日本大学英文学会 6 月例会 発表梗概 【研究発表】 近代英語における think と seem の用法及び意味について ―Penn-Helsinki Parsed Corpus of Early Modern English を資料として― 齊藤 雄介(文理学部講師) 中英語期までは think には seem の意味を表す例が存在した。(1)は後期中英語の例であり、 この時点では think は seem の意味及び用法で使用されていたことがわかる。 (1) hym thought there was com into hys to him seemed there had come into his londe land gryffens and serpentes, griffins and serpents ‘it seemed to him that griffins and serpents had come into his land’ (CMMALORY,33.1031/M4) その後の近代英語においては、現代英語と同様に両者は区別して使用されるようになったと いわれており、think には seem の意味がなくなったため、 (2b)は非文となる。 (2) a. He seems to be honest. b. * He thinks to be honest. しかしながら、初期近代英語期の時点では古英語期と同様に seem の意味を表す think の例が 見受けられる。そこで、本発表では Penn-Helsinki Parsed Corpus of Early Modern English (PPCEME)を資料として初期近代英語における think と seem の用法及び意味について考察 することを目的とする。
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