仕 様 書 - 近畿経済産業局

仕 様 書
平成 28 年度産官金ネットワークによる産総研・公設試の橋渡し機能強化事業
1.適用
本仕様書は、近畿経済産業局地域経済部次世代産業課産学官連携推進室が実施する「平
成 28 年度産官金ネットワークによる産総研・公設試の橋渡し機能強化事業」に適用する。
2.事業の目的
経済産業省のイノベーション推進のテーマである大学や公的研究機関の特許・ノウハウ
等の技術シーズ(以下、技術シーズ)を事業化に結びつける「橋渡し」機能強化について
は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)及び国立研究開発法人新エネ
ルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)がその役割を担うことが期待されている。
しかし、産総研と NEDO だけでは、多くの中小企業に対しての「支援」
「橋渡し」を実現
することは難しく、中小企業をもっともよく知る公設試験研究機関(以下、公設試)の役
割も重要になる。
本事業では、産総研・公設試の「橋渡し」機能が効果的に発揮されるよう、産業支援機
関、金融機関が参加する産官金ネットワークを活用し、産総研・公設試にとっての新規顧
客を獲得するなど、
「橋渡し」機能を強化する。また、各機関が所有する知財等の技術シー
ズから、企業とマッチできる有望案件を抽出し、マッチングすることにより、中小企業へ
の「橋渡し」を推進する。その中で、複数の公設試が共同しての支援や公設試と産総研が
共同する支援、各機関の取組に対して他の機関が協力するなど、各機関の連携を強化する。
さらに、公設試の事業内容や実施している支援メニューなどの積極的な広報を行い、公
設試の利用者拡大を図る。
3.事業の内容
前述のとおり、これまでも産総研と公設試、公設試間の連携を図ってきたが、本事業で
は産業支援機関、金融機関にも協力を求め、協力を得られた機関が参加する産官金ネット
ワークを構成する。ネットワーク構成員が参加する会議の中で、産総研・公設試の技術シ
ーズを活用した「橋渡し」機能強化を図るための手法や、ネットワークが有機的に機能し
かつ自立化に向けた方策を検討する。
また、公設試広報のための見学会と産総研・公設試の有望な知財等の技術シーズ発表会
を開催する。開催に際しては、効率よく広報、マッチングが実現するよう検討するととも
に、多くの集客が見込めるような工夫をこらす。さらに、実用化のための国の研究開発支
援事業の申請を促すとともに、マッチング時に知財活用の推進を行うことにより、その後
の研究の円滑化を推進する。
具体的には以下の作業を行う。
(1)事務局の設置と役割
・本事業を実施するため事務局を設置する。その構成は、局、請負業者、公設試や産
業支援機関の事業内容について知見のある専門家(企業OB等)を1名以上、産学
官連携や橋渡し、知的財産権の取扱に知見を有するアドバイザー(以下、アドバイ
ザー)を2名以上、とする。専門家、アドバイザーの人件費等の費用は請負者が支
払うこと。
・事務局は、事業の進行から事業に関わる機関への連絡・調整、事業全体の管理等の
一切を行う。事業スケジュール、実施内容は事務局において決定することとする。
決定事項は都度書面を局に提出すること。
・事業を実施するに当たっては、その詳細を局に報告し承諾を得て実施すること。
(2)産官金ネットワーク構成
①産総研関西センター、公設試
・当局が事務局を務める近畿地域産業技術連携推進会議メンバー
(参加機関は 11 機関)
に、事業の趣旨説明を行い、ネットワークへの参加要請を行う。
②産業支援機関、金融機関
・近畿管内において業務を行っている機関とし、選定に当たっては事務局と当局の関
係機関等のつながりを活用すること。
・ネットワークへの参加と事業実施への協力について理解と賛同を得る。
・産業支援機関の参加は、3機関以上とし、金融機関の参加は、10機関以上とする。
・参加要請を行うため各機関を訪問する場合は、局職員が同行することがあるため、
訪問の 3 営業日前までに局にスケジュールを報告し、日程を調整すること。
(3)ネットワーク会議
①運営
・橋渡し機能強化の仕組み作り、後述する公設試等シーズ発表会の運営方針等の協議
を行う場とする。
・会議は 3 回以上開催すること。(大阪市内)
・各会議毎の議題・参加機関等は局と相談の上決定すること。参加機関は地域が偏ら
ないよう配慮し、決定した参加機関は全て参加できるよう日程調整を行うこと。ま
た、事務局の専門家も参加できるよう調整すること。
・会場確保、会場準備、開催案内を行い、会議資料を作成すること。なお、会議開催
にかかる費用(備品費、会議費等)は請負者の負担とする。
・各会議終了後、一週間以内に議事録を取りまとめ、会議資料とともに局に提出する
こと。
②橋渡し機能強化について
・参加機関から各機関が取り組んでいる他機関との連携状況や、自ら実施している事
業の紹介などを行う機会を設ける。
・日常から各機関が連携を取りやすい環境を整えるため、例えば参加者リスト、各機
関の強み、他機関への要望などをリスト化したり、シーズ発表会での個別相談にお
いて1機関で対応できない案件を複数の機関で対応するなど、橋渡し強化(連携強
化)に資する取組を提案し、局の承認を得られた取組を実行すること。
・平成 27 年度産官金ネットワーク構築による公設試の橋渡し機能強化事業の実施状況
と本事業での見学会、シーズ発表会の実施状況を踏まえ、橋渡し機能の有効性、課
題等を取りまとめる。
※提案必須項目
各機関の連携を図るための具体的な取組について提案を行うこと。
※ネットワーク会議開催のイメージ
1回目:事業の趣旨説明、仕組みの提案 (原則、全機関が参加対象)
2回目:仕組みについての意見交換
シーズ発表会の開催概要の説明 (必要な機関を参加対象とする)
3回目:事業全体の実施結果の取りまとめ、報告 (原則、全機関が参加対象)
(4)公設試見学会
①対象者
・対象は金融機関の行員と産業支援機関の職員とした見学会を 2 回以上開催するこ
と。ただし、企業から参加希望があった場合は妨げない。参加者は1開催あたり
15 人以上とする。なお、開催場所は、企業集積のある京阪神地区とする。
②企画
・公設試の事業内容、利用の手引きや機器の活用方法の紹介などを行うとともに、
機械設備等を含めた施設の見学を行い、金融機関の行員、産業支援機関の職員が
公設試を中小企業に紹介してもらうよう促す。
・その際、請負業者は参加者に対し、知財総合支援窓口を紹介するなど、当該窓口
の利用促進も図ること。
③アンケートと開催後のフォロー
・参加者全員に対してアンケートを実施すること。必須項目は、
「公設試を知ってい
たか」「公設試への要望」
「公設試について知りたい情報」とする。当該項目以外
に、事務局の知見に基づく任意の項目を追加の上、提案すること。
・見学会終了後、参加した金融機関の行員と産業支援機関の職員に対し、公設試を
何社に紹介できたか、フォローアップを行うこと。
・実施したアンケートは、集計・分析を行い、その結果を各見学会終了後 2 週間以
内に、局に提出すること。
※提案必須項目
見学会参加者に対して実施するアンケートの提案を行うこと。
(5)公設試等シーズ発表会
①参加機関、開催回数
・中小企業の経営者、金融機関、産業支援機関等を対象とする、産官金ネットワーク
に参加している公設試等の技術シーズを発表する公設試等シーズ発表会を 2 回以上
開催する。
②産総研・公設試から技術シーズを抽出
・発表会は開催毎に対象分野を選定し、シーズ発表を行う産総研・公設試が有する技
術シーズを抽出する。抽出する技術シーズは10を基本とし、開催プログラムを事
務局で検討の上、決定すること。なお、分野は事務局で選定すること。
・分野の選定に当たっては、産業支援機関、金融機関に加え、事務局が配備するアド
バイザーのアドバイスを参考にした中小企業の技術ニーズに適するもので、直接企
業につながりやすい分野とすること。
・個別の技術シーズは事務局で選定し、選定した技術シーズを有する各機関に提示の
上、了解が得られたものを発表する。また、産総研・公設試側から提示を受けた特
許や知的財産に至っていないシーズを加えることも可とする。
・技術シーズについては、当該技術シーズの特許等の発明者等からのヒアリングをも
とに、技術の解説から課題解決までの具体的な活用例を示した技術シーズ提案書を
作成すること。技術シーズ提案書は、1シーズにつきA4用紙2枚程度とし、技術
的な記載に偏重せず、わかりやすいキーワードを使用したり、具体的な活用事例を
掲載するなど工夫をこらすとともに、金融機関など技術的知見の少ない方のアドバ
イスも取り入れ反映させること。なお、技術シーズ提案書の作成に関しては、アド
バイザーの意見も取り入れること。また、企業の課題に対して、産官金が連携して
実施することが可能な支援策についても記載すること。
③集客
・ネットワーク機関からの周知や3.
(4)①の参加者からの周知などを活用し、極力
今まで公設試を利用したことがない中小企業等の参加を促す。
・シーズ発表会の開催案内を作成し、メルマガやホームページ等を活用して効果的か
つ早期の広報に努めること。
※提案必須項目
効果的な集客を実現するため、どのような周知を実施するか提案を行うこと。
④企画
・公設試等シーズ発表会の構成は、公設試全般の事業紹介や選定した分野の専門家の
講演、3.
(5)②で選定した特許等の発明者(代理も可)によるショートプレゼン
及びパネル展示、個別相談・技術相談(以下、相談会)とする。なお、パネルは請
負者で作成すること。ただし、
「公設試全般の事業紹介や選定した分野の専門家の講
演」については、より集客が見込めるよう、事務局が提案する企画に変更すること
を可とする。
・相談会には特許等の発明者(代理も可)の他に発表機関のコーディネーター等が同
席し、企業からの相談等に対応する。また、検討事項が残った場合は、対応した機
関と協議の上、産官金ネットワークとの連携も検討し、企業へのフィードバックを
行うこと。
・知財総合支援窓口の紹介を行うとともに、知的財産権の取扱に関して、適切な支援
を行うこと。
・ネットワーク会議の参加機関への具体的な説明は、2 回目のネットワーク会議にて行
うこと。
・資料作成や謝金等を含めた発表会開催に係る費用一切は、請負者が支払うこと。
※提案必須項目
公設試等シーズ発表会の構成について提案を行うこと。
⑤会場
・地域性を考慮し場所を決定し、会場は 50 名以上収容できること。なお、1 回につい
ては他機関が実施するイベントとの併催を可とする。
・ショートプレゼン及びパネル展示、相談会は全て同一フロアの会場とする。ただし、
相談会については、別フロアでの実施も可とする。
・相談会は、他の相談に配慮するためパーティション等の仕切りを設置すること。
⑥相談会と開催後のフォロー
・相談会には、事務局のアドバイザーが同席することとする。
・相談会では解決に至らず、詳細で具体的な相談が必要となった場合は、後日、発明
者又は発表機関のコーディネーターと面談を行えるよう調整すること。
・相談会及びその後の面談での打合せ内容を報告書としてまとめ提出すること。各相
談毎に、どのような過程で検討が継続されることになったのか、あるいは不調にな
ったケースの原因(なぜ、ニーズに合わせられなかったのか)の詳細も記載して報
告すること。
4.納入物
①納入物
・3.(3)①ネットワーク会議資料、議事録(仕組みの取りまとめ結果を含む)
【各ネットワーク会議終了後、1 週間以内に提出】
・3.
(4)③アンケート結果【各見学会終了後、2 週間以内に提出】
・3.
(5)②技術シーズ提案書
・3.(5)⑥相談会の報告書
・3.
(5)⑥面談結果及びその後の対処方針等を記載した報告書
②様式
・紙媒体・・・2 部
・電子媒体・・・1 部 CD-R(Microsoft Word 又は Microsoft Excel、Power point、
及び PDF)
③納入期限
・平成29年2月28日(火) 17時まで
(4.①において提出期限を指定しているものを除く)
④納入先
・近畿経済産業局 地域経済部 次世代産業課 産学官連携推進室
5.事業実施期間
契約日から平成29年2月28日(火)までの期間