(国際課税を取り巻く経済環境の構造変化)3/5 (PDF形式:1342KB)

① 世界の特許出願件数の推移
 全世界の特許出願件数は、過去20年間で約2.7倍(約100万件(1995年)⇒約270万件(2014年)に増加。
このうち約3割が非居住者による特許出願。近年は中国人による出願の伸びが著しく、2011年には米国を抜いて
世界1位に。
 一つの加盟国に出願することですべての加盟国への同時出願と同様の効果が得られるPCT (Patent Corporation
Treaty)出願件数も、PCT加盟国数と相まって2000年以降増加を続け、足許20万件を突破。
3,000,000
【世界の特許出願件数の推移】
【PCT加盟国及び PCT国際出願件数の推移】
250,000
2,500,000
PCT加盟国数(右軸)
200,000
2,000,000
150,000
非居住者出願
1,500,000
100,000
1,000,000
居住者出願
500,000
PCT特許出願
件数(左軸)
50,000
0
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
0
160
140
120
100
80
60
40
20
0
【全世界の特許登録件数出願者の上位5か国の推移】
【全世界の特許登録件数の出願者居住国別内訳】
日(17%)
米(19%)
(データ出典)World Intellectual Property Organization
中国
米国
日本
ドイツ
2010
2011
2012
2013
2014
韓(9%)
2014年
268万件
2010
2011
2012
2013
2014
独(7%)
2010
2011
2012
2013
2014
中(31%)
2010
2011
2012
2013
2014
その他
(11%)
900,000
800,000
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
900,000
800,000
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
2010
2011
2012
2013
2014
瑞(1%)
オランダ(1.4%)
スイス(2%)
英(2%)
仏(3%)
韓国
20
②世界の知財等使用料に係るクロスボーダー受取額の推移(受取り総額及び上位10か国)
 大きな経済的付加価値の源泉である知的財産等の、国境を越えた使用料の受取額は過去20年で約7倍に
拡大。
 使用料受取国のトップは一貫して米国。しかしシェアは低下傾向。日本は世界第3位の特許使用料受取国。
 自国居住者が殆ど特許を出願しておらず(前ページ参照)、研究開発費の対GDP比も他の主要国と比して低
水準のオランダ、イギリスが、世界トップレベルの知的財産使用料受取国として存在感を示している。
韓(1%)
その他(6%)
加(2%)
瑞(2%)
独(3%)
スイス(4%)
米(45%)
伊(1.0%) 韓(0.6%)
加(1.6%)
豪(0.6%)
瑞(1.9%)
その他(2%)
仏(3.9%)
蘭(5.1%)
1995年
独(5.8%)
459億
英
(13%) ドル
米(64.6%)
仏(5%)
英(9%)
独(4%)
仏(4%)
2004年
1,668億
ドル
スイス(6%)
2014年
3,219億
ドル
米(40%)
英(6%)
日(11%)
日(11%)
蘭(12%)
(単位:%)
その他
(11%)
アイルランド(2%)
瑞(3%)
蘭(11%)
(単位:10億ドル)
4
3.5
3
350
知的財産等使 R&D投資対名目
用料受取総額 GDP比(左軸)
(右軸)
仏
独
(グロス、全世界)
2.5
日
英
300
250
蘭
米
200
2
150
1.5
100
1
50
0.5
0
0
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(データ出典)・知的財産等受取手数料:IMF BOP Statistics
・R&D対名目GDP比:OECD Research and Development Statistics
21
③世界の知財等使用料に係るクロスボーダー支出の推移(支払い総額及び上位10か国)
 大きな経済的付加価値の源泉である知的財産等の、国境を越えた使用料の支払総額は過去20年で約10倍に
拡大(1995年:年間約380億㌦⇒2014年:年間3,600兆㌦)
 過去10年で、アイルランド及びオランダが世界で最も多額の知的財産使用料を他国に支払う国としての存在感
を高めており、その規模が対GDP比で他国を突出して上回る傾向が拡大。
その他
(33.2%)
2014年
3,653億
ドル
30%
その他
(21%)
25%
20%
アイルランド
(17.6%)
蘭(18.3%)
2004年
中(3%)
米
1,326億
その他
独(3.4%)
米(18%)
(17.9%)
(18%)
ドル
韓(3.5%)
伊(3%)
1995年
仏(4.4%)
西(3%)
日
独
星 英
378億
星(3%)
加(3.9%) (6%)(7%) (10%)
(14%)
ドル
加(5%)
韓 蘭 英
仏(6%) (7%)
(14%)
(8%)
(単位:10億ドル)
400
蘭(12.5%)
350
米(11.5%)
仏(3.3%)
日
中
星 (6.2%)
スイス (5.7%)
(6.1%)
(3.8%)
300
250
15%
200
知的財産等使
用料支払総額
(右軸)
10%
知的財産等支払額
対GDP比(左軸)
150
(グロス、全世界)
100
スイス
5%
50
0%
0
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(データ出典)・知的財産等支払手数料:IMF BOP Statistics ・名目GDP:IMF WEO
22
2.日本経済編
(1)日本のクロスボーダー投資の推移
23
① 日本の経常収支の推移と内訳の変化
 日本の経常収支は過去20年一貫して黒字基調。
 東日本大震災を機に貿易収支は赤字が拡大する傾向。貿易赤字を、増加を続ける一次所得収支
の黒字、及び所得収支の赤字幅の減少で相殺し、全体として経常黒字を維持。
(兆円)
40
30
第一次所得収支
貿易収支
サービス収支
第二次所得収支
経常収支
貿易・サービス収支
20
10
0
-10
(注)第一次所得収支:投資収益(直接投資収益、証券投資収益(配当金、債券利子等))等
第二次所得収支:官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払等
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
(暦年)
1996
-20
(データ出典: 財務省 国際収支統計)
24
② 日本の第一次所得収支(ネット)の推移と内訳の変化
 過去20年間、日本が海外から受け取る配当・利子等が、日本が海外へ支払う配当・利子等を上回
る状況が継続。ネットの一次所得収益は、過去20年で約4倍(5.8兆円→20.6兆円)に拡大。
 長らく対外証券投資に係る利子・配当等の受取収益が収益の大部分を占めてきたが、近年、対外
直接投資からの利子・配当等の受取収益の割合が上昇傾向(2015年現在約40%)。
(兆円)
30
25
直接投資収益(受取)
直接投資収益(支払)
証券投資収益(受取)
証券投資収益(支払)
その他投資収益(受取)
その他投資収益(支払)
第一次所得収支(ネット)
20
15
10
5
0
-5
-10
(暦年)
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
(データ出典: 財務省 国際収支統計)
25