単元を貫く言語活動 から 「アクティブラーニング」 型授業へ なぎさ公園小学校 教 諭 石 原 美 由 紀 平成27年度、 6年生の国語科を担当 マネジメント』が大 切 」と考え、平 成 2 0 した。子どもたちは、学校のリーダーとし 年度から27年度まで、段階を追って研 て役割を担い意欲的に活躍した。子ど 究 主 題を設 定しカリキュラムの再 構 築 もたちから刺激されながら「単元を貫く を進めてきた。その結 果、白幡 小 学 校 言語活動」 「アクティブラーニング (以下 の平成27年度研究主題は「21世紀グ 「AL」 という。)」について学び合った一 ローバル社会に必要な豊かに学び合う 力の育成~アクティブラーニングの能力 年間の拙い歩みをまとめたい。 言語活動の充実 の材料を集める③スピーチの構成をす を育成し、活用するカリキュラムの開発 る④言葉遣い⑤見せるスライドの準備 ~」 となった。 国語科は、子どもたちの日常生活や ⑥興味を持って聞いてもらえるような身 主題の変遷の中で、積み上げたもの 各 教 科 等の学 習にも機 能 する国 語の 振り・手振り、 なども含むのである。単元 が、現在の授業の中で子どもたちに具 ルの魅力。平成27年度、再度取組んで ていった。学習を積み重ねる中で課題 何よりも素晴らしく心打たれたのは、 能力を育む必要があるといわれている。 の終わりに、 6年生の最高の思い出を、5 体的に示され、力を付けるための指標 もよい結果となるのではという期待感が に気づき、 「学び方を学ぶ」ための思考 授 業 計 画 通りに進まないという問 題に 特に、言語活動の充実は、各教科の改 年生に鮮明に伝えることができるように やスキルになっていた。 膨らみ、AL型の授業を後期から進める 力・判 断 力・表 現 力 が 徐 々に 伸 び て 直 面した時だった。子どもたちは、 この ことにした。 しかし、白幡 小 学 校が7 年 いった。 善の視 点である。 「 充 実 」するために 各班がテーマを決めて行った。社会科 は、 「 子ども自身がその活 動を行うこと や理科のプロジェクト学習として組入れ なぎさっ子たちとAL型授業にチャレンジ で、思 考・判 断し、それらを表 現 するこ たので、子どもたちのテーマが多岐にわ 「主体的」 という点では、本校でも平成 と」が必要だといわれている。何より、授 たった場合も、各教科の教員の専門的 26年度の後半、授業の主役は子どもたち 業のねらいに繋がることが大切である。 なアドバイスを受けることができた。 ゴー 単元を貫く言語活動 さらに、それらの言語活動は、 「単元 を貫いて位置付けられること」が重視さ 間かけた取組みを、一朝一夕で自分の 識が深まり、学習計 画の中に組 込まれ ALから学んだこと 問 題を解 決するために、順 調に進まな い原因を考え、新たな方法で学び合い 「プロフェッショナルたち」 を継続しようと取組んだ。解決策を見出 が、本 校の子どもたちの実 態を見るに 平成28年2月。いよいよ卒業文集を書 した後で行った授業は、改善点を意識 自身であるという 「構え」 を示すために、 授 つけ、主体的に思考・表現するAL型授 く時期になった。東京書籍の「プロフェッ した司会者グループと受け手の友達と ルに向かって主体的に取組むことで、 よ 業の司 会 進 行 、黒 板 記 録 、 タイムキー 業に十 分 挑 戦できる確 かな手 応えを ショナルたち」 という教材文に出会わせ の協働性によって、見事に壁を乗り越え り一層学習が深まった。 パーなどの役割分担をして取組んだ。 持った。 た。単元名は「未来に向かって」である。 ることができた。 その際、子どもたちは、学習のめあて 結果として、 「解説文」を書く学習で 卒業文集(随筆文)では、 どんな夢を、 ど 振 返りで自分たちの授 業を分 析し、 を達成するために、学び方を考えたり、 得られた良さを生かしつつ、次の学習 のように実現させ、仕事に対して今、 ど 全体の場で解決する様子から、振返り 学ぶためにどのくらいの時 間を必 要と へさらに発展させる手応えを感じた。 のように考え取組んでいるか…実在の の大切さを実感した。 また、主体者とい AL (アクティブラーニング) れ、子どもたちにとって単なる活動では ―横浜市立白幡小学校の実践に学ぶ― なく、 自ら課題を解決していく過程となる (参考文献 及び 京都女子大学 井上一郎教授指導) 実 践に取 入れることは夢のまた夢 。だ するかなど、見通しを立てたりしながら、 例えば、 「解説文」という文種につい 人物の「仕事」への情熱が綴られてい う自覚があるからこそ、何とか乗り越えよ 生き生きと取組んだ。 て子どもたちが知識不足の時には、そ る文章と出会い、子どもたちは自分の夢 うとしたのではないかと感じた。 ると、主 体 的な姿 勢を の型についてもっと知りたいという声は に何かしら刺激を受けるのではないかと 一 方 、国 語 の 力を育てる具 体 的な ように仕組まれる。 子どもたちの生き生きとした表情を見 例えば 、6 年 生は6月に修 学 旅 行に 行った。事前に言語活動として「壱岐パ 継続させ、国語的な力 出なかった。 しかし、 「物語文」 「随筆 期待し、設定した。自分とプロフェッショ 手立てについては課題が残った。教員 ンフレット」作りに興 味を持って取 組ん を一層深めさせたいと 文 」と単 元 が 進むにつれて、 「具体的 ナルたちとを比べることで、未来の自分 が 指 導 するべき内 容をいつ、 どのよう だ。 この言語活動のおかげで、訪れる前 いう思 いをさらに強く な型をまず知りたい」との声が計 画 段 をイメージし、 自分自身を見つめる時間 に指 導していくのかなど、課 題 山 積で から修学旅行へのモチベーションは高 した。 階の初 期に出るようになり、単 元 計 画 を持つ。友達と同じ文章を読んでも感じ ある。 しかし、子どもたちの 主 体 性 の まった。旅行中も、テーマについて意欲 授 業で取 組むため の最 初に「 ○ ○ 文の具 体 的な型を知 方は違う。その意 見の相 違を知ること 伸 長 に 重 点を置くことの 大 切さは 痛 的に調べ続け、旅行後、思い出満載の に、横 浜 市 立 白 幡 小 る」という計 画 ができた 。また、 「解説 で、 さらに興味深くなり一人ひとりが意見 切に感じた。 パンフレットを仕上げた。 学 校の先 行 実 践のス 文」を書いた後の振返りでは、 「解説文 を深めていった。正解はない。 自分の中 これからも、先 進 的な実 践に学び 、 その後、5 年 生を対 象に「 修 学 旅 行 タイルを取 入れること を書く技」をまとめたことで、 「物語文を にどれだけひらめくものを持つことができ 子どもたちとの学び 合いを深めていき 報告会」を行った。 この言語活動は、報 から始めた。 書くために、 どのような表現方法がある るか、それを卒業文集(随筆文)にどの たい。 のか、 まとめよう」と、次に進む前にスキ ように繋げるか…単元終了時の子ども ルとしての要 素を確 認したいという意 の姿や卒業文集が楽しみであった。 告のスピーチをする場面だけではない。 ①報告する話題を選ぶ②話題について 10 子どもたちから教えられたこのスタイ 季刊誌「鶴学園」 No.162 2016 春号 白幡小学校は、 「 A Lは『カリキュラム 季刊誌「鶴学園」 No.162 2016 春号 11
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