「神栖市が目指す地方創生」

視
点
「神栖市が目指す地方創生」
神栖市長
保立 一男
かつての当市は、農業と水産業が中心の純農村地帯でありましたが、昭和30年代
中盤に始まった鹿島開発により、鹿島港を核とした臨海工業地帯の整備が進められ
たことで、まちの様相は大きく変貌しました。道路等公共インフラの整備や、商業
施設の立地が進み、県外からの人の流れも生まれる等、今日まで発展を続けてまい
りました。
この間、市としても、子育て支援をはじめとする多様な福祉施策や各種の公共施
設整備等の充実した行政サービスを展開することで、近年まで人口動向も安定的に
増加を続けてまいりました。
しかしながら、平成23年3月の東日本大震災で、当市は甚大な被害を受け、これ
を境に、増加傾向であった人口が、翌年度には一転して減少に転じ、以降も横ばい
を続けるという現実に直面いたしました。
加えて、国立社会保障・人口問題研究所の予測を参考に推計すると、当市の人口
は、このまま何も対策を講じなければ、2060年には約7万5千人と、現在より2万
人近く減少すると予測されます。このため、今後は、人口減少・少子高齢社会に早
急に対応するとともに、地域の活力を維持していくことが求められます。これまで
当市の人口増を支えていた要因である、鹿島臨海工業地帯の立地企業等の恵まれた
雇用環境や、充実した福祉施策・行政サービス等の長所をさらに伸ばすとともに、
全国的な知名度の向上や、安全・安心なまちづくり等の諸課題に取り組んでいくこ
とが重要となります。
当市の地方創生は、昨年12月に取りまとめました「神栖市まち・ひと・しごと創
生総合戦略」において、まちとしての魅力を向上させ、ワンランク上の品格ある都
市へと脱皮し、総合計画の基本構想に掲げる将来都市像の「市民とともにつくる“躍
進する中核都市”かみす」を目指すこととしております。これを実現するために、
4つの基本目標を定め、農・水・工の産業競争力強化や、出会いから結婚・妊娠・
出産・子育てまでの切れ目のない支援、医療体制の充実、市のイメージアップ、定
住促進のための取り組み、防犯・防災活動の推進、芸術・文化の振興などの重点プ
ロジェクトに積極的に取り組んでいくこととしております。
これらの施策を進め、これまで以上に、市民の皆さんに「神栖市に住んでよかっ
た」と言っていただけるよう、活力あるまちづくりに努めてまいります。
16.6
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