文京・八王子国際 両キャンパス にて開講 教育課程論 Study of Curriculums TANIAI Akio 谷合 明雄 ■授業の目的 この講座は、学校の基本的教育計画である教育課程について、管理的・内容的側面から総合的に理解し、適切な教育課程 編成に向けての理論と方法を修得することを目的とする。 ■授業の到達目標 学習指導要領・学校教育法等の法的根拠の基に各学校が編成・実施する教育課程の在り方について、その歴史・思想・政 策・実践という多角的視点からの考察、さらには教育課程の基礎的理解から現代的課題への挑戦までを見通した教育計画の 作成の仕方について修得することを目標とする。 ■授業計画 1 「いまなぜ『教育課程』なのか」 1自己紹介と懇談 2「教育課程」という問い 3「学力問題」と「教育課程」 4「教育課程」の拡張と深化、5学 習の進め方・・・ (オリエンテーション) 2 「近代日本の教育課程の歩み」 1近代の学校創設と教育課程の確立 2教育課程の近代化と年限延長、ヘルバルト主義、大正デモクラシー 3戦時 下国民学校の教育課程、実業科重視 3 「現代日本の教育課程の歩み」Ⅰ 1経験主義からの影響、自由研究、コアカリキュラム 2系統性重視への転換、学力論争、特設道徳 3教育の現代 化、学力テスト、学業不振 4 「現代日本の教育課程の歩み」Ⅱ 1人間性重視への転換 2「新学力観」の追求 3「生きる力」と「確かな学力」 、総合的な学習の時間 4「生きる 力」と「活用能力」 、3層構造の学力観 5 「教育課程開発の新しい動き」Ⅰ 1教育課程再編の先がけとしての生活科 2 1990年代の教育課程再編構想、研究開発学校、小学校英語教育、 選択学習の導入 6 「教育課程開発の新しい動き」Ⅱ 1「新しいタイプ」の研究開発学校の模索 2「競争的」環境のもとでの研究開発学校 3学力向上の試み、PISA 型 「読解力」向上の試み 「教育課程の思想と構造」 7 1思想的な基盤としての「生活と科学」 2学力とモラル 3分化と統合 4教育課程における「履修原理」 、履修主 義、修得主義、年数主義と課程主義 8 「教育課程をどう編成するか」Ⅰ 1教育課程編成の構成要件とは何か、教育課程の構造、子ども集団の編成 2教育課程編成論の変遷を辿る、タイラ ー、ブルーム、羅生門的接近 9 「教育課程をどう編成するか」Ⅱ 1教育課程編成の基本原則とは何か、学校を基礎にした教育課程編成 2日本における教育課程編成の展望を探る、 習得・活用・探究、単元間の構造化、学校の教育課程経営 10 「教育課程をどう評価するか」 1教育課程評価とは何か 2学力評価の4つの立場 3「真正の評価」論とムポートフォリオ評価法、ルーブリック 評価 4入試と接続、選抜入試から資格試験へ 11 「社会における教育課程」 1近代学校批判と教育課程Ⅰ 2近代学校批判と教育課程Ⅱ 3教育課程における平等と質 4教育課程における共 通と個性 5社会階層と教育課程 6「隠れたカリキュラム」の問題 12 「今日的課題への挑戦」Ⅰ 1いのち、生きることの教育、食育の始まり、キャリア教育、3つのステージ 2市民性教育、市民性教育とは何か、 徳目主義の問題点 13 「今日的課題への挑戦」Ⅱ 1環境教育、問題提起型から「持続可能な社会」探究へ 2メディア・リテラシーの教育、メディア・リテラシーの 定義と批判的思考力の形成 14 「諸外国の教育課程改革」 1アメリカ合衆国 2イギリス 3中国 4韓国 15 「授業のまとめとこれからの教育の展望」 1教育課程論のまとめ 2今後の社会を展望した教師の役割、教育課程の編成・実施の問題から迫る 3未来から要 請される学校の役割 ■授業の方法 授業は講義形式で展開するが、参考書や諸資料を活用しながら、対話形式の授業も設定する。教育課程の編成・実施を窓 口として様々な教育課題への対応を中心に講義を進める。講義の中で配布する資料等は定期試験や教員採用試験の準備資料 として活用できるので保存したい。 ■予習・復習 講義のレジュメに添付した課題については、講義内容の理解を深め、発展的な思考を促す意味で設定しているので、次回 の講義の機会にレポートとして提出すること。期末試験の論述問題は、この課題の中から出題する。 ■成績評価の方法 論文形式と択一式の問題による定期試験、出席状況、レポート、授業中での発表、授業態度などを加味して総合的に判定 する。教師としての基礎、学校教育の基盤を学習するとの姿勢で授業に参加して欲しい。また、レポートの配点は高いので 漏らさず提出したい。 ■教科書・参考書 (1)教科書:田中耕治他3名編「新しい時代の教育課程」3版 有斐閣アルマ、2012 年 1900円+税 (2)参考書:田中耕治編「よくわかる教育課程」ミネルヴァ書房、2011 年 2600円+税 (3)参考書: 「中学校学習指導要領解説 総則編」文部科学省 2008年 137円 (税込) ■関連する科目 教職関係科目の基盤となる講座である。他の教職課程科目との関連を図りながら受講して欲しい。
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