平成 26 年度 中国姉妹大学研修報告書

平成 26 年度
中国姉妹大学研修報告書
薬学科 4回生 入野 俊治
1. 研修記録および感想
3 日目に中国薬科大学、5 日目に浙江大学を訪問しました。中国薬科大学では、午前
中、同行した先生方(宇野先生、井上先生、松永先生)が学術講演を行いました。先生
方の発表が中国人学生の心を惹き付けているのを見て、とても刺激を受けました。また、
流暢な英語で質問する中国人学生の姿も刺激になりました。午後はドクターコースの学
生に、分析系、合成系、生物系の研究室を案内してもらいましたが、それぞれの研究室
の実験機器がとても充実しており、さらに、出した論文の数も豊富でした。夕方には、
学部生 3 人と学生交流をしました。
彼らは、小学 1 年生のころから英語を勉強しており、
特にスピーキングを重視した教育を受けており、英語でのコミュニケーション力の差を
実感させられました。5 日目には浙江大学を訪問しました。5 人の学生に対し、岐阜の
こと、大学のこと、そして研究室のことについてプレゼンテーションしました。プレゼ
ンの内容に興味を持ってもらえ、多くの議論を交わすことができました。外国人相手に
プレゼンテーションを行うのは初めてだったので、とても貴重な経験になりました。こ
の日の夕食には浙江大学の学生が同席してくれました。中国訪問初日には、ろくに英語
で会話できなかったのですが、この日の夕食では、途切れた時間がないほど会話するこ
とができ、この一週間で自分の英語力が驚くほど向上したのを実感することができまし
た。会話の内容は、研究内容や中国、日本の薬学教育、ライフスタイルなどの話題でし
た。中国訪問の 1 週間は、常に英語が飛び交っていたため、その環境に強制的に身を置
くことで、日本人が特に苦手なリスニング、スピーキング能力を集中的に磨くことが出
来ました。さらに、同年代の薬学生との交流であったことで、お互い共通の話題をたく
さん持っており、より会話が弾んだことが大きな自信につながったのではないかと思い
ます。今回の訪問は学生 2 人だけでしたが、2 人だけで本来 5 人ほどで行っていた仕事
量をこなさざるを得なかったため、反ってより密度の濃い充実した時間を過ごすことが
できました。また、中国の先生方や学生からだけでなく、訪中団として一緒に同行した
先生方や同輩から学んだことも同じぐらい大きなものでした。
2.研修体験を今後の修学・研究生活に活用していく決意等
今回の中国訪問で英語でのコミュニケーション能力を大幅に向上させることができ
ました。日本の英語教育では、特にスピーキング能力が養われにくいことが問題だとよ
くいわれていますが、そのための基礎となる語彙、文法は十分に身についていれば、英
語を聴くこと、会話することに慣れることで、たった 1 週間でも大きく英語力を伸ばす
ことができると考えます。よって、日本の英語教育を変えていくことよりも、今回のプ
ログラムのように海外経験をたくさん積むことが重要だと考えます。
また、海外経験豊富な先生方と 1 週間過ごしたことで、文化の違う人に対しどのよう
に接していくか、外国人を相手に仕事をしていくには何が必要かを学ぶことができまし
た。現在、浙江の学生とメールで継続して連絡をとっており、今回の交流が私にとって
1 週間のみのプログラムではなく、長期にわたるプログラムになりました。これによっ
ても英語力はもちろんのこと海外の人とコミュニケーションをとる際の礼儀、文化の違
いを学び続けていこうと思います。
先生方の学術講演の時は、たくさんの中国人学生が質問していました。日本人は、公
の場で質問、発言することを恐れてしまいますが、彼らの貪欲さを見習って公の場でも
恐れず発言できる人間になっていこうと思いました。また、今回同行した同輩、先生方
から大きな刺激を受けました。中国の学生、教員だけでなく、彼らから学んだことも今
後に生かしていこうと思います。
3.今後の中国姉妹大学との学生交流に対する課題および提言
学生交流の内容とは外れてしまいますが、選考されてから、パスポートのコピー提出
までの時間が短かったのでパスポート提出までの期限を長くして頂けると助かります。
中国姉妹大学との学生交流は、講義形式のプログラムで学ぶということはほとんどなく、
学生間のコミュニケーションがほとんどでした。このように、コミュニケーションの場
を多く設けていただいたので、英語でのコミュニケーション能力を磨くことが出来まし
た。私は細かい知識を得ることよりも、自分の殻を破るような体験にしたいと考え、今
回の交流を志願したので、英語で人とコミュニケーションをできた経験は私にとって大
きな財産となりとても満足しております。
平成 26 年度
中国姉妹大学研修報告書
薬学科 4回生 内田 泰弘
1. 研修記録および感想
・中国薬科大学 (1 日目~3 日目)
[会談] 訪中の初日に南京キャンパスにて歓迎会が開催され、中国薬科大学副学長より
歓迎のお言葉とともに、教授陣の紹介をいただいた。その席で、中国薬科大学の大学案
内と記念品を頂戴した。簡単な大学紹介をしていただいた後、2 日目以降の予定につい
て説明を受けた。中国薬科大学が我々の大学との交流をとても大切に考えていることが
伝わってきた。今後も両校相互に交流を深めていくことを確認し、会談を終えた。
[交流] 南京滞在 3 日目に講堂においてドイツから訪問されていた Gerhard 教授、宇野
先生、井上先生、松永先生が学術講演を行った。中国薬科大学の学生も多数出席してい
た。その後江寧キャンパスに移動し、学生交流を行った。海外交流関係のサークルに所
属する学生 3 人にキャンパス内にある博物館をしてもらった後、日中間の学生生活の違
いやそれぞれの良い所について意見を交換した。3 人は学部生であるのに 1 週間に受け
る授業が多く、日本の大学生に比べ自由な時間が少ない印象を受けた。
[見学] 南京キャンパスにて、国から特別に支援を受けている key laboratory を中心に
いくつかの研究室を見学した。同じ実験機器が複数個あるなど、岐阜薬科大学と比較し
て実験室の規模の大きさに驚いた。江寧キャンパス内にある博物館には、岐阜薬科大学
から贈られた生薬の交換標本がいくつか展示されており、長い間両校が交流を継続して
きたことを実感した。
[市内視察] 南京博物館、玄武湖、中山陵
・浙江大学 (4 日目~7 日目)
[会談] 訪中 5 日目に薬学部の会議室にて会談を行った。浙江大学からは、教授 3 名と
学生 3 名が出席した。双方の出席者の自己紹介を行った後、スライドを利用して我が校
の大学紹介を行った。また、会談の途中で、記念品と大学案内の交換も行われた。10
月に浙江大学から学生を含めた代表団が来学されることについての説明を受け、今後は
相互に留学生を派遣し合いたいとの提案があった。
[交流] 浙江大学では教員による講演と同時刻に並行して学生交流が実施された。先程
の会議室で交流会が行われ、博士課程の学生 3 名と学部生 2 名が参加した。簡単な自己
紹介の後、あらかじめ用意していたスライドを使用して浙江大学の学生に対して岐阜で
の学生生活について説明し、日中の相違点についてディスカッションを行った。5 日目
に交流を行った学生とは、4 日目と 6 日目の夕食、7 日目の空港への移動時と長い時間
コミュニケーションを重ねることができた。学生生活や勉強への意欲は日本の学生と大
きな差は感じなかったが、どの学生も Ph.D.を必ず取得し将来研究者として活躍したい
と考えており、将来に対する考え方に最も違いを感じた。
[見学] 薬学部の研究室を見学した。中国薬科大学と比べて機器数など規模は小さめで
あった。日本人の教授が所属する研究室もあり、学生たちが日本への留学に強い興味
を持っているようだった。キャンパス内に公園、病院、アパート、ホテルをもってお
り、小さな街のような作りには驚きを感じた。
[市内観光] 西湖、雷峰夕照
2. 研修体験を今後の就学・研究生活に活用していく決意等
私が今回の中国姉妹大学交流に参加したいと考えたのには次の二つの目的がありま
した。
1.中国と日本の大学や研究の環境の違いを知る。
2.高い意識を持っている一緒に参加する学生や派遣先の学生から刺激を受ける。
実際に 2 大学を訪問してみて、まずその各キャンパスや研究室の規模の大きさに驚き
ました。近年、中国は多方面で飛躍を遂げ、世界で最も勢いのある国の一つであります
が、今回、まさにその勢いを実感しました。また、すべての学生が高い研究意識を持っ
ており、学位を取得するのは当然で、将来必ず研究機関で働きたいと口をそろえて言っ
ていることが印象的でした。私は今年度から研究室に配属され、日々実験に励んでいま
すが、中国の学生の意欲的な姿に大きな刺激を受けました。
訪中の期間中は、宇野団長を始めとする先生方 3 人と入野くんと多くの時間を過ごし
ました。移動時間やホテルなどでは訪中に関することだけでなく、先生方がこれまでさ
れてきた研究や経験など、たくさんのことについてお話を聞くことができました。先生
方の示唆に富むお話は、私の将来目指すべき人物像や 4 回生である今やるべきことにつ
いて熟慮する金言となりました。
また、訪中 3 日目の学術講演で、宇野先生らが中国の学生相手に英語で研究内容に関
して講義、質疑応答を堂々と行う姿は、今回の海外研修の中でも大変印象的でした。今
後の学生生活において、研究に励むだけでなく、さらに語学力を向上させていこうと強
く思いました。
これからの学生生活では、今回の大学訪問や学生交流で必要と感じたことや、学習し
たことを実践していくことはもちろんのこと、このような国際交流事業への参加体験が
如何に有意義であったかを同級生や同じ部活、研究室の学生に伝えていきます。
3. 今後の交流における課題
例年は 5 人の学生が参加していたが、今回は 2 人の学生の参加となった。中国の学生
とより多く交流するチャンスがあり、とても充実していた。参加する前は不安からネガ
ティブに思っていたが交流を終えて、むしろ参加者が少なくてよかったのではないかと
感じている。今後参加人数を減らす必要はないと思うが今回のように、十分な参加者が
得られなくても積極的に交流を継続していくべきだと思う。
中国の学生が日本へ来た際のおもてなしが、中国側の歓迎の様子と比べて少し物足り
ない気がした。予算等の問題や先生方は交流以外にも多くの仕事があるので難しいとは
思うが、交流会の進行を含めて受け入れ準備を十分に行うなど歓迎の気持ちをもっと表
現することが出来れば岐阜薬科大学と中国の二大学との交流はさらに良好になると感
じた。
[6 日目 浙江大学学生交流]