、商業科のみ減っております。次のページをご覧ください。
(5)は県内就職率が高い北陸3県での現地調査の結果です。②に県内就職率が高い理
由をまとめておりますが、一つ目の○にありますとおり、
「いい子は地元企業へ」という
意識が非常に高いということ、最後の○にございます、
「景気が厳しい時期にも県内企業
は継続的に地元高校生を採用するなど、学校と企業の信頼関係が構築されている」
、こう
いうことが意見としてでておりました。次のページをご覧下さい。
次は、
「2 の早期離職の状況」についてでありますが、
(1)は、卒業後3年以内の
離職率の状況でございます。直近のデータ、平成24年卒業生では、グラフの中で○で
囲んでありますけれども、本県では47.2%で、右側の全国平均より約7%高い状況
であります。下の(2)は、事業所規模別の状況でありますけれども、小規模な事業所
ほど離職率が高いという傾向が出ております。次のページをご覧下さい。
(3)早期離職
者の離職理由でありますけれども、これは、下の右側のグラフに○がつけてありますが、
⑧の「実際に働いてみると仕事が自分に合わなかった」
、⑱の「職場の人間関係がうまく
いかなかった」
、などの理由が上位を占めている状況にございます。
説明は以上でございます。
こういう情勢を踏まえまして、今年度、若者定着に関する県の新規事業について、知
事部局および教育委員会から報告をしてもらいます。まずは、知事部局から。
雇用労働政策課でございます。資料同じく7ページをご覧ください。高校生の県内就
職促進に向けた新規事業についてでございます。これは「1 事業目的」にありますと
2
発言者
学校政策課長
司会
河野知事
内
容
おり、現状では、県内企業の魅力や本県で働く意義を高校生等に十分伝え切れていない
という課題がございますので、これまで以上に企業と学校、そして企業と生徒との接点
を増やしていきたいと考えております。
「2 事業概要」でございますが、
(1)
『さあ、みやざきで働こう!高校生県内就職
促進事業』でありますが、①の高校企業ネットワーク強化事業では(ア)にありますと
おり、私立高校の生徒等へ県内企業の魅力を伝えるための県内就職支援員を配置するも
のであります。この支援員は、教育委員会が県立高校に配置しますコーディネーターと
の情報共有を図りまして、県全体の取り組みを促進することとしております。なお、4
月から既に人材事業を行う民間委託により事業を開始しております。また、
(イ)にあり
ますとおり、
企業と高校の担当者等によるワークショップを県内3地区で開催しまして、
地元企業の魅力を発信するとともに、相互理解を深めることとしております。次に、②
の宮崎版デュアルシステム人財育成モデル事業でありますが、県内のものづくり企業、
ICT企業と高校が連携しまして、企業の優れた技術等を現場で体感し、学ぶ機会の提
供や、生徒と企業の共同による制作活動など、実践的な人財育成に取り組むものであり
ます。次に、③高校生等企業ガイダンス開催事業でありますが、高校生活の早い時期か
ら地元企業の魅力を知る機会を提供するために、高校2年生や保護者等を対象に県内企
業が一同に会する企業ガイダンスを開催するものであります。次に(2)の『県内就職
促進キャリア教育連携事業』であります。まず、①でありますが、先程のガイダンス事
業では、2年生対象の事業でしたけれども、この事業では高校1年生及びその保護者等
を対象に、県内就職あるいは進学をするイメージを広げてもらうため、県内の大学、専
門学校、企業団体が一堂に介する交流フェアを開催するものであります。また、②は早
期離職防止の対策としまして、高校生や保護者を対象とした就職ハンドブックを作成す
るものであり、働く上で必要な心構えや労働法規、さらに、宮崎で働く魅力や早期離職
のデメリットなどわかりやすく紹介するものであります。
説明は以上でございます。
学校政策課です。資料は8ページの新規事業、
「見る、知る、体験する!高校生の県内
企業理解推進事業」についてであります。
「1 事業の目的、背景」でありますが、本県が活力ある社会を維持していくために
は、人口減少の要因の1つである、社会減を防ぐ必要があります。昨年度の本県高卒者
の県内就職率は、54%と全国的にみても低い数字であり、若者の地元定着が喫緊の課
題となっております。そこで、本事業は、生徒や保護者、教職員に、県内企業の魅力を
理解させ、県内就職率の向上とミスマッチによる早期離職防止を図ることを目的として
おります。
「2 事業の内容」でありますが、
(1)では商工会議所や商工会、ハローワークなど
の産業関係団体と学校を結びつける就職支援エリアコーディネーターを県内6校に配置
し、企業側から学校へ継続的かつ積極的に情報を発信できるネットワークの構築を行い
ます。具体的には産業関係団体の代表者と教職員が一同に会するネットワーク会議を開
催いたしましたり、インターンシップの受け入れ先等を開拓し、そのデータを全県下の
高校で共有いたします。
(2)では、生徒や保護者、教職員を対象にした企業見学会や経
営者等が企業の魅力を生徒に直接伝える外部講師派遣など県内企業が、自社の良さをア
ピールできる取り組みを進めて参ります。事業費は、2、556万3千円であります。
4の事業期間と5の事業効果につきましては、ご覧のとおりです。なお、この事業は雇
用労働政策課の事業や宮崎労働局の事業と連携をしっかりと図り、総合的に取り組んで
参ります。以上です。
説明は以上でございます。まず、知事から発言をお願いします。
若者定着対策ということで、高校卒業生がどう就職するかということと、大学等への
進学、その後の就職ということがあります。働く場だけの話でいうと、大学卒業生をど
う定着させるかという話もありますが、この会議の場では、あくまで高校卒業生の県内
3
発言者
司会
島原委員
内
容
就職率が、昨年、全国最下位となったことを捉えて、そこにターゲットを絞りながら、
若者定着を図っていこうというものであります。
ピンチはチャンスということであろうかと思いますが、各ブロック毎、また各県毎の
就職率の状況を見ますと、ずいぶん違いがあるということに気づかされました。南九州
はどこも低い状況ですね。頭の中では、まだ集団就職列車があるんだということを申し
あげております。生徒の頭の中、保護者の意識、学校現場の指導に当たられる先生方の
意識、それぞれ重要なのではないかなという思いがしております。
54%という数字を8割、9割にするのがいいのかというと、少しためらわれる部分
があります。優秀な人材が活躍の場を求めて、一人、チャレンジをするということを、
県外であっても否定するものではありません。ただ、県内の魅力ある職場でも、優秀な
人材を求めているという地方創生という流れの中で、より多くの若者を定着させたいと
いうことを考えていくことでの今の新規事業の立ちあげということになろうかと思いま
す。
必ずしも高い方がいいわけではないよと言いながらも、4ページの富山、石川、福井
の書いてあることですが、社長の輩出率全国1位など、非常にまぶしいなという思いが
しておりますが。本県としましては、先程、新規事業を活かしながら若者定着を促進し
たいと思います。
私が興味深く思っていることは、学校現場での指導は、どうされているのかなという
ことで、例えば、優秀な生徒さんほど県外の大企業に送り込んでいくというシステムが
あるのではないかなという思いがしています。そこをどう考えていくかをしないと、生
徒、保護者の意識もあるかと思いますが、いずれにしろ、そういう所にメスを入れなが
ら、この数字に向き合っていく必要があると思います。若者定着についてご意見をいた
だければと思います。
ありがとうございます。それでは、教育長、教育委員のみなさんからよろしくお願い
します。どなたからでも結構です。
まず私から発言させていただきます。企業経営の立場から少しお話をさせていただき
たいのですが、非常によく分析をしていただき、問題点が明確になっていると思います
し、その対策もすばらしくとれていると思います。いくつか私が考えていることをお話
しさせていただききます。
まず、やはり学校と保護者の方々が地元企業を知らないというのは実際にあるのでは
ないかと思います。先程、就職指導のこともありましたが、どうしてもネームバリュー
や初任給だとか、そういうところだけを見て、勧めるということは確かにあるんじゃな
いかと思います。
一方で地元企業の採用意欲も、もっと高めていかないといけないと思います。という
のは、学校側も定期的に継続して雇わないと、そんな生徒を毎年出せないじゃないかと
いう話になるだろうと思うんですね。大企業は、フライング気味に今年も採用しますよ
というコンタクトがあると聞いていますが、中小企業も中長期的な計画を立てて、毎年
は無理かもしれないけど、2年置き、3年置き、しっかり採用していきますと宣言をし
て先生方との信頼関係をしっかり構築していくことがまず大事なんじゃないかなと思い
ます。
2点目ですが、会社をよく知っていただくということに関して言うと、会社がどうい
う技術や商品を持っているのかも大事ですが、どれだけすばらしい技術者がいるのかと
いうこと、生徒さんがあこがれるような職人さんが地元の会社にもいるんですが、そこ
に焦点があたってないと思いますので、そこに焦点をあてて紹介していくことが必要だ
と思います。
先日、宮崎大学の地域資源創生学部で、普通、MBAのケーススタディは大会社をモ
デルにしていますけれども、そうではなく地元の中小企業をケーススタディの題材にし
て、どういう会社が変貌をして、どう発展しているのかということを、教材として使い
4
発言者
司会
四本教育長
司会
春日委員
内
容
たいという話もあったんですけれども、そういった地域の中小企業の魅力的なところに
焦点を当てることが非常に大事なんじゃないかというふうに思っています。
3点目が、意識というお話がありましたが、いまだに中小企業に対する見方が低いん
じゃないかなと、大企業の下請けという捉え方しかできないんじゃないかなと思うんで
すけれども、ヨーロッパでは中小企業憲章というのがあって、中小企業がいろんな発想
を生み出し、新製品を開発しというような、大事なものを作っているという考え方が憲
章の中にも唱っています。宮崎県でも中小企業振興条例をしっかり作っていますので、
それをもっと、県民の方に知っていただいて、中小企業が、どういう役割を果たしてい
るのかという意識を変えていくというのは必要だと思います。
ありがとうございました。四本教育長お願いします。
先程の資料の説明の中で、富山県では、いい子は地元の企業へという意識が高いとい
う話がありましたが、宮崎というのは、私がずっと育ってきた中から考えると、あまり
そんなことはなくて、勇躍して、東京、大阪に出て行くんだという意識があったんでは
ないかなという気がします。
今、中小企業の魅力を認識して欲しいという委員の意見もありましたが、全体として
みると、やっぱり労働条件としては当然都会の大企業にはかなわないわけで、おっしゃ
ったような中小企業の魅力を伝えるとともに、もう1つは、ふるさとで生活をしていく、
ふるさとにそのまま定着をしていくことのよさ、例えば、物価が安いとか、親戚、友達
たくさんいるよねとか、あるいは、都会では家を建てるのも大変だけど、地元だったら
そういう心配もあんまりなくてすむとか、その辺を伝えていかないと、急には地方を向
いてくれないんじゃないかと、職業系の先生方は、どうしても、地元がだめということ
ではないんだけれども、都会の大きな自動車会社とかにコンスタントに送り込むことに
よって、既にある程度コネクションができている部分もありますから、先生にとってみ
れば、子どもたちにとってもそういう就職先がいい所ですし、給料もいいわけで、企業
もそれを当てにして、また出してくださいということですから、ある意味、それに逆ら
うような話ですので、これは、余程、意識を変えていかないといけないと思いました。
ありがとうございました。1点だけ補足をすると、北陸3県においても、調査した結
果、大学進学についてはやはり東京に向かっていくと。それは宮崎と変わらない。なか
なかそこから戻ってこないという悩みは宮崎と同じです。ただ、職業系の高校にとって
みれば、やっぱり94%が県内を向いている。その当たりは、宮崎とは相当文化が異な
っている、ということが調査から明らかになっています。
他にご意見ございませんでしょうか。質問でも。どうぞ。
今、教育長の話と関係することになりますが、2点お伝えしたいと思います。
1つは、若者の定着ということは、高校の進路指導だけではなくて、県としてやっぱ
り若者が住みたくなる街づくりというものがどうしても必要になってくると思います。
私は、8年前まで福岡で10数年過ごしてきましたが、やはり、若者にとっては刺激的
なんですよね。福井県に今年初め、教育委員で視察に行きましたが、大阪からすぐだっ
たんですよね。電車で1時間半ぐらいあるかないかで、とても近いということがあるの
で、おそらく、福井県の人だと、地元で就職しても遊びたければ、すぐ遊びに行けると
いうようなところがあるのかなということがあります。そこは、県レベルでの話になる
と思いますので、若者が魅力的に思えるような街づくりは、どうしても必要になってく
る。これは宮崎県でなければ難しい。交通網の整備などにもつながってくるのかなと思
います。
それからもう1つは、先程の四本教育長の話にもありましたが、県内のどの企業に勤
めて、どれぐらいの賃金をもらうかという話だけではなくて、キャリア教育というのは
生き方を考えるということを、これは小学生ぐらいからキャリア教育というのは入って
くるわけですので、どんなふうに自分は生きていきたいか、仕事はもちろんあるんです
けれども、どういう生活、どういう生活の質で自分の人生を送らしていきたいかという
5
発言者
内
容
ことを考える時に、私は今、三股に住んでいますが、産婦人科も都城にいけばあるし、
小児科でもあまり待たずにすむ、子育てしながらでもちゃんと仕事ができる。これは、
都会ではたぶんまず無理なんですね。子どもたちが小さい時から、自分はどんな生活を
していきたいのかというのを考えさせる教育をしていくといいのかなと思います。以上
です。
司会
ありがとうございました。就職の話に特化されていますが、離職率が高いというのも
問題なのですけれども。どなたかございませんでしょうか。
島原委員
1つ、先程の話しに戻るかもしれませんが、地域の中小企業に魅力を感じてもらうと
いう取組として、今、産業系の高校で10年に一度、産業振興フェアが行われていて、
すばらしい出来なんです。何で10年に一度なんだということなのですが、やはり3年
に1度ぐらいにして、それを宮崎のテクノフェアとあわせて開催し、お互いのいいとこ
ろを知り合うのをやると、もっと提携が進むのではないかと思います。
また、中小企業は教育力、資源が限られていますので何でも揃うものではありません。
教育力、自己成長ができるという機会をあまり作り出していないのかもしれません。
地域で新入社員を集めて、地域で人材育成をするとか、ステップ毎に集合教育をする
とか、そういうことをやっていくとか、地域で人材育成のプラットフォームみたいなも
のを作って、産業教育から、新人社員教育から、管理者教育までずっと、いかしてやっ
ていくということをやっていくと、地域での交流も生まれてきたり、人材育成もできる
んじゃないかなと思います。
司会
ありがとうございました。想定した時間がまいりましたが、他にございませんでしょ
うか。知事から何かありませんか。
河野知事
教育委員会は、進路指導方針が何かあるんですか。県外に就職するという。
学校政策課長
基本的に、いろんな適性をみて進路指導をしますが、最終的には本人の意志で決めて
います。学校政策課としましては、資料3ページにあります、企業に入りたい理由の中
で、希望する職種・業種があるとか、信頼できる人のすすめがあるとか、この中にあり
ませんが、次に多いのが実際に企業を訪問してよかったからというのがあります。本年
度すぐ取り組める事業として、先程、説明しましたように、ミスマッチ、仕事が違って
いたというのもできるだけ減らしたいということで新規事業を立ち上げたということで
ございます。
司会
ありがとうございます。
河野知事
そうですね。学校現場と企業、企業と生徒さんの距離を縮めることは非常に重要だと
いうことで、今年1月にも、雇用政策懇談会という産業界の方々と意見交換会を行って
おります。今の新規事業に取り組みながら距離を縮めることにより、この数字、意識も
変わっていくのではないかと思っております。
司会
この話題については、先程、知事も申しましたが、ピンチをチャンスにということで、
54.0%の最下位ということを受けて、商工観光労働部も教育委員会も、かなりたく
さんの事業をディスカッションしながら作りました。その進捗についても皆さん見てい
ただいて、いろんなアイデアをいただければと思います。
それでは、次の議題でございます。主権者教育の取組について、選挙管理委員会から
説明がございます。
選挙管理委員会
お手元の資料2『主権者教育の取組』の1ページをお開きください。選挙管理委員会
書記長(市町村課長) の18歳選挙権に向けての取り組みを述べさせていただきます。皆様、案内のとおり、
公職選挙法が改正されまして、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることから、昨
年度、選挙管理委員会では、県教育委員会、私学振興会等と主権者教育を推進するため
に連携協定を締結いたしました。その目的や内容は資料(1)と(2)に記載のとおり
ですが、この協定に基づきまして、取り組みました事業について簡単に説明をしたいと
思います。
まず、
「2 選挙管理委員会による高校への出前授業」についてでございます。本県で
6
発言者
司会
学校政策課長
文化文教課長
内
容
は、高校への出前授業については実績がございませんでしたけれども、昨年度、県選挙
管理委員会、市町村の選挙管理委員会で、全体で37校、約1万4千人を対象に出前授
業を実施することができました。出前授業におきましては、選挙管理委員会職員により
ます選挙の説明に加えまして、模擬投票や実際に開票作業をしましたところもございま
した。次に2ページをご覧ください。高校生を対象としまして、しゃべり場選挙という
ワークショップを県内3カ所で開催したところでございます。政治が身近であること、
政策を比較して投票することの大事さを実感してくれたのではないかと感じておりま
す。次に、3ページをご覧ください。政治や選挙についての意見発表会、わけもんの主
張ですが、参加対象をこれまでの18歳以上から高校1年生以上と引き下げまして、ま
た、会場につきましても、はじめて県議会議場で開催をしたところでございます。予選
を勝ち抜いた出場者が14名ございましたが、高校生がそのうち4名で、またそのうち、
2名が優秀賞を受賞したところでございます。
次に6ページをご覧ください。昨年度、高校生の政治や選挙に対する知識、認識を把
握することを目的といたしまして、高校生3万人アンケートを実施したところでござい
ます。その結果につきまして、4ページから9ページに抜粋して掲載していますけれど
も、本日は9ページに掲載している結果について若干ご説明をさせていただきます。こ
れは、2つの設問、左側にございますが、家庭で家族と政治や選挙の話をすることがあ
りますかという質問と、それから下にございます、初めての選挙にいきますかという2
つの質問の関連性を調べたものでございます。表をご覧いただいてわかるとおり、家族
とよく話しをする生徒ほど、選挙に行こうと考える割合が高くなっております。若者の
主権者意識を醸成する上で、家庭も大事な役割を担っていることがうかがえる興味深い
結果が出ております。資料の説明は以上でございますが、選挙管理委員会におきまして
は、今後も、若者も含めまして、幅広い世代に向けた様々な取り組みを行って参りたい
と考えております。以上でございます。
続きまして、県立高等学校等における取組と、私立高等学校等における取組の説明を
お願いします。
資料10ページです。学校政策課ですが、県立高等学校等における主権者教育の取組
状況について御説明いたします。
初めに、平成27年度の取り組みについて、県教育委員会の主な取組は、研修会の開
催でございます。具体的には、県立学校長向けに4回、副校長・教頭向け、教務主任向
け、生徒指導主事向けに各1回ずつ実施しました。また、主権者教育推進委員会を昨年
12月に全ての学校に設置し、主権者教育推進リーダーの任命を行いました。この、主
権者教育推進リーダーの研修会は12月と本年1月に実施しました。各学校における具
体的な取り組みをあげますと、県内全ての高校生に文部科学省と総務省が出した、政治
と選挙に関する高校生向けの副教材を配布し、総合的な学習の時間等で活用しておりま
す。そのほかにも、実践的な指導としては、模擬投票や生徒会選挙を活用したケース、
職員向けの校内研修、選挙管理委員会による講話、年間指導計画の作成などを行ってお
ります。
平成28年度の取り組みといたしましては、主権者教育推進リーダー研修会を実施す
るとともに、昨年度に引き続き、県立学校長等への周知啓発を図りたいと考えておりま
す。また、各学校の取り組みとしては、主権者教育の計画的な実施や、PTA 総会等にお
ける保護者向けの啓発、選挙管理委員会と連携した模擬投票や出前授業の実施を考えて
おります。
続きまして、次の11ページをお開きください。私立学校等における主権者教育の取
組につきましてご説明いたします。
私立学校を所管いたします県といたしましても、公職選挙法の改正を受け、主権者教
育の必要性、重要性を十分認識いたしまして、昨年度、県市町村選挙管理委員会、並び
に県教育委員会の協力をいただきながら、先程の部分と重なるところがございますが、
7
発言者
司会
河野知事
学校政策課長
河野知事
東委員
内
容
教務主任、生徒指導主事に対して、公職選挙法の改正、主権者教育における指導上の留
意事項に関する研修会の開催をはじめ、学校長への周知、啓発を行ったところでござい
ます。また、各学校におきましても、生徒向けには文部科学省作成の副教材を活用する
とともに、講話や授業、学年集会、模擬投票、また、教職員向けには校内研修を実施さ
れるなど、積極的に取り組んでいるところでございます。
今後も、県としましては、各種研修会を実施するとともに、さらに今年度から、公益
財団法人宮崎県私学振興会が教職員向けに行う研修会の開催経費の一部を支援すること
とし、主権者教育の充実を図っていこうと考えております。各学校におきましても、昨
年度と同様の取り組み、一部の学校におきましては、今年度、保護者向けの啓発にも取
り組むものとしております。以上でございます。
以上、説明は終わりました。まず、知事から少しご発言をお願いします。
今説明をいただきましたが、選挙管理委員会、また、教育委員会等において、主権者
教育について色々な取り組みをしているんだなと感じたところであります。私も今回の
選挙年齢の見直しということで、2月に高校生との意見交換を行いましたが、しっかり
いろんなことを考えていて、自分が高校生のころを考えても、しっかりしているな、大
変たのもしいなという思いをしたところです。今、2ヶ月に1回、県の広報誌にコラム
を載せてもらっているのですが、6月号のテーマがこの問題でありまして、大変心強い
思いをしたのと、でも18歳、19歳になる若い世代のことだけではなしに、やはり全
ての世代を含めて、この機会に選挙、政治のあり方について見直すという、低投票率と
か言われていますが、そういうきっかけとなればと思うわけであります。
今説明を聞いて改めて思いましたが、こういう主権者教育というのは、これまでもや
ってきたのでしょうか。といいますのは、今回のことは制度改正を受けての取り組みな
んでしょうか。私が高校生の時は、全然こういう教育を受けた記憶はありませんし、今
までは20歳以上がそういう年齢でありますけれども、大学でそういうことはしないで
すよね。しないから、そういう大人が生産されたのかもしれません。これは新たな取り
組みなんですか。
今までも高校では、授業の中や総合的な学習のなかで、主権者教育はしっかりと取り
組んでおりましたし、今後も取り組みますと校長会では説明しておりますが、今回のよ
うな昨年10月の18歳以上選挙権を得たことを受けまして、新たに取り組んでいるこ
とも若干ございます。
ありがとうございます。これについて委員の皆さんからご意見、お考えを聞かせてい
ただければと思います。
高校生を対象にした意識調査があって、高校生の実態がよくわかりました。先日、あ
る高校の教頭先生にお会いする機会があり、主権者教育に関する取り組みを聞いてみま
したが、その学校では、市の選挙管理委員会の方々が、生徒会総会に合わせてきていた
だいて、実演もされながらですね、講演をいただいたということで、非常に喜んでおら
れて、今年開催されるであろう選挙においても、ほとんどが参加するんじゃないかと言
っておられました。
知事も言われましたとおり、私たちが、若い頃は、成人式で大人として選挙は投票で
きますよというぐらいで、全然、主権者教育はやったことがなくて、その場で、初めて
選挙に行って、どこに立てばよいのか、どうすればよいのかわからない状態で選挙をし
た経験があります。それを思うと、今の18歳、19歳、恵まれているな、幸せだなと
思いました。で、今年がそれがありますので、19歳の方々は、どうするのかなと聞い
てみましたら、昨年から取り組んでいると言うことで、もう2年目であるので、指導は
いりませんと。今の高校生、選挙年齢は下がりましたけど、幸せだなと思ったところで
す。
ところで、私は、知事とのフォーラムでのある生徒の意見が気になりました。それは
先程からでているとおりですけれども、親が選挙に行かなければ、こどもが関心を持つ
8
発言者
司会
宇田津委員
司会
河野知事
司会
内
容
ことはないというふうに、ある生徒が知事とのフォーラムの中で語っておりますが、本
当にそうだなと思います。子どもは、親の言うとおりにはしないが、親のするようには
するとよく言われますけれども、今後、親の姿勢が選挙に影響するのかなと思ったとこ
です。大人の選挙に対する関心の低さが、高校生の投票率にもつながるとそんなふうに
思ったところです。それぞれの市町村教育委員会でも取り組んでいらっしゃいますけれ
ども、保護者の啓発というんですかね。PTA 総会等で、主権者教育について保護者にも
するということですが、できましたら、PTA 総会でなくて、生徒総会等でも保護者と子
どもを交えた選挙に関した講演会とかいうのもあっていいのではないかと思ったところ
です。
ありがとうございました。他に、どうぞ。
今、東委員がおっしゃったことに関連するかもしれませんが、そもそもこの18歳に
選挙権が与えられたことで、若い人の意見が反映される、投票率が上がるのではないか
というのもあるのでしょうけれども、実際に私が考えるには、政治というのは日常生活
だと思うんですね。なので、やはり、私たちが生活していく上ではなくてはならないも
のだと思います。私の長男が高校3年生ですので、今年は投票できないのですが、来年
以降選挙がありますので。実際、保護者が、家庭生活の中で、政治というよりも、学校
で買う教科書とかは、お金を国からいただいて買っているんだよとか、こういういろん
なものを決めている、もちろん税金の話もそうでしょうけど、議員さんや市町村長さん、
知事さん、国会議員が決めているんですけれども、そういう関係は、全部私たちの日常
生活の中に入ってきているんだよということを、常日頃から家庭の中で話しながら、意
識を少しずつ、他人事ではなくて、高校生になったから主権者教育をするという意識も
大切かもしれませんが、もっと小さい小学校、中学校の段階でも、家庭の中で、そうし
た話ができるといいなと思います。
東委員も知事さんもおっしゃいましたが、昔は、こういう教育はなかったといわれま
したけど、私が小さな時には、父親が NHK のテレビを見て、結構、自分の思いだったり、
政治に対する思いを語って、お父さんそういう思いをしてたんだとか、新聞を見て、父
親がいろんなことを話してくれるので、知ったということで、今はそういう話が、実際
問題としてないので、やはりピンとこない子どもたちが多いのかなと思います。だから、
もっともっと身近なものなんだよ、政治というのはもっともっと身近で、私たちが生活
していく上ではとても大切なものなんだよということを、わかりやすく、保護者が子ど
もに言っていくと、政治に関心をもち、投票に行く意識も高まると思います。確かに、
18歳引き下げで、一時的に投票率は上がるかもしれません。こういった話題性もすご
くあるので、問題は、今年の選挙の投票率のアップではなくて、ずっとこれが継続して、
私たち若者の意見も反映されるんだということが実感できる、本当の意味での政治とい
うか、行政もそうでしょうけど、政治というものができるといいなと思います。もちろ
ん、保護者の意識もとても大切だと思います。
はい、ありがとうございました。他にございませんでしょうか。知事から何か。
そういうすばらしいお父さんがいらっしゃるなんていいなと思いました。今、政治も
いろんなテレビで取り上げられてはいますが、どちらかというとワイドショー的な取り
上げられ方をされます。消費増税がどうなるかとか、憲法改正がどうなるかとか、そう
いう真正面なニュースを家庭でも話題にして、自分たちはどう考えていくか、そんな議
論がされればいいなと、思うところであります。
最初に申し上げたときに、デジタルネイティブという言葉が出ましたが、インターネ
ットやパソコンが当然ある世代とその前の世代に断絶が生じたのと同じように、こうい
う主権者教育をしっかり受けてきたこれからの世代と、我々の世代とは違ってくるのか
もしれませんし、こういう世代からこそ、我々がいろんな刺激を受けるというのもある
のかなと思ったとこです。
ありがとうございました。主権者教育は非常に重要な課題ですので、連携して、しっ
9
発言者
学校支援監
司会
河野知事
司会
内
容
かりやっていきたいと思います。それでは、3つめの議題に移らせていただきます。今
後のいじめ防止対策について、学校支援監からまず説明をいたします。
資料3をお出しください。いじめ問題につきましては、昨年度、県内初となる県立宮
崎海洋高校におけるいじめの重大事態が発生し関係の皆様にはたいへん御心配をおかけ
したところであります。本日は、そのことを踏まえまして、今後のいじめ防止対策につ
て説明をさせていただきます。1ページをご覧下さい。
まず、
「1 県の取組」としまして、いじめ防止の取り組みを全体的に推進するため、
県弁護士会や県警本部、PTA 連合会の代表など20の関係団体からなる、いじめ防止対
策連絡協議会を開催しております。この会では、本県におけるいじめ防止のスローガン
を「被害者にさせない、加害者にさせない、傍観者にさせない」とさだめ、関係機関が
一体となった取り組みを推進しております。本年度は6月1日に開催を予定しておりま
す。
続きまして、
「2 県教育委員会の取組」についてであります。
(1)のいじめ防止に
向けた体制づくりですが、県教育委員会、市町村教育委員会、また全ての公立学校にお
きまして、いじめ防止の理念や取り組み等をまとめた基本方針を策定しております。ま
た、いじめ防止の取り組みに対する検査や調査を目的として、弁護士や大学教授等の委
員5名からなるいじめ問題対策委員会を設置しております。さらに、いじめの重大事態
が発生した際には必要に応じて、学校を支援するための緊急支援チームを派遣するなど
して、いじめの未然防止や重大事態の対応にむけた体制整備に努めております。次に、
(2)の教育相談体制の充実に向けた取組についてであります。児童生徒の心のケアの
ために、臨床心理士からなるスクールカウンセラーを小中学校79校に36名を配置し
ております。また、福祉の面からの支援が必要な児童生徒の対応のために、社会福祉士
等からなるスクールソーシャルワーカーを本年度4名増員し、12名配置しております。
さらに、高等学校の中途退学対策や相談対策のために、高等学校に22名の教員を増員
しております。その他、ネットいじめの対応としまして、県教育研修センターのホーム
ページである、教育ネットひむか上にメールによる相談に対応するために目安箱サイト
を開設するとともに、同じく、県教育研修センターに相談員を6名配置し、児童生徒や
保護者からの相談に、電話や代行によって、対応するべく相談体制を取っております。
次に、
(3)本年度の重点的な取り組みですが、本年度は特に、次のページに添付してお
ります重大事態に対する対応を新たに作成しまして、校長会や教頭会の機会を定めて、
啓発に努めているところであります。なお、資料の説明は割愛させていただきます。
最後に、
「3 各学校における取組」についてであります。県内全ての公立学校におき
まして、児童生徒に対し、定期的なアンケートや学級担任等による個別面談を実施し、
いじめの早期発見、早期対応に努めております。また、全ての公立学校において、いじ
め不登校対策委員会を定期的に開催し、いじめにかかる情報共有や未然防止に向けた対
策を検討するとともに、組織的な対応を進めているところであります。説明は以上でご
ざいます。
まず、知事から発言をお願いします。
本県でも残念な事案が発生しましたが、これをしっかり受け止めて、今後いじめは絶
対許さないということ、学校、家庭、地域社会、関係機関、しっかり連携した体制とい
うものが重要だと思っております。本県では、そう多くあるわけではないのですが、報
道等を見ますと、全国各地で、いろんな事例があります。本県も、よい子が育つ都道府
県ランキングなどはトップクラスではありますが、かといって、まったく、いじめ、そ
の前の段階がないかというと、そうではないんだと思います。いじめにまで至らないよ
うな形で、しっかりサポート体制、アンテナをはって、サポート体制を築いていくこと
が重要だと思っておるところであります。
これについて、皆さんのご意見をお願いします。
教育委員の皆さん、どうぞよろしくお願いします。
10
発言者
山崎委員
司会
春日委員
内
容
今日のテーマはいじめ防止対策ということで、いじめ防止というと、未然に防止する
という観点と、再発を防止するという観点があるかと思いますが、私の方から再発防止
という観点で少し、お話させていただければと思います。
再発防止について、大事だと思うことはたくさんありますが、あえて2つ言わせても
らえれば、事実関係の調査をしっかりするということ。もうひとつは、いじめの被害に
あったという子どもへの対応としては、どんな対応を望むのかということに配慮しつつ、
いじめをしたという子どもには、事実関係から判明するところで、どういった対応が必
要なのか、あるいは支援が必要なのかということを考えて進めていくことが大事なのだ
と思います。特に、事実関係の調査に関しては、やはり、現場の教職員の方の聞く技術
というものが必要なのかなと思います。例えば、聞き取りの順番として、加害者ではな
く、先に被害者から聞くだとか、学校の先生が、いじめについて知っていることがある
としても、そういった点を予断だとかがないように、誘導とか、誤導とかすることなく、
そういったところに注意して聞くだとか、一回で話ができなければ、日を改めるだとか、
あるいは、特に加害者に対しては、被害者とか、傍観者とか、見聞きした人の話を前提
に、話しを聞き出すと言うことではなくて、ある意味、話を聞く側に徹すると、それで、
明らかに事実と違ったり、嘘をついていたりしているとしても、すぐに指摘するのでは
なくて、この時という時期を見計らった上での対応が必要なんだろうと思います。
私は、弁護士として、非行に走った少年を弁護することがありますが、非行に走った
子どもというのは、だいたい小中学校の時に、いじめを受けてた子がおります。そうい
った子が、学校の先生に話したけれど、いじめが止まなかったという子もいます。どう
いった形で学校が対応したのか聞いてみると、学校の先生も解決を急ぐがあまり、事実
関係がはっきりしていないまま、じゃないかなと思うような状態だとか、あるいはいじ
めを受けたんだと言っている子どもの、こうしてほしいとか、こういった解決をしてほ
しいというところにあまり配慮することなく、謝罪の場を設定したりとかいうようなこ
とをしているケースがあります。せっかくの機会ですので、お話ししようと思ったのが、
加害者に関しては、どういった考え方とか行動がいけなくて、それをこういうふうに改
めなければいけないと、その上で、反省を促さないと、またいじめをしたり、同じ被害
者にいじめをすることになるでしょうし、あるいは、この人が告げ口をしたんだろうと
いう人にもいじめを働くということにもなると思います。いじめの被害を受けた方にし
てみても、先生に相談したけれど、できること、できないことをはっきりと先生が伝え
られた上で、謝罪を受けるのではなくて、そこがはっきりしないまま、ただ謝られたと
いうことで終わるということになると、また被害に遭ったときに、今度は、孤立してし
まって、先生に話そうということがなくなってしまうと不登校につながったりだとかに
もなります。確かに、いじめ防止対策推進でも、早期発見して、それに対して、迅速か
つ適切な対応をするということも書かれておりますし、やはり現場の先生の方も、でき
れば早く対応してあげて、学校での生活をしやすい環境を作ってあげたいという考えも
もちろんあると思います。いじめというものは、基本的に、奥深くて、根深いですので、
先程言ったような観点からの対応を、今後、取り組んでいただければと思います。
ありがとうございます。他に何かご意見、どうぞ
いじめが発生した後でもですし、未然に防ぐというところでも、どちらの中でも出て
いる感じがあったんですが、先生に話せるかどうかというところは、先生との信頼関係
だと思うんですよね。未然に防ぐということで、ある調査であったのが、いじめた加害
者と加害者でない、いじめをしたことがない子というのでは、先生から自分のことをち
ゃんと認めてもらっているとか、先生が自分の話を聞いてくれているだとか、大事に思
われているだとか、先生に信頼だとか、自分のことをわかってくれようとしているとい
うので有意に違っているんですね。もちろん、いじめにはいろんな要因があるし、その
子自身の問題ももちろんあると思いますが、できる限りやれると言うことでは、先生の
関わりというものがですね、自分がクラスにいて認めてもらっているんだ、居ていいん
11
発言者
司会
東委員
司会
知事
内
容
だ、というふうに思えるクラスとそうでないクラスとでは、やっぱり違ってくるんだろ
うと思うんですよね。もちろんいじめが発生した後、事後についても、駄目だという指
導をするにしても、加害の生徒にするとしても、信頼できる先生から、しっかりと本当
にあなたのことが大事だから、私はこう言った指導をするんだという指導の仕方と、そ
うでなく、普段から信頼関係があまりできていない場合では、やはり配慮が違うと思う
んですよね。
ですので、まずは、できることとしては、先生のそのあたりの資質を上げることが大
事かなと思います。ただし、先生だけにがんばれというのも、それは難しい話ですので、
教育委員会として、どんなふうにこどもたちに関わればいいのかという研修だとか、ク
ラスづくりだったりというのをもっと考えていくべきだろうなと思います。いじめとい
うと軽い言葉にきこえますけれども、命に関わっていますので、真剣にとらえて、考え
ていく必要があると思います。以上でございます。
はい、ありがとうございます。他にございませんでしょうか。
先程から出ていますように、先生方の関わりということについては、やはり、いじめ
を発生させない、しにくい環境づくりということでは早期発見、早期対応が大事だと思
います。しかし、学校現場では様々な仕事に先生方が追われて、なかなか一人ひとりに
対応する時間がない。どこの仕事でもそうなんですけれども、私は、やはり、教員の負
担軽減というのが一番かなと、知事が言っておられましたが、県の教職員の定数の要望
をしてきたということでありましたが、やはり先生の数が、多いことが一番かなと思い
ますし、ただし、それはすぐに、解決するわけではないと思うんですね。ですから、地
域の方々もどんどん学校に来ていただいて、出ていただいて、地域の人材をT.T(チ
ーム・ティーチング)として利用したり、部活動の指導とか、クラブ活動の指導とか、
朝の見守り隊もそうですけど、たくさんの方が学校に出てきていただいて、協力してい
ただくと、先生方もいよいよやる気になるのかなと。私が教員のころは、給食を食べな
がらも採点をしたり、給食を食べながら生活記録をみたりと、なかなか生徒と向き合う
時間がなかったんですけれども、そういう、先生方に余裕ができると、小さなところに
も目が向くんじゃないかな。些細な事案であっても、いろんな問題があって、そちらの
方を先に、解決しようとして、結局ふたを開けてみたら、些細な状態が大きな問題に、
いじめの大きな問題になっていたという そういう事例等もありますので、先生方の負
担軽減ということを、是非お願いしたいなと思います。
ありがとうございました。時間が参りましたので、今日説明したスローガン、しっか
り実現できるように取り組んでいきたいと思います。御協力よろしくお願いします。以
上3つの話題について、熱心に意見をだしていただいてありがとうございます。それで
は、知事からご挨拶を申し上げます。
ありがとうございます。1時間ということで、大変重要な3つのテーマを駆け足にな
りましたが、それぞれいろんなご意見を頂戴することができました。今、振り返って見
ながら、この場は、何かを決めるという場というよりも、本県の重要なテーマに関する
現状や課題というものを我々が情報共有し、そして、今後の取組の方向性を確認する、
意識の統一を図るということが大事であると思いますので、限られた時間ではありまし
たが、そういうことができたのかなと思います。
今、ここに並んでいる3つのテーマを眺めていると、やはり、コミュニケーションが
大事なのかな思ったところであります。
若者定着であれば、企業と学校のコミュニケーションというものがありましたし、主
権者教育であれば、若い世代だけではなく世代を超えて政治や選挙について考えるコミ
ュニケーションの重要性、このいじめ防止対策では、関係者のコミュニケーションです
ね、再発防止、未然防止というのにも重要であろうかと思いますし、コミュニケーショ
ンであったり、連携ということを大切にしながら教育を取り巻く課題、これからも様々
あろうかと思いますが、こういう場を持ちながら、しっかりとコミュニケーションを図
12
発言者
司会
内
容
り、対応していきたいと思っております。本日はありがとうございました。
これを持ちまして、本日の総合教育会議を終了させていただきます。皆さん、ありが
とうございました。
13