[注目企業・ システムレポート] <エレベーターメンテナンス> 部品供給終了による改修工事にも、 「シンプルリニューアル」で低コストの対応 コスモエレベーター㈱ エレベーターは、建築基準法で年1 回の法定検査が定められており、定期 ■コスモエレベーターの 「シンプルリニューアル」 的なメンテナンスが必要だ。メンテナ ンスを行なう業者は、エレベーターメ ーカーの系列企業と、メンテナンス専 業の独立系企業とに分けられる。これ まで、メーカー系企業が9割のシェア を有する状況だったが、ここにきて独 立系企業への切替えが増加している。 その理由は明白だ。メーカー系に比べ 保守費用が大きく低減するからだ。 コスモエレベーター㈱は、1980 年 創業のメンテナンス専業会社だ。現在、 関東・東北の 12 か所に支店・営業所 等を展開し約 5,400 台のエレベータ ②部品自体の低価格化とランニングコ た「シンプルリニューアル」が特徴だ。 ーの保守業務を行なっている。この数 ストの低下を図るため、汎用性のある 必要最小限の仕様を基本に、各種機能 年、保守台数は毎年5~ 10%の増加 部品を自社で研究開発し供給している。 はオプションで対応。さらに自社の直 を続け、レジャー・ラブホテルでもす ③メンテナンス担当者の技術力を重視 接施工で工事費も抑制。こういった取 でに 280 台以上の保守実績を有して し、能力向上の教育に力を注ぐ。 組みでメーカーの改修に比べて2~4 いる。 同社の保守台数増加の背景には、費 割のコスト低減を実現しているのだ。 用の低さに加え、技術力と故障時等の また、改修工事では約1週間のエレ 対応力があるといえよう。 ベーター停止が必要。さらに制御盤等 ■メーカー系企業の保守に比べ 3~5割の費用低減 保守台数の増加理由を同社営業部課 長・村上優氏は「当社の場合、メーカ ■部品供給終了による改修時は 相見積りでコストを検討 の設計・製造などで準備に3~4か月 かかる。 「現地調査で状態を判断し当社 ストック部品の対応も考慮して、各ホ ー系に比べ3~5割の費用低減となり ここにきて、同社業務のなかでとく テルに最適な改修時期と内容を提案い ます。メンテナンスに特化し、開発コ に注目が高まっているのが、エレベー たします」 (村上氏)という。また現在、 ストや各種付帯コストがかからないた ターの改修工事だ。 ホテルの売買の動きが活発化している め費用を大きく抑えることができるの 現在、エレベーターメーカー各社で が、エレベーターの状態は資産価値に です。また、従来はメーカーが部品を は、製造から 20 ~ 30 年経過した機種 大きく影響する。老朽エレベーターを 供給しないなどの問題もありました の部品供給終了に伴い、改修の提案を 備えるホテルは、早めに同社に相談す が、2002 年の公正取引委員会の勧告 進めている。供給終了部品が故障すれ ることをお勧めしたい。 でそれらの問題が解消したことも背景 ば復旧できなくなるため、提案をその にあります」と説明する。 まま受入れて改修に臨むケースも少な 同社のメンテナンスの特徴は、 くない。しかし同社では「改修時には、 ①各社の部品を豊富にストックし、万 ぜひ相見積りを」と指摘する。 一の故障の際に早期復旧させる体制が 同社は 20 年ほど前からエレベータ 整えられている。 ーの改修工事も手掛け、コストを抑え [問合せ] コスモエレベーター㈱ 東京都千代田区神田美倉町3 TEL.03-3255-5581 FAX.03-3255-5590 http://www.cosmo-elevator.co.jp LH-NEXT 2016 ● vol.28 73
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