ICT活用による労働時間適正把握

愛知県内介護事業場の職場環境向上工夫取組事例
名
称:社会福祉法人 名古屋市社会福祉協議会 在宅福祉部
業
態:訪問系
職 員 数:約1830名 (H27.10月現在)
ICT活用による労働時間適正把握
<PHSを活用したシステム導入>
取組のきっかけ・背景
介護保険報酬の『特定事業所加算』を算定するには適切な活動報告の記録等が必要であったが、本
会の訪問介護員は、ほとんどが直行直帰型であり、随時事業所に立ち寄り利用者の状況報告・引き
継ぎをするという方法は現実的ではなかった。そこで、適切な労働時間の把握及び活動報告を記録
するために、PHS を活用したシステムを導入した。
取組の内容
1 人1台専用のアプリケーションが入ったPHSを貸与し、これを使用し訪問予定の確認・労働時
間の把握・事業所への連絡等を行う。
【訪問介護員の活動の流れ】
訪問介護員に毎月下旬に翌月分の『訪問確認票』が送られる。⇒訪問介護員は翌月の勤務を確認。
↓
訪問介護員が所持するPHSへ、前日 18 時に翌日の訪問予定(訪問先・サービス提供時間等)
メールが送信される。⇒訪問介護員はPHSで、翌日の利用者訪問予定等を確認。
さらに、訪問予定時間の30分前に、PHSへ前回サービス提供時の利用者の体調等の状況が送
信される。⇒訪問介護員は、PHSで利用者の状況を確認。
※利用者の体調等により月次予定の『訪問確認票』から訪問日時が変更になる場合があるが、前日に送信されるサ
ービス提供時間は、最新の予定時刻等が表示される。
↓
訪問介護員は訪問当日、サービス提供完了後にPHSのアプリケーションを使用し、活動報告(サ
ービス提供時間、内容、利用者の体調等の状況)を行う。
※サービス提供時間の短縮・延長・利用者の状況等の連絡事項についてもこのPHSで行える。
※サービス提供の際に移動時間がある場合は、移動時間についてもこのPHSで報告を行う。
↓
月末には『訪問確認票』に利用者から一箇月の最終確認印を押印して貰い、これを毎月1日まで
に事業所へ提出する。
現状とこれまでの取組の効果・今後の課題
本会ヘルパーは、平均年齢が高く、携帯電話を持っていない者もいるため、導入当初はPHS自体
の操作を覚えて貰うのにも苦労したが、以下の効果が得られた。
○ 訪問当日の活動内容が都度報告されるため、利用者の状況について速やかな情報共有が可能とな
り、労働時間の適切な把握に加え、より質の高いサービスを提供できるようになった。
○ 事故等の際には、PHS の写真撮影機能を使用して現場を撮影し、事業所へ連絡することで、い
ち早く現状の確認ができ、その後の対応や報告書の作成に役立っている。
○ 訪問介護事業所においては、1 日に 1 度は事業所に立ち寄るほうが望ましいが、訪問ヘルパー
は主婦層も多く、短時間でも働けることが求人の際のアピールにもなっている。
○ PHSを持つことによって、何かあった際にすぐに事業所やサービス提供責任者に連絡でき、
「安
心して仕事ができる」と、訪問介護員からの評判もよい。