第1回 脱・臆病な英会話

その道の達人のちょっといい話 。
聞いて
すまいる。
英語教育 の 達人
1
脱・臆病な英会話
予備校講師
今井 宏
1958 年秋田県生まれ。 早稲田大学政治経済
学部卒。
「秋田の熊」
と呼ばれる東進ハイスクー
ル・東進衛星予備校のカリスマ講師。担当は英
語。 広告代理店電通を退職後、3 つの予備校
を経て2005 年より現職。 著書に『さあ、音読
だ∼ 4 技能を伸ばす英語学習法∼』ほか多数。
キャッチフレーズは「ミラクルは起こらない」
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日本人は厚かましいぐらいがちょうどいい
読む力は海外テレビドラマで鍛える
オリンピックが近づいて「さあ国際社会だから英語だ」
「日本人は読めるけど話せない」というのもマスメディ
と言われますが、
マスコミが言うのは道案内程度の「とっ
アの論調ですが、この「読めるけど」という前提がそも
さの英会話」
。それなら 2 日間で 200 ぐらいの例文を覚
そも間違っています。本なら 1 時間で 60 ページ読めて
えればいいだけの話です。我々が掲げる 4 技能(読む、
初めて「読める」であって、旧来の予備校の授業のよ
聞く、書く、話す)は国際紛争の渦中に飛び込んで、
うに 50 分で 10 行訳したというのではお話にならない。
紛争を民間の力で解決に近づけようというレベル。だか
お勧めは海外のテレビドラマで数年前の『ゴシップガー
ら「こんなに厚かましくていいのか」と思うくらいどんど
ル』とかを英語字幕で視聴すること。
「あ、読む力鍛え
ん相手の懐に踏み込んでいくべきなのです。
なきゃ」って普通の大学生でも痛感するはずです。
可愛い子には海外旅行をさせよ
もっといろいろな国へ、
もっとカラフルな言葉で
娘がまだ中学生の頃、一緒にニューヨークやロンドン
英語を公用語にして日本人同士が英語で会議をした
に各 10 日間滞在しました。娘は最初、ミネラルウォー
りしていますが、それって楽しくないですよね。それよ
ター 1 本買うのにも緊張していましたが、慣れてくるとレ
りはどんどん海外に行くこと。僕は年に 4 回は海外に
ストランで味付けや焼き加減にわがままを言えるようにな
出かけますが、英語以外の言語も学ぶと世界が違って
り、そうするとウェイターも熱くなって会話がはずむよう
見えてきます。例えばボルドーのカフェで見知らぬお
になりました。日本人はあまりに要領が良く模範的で相
ばあちゃんにワインをおごってもらって、お店情報を仏
手との間に摩擦が生じない。だからもっと悪い子になっ
語で交換するのが楽しい。オリンピックに向けて日本人
て街を歩いた方がいいと思います。
はもっとカラフルな言葉を使うべきだと思います。