理 科 (1B 小松 智子 教諭)

で 得 た 実 験 デ ー タ を 基 に, 学級 全 体 で 議 論 す る 協 働 的 学 習 を す る こ と で , よ り 妥 当 性 が 高 い 仮 説
理科 学習 指導計 画
学級
授
Ⅰ
業
目
に 到 達 さ せ た い 。 正 解 の是 非だ け に と ら わ れ る の で は な く , グ ル ー プ で 課 題 解 決 を 図 る こ と を 繰
3 8名
者
小松
智子
共 同 研究 者
浦野
弘
り 返 す こ と で 社 会 に 参 画す る主 体 性 を 育 て る こ と に つ な が っ て い く と 考 え る 。
Ⅵ
単 元名 と 指導 のポ イン ト
「大 地 の変 化」
Ⅱ
1 年B 組
- 地層 モ デル を使 って 大地 の変 化 の様 子を 探る -
標
(1) 自然 に 対す る興 味・ 関心 と 探究 意欲 を高 め, 大地 の 変化 が実 生活 に 深く 関
全体 計画 ( 総時 数22時間 )
1
火を 噴 く大 地・ ・・ ・・ ・・ ( 7時 間)
2
動き 続 ける 大地 ・・ ・・ ・・ ( 5時 間)
3
地層 か ら読 みと る大 地の 変化 ( 10時 間)
わっ てい るこ
主
と に気 付く こ とが でき る。
な
学
習
活
動
指
導
の
手
立
て
時数
(2) 大地 で 起こ るさ まざ まな 事 物・ 現象 を身 近な 地形 等 の分 析を 通し , それ らの しく みと 大地 の
変 化を 関 連づ けて 科学 的に 考 える こと がで きる 。
○
(3) 大地 の 変動 の観 察や 実習 を 行い ,そ の結 果を 整理 し 図表 にま とめ た り, 説明 した りで きる 。
(4) 断層 , 褶曲 ,隆 起な どの 大 地に 関す る地 質事 象に つ いて それ ぞれ の でき 方を 理解 でき る。
○
Ⅲ
私た ちの 住む 地球 に 見ら れる 地形
○
は ,ど のよ うに して で きた のか 考え
を イメ ージ でき るよ うに , 地形 図や 地図 を 用
る。
意 する 。
流水 の働 きで 土砂 は どの よう に堆
○
積 する のか を実 験で 検 証す る。
生徒について
○
堆積 岩と 火成 岩の 違 いを 比較 し相
○
違 点を 見つ ける 。
○
地層 や化 石か ら分 か るこ とを まと
○
め る。
○
○
学 習 し て い る 。 さ ら に 中 学 校 1 年 生 で は 地 層 を 学 習 す る 際 に 褶 曲や 断層 に ふ れ て い る 。 理 科 学 習
で あ る が , 地 学 分 野 は , 扱 わ れ る 事 物 や 現 象 の 特 異 性 か ら 観 察 や実 験が 行 わ れ に く い 領 域 で あ る 。
○
や す く し , 巨 視 的 な 大 地 の 変 動 を 理 科 室 内 で 再 現 で き る よ う に した 。
○
秋田 県の 地形 はど う やっ てで きた
日本 や秋 田県 で見 られ る 大き な断 層や 褶 曲
○
秋田 県と 岩手 県の 上か ら 見た 地形 図示 す 。
の か。 ~秋 田県 と岩 手 県と の地 形の
ま た, 必要 であ れば 海底 か らの 高さ を示 せ る
共 通点 と差 異は 何か を 考え る~
横 断面 を示 すこ とが でき る よう に準 備す る 。
秋田 県の 地形 はど う やっ てで きた
○
大地 の変 動を 多面 的に 考 えら れる よう に 秋
○
秋田 県の 地形 はど う やっ てで きた
○
の か。 ~仮 説の 練り 上 げ~
仮説 を練 り上 げる ため に 何種 類か の地 層 モ
る よう にホ ワイ トボ ード を 活用 する 。
的 に 追 究 す る 力 を 身 に 付 け さ せ る こ と を 大 切 に す る た め に は , 「問 い」 を 見 い だ す こ と が 重 要 で
あ る と 考 え て い る 。 本 時 の 学 習 で は , 秋 田 県 の 地 形 の 成 因 を 見 いだ すこ と を ね ら い と し て い る が ,
そ の 可 能 性 を い ろ い ろ と 探 る た め に は い く つ か の 考 え が 必 要 で ある 。地 層 モ デ ル か ら 各 グ ル ー プ
本時
8/10
○
ヒマ ラヤ 山脈 から ア ンモ ナイ トの
○
化 石が 発見 され た理 由 を考 察す る。
社 会 に 参 画 す る ため には , ま ず 自 分 の 考 え を し っ か り も つ こ と が 大 切 で あ り , そ の 上 で 相 手 に
分 か り や す く 伝 え る 力 も 重 要 で あ る と 考 え る 。 本 校 理 科 部 で は ,自 然事 象 に 進 ん で 関 わ り , 科 学
1
デ ルを 準備 する 。実 験結 果 を素 早く 提示 で き
う に し た 。 地 層 が 変 形 す る 様 子 や 断 層 , 褶 曲 が で き る 様 子 か ら 土地 の変 化 を 推 論 し , ふ る さ と 秋
社 会に 参 画す る主 体の 育成 を 目指 して
1
田 県の 各地 の断 層や 褶曲 し てい る地 層の 写 真
身 近 な 地 形 を 取 り 上 げ る こ と で , 生 徒 が 自 然 に 対 す る 関 心 を 高 め, 主体 的 に 観 察 に 取 り 組 め る よ
Ⅴ
1
を 提示 する 。
本 時 は 秋 田 県 の 地形 から 過 去 の 地 殻 変 動 に つ い て , 地 層 モ デ ル を 活 用 し 推 論 し て い く 。 そ の 際 ,
田の地形の成り立ちに迫っていきたい。
1
な どの 写真 を提 示す る。
の か。 ~仮 説を 立て る ~
特 に 今 回 取 り 上 げ る 地 層 の 学 習 は , 露 頭 の 観 察 な ど そ の 表 面 は観 察で き て も , 内 部 ま で 観 察 す
る こ と は 難 し い と 考 え る 。 そ こ で 地 層 モ デ ル を 活 用 し , 地 層 内 部の 変化 の 様 子 を 視 覚 的 に と ら え
地層 の内 部に 見ら れ る変 化( 褶曲
や 断層 )を 調べ る。
生 徒 は こ れ ま で ,小 学校 6 年 生 で 「 土 地 の つ く り と 変 化 」 を 学 習 し , 断 層 に よ る 土 地 の 変 化 を
を 進 め る 上 で 大 切 だ と 思 う こ と は , 学 習 活 動 の 中 に 観 察 や 実 験 など の直 接 体 験 を 取 り 入 れ る こ と
1
化 石を 提示 する 。
そ こ で 学 習 課 題 を 解 決 す る た め に , 各 グ ル ー プ の 実 験 課 題 の 検 証結 果を , 一 つ の デ ー タ と し て 取
単 元( 題 材) につ いて
地層 に含 まれ る化 石と そ こか ら読 み取 れ る
古 環境 との 関連 性を 考え る 手立 てと して , 貝
か し 「 正 し い 答 え を 発 言 し な け れ ば な ら な い 」 「 間 違 い た く な い」 とい う 気 持 ち で , 自 分 の 考 え
Ⅳ
1
ぞ れの 岩石 を準 備す る。
自 分 の 考 え を 深 め て い く こ と に 喜 び を 感 じ , 授 業 に お い て も 意 欲的 に取 り 組 む こ と が で き る 。 し
り 上 げ る こ と で , 自 分 の 考 え を 堂 々 と 発 表 で き る 学 習 を 展 開 し たい と考 え る 。
土砂 や土 砂以 外の 物が 堆 積し た岩 石の 特 徴
と 火成 岩と の違 いを 指摘 で きる よう に, そ れ
ま っ た 。 秋 田 市 で は 特 に 観 察 で き る 露 頭 が 少 な い と い う 状 況 が 原因 とな っ て い る と 考 え ら れ る 。
を 発 表 す る こ と や 説 明 す る こ と に , 苦 手 意 識 が あ っ た り 自 信 が なか った り す る 生 徒 も 少 な く な い 。
1
か 気付 くよ うに 演示 実験 を する 。
う 理 由 は 62% で あ っ た 。 ま た , 「 実 際 に 地 層 を 見 た こ と が あ る 」と いう 生 徒 は 全 体 の 13% に と ど
生 徒 は 理 科 に 対 して 興味 ・ 関 心 が 高 く , 新 し い 知 識 を 習 得 す る こ と や , 友 達 と 話 し 合 う こ と で
プラ スチ ック チッ プを 使 い, 流水 の働 き か
1
ら どこ にど のよ うな 性質 の チッ プが 堆積 す る
「 理 科 」 に 関 す るア ンケ ー ト 調 査 を 行 っ た 結 果 , 「 理 科 は 好 き で す か 」 と い う 質 問 に 対 し 「 と
て も 好 き 」 , 「 ど ち ら か と い え ば 好 き 」 は 全 体 の 97% で あ り , その うち 「 実 験 が あ る か ら 」 と い
山脈 やV 字谷 ,扇 状地 三 角州 など をの 地 形
大地 の隆 起で アン モナ イ トが 産出 する こ と
1
を 理解 でき るよ うに プレ ー トの 動き と関 連 づ
け て説 明す る。
○
柱状 図を 使っ て, 地 下の 様子 を探
る。
○
地下 の様 子を 推測 でき る よう に, 柱状 図 で
地 層の 連続 を想 起さ せ, 地 層の 広が りや 地 形
の 高低 を考 えら れる シー ト を準 備す る。
1
Ⅶ
本 時の 計 画
1
ねら い
○
3
モ デ ル実 験の 結果 を基 に ,秋 田県 の地 形が どの よ うに 形成 され か を推 論し て, 適切 な仮 説を
評 価規 準
○
秋田 県 の地 形の 成因 につ いて の 仮説 を図 や文 章 で表 現で きる 。
設定 で きる 。
2
展
開
= 評価
学
過程
1
習
活
動
秋 田県 の地 形が どの よ うに でき たか を
そ れ ぞれ の班 で仮 説を 発 表す る。
予 想 され る生 徒の 姿
○「 上 下方 向に 大地 の 変動 が起 きた こと が原
○「 太 平洋 の海 洋プ レ ート が海 溝に 動く とき
題
に 東 北北 部を 押し て いる こと が原 因だ と思
う。」
私たちの住む大地はどのようにし
てできたのだろうか。
定
○
因 だ と思 う。 」
課
設
指 導 の 手 立 て
前時 との 学習 の連 続 性を 意識 でき るよ う に
期待 され る 生徒 の姿
○
各 グル ープ の仮 説を 提 示し する 。
○
= 目指 す生 徒 の姿
前時 を思 い出 し なが ら, 課題 を 解決 した い
と いう 意欲 が高 ま って いる 。
各グ ルー プの 仮説 が イメ ージ しや すい よ う
に 秋田 県の 地形 図を 準 備す る。
○
○「 地 震が 原因 で元 々 あっ た平 地が 崩れ 落ち
自分 が解 決す べき 課 題か ら「 私た ちの 住 む
大 地は どの よう にで き たか 」と いう 大き な 課
て 低 地に なっ たと 思 う。 」
題 を意 識で きる よう に もう 一度 実験 課題 を 確
認 する 。
2
そ れぞ れの 仮説 を検 証 する ため に地 層
モ デ ル等 を使 って 実験 し ,で きた 地層 の
変 化 をレ ポー トに まと め る。
○「 地 層の 内部 に断 層 がで きて いる 。」
○「 土 地が 隆起 した け ど奥 羽山 脈み たい にと
○
が っ てな いな 。こ れ は山 なの か。 」
た か らこ の仮 説が 正 しそ うだ 。」
題
よ うに 指示 する 。
○
つ のモ デル 実験 結果 を 提示 し, 地層 は概 観 し
究
て レポ ート に記 録す る よう に説 明す る。
3
各 班の 結果 から 秋田 県 の地 形が どの よ
う な 地殻 変動 でで きた か を推 論す る。
問
○
地層 モデ ルで の 実験 から ,秋 田 県の 地形 の
成 り立 ちの 妥当 性 を考 え, 大地 に はた らく 力
と 関係 性を 見い だ そう とし てい る 。
○「 ど の班 の仮 説も 確 かに 地形 を説 明で きて
い る な。 だっ たら ど の班 の仮 説が 妥当 なの
○
だ ろ う。 」
い
自ら 立て た仮 説 と結 果を 結び 付 け, 積極 的
に 発言 して いる 。
地層 の観 察の 視点 を 明確 にす るた めに , 一
追
・
○
っ くり と板 を動 かし , 2c mく らい でや め る
○「 断 層や 褶曲 がで き たし ,山 も同 時に でき
課
地層 の変 化を 捉え ら れる よう にな るべ く ゆ
直
○「 断 層は 秋田 県に 確 かに ある な。 」
し
○「 ○ ○班 の仮 説が 妥 当だ とす れば ,秋 田県
○
の ど こか に褶 曲が 見 られ るは ずだ 。」
仮説 の根 拠を 自信 を もっ て説 明で きる よ う
○
に 地層 モデ ルと レポ ー トを 用い て地 形を 説 明
秋 田県 の地 層に は 褶曲 や断 層が あ るの では な
す るよ うに 促す 。
い かと いう 予想 を して いる 。
より 高い 妥当 性の 仮 説を 考え られ るよ う に
○
県 内の いく つか の地 層 の写 真を 提示 する 。
○
褶曲 や断 層が で きる 様子 を確 認 する こと で
秋田 県の 内部 の 地層 の写 真か ら ,最 も妥 当
性 の高 い仮 説を 見 いだ して いる 。
地層 の変 化の 特徴 か ら, 断層 や褶 曲の で き
方 を捉 えら れる よう に ,事 前に 取っ てお い た
○
隆起や断層,褶曲などの大地の変化と,
デ ジタ ルカ メラ の映 像 を流 す。
そのはたらきによってできる地形を関連付け
てレポートに表現している。
ま
と
め
4
今 日の 学習 の振 り返 り をす る。
○「 断 層が でき るし く みが わか った 。」
○「 秋 田県 の地 形は 海 洋プ レー トの 動き と関
係 が あり そう だな 。 」
・
○「 秋 田県 の地 形が そ のよ うに でき たの なら
振
他 県 や他 国は どう な って いる のだ ろう 。」
り
返
り
○
レポ ート には これ ま での 発表 から 自分 が 考
え る秋 田県 の地 形の 成 因を 書く よう に指 示 す
○
結果 を共 有す る こと で, 自分 の 考え を深 め
て いる 。
る。
○
自分 の考 えは 何に よ って 決定 づけ られ た か
を 発表 する よう 促す 。
自信をもって自分の考えを表現し,まわり
と協働して仮説を絞り込むことで,学びの達
成感を得ている。