内田洋行健康保険組合 別添 遠隔地の被保険者や在宅の被扶養者向け WEB面談を活用した特定保健指導事業 WEB 面談システムを活用した、遠隔地および小規模事業場勤務の被保険者や、 P 在宅の被扶養者に向けた、特定保健指導及びハイリスク者に対する保健指導実施。 計画 本事業実施の背景 ・ 特定保健指導対象者への未実施があるため、遠隔地でも小規模事業所でもインターネットさえ繋がれば、実施ができ る環境を構築 ・ 関連会社や小規模事業場、遠隔地等に勤務する加入者の実施が困難であった ・ 外部委託する場合は、対象者が少人数だと、実施してもらえないか最低保障料を請求される。 本事業の目的(事業の必要性) ・ H29 年度に特定保健指導実施率を 60%(約 400 名)にする。 ・ 今まで、対象でありなりながらも指導実施が実現できず、リスク保有者として放置してしまわざるをえない環境を、ICT を利活用することで、どこにいても円滑に指導実施を実現した。 本事業の狙い ・ 過去未受診者の実施につなげ、特定保健指導実施率向上 ・ 今まで実施が困難だった対象者に対し、 WEB 面談での保健指導を通じ最適な健康情報提供 D 実行 実施体制の整備 ・ 委託事業者は「株式会社リンケージ」、WEB 面談の導入システムは「D-CUBE」とした。 ・ 主な選定理由は、「特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施」に 基づく実績もあり、予約から実施まで、より効果的な保健指導実施を目指した運用を構築しているため。 施策内容 ・ 対象者本人が「D-CUBE」にログインし保健師が登録した「面談可能日」に対象者が希望日の予約を行う ・ 予約日に WEB 面談を実施することで、遠隔地や小規模事業場でも円滑に実施が完了可能 1 C 効果検証 《先行実施分 6,7 月実施分の指導実績に基づく》 アウトプット(事業実施量) 【本事業】 特定保健指導 Web 面談対象者として積極的 37 名、動機付け 23 名を抽出。 地域内訳:3 社 12 拠点(札幌,旭川,青森,新潟,大宮,水戸,大阪,福岡) ※各社共通の拠点あり 【先行実施】積極的 40 名、動機付け 12 名:3 社,6 拠点(仙台、富山、新潟、静岡、東京、大阪) アウトカム(成果) ・ 従来の予約方法では、健保担当者と各拠点の事業所担当者との日程調整が大変煩雑だったが、予約作 業をシステム化したことにより、人件費と担当者ストレスを無くせた。 ・ 27 年度の実施率目標達成および脱落率低減に大きく寄与。 ・ 実施者 52 名の Web 面談実施後のアンケートにおいて、大多数から「対面と比べても違和感がない」「楽し かった」「対面よりも話しやすかった」「初めてだったが特段苦労はない」と好意的な回答を得られ、生活習慣 A 振り返り 課題と対策 ・ 面談時のネットワーク環境確認が課題。社内実施を行う場合、社内のセキュリティレベルが高い事業場では、接 続不可となる場合があり、その際は専用タブレットを貸与し、実施した。 委託事業者との連携(評価) ① 委託事業者は、自健保の特定保健指導運営担当者(保健師)との連携を密に行い、加入事業所担当者とも 連携し、効率的な事前準備を行った。(事業の周知、案内文の手配、面談環境確認等) ② インターネット接続環境を加入事業所担当者と確認することで、円滑な面談環境を準備した。 ③ 対象者抽出作業が予定より遅延したが、対象者への案内を速やかに行えたため、保健指導実施者の面談可能 日の枠を予定より大幅に増やし、短期間での初回面談実施につなげた。 本事業の費用対効果 項目 従来の経費 人件費削減:自健保保健師、事業所担当者 (日程調整、関係者間調整) 諸経費削減 他社 A:35,000 円 他社 B:38,000 円 全業務中の本業務:30% 平均 2 人日×事業所数 移動経費、宿泊費、最低保障料 委託料金軽減 【基本情報】※2015 年 9 月末日時点の事業状況報告(月報)より 所在地 :東京都 本事業経費 31,000 0円 0円 費用対効果 Total500,000 円 avr.5,000 円 保健師年収×30% 事業所担当者事務経費 全て不要 【健康保険組合の特性】 業種 :卸売業 事業所数 :25 形態 :単一 加入者数 :7,078 名(男性:3,902 名、女性:3,176 名) 特筆すべき点: うち被保険者数:3,495 名(男性:2,722 名、女性:773 名) 1.一般保険料率2年連続引き下げ 平均年齢 :43.92 歳(男性:45.09 歳、女性:39.54 歳) 2.被扶養者の特定健診受診率 75.3% 特定健診受診率 3.データヘルスは経年分析(3年)実施 :91.5%(2014 年度) 特定保健指導実施率:16.6%(2014 年度) 4.健保主導でコラボヘルス・健康経営を推進 2 Ⅰ. 効果検証(アウトプット) Web面談案内送付 対象者抽出 Web面談予約 Web面談実施者 •Web面談の案内とWeb 環境の確認メールを送付 •保健師の面談可能日を WEB上で公開 •36名 (3月初回面談実 施) •デバイスレンタル希望者に はタブレットを貸与し、ヘッ ドセット、WEBカメラも同 様に貸与 •対象者が希望日を登録 •個別にWeb面談実施手 順メールを送付 WEB環境確認 •計60名 •実施対象者60名 •特定保健指導 積極的:36名 •特定保健指導 動機付け:24 名 •面談日確定後にリマインドメ ール通知を送付 •実施前にリマインドメールを 送付 •後日健康情報を提供 ● 事業実施量 【本事業】 対象者数 :60 名 (積極的 36 名、動機付け 24 名) 地域内訳 事業実施期間 :3 社 12 拠点(札幌,旭川,青森,新潟,大宮,水戸,大阪,福岡) ※各社共通の拠点あり :3/14〜3/31(実働 13 日) 3月末初回面談終了者数 :36 名 (積極的 23 名、動機付け 13 名) 4月初旬実施予定者数 :24 名 (積極的 11 名、動機付け 13 名) ● 成功要因 ・ 今までの課題であった、小規模事業場および遠隔地等も、WEB 面談活用によりスムーズな予約から面談実施まで 実現ができた。 ・ 日程調整も WEB 予約機能を活用することで、担当者 (健保および事業場担当者)の煩雑な日程調整作業も削 減できた。 ・ WEB 面談特定保健指導実施における、委託事業者、事業場担当者、健保担当者とのコラボヘルスが円滑に進 んだ為、対象者もスムーズに対応ができた。 ● 今後の対策 ・国内では WEB 面談での健康支援モデルが浸透していないため、事業概要説明時に苦慮した。 →より分かりやすい事業案内書やリーフレットおよびマニュアルの整備を行うことが求められる。 ・インターネット環境整備の困難なケースあり。 − 社内セキュリティが強固な事業場 − 自宅でのインターネット環境が無い、被扶養者も多く存在。 →タブレットや、マイク、WEB カメラ等を貸与し、受託事業者側で発送手配から補償管理まで一元的に行うことで、健 保負担も大幅に削減を可能とした。 ● 費用対効果について ・ 特定保健指導実施費用および、事務所費については委託料金が 1 人あたり 5,000 円削減となり、100 人実施 すると 500,000 円軽減となる。他に保健師、事業所担当者の日程調整、関係者間調整、諸経費等も不要。 ・ また、特定保健指導が遠隔地や小規模事業所の特定保健指導対象者も実施が可能となり、今後の特定保健 指導実施率の向上に期待出来る。 3 Ⅱ. 効果検証(アウトカム) ●効果測定:アンケート(特定保健指導初回面談対象者に対し、全員に面談のアンケートを実施) 【面談全般】・画面をとおしての対面は違和感が無く、想像していた以上に保健師さんが身近に感じられ、特定保健指 導がリラックスして、楽しく受けることができた等の好意的な感想が大多数を占めた。 ・マンネリ化していた特定保健指導が、とても刺激も多く、効率的に指導を受けられた。 【システム】 ・操作性も簡単なので、迷うことなく面談の準備ができた。 ・マニュアルもあったので、担当者に確認しなくても実施ができて良かった。 ・画像が止まったり、音声が途切れたりすること無く、ストレス無く実施ができたという回答が大多数。 【事前準備】・面談日予約について、今までは保健指導実施者が来ること自体がストレスで日程調整も煩わしさを感じ ていたが、WEB 予約を導入したことで簡易的に、いつでもどこでも予約ができることが嬉しい。 ・予約忘れ防止機能の、リマインドメールが 24 時間前と 1 時間前に届くので、業務が立て込んでいても、 円滑に実施ができたとの声を多く頂いた。 【面談環境】・専用アプリのインストールが不要なため、かなりスムーズに面談に入れた。 ・会社のセキュリティ環境が強固で、外部インターネットが接続不可でも、専用タブレットがレンタルできたので、 負担無く実施ができた。(タブレットも思ったより楽という声多数) 【継続支援】・メールでの支援も、質問に回答すると個別のアドバイスを頂けたので、モチベーションアップにも繋がった ●考察 ・本事業は、あくまでも対面指導の補完的な位置づけであり、効果としては下記のとおりと考える。 【 対面指導 > WEB 面談指導 > 電話支援 > メール支援 】 しかしながら、補完ツールとしては想定以上に効果を得られることが、本実証にて検証ができた。 1,今まで遠隔地や小規模事業場の対象者も、諦めずに全員実施の可能性を実現。 2,対象者も指導実施者も含め、WEB 面談実施における違和感を感じることなく、効果的な指導を実現。 3,特定保健指導業務における、一番煩雑な作業となる日程調整も、システム化をすることで、円滑な事業実施につ なげた。また、リマインドメール等を活用し、脱落やキャンセル率を大幅に軽減した。 4,転勤で勤務地が変わってもインターネットが繋がれば、特定保健指導の継続的実施が可能。 ●改善点など ・セキュリティが強固な事業場等の対応を確立化する必要がある。 →今回は、専用タブレットを貸与し実施ができたため、今後は同様ケースをルール化し、取り組む。 4 ◆施策内容について ④ ↑想定以上 ⑤ ③ ↓想定以下 ② ① 10-12 月 1月 2月 <事業実施プロセス> ① 特定保健指導対象者抽出 ② 対象者へ面談実施案内 ③ 対象者所属先のインターネット接続環境確認 ④ WEB での面談希望日予約 ⑤ 予約後に定期リマインドメール配信 ⑥ WEB 面談による初回面談 ⑦ 継続支援および最終面談はメール支援 5 3月 ⑥ ⑦ Ⅲ. 想定以上の効果が見られた点 《先行実施分含む》 ・WEB 面談利用自体の予想以上の高評価 WEB 面談利用時の特定保健指導に対して、対象者の反応は好感触だった。 Web 面談の最後に、保健師による Web 面談の印象に関する簡単なアンケートを実施した。 その結果、特定保健指導または健康相談が受けられるという手軽さに一定の評価が得られた。 また、Web 面談を実施したことで、今後の健康診断や特定保健指導を受けることについて 「次回の機会には必ず受 けたい」といった前向きな感想を多く得ることができ、特定健康指導 実施率向上およびリスク層現象に対する Web 面談のポテンシャルを再確認することができた。 ・予約機能の活用による円滑な日程調整と面談忘れ防止削減 面談予約に関しても、WEB で予約が完結しリマインドメールも送付される仕組みのため、面談日時忘れの防止にも大 きく寄与できた。 ・脱落率の大幅な軽減 従来の特定保健指導時の「脱落率」は約 10%だったが、本事業の WEB 面談活用モデルの脱落率は 2%(52 名中 1 名)となった。 本件の効果については、継続的に検証するとともに、対象者の感想等も含めて取りまとめていきたい。 ・短期間での実施を実現 本実証においては、当初、前年度の特定健康診査結果を元に指導を行うことを計画していたが、より直近の結果を 元に指導を行うことが効果に繋がることを鑑み、短期間とはなるが平成 27 年度の結果を抽出後の特定保健指導を 行うことにした。 →短期間で全国の事業場に所属する対象者に初回面談を行うことを鑑みても、WEB 面談「D-CUBE」の面談日予 約機能を活用したことにより、調整が円滑に進み、取りこぼしなく実現が可能となった。 従来の仕組み上では「諦めていた」地域や拠点の実施も実現できた。 (実働 13 日で、3 社 12 拠点(札幌,旭川,青森,新潟,大宮,水戸,大阪,福岡) ※各社共通の拠点あり Ⅳ. 想定外の事態、ボトルネック等 ・社内セキュリティが強固なケースの対応 ほとんどの事業場では対応可能だったが、一部では外部インターネットを遮断しているケースが発生し、専用タブレット端 末を貸与することで、実施につなげた。 6
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