資料3 国家戦略特区 今後の進め方について

資料3
国家戦略特区 今後の進め方について
平成28年5月19日
秋 池 玲 子
坂 根 正 弘
坂 村
健
竹 中 平 蔵
八 田 達 夫
1、 審議中の改正特区法案の早期成立・施行について
・ 現在参議院において審議中の改正国家戦略特区法案には、これ
までの2年間の「集中取組期間」の集大成としての大胆な規制改革
事項が多く盛り込まれており、関係自治体や事業者も、具体的事業
の準備を急いでいると聞いている。民間投資を加速化する観点から
も、本法案の早期成立・施行が強く望まれる。
2、 国家戦略特区の「新たな目標」について
(1)残された岩盤規制改革の断行 -「重点6分野」の推進-
・ 国家戦略特区の「新たな目標」のうち、「残された岩盤規制改革」に
ついては、これからの2年間の「改革強化期間」で、完遂する必要が
ある。(これまでの2年間の「集中取組期間」でも、国会等の事情もあ
り、この間の特区法の改正は、結果的に今国会で2度目であり、2年
間といっても大改革のチャンスはそれほど多くないと考えられる。)
・ このため、前回会議でも指摘した、以下の「重点6分野」について
は、以下のような形で、早速、規制担当官庁との議論を開始していく
べきである。
① 特区ワーキンググループの体制強化(例えば、分野ごとに、担当
主査を配置し、分科会や専門部会に近い運営を行うなど)
② 分野ごとに、「センターピン・プロジェクト」(象徴となる規制改革事
項)を決定し、次期国会も視野に、遅くとも年内までの実現を図る。
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<重点6分野>
①
②
③
④
⑤
⑥
各分野における「外国人材」の受入れ促進
各種インフラの「コンセッション」推進等も含めた「インバウンド」の推進
観光分野に留まらない、各分野での「シェアリングエコノミー」の推進
医療・福祉・教育分野での「官民事業主体のイコールフッティング」徹底
特にグローバル・新規企業等における「多様な働き方」の推進
地方創生に寄与する「一次産業」や「観光」分野での改革の推進
(2)全国の事業ニーズへの対応 -経済団体等との連携強化など-
・ 必ずしも岩盤規制ではなくとも、全国各地の事業者や自治体の事
業ニーズに常時・網羅的に対応し、国家戦略特区の「窓口(ゲートウ
ェイ)」機能を強化し、特区以外の出口も含めた規制改革によるそれ
らの早期実現を図る必要がある。
・ このため、まずは、年2回実施することになっている「事業者や自
治体からの提案募集」を、今年度についても直ちに行うべきである。
・ また、自治体との関係はもちろん、経済界との関係を再構築し一層
の連携強化を図るためにも、事務的な説明会等に加え、「政務や民
間有識者と経済団体幹部との意見交換の場」を早期に設け、特区の
これまでの成果の周知等を図るとともに、今後の活用方法などにつ
いても、官民一体となった積極的な議論を展開すべきである。
3、 成果等の広報の一層強化について
・ 自治体や事業者に国家戦略特区を更に活用頂くためにも、これま
での「特区の成功事例」を一層PRすることなどにより、やる気のある
自治体や事業者による全国への横展開を図っていくことなどが極め
て重要である。
・ 内閣府による「パンフレット」や「テレビ番組」等に関する取組に加え、
更なるPRの強化のため、昨年度と同様、特区自治体を一堂に介し
た「シンポジウム」を早急に開催すべきである。また、本諮問会議に
も、特区で成功しつつある自治体や事業者にも定期的に参加・出席
頂き、全国にその取組を紹介・発信すべきであると考える。
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