Title Author(s) Citation Issue Date URL EXPERIMENTAL STUDIES ON LIVER COENZYME A( Abstract_要旨 ) Kanematsu, Yuzo Kyoto University (京都大学) 1966-03-23 http://hdl.handle.net/2433/211771 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University r ■ r L 門士 松 象 兼 郎博 氏) 22 1 r q l雄 「′ かね まつ 学 位 の 種 類 医 学 学 位 記 番 号 医 学位授与 の 日付 昭 和 41 年 3 月 23 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 5 粂 第 1 項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 内 科 系 専 政 学位論文題 目 E X P E R IM E N T A L ST tJD IE S O N I.IV E R C O E N Z Y M E A 博 第 247 号 (肝補酵素 A に関す る実験 的研究) (主査 ) 論 文 調 査 委員 教 授 脇 坂 行 一 論 文 内 教 授 三 宅 容 の 儀 教 授 高 安 正 夫 要 (Ⅰ) 目的 肝 障害時 に各種 ビタ ミンおよび補酵素の代謝異常が おこることについては, 多 くの報 告がある 肝 補酵 。 素 A (C oA ) およびパン トテン酸 (P aÅ) について は, 四塩化炭素障害等 において減少す ることが報告 さ れているが, その数 は少ない。 特 に, 体外 よ り与え られ た C oA , P antethine 等の体 内 C oA および P aA に及ぼす影響 についての研究 はみ られ ない。 近年, P errau lt らによ り C oA の, また A nnoni らによ り P anteth ine の臨床的応用が試み られ るに 至 った。 著者 は生体 内 C oA 代謝の一端 を知 る目的で正常, P aA 欠乏, および肝 障害 白鼠 について, 以 下の各種検討を行 な った。 ( Ⅱ) 1) 実験方法 および結果 先ず, C oA 測定法の検討を行 ない, K aplan ⊥ipm ann 法では塩酸 システ インを原法の 4 倍 用い, またハ ト肝 A ceton pow der の製法 は H andschum acher 氏の変法 による方が高いアセチル化率が得 られ ることを知 った。 2) 幼君, 成熟 および生後 2 年半ない し 3 年の老年 白鼠の肝 C oA を測定 し, 老年 白鼠においては, 肝 C oA は低値を示す ことを知 った。 3) 44 週間の長期にわたる P/a A 欠乏実験を行ない, 一度減少 を示 した欠乏動物の体重が寒 冷期 に向い 再び増加 し, また一度 出現 した P aA 欠乏症状が軽快 し, 温暖期 には再 び体重減少 を示す ことを知 った。 すなわち, P aA 欠乏 は冬期 には起 こりに くい。 4) 上記 P aA 欠乏および非欠乏群 について, 肝 C oA の季節的変動 をみたが, 寒 冷期には, 両群 とも 肝 C oA は著 しい増加を示 した〇一万, P A B A のアセチル化率 は, C oA の増加 に もかかわ らず, 寒 冷期 には両群 とも減少を示 した。 P aA 欠乏食飼育 に もかかわ らず, 肝 C oA の増加す る理 由は, 充分説明 し 得 ない。 - 315 - 5) 四塩 化炭素, D レ ェチオニ ン投与 および部分 的肝切除 白鼠 について, 肝 C oA および P aA の経時 的変化 を観察 した。 四塩 化炭素障害で は, 肝 C oA は障害後 3 時間ですでに減少 の傾向を示 し, 24- 48 時 間で最低 に達 し, 10 日目に障害前値 に回復 した。 肝 P aA は, 障害後24 時間で結合型 の減少 をみたが, し \ ノ総 P aA はほ とん ど不変で あ り, 結合型 P aA の総 P aA に対す る比 (B /T ) は低下 した。 エチオニ ン注射, 部分 的肝 切除 において も, 同様の肝 C oA の減少 とその回復 がみ られ た。 6) P aA 欠 乏 白鼠 に C oA O.075m g または これ と等 モルの P antethine, P aA を 1 日 1 回10 日間皮下 注射 した ところ, 減少傾 向にあ った体重 は 3 群 とも増加 し, また著減 を示 していた肝 C oA は増 加 し た。 投与各群 の間の差異 はほ とん どみ られ なか った。 7) P aA 欠乏 白鼠 に C oA 2 m g またはほぼ等 モルの P antethine, P aA を皮 下注射 し, 4 時間, 24時間 後の肝 C oA および P aA を測定 した。 4 時間後 に肝 C oA はすで に増加 を示 し, 24 時間後 にはさ らに著 明 とな った。 増加 は C oA 群 および P antethin e 群 に著 明で あ った。 血 中 P aA は, P aA 投 与群 で は遊 離型 P aA が, C oA および P antethine 投与群 では結合型 P aA の増加が著明で あ った。 8) 四塩 化炭素障害 白鼠 に, C oA O・15m g , 1m g , P anteth ine 0.35m g , または P aA O.35m g を 1 日 1 回投 与した。 障害後48 時間で は, 投与群 と対照群 の問 に差 はみ られ なか ったが, 群 で は対照群 に比 し肝 C oA 増加がみ られ, 障害 120 時間後で は投与 特 に C oA l m g 群 および P antethine 投与群 において著 明 で あ った。 (Ⅱ) 総括 白鼠肝 C oA の年令 的, および季節 的変動, および肝障害後の経 時的変動 を明 らか に した。 また,P aA 欠乏 動物 および肝障害動物 に,C oA ,P antethine を投与 して,肝 C oA 量の増加 を もた らす ことを明 らか に した 。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 本 論文 は生体 内 C oenzym e A (C oA ) 代謝 の一端 を知 る 目的を もって, 正常, 欠 乏, および実験 的肝 障害 白鼠 について, 肝 C oA および P aA を測定 し, パ ン トテ ン酸 (P aÅ) また これ におよぼす C oA , P antethine, P aA 投与 の影響 を観察 した もので ある。 その結果, 肝 C oA は老年 白鼠で低下す る こと, P aA 欠乏実験で は肝 C oA は減少す るが, 寒 冷期 には P aA 欠 乏が お こり難 く, また寒 冷期 には温暖 期 に比 L P aA 欠 乏 白鼠, 正常 白鼠 ともに肝 C oA が高値を示す ことを認めた。 また C C l 。 障害 白鼠で は肝 C oA は著滅 し, 肝 P aA は結合型が減少 を示 した。 エチオニ ン障害 白鼠, 部分 的肝切除 白鼠 において も 同様 に肝 C oA の減少 を認 めた。 つ ぎに, P aA 欠乏白鼠 に C oA または これ と等 モルの P antethine, P aA を皮 下注射 し, 減少傾 向にあ った体重 の増加 と肝 C oA の増加 を認めた。 C C 14 障害 白鼠 において ち, C oA , P antethine, P aA の投与 によ り, 肝 C oA は増加 した。 これ らの肝 C oA の増加 は, P aA 投 与群 よ りも C oA 投与群 および P antethine 投与群 において著 明であ った? 以上本論文 は白鼠肝 C oA の 年令的, 季範 的変動 および P aA 欠乏時, 肝 障害時の変動 を明 らかに し, また P aA 欠 乏動物 および肝障 害動物 に C oA , P antethine を投与 して肝 C oA の増加を きたす ことを明 らかに した もので, C oA の代 謝 な らびに C oA , P antethine の臨床 的応用 につ いて基礎的資料 を提供す る もので あ り, 医学博士 の学位 論文 と して価値 あるもの と認め る。 - 3 16 -
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