系の研究プロジェクト 号・研究プロジ ェクト名称 4 ラーニングコモンズにおける Wikipedia 閲覧者に対する図書推薦 プロジェクト担 当教員 職名・氏名 准教授・辻 慶太 図書館あるいはラーニングコモンズ(LC)における大学生の情報探索行動の多くは, RA が行う研究補 まず Google による Web 検索で始まり,次に Wikipedia の閲覧に続くことが安蒜・逸村 (2013)によって示されている。Wikipedia 閲覧後,さらに図書で情報探索を続ける学生 助業務の内容 は比較的少ない。図書が身近にない状況では仕方ないかもしれないが,そうではない LC において,Wikipedia 閲覧のみで情報探索を終えるのは図書館資源をフルに活用して いない点で惜しまれる。そのような状況は,LC 内の PC で Wikipedia を閲覧している時 に,関連図書が画面に表示されることで改善される可能性がある。そこで申請者は現在, Wikipedia の各ページで関連図書を推薦する手法,及びそうした機能をブラウザに組み 込む研究を行っている。昨年度は Wikipedia の各ページに挙げられている参考図書の計 量的分析を行い,それらに類似した図書を推薦する適否について研究した。今年度は他 の情報源も用いながら機械学習,特に深層学習によって推薦図書を決定する手法を研究 したい。以上の背景から RA には以下の作業を行ってもらう予定である。 (1)大学・公共図書館のパスファインダーには各種テーマの入門書が示されている。例 えば名古屋大学附属図書館のパスファインダー「情報への道しるべ」では「マングロ ーブ」というテーマに対して『マングローブに生きる:熱帯多雨林の生態史』や『緑 の冒険:沙漠にマングローブを育てる』といった入門書が示されている。このような テーマと入門書の組を日本全国のパスファインダーから網羅的に収集してもらう。 (2)各入門書を,そのテーマ名と一致する Wikipedia 見出し語に対する有用な入門書と みなし,それらを学習サンプルとして機械学習を行う。特徴素としては見出し語や本 文や Wikipedia カテゴリに含まれる単語と,図書のタイトルに含まれる単語の一致度 や,同じく見出し語に対して推定される NDC と図書の NDC との一致度を考えている。 近年,深層学習が発達し,畳み込みニューラルネットワークなどを用いた自動分類の 研究が進んでいる。それらの手法を Tensorflow あるいは Chainer で実装してもらう。 【引用文献】 安蒜孝政, 逸村裕 (2013)「図書館における大学生の情報探索行動」中部図書館情報学 会誌, 53, 17-34. 研究補助 業務の期間 平成28年6月~平成28年11月のうち、連続する6か月間
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