平成27年度 海外研修報告書(米国)

平成27年度 海外研修報告書(米国)
薬学科 4回生
黒田 絢子
今回のフロリダ研修では、フロリダ大学付属病院および地域薬局の見学、フロリダ大学の授業見学およ
び授業への参加、フロリダ大学の学生との交流を行いました。なかでも、私にとって印象深かったのは、
アメリカと日本のカリキュラムの違いとフロリダ大学の学生の勉学に対する意識の高さでした。
私たちは今回の研修で1回生のディスカッション授業と3回生のロールプレイング授業に参加させて
頂きました。1回生のディスカッション授業では、6、7 人のグループに分かれて処方箋を見ながら話し合
い、設問の答えをグループ毎に考えて、他グループと意見交換を行いました。私もグループディスカッシ
ョンに参加させて頂きましたが、学生が授業に積極的に「参加」して自分の意見を述べているのを目の当
たりにし、私がこれまで受けてきた、数人だけが意見を交わすような受身的な授業とは大きく異なること、
また疑問点があれば学生同士で教え合いながら理解を深めており、先生は授業の進行を行う程度であくま
で授業の主体は学生であることに衝撃を受けました。
3回生のロールプレイング授業では薬剤師役の学生の薬局での
患者応対を想定しており、学生は事前にテーマのみを与えられ、
患者役の先生からのあらうる質問や状況に対応できるよう学生は
事前に自主学習を行い、当日は誰が当てられるか分からないという
緊張感の中で授業を受け、このような状況でも学生はほとんど行き
詰まることなく患者応対を行っていました。この授業見学を通して
私が感じたのは、もし私が薬剤師役であったならばほとんど何も答
えられないだろうということ、そしてフロリダ大学の学生は実習に行く前から現場を想定した実践的な授
業に参加しており、こうした実践的なプログラムが現場で活躍する薬剤師の育成に繋がっているのだろう
ということです。
また今回の研修ではフロリダ大学の学生との交流の場が多く、彼らと深く意見を交わすことが出来まし
た。彼らとの交流を通して感じたのは、彼らが薬剤師という職
業に誇りを持ち、明確な将来像を描き日々勉学に励んでいると
いうことでした。私の勉学に対する受身的な態度とは大きく異
なり、彼らは勉強をさせられているのではなく、目標とする薬
剤師となるために自ら進んで楽しく勉強しており、彼らの姿勢
に大変刺激を受けました。最も印象に残っているのは、ある学
生の、
「授業中に疑問が浮かばなければ自分の勉強不足と捉え疑
問が浮かぶまで勉強する」という言葉で、私も薬剤師を目指す
者としてもっと努力しなければならないと強く感じました。
私は今回の研修を通して日本に留まっていては学べなかったであろう多くのことを学ぶことが出来ま
した。海外研修の意義は、現地に赴いて実情を自分の目で見て現地の人から直接話を聞くことにより、現
地に行かなければ受けられない刺激を受けることにあると考えます。私にとって今回の研修に参加出来た
ことは非常に意義深く、今回の研修で学んだフロリダ大学の薬学生の勉学に対する積極性を見習い、これ
からの修学および研究に対して受身的ではなく自主的に取り組んでいきたいと考えます。また、今回の研
修で、アメリカにおける薬剤師という職業は、人々の生活に密接に関わり人々にとって頼りがいのある存
在であることを知り、私もそのような存在に少しでも近づき社会に貢献できるよう努力していきたいと考
えます。
今回の研修に参加出来たことで、これまでの学生生活を振り返り、彼らとはかけ離れた生活を送ってき
たことを認識し、勉学に対するモチベーションを高めることが出来ました。本研修に際し、ご支援を賜り
ました村山元様に深く感謝致します。