家 庭 (1D 近藤 史子 教諭)

技術・ 家庭科 学習 指導計 画
学 級 1 年D 組 3 8名
授 業 者 近藤 史 子
共 同研 究者 長沼 誠 子
佐々 木 信子
西川 竜二
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
題 材名 と 指導 のポ イン ト
「共 に 住ま う」 - 住ま い の安 全を 他者 や社 会と の つな がり から 考 える -
目 標
(1) 安全 に 住ま うた めに ,室 内 環境 をど のよ うに した ら よい か関 心を も って 取り 組み ,室 内環 境を
よ りよ く しよ うと する 。
(2) 安全 な 住ま い方 につ いて の 課題 を見 付け ,そ の解 決 を目 指し て工 夫 する こと がで きる 。
(3) 家族 や 他者 にと って 危険 要 素と なる もの を調 べ, そ の原 因に 対応 し た適 切な 方法 で安 全管 理を
す るこ と がで きる 。
(4) 住ま い の中 で起 きる 事故 の 種類 と原 因を 知り ,防 ぎ 方や 安全 確保 の 方法 を理 解す るこ とが でき
る。
生 徒に つ いて
入 学し て 間も ない が, 課題 に 一生 懸命 に取 り組 み, 新 しい 知識 や考 え 方を 習得 する こと に喜 びを
見い だす こ とが でき る生 徒た ち であ る。 学級 では ,出 身 小学 校や 男女 を 問わ ず打 ち解 け, 協力 し合
いな がら 学 校生 活を 送っ てい る 。仲 間と 共に 力を 合わ せ ,課 題解 決に 向 かい ,積 極的 に関 わる 力を
高め たい 。
家 庭科 の 学習 で興 味深 い内 容 は何 かと いう 質問 をし た とこ ろ, 「調 理 実習 がし たい 」「 もの づく
りが 好き 」 とい う返 答が 大多 数 で, 「住 居」 や「 消費 生 活」 ,「 環境 に 関わ るこ と」 につ いて は関
心は 高く な いこ とが 分か った 。 小学 校で は, 整頓 及び 清 掃の 仕方 と工 夫 ,季 節の 変化 に合 わせ た快
適な 住ま い 方の 工夫 につ いて 学 習し てい る。 しか し, 「 住ま い」 に関 わ る実 態や 意識 は様 々で ある
こと から , 「住 居」 は生 活に 身 近で 深い つな がり があ る にも 関わ らず , 「住 まい 方」 につ いて は家
族任 せで あ る傾 向が 強い 。今 回 の題 材で ある 住ま いの 安 全に 関す る授 業 は生 徒た ちに とっ て新 たに
学習 する 内 容で ある 。日 ごろ 危 険を 意識 しな い住 まい の 中を 改め て見 つ める こと で, 住居 の学 習の
必要 感や 大 切さ につ いて 実感 さ せた い。
題 材に つ いて
現 行学 習 指導 要領 の内 容「 C 衣生 活・ 住生 活と 自立 」 にお いて ,「 家 族の 安全 を考 えた 室内 環境
の整 え方 」 が大 きく 取り 上げ ら れて おり ,家 庭内 の事 故 の種 類と その 原 因を 知り ,家 族の 安全 を考
えた 住ま い 方を 工夫 する こと を 目標 とし てい る。
住 まい は ,身 の安 全を 守り , 安心 して くつ ろぐ こと の でき る場 所で な けれ ばな らな い。 しか し,
住ま いの 中 で起 こる 事故 は意 外 にも 多く ,特 に高 齢者 や 幼児 の事 故死 亡 率が 高い 。ま た, 家族 は様
々な 年齢 で 構成 され てい るが , 中学 生の 目線 で体 の動 き 等を 考慮 した 室 内環 境を 考え るだ けで はな
く, 他の 家 族の 立場 から ,安 全 で快 適な 住ま いを 考え る こと は, とて も 大切 なこ とで ある 。自 分の
親が 年老 い たり ,家 族構 成が 変 わっ たり する など して 家 族は 変化 して い くも ので ある 。た とえ 現在 ,
一緒 に生 活 する 家族 に幼 児や 高 齢者 ,体 の不 自由 な人 が いな いと して も ,ど のよ うに した ら家 族が
安心 して 生 活で きる かを 具体 的 に考 える こと が必 要で あ る。 それ は, 現 在の 家族 や将 来の 家族 の安
全は もと よ り, 身近 な人 の理 解 につ なが るか らで ある 。
さ らに , 生徒 たち はこ れま で 家族 や地 域の 人々 ,周 囲 のた くさ んの 人 々と 間接 的に 関わ りな がら
生活 して き た。 自分 と家 族だ け でな く, 社会 との つな が りを 意識 して 協 力し なが ら生 活し てい く力
を身 に付 け てい くこ とが ,よ り よい 生活 を創 る上 で求 め られ てい る。
Ⅵ
社会 に参 画 する 主体 の育 成を 目指 し て
家庭 の中 で家 族が 安 全に 生活 する ため に はど のよ うな 工夫 をし た らよ いか を考 え る学 習で ある 。
住 まい の中 は安 全に 生 活で きる 空間 であ る はず だが ,意 外に も危 険 にさ らさ れて い る事 実を 把握
さ せ, 時に は命 を落 と すこ とに 至る 場合 も ある こと を実 感さ せる 。 中学 生で ある 生 徒た ちに とっ
て は危 険と 感じ ない こ とが ,特 に幼 児や 高 齢者 の事 故に つな がる ケ ース とそ の原 因 に関 する 内容
を 主に 学習 する 。幼 児 や高 齢者 の命 に関 わ る事 故発 生の 原因 やそ の 背景 につ いて 知 るこ とは ,幼
児 や高 齢者 の理 解に つ なが り, 生活 の中 で 自分 たち が積 極的 に関 わ り合 って いこ う とす る態 度や
力 を身 に付 けて いく こ とに なる だろ う。 ま た, 生活 と命 を守 るこ と の重 要性 と必 要 性を 学ぶ と同
時 に「 安全 で公 正な 社 会」 を創 り出 して い くた めの 基礎 にな ると 考 える 。
本時 では ,生 徒同 士 が知 識や 経験 ,ス キ ル, 集め た情 報を 共有 し なが ら未 然に 事 故を 防止 する
た めの 具体 的な 方法 や 安全 管理 の仕 方に つ いて 考え させ る時 間と し たい 。ま た, 幼 児や 高齢 者が
安 全に 生活 でき る住 ま いは ,誰 にと って も 安全 な住 まい であ るこ と に気 付き ,身 近 な場 面で 実践
で きる こと を考 えさ せ たい 。
全体 計画 ( 総時 数6 時間 )
主
な
学
習
活
動
指
導
の
手
立
て
時数
○家 族が 心地 よく 住む た めに ,ど のよ
う にし たら よい かを 考 える 。
○ 家 族構 成や 部屋 数, 設備 等 の異 なる 室内 の 間
取 りを 与え ,条 件に かな っ た間 取り につ い て
話 し合 わせ るこ とで ,家 族 一人 ひと りの 住 ま
い 方や 家族 が共 に住 まう た めの 物理 的条 件 や
精 神的 な面 での 配慮 を十 分 に考 えさ せる 。
1
○住 まい の中 の安 全を 考 える 。
○ こ れま で, 自分 の家 庭内 で 起き た危 険な こ と
な どを 思い 出さ せた り, 家 族か らの 聞き 取 り
調 査を させ たり しな がら , 住ま いの 中に 潜 む
危 険や 種類 ,原 因な どに つ いて 探ら せる 。
1
○家 庭内 の事 故の 種類 と 原因 ,特 に多
く 発生 する 事故 や危 険 を知 る。
○ 家 庭内 で多 く起 こる 事故 の 種類 や原 因, 対 象
と なる 家族 とそ の家 族の 特 徴な どを 補足 す る
こ とで ,特 に配 慮を 必要 と する 年齢 の人 々 に
つ いて 理解 させ る。
○ 生 活の 場面 での 実践 や工 夫 につ なげ られ る よ
う ,自 分に 身近 な事 例や 対 象者 につ いて 目 を
向 けさ せる よう にす る。
1
○誰 にと って も安 全な 住 まい につ いて
考 える 。
○ 家 庭内 での 危険 個所 や危 険 物, 事故 発生 の 背
景 につ いて 収集 した 情報 を 基に ,そ の危 険 に
つ いて の安 全策 や事 故を 未 然に 防ぐ 具体 的 方
法 を考 えさ せる 。
2
本時
5/6
○災 害へ の備 えに つい て 考え る。
○ 災 害時 の安 全対 策リ スト を 用い ,自 分の 家 庭
の 安全 対策 をチ ェッ クさ せ るこ とで ,防 災 に
つ いて の関 心を 高め る。
1
Ⅶ
1
本 時の 計 画
ねら い
○ 家 庭 内の 事故 や危 険に つ いて ,具 体的 な安 全策 を 考え るこ とが で きる 。
2
展
学
1
2
習
活
動
前時 ま での 学習 を振 り返 る。
予 想 され る生 徒の 姿
○
家 庭内 の安 全に つ いて 自分 で考 えた こと
や 家 族か ら聞 き取 り した こと ,前 時の 学習
を 思 い出 して いる 。
○ 「 前の 授業 では , 起き てし まう 事故 の種
類 や どの 年齢 の人 が 事故 にあ って しま うの
か を 知っ たよ 。」
○ 「 深刻 な事 故も あ るか ら対 策を 考え ない
と い けな いと 思う 。 」
3
5
指 導 の 手 立 て
○
住 まい の 中は 「本 当に 安全 なの か 」を 改
めて 問う こ とで ,学 習へ の意 識付 け をす
る。
○
自 分の 安 全だ けで なく ,幼 児や 高 齢者 な
ど様 々な 年 齢の 家族 が安 心し て暮 ら せる よ
うに する こ とを 目指 した 上で の安 全 な住 ま
いを 考え る こと の必 要感 をも たせ る 。
= 目 指す 生徒 の姿
期待 され る 生徒 の姿
○
今の 自分 には 気 付か ない 危険 や 事故 につ な
が るも のが 住ま い の中 には あり , 安全 に生 活
す るた めに 考え な けれ ばな らな い こと がた く
さ んあ るこ とに 気 付い てい る。
本時 の 学習 課題 を確 認す る。
○
4
ま
と
め
・
振
り
返
り
評 価規 準
家庭 内 の事 故や 危険 につ いて , 具体 的な 安全 策 を説 明す るこ とが でき る。
=評 価
誰 もが 安全 に暮 らせ る ため の工 夫を
考 え よう 。
課
題
追
究
・
問
い
直
し
○
開
過程
問
い
の
練
り
上
げ
・
課
題
設
定
3
追究 し たい 対象 や課 題に つい て , グ
ル ープ で 収集 した 情報 や考 えた 安 全策
を 伝え 合 う。
・ 幼児 の事 故に 関す る こと
・ 高齢 者の 事故 に関 す るこ と
・ 自分 や家 族の 事故 に 関す るこ と
誰も が 安全 に暮 らす ため に自 分 がで
き るこ と を考 える 。
本時 の 学習 の振 り返 りを する 。
「 誰も が安 心し て 暮ら すた めの 安全 策を
た く さん 考え てみ よ う。 」
〇
自
自分た
分たちの
ちのグル
グルー
ープが
プがもっ
もった課
た課題に
題につい
つい
て
,
考え
た安
全策
を
説明
して
いる
。
て , 考え た安 全策 を 説明 して いる 。
〇 幼 児の 事故 の種 類 や原 因に つい て考 えた
り 調 べた りし た情 報 を説 明し てい る。
〇 空 間図 等で 示し な がら ,事 故の 種類 や安
全 策 を伝 えて いる 。
○
安 全策 の 知識 を深 める ため ,追 究 対象 が
同じ 生徒 同 士で グル ープ を構 成( 3 コー
ス) し, 前 時ま での 学習 を基 にし て 考え た
具体 策の 意 見交 換を させ る。 協力 的 な活 動
〇 家 族か ら 聞き 取り をし た情 報や , 自分 の
疑問 ,気 付 きな ど多 くの 意見 を交 換 させ ,
より 具体 的 な工 夫を 考え させ る。
〇 学 習課 題 を解 決さ せる ため ,異 な る追 究
対象 の生 徒 同士 で構 成す る3 つの グ ルー プ
を構 成し , それ ぞれ のグ ルー プで 出 た安 全
策を 発表 し 合わ せる 。
協働 的 な活 動
〇 事 故が 起 こる 原因 や防 ぐ方 法を , より 根
拠に 基づ い て納 得で きる よう にす る ため ,
ポイ ント を 押さ えな がら 発表 させ る 。
家族 から 聞き 取 った 情報 や解 決 の手 がか り
に なる デー タや 資 料な どを 用い な がら ,自 分
た ちが 追究 した い 対象 や課 題に つ いて ,メ ン
バ ーと 情報 を共 有 して 解決 を目 指 そう とし て
い る。
〇 なぜ 事故 が多 く なる のか ,幼 児 や高 齢者 の
特 徴を 捉え なが ら ,事 故の 種類 や 原因 につ い
て 説明 をし ,具 体 的な 安全 策を 伝 えて いる 。
〇 追究 対象 が違 う グル ープ 同士 で は, 事故 の
原 因や 種類 ,事 故 が発 生し てし ま う原 因な ど
に つい ての 理解 を 深め ,視 野を 広 げて いる 。
〇
「 普段 は子 ども と 接す る機 会が ない けれ
ど , 遊ん でい る場 面 では 注意 して みて あげ
る こ とが でき る。 」
〇 「 整理 整頓 をし て 部屋 の環 境を 整え るこ
と は すぐ に実 践し た い。 」
〇 「 自分 はお じい さ んた ちと 一緒 に暮 らし
て い ない けれ ど, 次 に会 う時 には 配慮 し,
心 配 のな いよ うに し てあ げた い。 」
〇
〇
○
○
「 家族 から 聞き 取 った こと がど うし て危
険 な のか ,原 因や 情 報の 根拠 がよ く分 かっ
た の で, どう した ら 危険 を防 ぐこ とが でき
る か をよ く考 える こ とが でき た。 」
○ 「 グル ープ で協 力 して 考え ,伝 える こと
が で きた し, 他の グ ルー プか ら新 しい 情報
を も らう こと がで き た。 」
〇
みん なに とっ て安 全な 住 まい を目 指し て ,
事 前に 聞き 取り した こと を ,も っと 具体 的 に
追 究し たり ,安 全策 を考 え たり しよ うと し て
い る。
新 しく 得 た知 識や 深め た考 えを 自 分の 生
活の 身近 な 場面 で生 かせ るよ う, 補 助発 問
をす る。
生活 に結 び付 け る活 動
誰 もが 安 全に 生活 でき る住 まい に つい て
の自 分の 考 えを しっ かり まと める よ うに さ
せる 。
○ 「 本時 の 学習 課題 」に 対す る振 り 返り と
「話 合い に おけ る友 達と の協 力」 の 両面 を
振り 返る こ とが でき るシ ート を準 備 する 。
〇
自 分の 家族 の安 全だ けで はな く ,様 々な 人
の 安 全を 守る ため の対 策を 考え て いる 。
生活 の中 の具 体的 な場 面 を想 定し ,家 庭 内
の 事故 を起 こさ ない 対策 や ,幼 児や 高齢 者 と
接 する 時に ,自 分が でき る 安全 策や 配慮 な ど
に つい ての 見通 しが もて て いる 。
誰もが安全に暮らせるように,自分たちが
できることを実践したり,対策を講じたりし
ていかなければならないという思いを高めて
いる。