命倫理 医療(臨床)倫理 研究倫理

臨床研究におけるResearch Integrity
東京医科⻭科⼤学における
研究倫理教育の取組
研究の公正さ(Research Integrity)の担保
研究不正(Research Misconduct)の低減
〜倫理と根拠に基づいた医療の実践のために〜
国家レベルでの研究不正管理システム構築
⽶国(Office of Reseach Integrity;ORI)など
研究不正に関するガイドラインの整備
 東京医科⻭科⼤学⽣命倫理研究センター
 吉⽥ 雅幸
研究機関での⾃主管理中⼼
⽇本など
1
研究における倫理の位置づけの差異
研究における倫理の位置づけの差異
Belmont
Principle
National
Research
Act
Tuskegee
Syphilis
Study
1940s
1970s
NIH
科学研究の進歩
NBAC
45CFR46
1980s
The Concept of informed
consent was introduced
BUT only toward clinical
practice...
Ethical GL
for
Human
Genome/
Gene
Analysis
OHRP
2000s
Ethical
GL for
Epidemi
ological
Studies
倫理的配慮の必要性
後付けの倫理?
2013
年代
Ethical
GL for
Clinical
Studies
科学研究の進歩
倫理は研究の⼀部
3
医の倫理の意味するところ
⽣命倫理
4
59:14
生命倫理研究センター
先進倫理医科学
従来の「倫理」として考えられてきたこと
様々な技術進歩と⼈間関係・社会の変化
QOLに対する価値観の多様化
Life Science & Bioethics
先進医科学・生命倫理学の融合
経済学
Graduate School
/Research
研究者育成
⽣命倫理
医療(臨床)倫理
研究倫理
宗教学
法学
生命倫理学
遺伝相談
高品質の先進医科学
研究の推進
世界に通用する倫理基準を
遵守した研究の展開
社会的ニーズに適合した先端研究
5
00:03 BERC 9:16AM
Graduate School
/Education
終末期医療
哲学
医療者教育
出生前診断
社会学
これからの医療・研究のあり方
倫理的医療実践をふまえた
医歯学教育への還元
遺伝医療における
倫理的課題の探求
患者参加型医療のあり方
⽣命倫理の抱える課題とその対策
⽣命倫理研究センター
倫理審査⽀援部⾨
(国内)
医学系⼤学倫理委員会連絡会議
研究倫理⽀援部⾨
(海外)
連携機関との共同研究実施における倫理審査
現状の把握
学内研究者の研究申請⽀援
問題の解決
研究倫理講習会の開催
各種研究者向け教育セミナーの実施
研究倫理からみた研究計画⽴案⽀援
⼈材育成
7
医学部倫理審査委員会案件数の推移
8
ピアレビュー委員会
(件)
147
150
医学部倫理審査委員会に申請される研究計画の
科学的妥当性を担保するために設置。
121
100
75
58
50
本学の研究者が行う臨床研究であって、学外が専ら
フィールドとなる研究
55
42
33
28
69
20
(実施に際しては、フィールドでの倫理審査委員会の承認必要)
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
(年度)
9
現状の医学教育における課題
東京医科歯科大学における研究倫理審査体制
・膨⼤となった医学の知識・技術の整理
・医学・医療に対する社会のニーズの変化
研 究 者
申請
10
(医歯学総合研究科・保健衛生学科・生命情報科学科・医学部/歯学部附属病院・
難治疾患研究所・生体材料研究所・教養部)
医学⽣が履修すべき必要不可⽋な教育内容とは?
治 験
疫学研究
遺伝子解析研究
事 前 審 査
ピアレビュー委員による査読
利益相反マネ
ジメント委員会
BERCによる
サポート
(医)臨床試験管理センター
(歯)IRB事務局
臨床研究
医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成13年)
コア・カリキュラム改訂(平成19年)
「医師として求められる基本的な資質」「学部教育における研究の視点」
「早期からの研究マインドの育成」
倫 理 審 査 委 員 会
病院長
研究科長・部局長
コア・カリキュラム改訂(平成23年)
「基本的診療能⼒の確実な習得」「地域の医療を担う 意欲・使命感の向上」
「基礎と臨床の有機的連携による研究マインドの涵養」
12
1 患者中⼼の医療を実践できる医療⼈の育成
2 コミュニケーション能⼒の優れた医療⼈の育成
3 倫理的問題を真摯に受けとめ、適切に対処できる⼈材の育成
4 幅広く質の⾼い臨床能⼒を⾝につけた医療⼈の育成
5 問題発⾒・解決型の⼈材の育成
6 ⽣涯にわたって学ぶ習慣を⾝につけ、根拠に⽴脚した医療を
実践できる医療⼈の育成
7 世界をリードする⽣命科学研究者となりうる⼈材の養成
8 個⼈と地域・国際社会の健康の増進と疾病の予防・根絶に寄
与し、国際的な活動ができる⼈材の育成
全国医学部卒前教育における
「医の倫理」関連の講義実施状況
生命倫理
臨床倫理
研究倫理
150
118
年間の授業コマ数
(今後の医学・⻭学教育の⽬指すべき⽬標)
100
78
64
44
50
31
29
11
2
9
5
9
9
0
1年
2年
3年
平成20年度
4年
0 2 0
5年
7 12
全国65医学部・医系⼤学の講義シラバス資料より
13
全国医学部卒前教育における
「医の倫理」関連の講義実施状況
800
医療倫理教育の目的と効果
医学部の年間あたり総授業コマ数
約1000
生命倫理
臨床倫理
研究倫理
600
400
200
118
78
11
0
1年
14
教育担当者の意見
年間の授業コマ数
1000
31 64 2
9 29 5
2年
3年
平成20年度
9
44
4年
9
0
6年
0 2 0
7 12 0
5年
6年
全国65医学部・医系⼤学の講義シラバス資料より
15
学年による教育⽬的の差異
基本的知識の提供 生命倫理
患者中心の医療・全人的医療を実現 医療倫理 職業倫理
人間とその価値観の多様性の認識
医療倫理
判断する力・考える態度を持つ
医療倫理
科学者の倫理性を高める
研究倫理
職業倫理
倫理に対する感受性の醸成
医療倫理
生命の尊厳 生命倫理
研究倫理
プロフェッショナリズムと社会性の涵養
職業倫理
他職種と話し合う能力 医療倫理
職業倫理
日本の生命倫理
生命倫理
「医療倫理についての医学教育のあり方に関する研究」より
16
学年による教育⽬的の差異
 低学年
 ⼀般的な倫理原則・総論
 倫理的思考の訓練
 倫理の重要性の理解と、問題点の抽出と解決法の模索
 医師としての職業上の倫理観の育成
 患者・家族の考え⽅を理解する
 ⾼学年
 具体的な臨床事例についての倫理的考察
 臨床実習・医療現場において医師としての
⾏動規範を考える
 患者・医師関係、危機管理、コミュニケーション
について理解し、実践できる
「医療倫理についての医学教育のあり方に関する研究」より
17
「医療倫理についての医学教育のあり⽅に関する研究」より
18
医学における倫理教育の現状について
(まとめ)
「医の倫理」教育内容の体系化
 倫理教育については医学部低学年で履修する⼤学が多数
であり、⾼学年および⼤学院⽣に対する講義は不⼗分で
ある。
 教育担当者が⼀貫していないために、カリキュラムが不
均⼀である。
 学習内容は⽣命倫理および医療倫理が⼤半であり、科学
者としての研究倫理についてはほとんど触れられていな
い。
生命倫理
職業倫理
医療倫理
研究倫理
低学年
高学年
卒業後
00:03 BERC 9:16AM
19
20
医科歯科大学では。。。
 一貫したカリキュラムの重要性
実施年次
科目名称
1年
MIC「医の倫理」
2年
MIC「遺伝子と倫理」
3、4年
5、6年
PBL
BSL (遺伝外来を中心に)
大学院
生命倫理学
学内研究者
研究倫理講習会
講義担当者
講義内容
生命倫理
臨床倫理
○
○
研究倫理
○
○
○
生命倫理
研究センター
○
○
○
○

21
大学間連携共同教育推進事業
「研究者育成の為の行動規範教育の標準化と教育システムの全国展開」
<背景>
日本: 繰返されるミスコンダクト
欧米: 取締りから教育へ重点の移行
日本: 教育カリキュラムの欠如
<戦略>
・大学院教育での行動規範教育
・国際標準を満たしUp‐dateな教育内容
・e-learning による均一教育の全国普及
米国
TI Program (CollInitiativeaborative
Institutional Training) ・全ての研究者に義務付けられている行動
規範教育コンテンツを提供(2時間/年)
・ほぼ全ての大学・研究機関による利用
CITI Japan Project
受講者
信州大学
QRコードを利⽤した受講確
認
 QRコード
東京医科歯科大学
上智大学
福島県立医科大学
北里大学
沖縄科学技術大学院大学
大学院生・留学生用教材作成
Web運営
窓口サービス
広報活動
日本医学会・
全国医学部長病院長会議 等
※バーコードと⽐較した場合の2次元コードの優位性
・データ記録容量が⼤きい(バーコードの数10倍〜数100倍
の情報量)
講習会会場
 QRコードリーダー
2台
 パソコン 2台
受講認定
配信
パソコンに
専⽤読取プログラ
ムを
インストール済み
利用機関拡大
大学院生
管理システム
 倫理審査システム
グローバルな
ミスコンダクトの減少
国際標準とされる行動規範を理解した
わが国の研究者の全国的育成
パソコン独⽴型処
理⽅式
あるいは、
キャンパスLAN経
由にて
倫理審査システム
に接続
(サーバー)
上記パソコンより
倫理審査システムにイン
ポート
24
倫理教育における今後の課題
 6年間を通した医療倫理教育の体系化の必要性。
 特に⾼学年における臨床倫理に加え、被検者保護・
倫理審査申請など研究倫理についての教育が不可⽋。
 倫理・臨床医学・基礎研究に精通した教育者の確保、
⼈的資源の補強。
25