リンク・スマイルだより6月号

リンクスマイルだより6月号
「自分でできた!」に導くために・・・
【未就園児編】
「自分のことは自分でできるようになってほしいけど、なかなかやろうとしない」
「自分でやろうとするけど、すぐにできないと泣いて困る」
など身支度について皆さんからよくでるご質問です。
身支度には、衣服の着脱、靴の脱ぎ履きなどがありますが、着るということだけとってみると実に沢山
の工程があり(大人はすでに定着しているため無意識で行っているのですね)、それに伴うスキルが
必要です。
例えば「どの順番に脱ぎ着するか理解している」「手足を通す位置がわかり、通す」「ボタンやチャック
などをする」
など。
もし身支度の自立がうまくいかないなと思った時には、その背景を観察してみましょう。
1 着る、脱ぐ、はくための動作手順をどの程度理解しているか
※認知発達を促していきましょう
※段階をふみ「見本を見せる」「手を添えながら一緒に行う」「できた喜びを一緒に共有する」(ほめ
るということではありません)
を基本に「次はこれ」「こっちをこうして」など指示を控え、次はなあに?と行動を思い出させたり、
つまづいたら見本をみせたりして、しっかりと手順を理解させていきましょう。
2 手や頭を通し時うまくいかない
※物に合わせ自分の身体をどう動かすのかがわかる
=ボディイメージや空間認知を育てましょう
3 指先をつかうことが苦手
※手指の巧緻性(細かな作業に必要な指先の動き)を育みましょう
2,3は遊びの中で育めます。ボディイメージはフープくぐり、近い距離でのボール投げなど。
(こあら組、ぱんだ組でよく行い、すきっぷ忍者修行ではさらに集中力もつけるため蜘蛛の巣くぐりを
楽しみながら行っています)
手指の巧緻性は、粘土遊びや砂場、紐通し、着せ替え遊びがよいでしょう。
それらのスキルはあるけれど、「ママやってー」の場合は・・・
甘えも時に必要です。自分でやりなさいと突き放すことは逆効果ですし、いつでもやってあげることも
考えものです。気持ちを受け止め、状況をみながら「自分でやってみよう」と思える励ましや言葉かけ
をしましょう。おやつやご褒美でつることは、励ましでも自分でやろうという気持ちを育むことではあり
ませんので、たまのご褒美はよいとして、常に、頻繁ににならないようにしていきたいですね。自分で
できたことを一緒に共有してもらえることが何より嬉しい時期に、自分でできる喜びを味わせつつ、時
に甘えの気持ちも受け止めるなどこどもの今に添って柔軟に対応していきましょう。
そのためにもいきなり「自分で」とか「何歳になったのだからできるよね」ではなく、作業手順やボディ
イメージ、巧緻性を意識した言葉かけ、手伝い方を見極めどこの部分でどんな手伝いが必要か(日に
よって違うはずです)を考えながらまずは一緒に行いましょう。ポイントは「どこをどのように手伝うか」
「手を出さず声だけにするか」の観察です。次第に手を減らし、見守り、だんだんと指示をなくしていく
ことが大切なので、そのためにはお子さんの様子をよく観察してみましょう。
また「ほめる」ことではなく、本人が「満足できるかどうか」「満足しているかどうか」をよく見て、
「えらいね」ではなく「自分でできてうれしいね」と本人の気持ちに共感し言葉にしていくこともとても大
切です。
できるから、ではなく毎回できたね、を共有していくと段々と定着もしていきますよ
こあら組
「まねっこの効用」
まねっこが活発なこあら組のこどもたち。発達の時期
としても「模倣」が盛んになっていく時期になってきて
います。まねっこと一口で言いますが
実に大切な「学習プロセス」でありコミュニケーション
そのものなのです。身体的模倣を通しその人と同じ
ことをしている「一体感」を感じます。また見たことを
自分の体に置き換える=真似る=その人になって
みる体験をすることで身体感覚の共有だけでなく、そ
こに伴う「気持ち」(情動)も共有するのです。こうした
関わりは社会的人間関係の基盤となります。
その基本がママの真似。食べ方、口真似、家事や
ちょっとしたしぐさや動作・・・よくみていて後からびっ
くりするような真似をやってのけませんか?
これが1.2歳の遊びによくみられる
「ふり真似遊び」です。(乾杯をす
る、たべものを食べるまねをする
ことから次第にままごとへ。さらに
興味の対象が広がり身体発達も
高まるにつれ買い物ごっこ、病院
ごっこなどシチュエーションを想像
したごっこ遊びへと発展します。
これが「他者理解」、発達心理学では「心の理論」と
呼ばれる他者の気持ちを理解したり、汲み取ったり、
共感していく力となります。いわゆる
「社会性」です。まねっこはとてもとても大切な段階で
す。
こあら組のこどもたちは今先生の真似をよくしていま
すね。集団への関心の高さが伺えます。大事にして
あげたいですよね。
ぱんだ組 「フリ真似~ごっこの意味」
こども同士の関わりが随分とでてきました。少人
数ならではの「顔なじみ」の早さです。こあら組
のこどもたちのような「真似て楽しむ」状態なの
ですがその背景はより深まっています。
友達が何かを身につけていると同じものを身に
つけたがったり、友達がしていることと同じような
行動をしようとします。
模倣の先に生まれる
「同調行動」です。
また、キャラクターへの憧れに始まり、友達への
親和感情、先生や年上のこどもへのあこがれが
出てきているため、より同じことをしてみたい、す
ることで一緒の気持ちを味わいたいという要求
も高まっています。誰かになりきるで満足なので
はなく、3歳は中身や行動も真似るようになりま
す。口調然り、しぐさ然り、なっている人物がする
であろう行動をし、その人物だったらどうする
かを想像します。いわゆる役割への理解です。
そうしたこどもたちの状態を踏まえ、片付けや身
支度の意欲をくすぐり、自発性を促しています。
ヒーロー好きの男の子たちには、ヒーローだっ
たら片付けってどうやるか?と問いかけると、
あっという間に片付けたり、難しい仕分けも挑戦
したり・・・誰かがしている良い行いを全体に伝え
ると、こぞって真似たり・・・褒められたいからで
はなく、そうすると自分も楽しい、自分も気持ち
良いなど自分はどうかを基準に問いかけていま
す。今のところとても順調に、子供同士のまねっ
こが個々の自発性と社会性を引き出すよいきっ
かけになっています
すきっぷ 「行動の源」
幼児期後半から学童期前半のこどもたちは、まねっこ楽しいぞー、誰かがやっているからやるーという状態
から、少しずつ「やってみたいけどできるかな」「失敗したらどうしよう」「どうやってたればいいのかな」など、
葛藤を経て行動を起こすことが多くなります。それは幼児期の経験が元になるからです。
葛藤自体悪いことではなく、様々な経験が自分の中で積み重なり判断材料として使おうとしていたり、もっと
うまくやりたいという向上心であったり、慎重さ、思慮深さの育ちに繋がっていくものです。
物事の受け止め方の下地ができてくるこの時期は、行った結果を自分がどう捉え、どう意味づけていくかが
とても重要になってきます。左の表のように、自分の以外で起きていることは外界とし、外界から刺激に対し
て都度受け止め、受け止めたことで感情が起き、感情が行動を起こし、またそれが自分の外側にでていき
ます(表現このように、何か起きた時の受け止め方がその後の感情や行動を
受け止め
決めていくのですね。となるとこの「受け止め方」をどう育てるかが
外界
方(認
とても大切。大人もそうですね。よく言われますが、コップに半分に
(刺激)
水が入っていたら「半分しかない」と考えるか「まだ半分もある」と
知)
捉えるかでその後の感情や行動は違いますね。ポジティブがよい
ということを言いたいのではありません。「半分しかない」と捉える子
であれば、不安感を増長しないよう「なくなっても大丈夫なように
準備を一緒にしよう」「なくなったら足せばいいよ」とどうしたらよい
かを一緒に考えてあげましょう。まだ半分もあると捉える子なら、安心
行動
感情
の気持ちを共有しつつ、少し先を想像し自分で行動を計画できるようサ
ポートしていきましょう。やってみたい気持ちを支え不安感を軽減する。
またはやりたくない気持ち(宿題や持ち物準備等)をどうやる気にさせ行動化していくか、ぜひこの表をヒン
トに考えてみてくださいね
スタッフ・ボランティア紹介
田久保隆司さん
小宅一弘さん
川口信子さん
3年目を迎えるベテランボランティアさんたち。主にぱんだ組、シーズ
ンすきっぷの活動に参加しています。皆さん子育て支援養成講座を
受講済みの方で、それぞれに心理面、福祉関係の経験が豊富です。
経理・事務(たまに保育補助)
ぱんだ組保育補助
温品夏子
斎田陽子
昨年度はそれぞれの諸事情により休職しておりましたが、年明けよ
り復帰しております。温品は個人事業からの保育主任。斎田は事務
経験が豊富で社交的なこども好きです。
すきっぷ講師紹介
いけばな
いけばな
増野光晴先生
増野和子先生
いけばな雪舟流副家元と次期家元による
茶道・華道クラス。今年で6年目となりま
すが、毎回年齢と経験に合わせわかりや
すく、楽しく、教えてくださっています。流
派の生徒さんも習うことができない先生
方の指導を受けられるのもすきっぷなら
ではです。
表現
門間利夫先生
劇団ひまわり出身、元夢の遊
眠社、TV,Cm等を経て劇団うる
とら2B団主宰。演出、脚本。演
劇理論を元にこどもたちの興
味と能動的な行動を引き出し
大変人気の高いクラスになっ
ています。
サイエンス
造形
折り紙
野崎隆司先生
板垣すが子先生
大竹智子先生
見て、触って、体感
できるサイエンス。
幼児期のこどもた
ちのなぜ?不思議
を丁寧に解説して
くださいます。
ショー仕立ての実
験はこどもたちに
も人気です。
こどもたちの自由
な発想と創作意欲
を大切にしたクラ
ス。珍しい素材か
ら身近な素材を変
化させ用いる造形
は、こどもたちの
興味を広げ心を豊
かにします。
日本折り紙協会講
師で、仕掛け、遊
び、飾る、普段使
い等バリエーショ
ンが豊富です。毎
回遊びへ発展でき
る折り方を考案。
おしゃべりも面白く、
会話を楽しみなが
らのクラスです。
その他の講師陣
上記の先生方に加えレギュラーすきっぷ、シーズンすきっぷで多彩なワークを提供
いただいております。
★松川 幸太郎さん
★酒井 亜紀さん
★八乙女真記子さん
「ゲーム」「囲碁」を担当。楽しみながら、学習効果を高めたり
学習レディネス(本格的な勉強の前に必要な数、言葉等の
準備)を促進する内容に取り組んでいただいています。
「体操」を担当。幼児体育インストラクター、キッズヨガ講師。
今年で5年目の講師の方です。こどもたち自身が自分の成長
を感じられるような成果実感を目標に、年齢や個性、興味に
応じて楽しく身体を動かす時間に取り組んでいただいておりま
す。
小学校の表現教育指導者、新人研修のファシリテーターとし
て活躍されているほか、絵本を使った表現遊び、コラージュ
療法にも取り組んでいます。こどもたちの生き生きとした
表現を引き出していただいています。
今後のイベントお知らせ
★7月3日 忍者体験イベント
入場無料 忍者修行参加は別途800円(できる限りご予約ください)
★11月6日 すきっぷ文化祭
レギュラーすきっぷのこどもたちの作品展示やどなたでも様々なワークショップ
を体験できる日です。ぜひご予定していてください。
★2月(施設確定は8月1日)
こども美術館
※全クラスのこどもたちの一年間の生活展。昨年度は500名の来場者があり、単なる
展示ではなくアトラクション型美術館として地域の方にも楽しみにしていただいております