油圧式の改修にも低コスト・短工期で対応

[注目企業・
システムレポート]
<エレベーターメンテナンス・改修>
メーカー系に比べ保守費用は3~5割低減、
油圧式の改修にも低コスト・短工期で対応
コスモエレベーター㈱
コスモエレベーター㈱は、1980 年創
業のエレベーター保守専業の会社だ。
<油圧式エレベーターの改修にも対応>
現在、関東・東北の 12 か所に支店・
営業所等を展開し、エレベーター保守
台数は約 5,500 台にのぼる。この数年、
保守台数は毎年5~10%の増加を続け、
レジャー・ラブホテルでもすでに 300
▶
台以上の保守実績を有している。さら
に自社の直接施工で低工費を実現して
いる改修工事も評価が高く増加中だ。
メーカーは油圧式の改修に対応せず新型
のロープ巻上式への変更を行なう。 同社
の油圧式のままの改修なら約半額の工費
で対応できる。
■メーカー系企業の保守に比べ
3~5割の費用低減
同社が保守台数を伸ばしている要因
は、メーカー系に比べ3~5割の費用
に注目が高まっているのが、エレベー
のままでの改修には対応せず現在のロ
低減になるからだ。
「メンテナンスに
ターの改修工事だ。現在、エレベータ
ープ巻上式への変更を行なうため、工
特化し、開発コストや各種付帯コスト
ーメーカー各社は、製造から 20 ~ 30
費が 1,000 万円超、
工期も1か月弱と、
がかからないため費用を大きく抑える
年経過した機種の部品供給終了に伴い、
新設と同様の工費・工期がかかってし
ことができるのです。また、従来はメ
改修の提案を進めている。供給終了部
まうのだ。さらに建築確認申請も必要
ーカーが部品を供給しないなどの問題
品が故障すれば復旧できなくなってし
となる。
もありましたが、2002 年の公正取引
まうからだ。しかし同社では「改修時
同社では、油圧式のままで改修工事
委員会の勧告でそれらの問題が解消し
には、ぜひ相見積りを」と指摘する。
に対応し、ポンプ・バルブ・電動機な
たことも背景にあります」
(同社営業
同社は 20 年前からエレベーターの
ど油圧式ならではの部品の変更ととも
部課長・村上優氏)
。
改修工事も手掛けている。コストを抑
に制御盤や昇降路・ピット、かご内部
同社の保守業務の特徴は、
えた「シンプルリニューアル」が特徴
等の改修も行なう。工費はメーカーが
①各社の部品を豊富にストックし、万
だ。必要最小限の仕様を基本に、各種
行なうロープ巻上式への変更に比べて
一の故障の際に早期復旧させる体制が
機能はオプションで対応。さらに自社
約半額、工期も1週間程度で対応でき
整えられている。
の直接施工で工事費も抑制。こういっ
るのだ。もちろん、その後の保守も行
②部品自体の低価格化とランニングコ
た取組みでメーカーの改修に比べて2
ない、改修後 20 ~ 25 年にわたり継
ストの低下を図るため、汎用性のある
~4割のコスト低減を実現しているこ
続使用が可能となる。
部品を自社で研究開発し供給している。
とから、改修件数も年々増加中だ。
改修時期を迎えた油圧式エレベータ
③メンテナンス担当者の技術力を重視
なかでも、いま注目されているのが、
ーを備えるホテルにとって、同社の取
し、能力向上の教育に力を注ぐ。
油圧式エレベーターの改修への対応
組みは朗報といえよう。
同社の保守台数増加の背景には、費
だ。油圧式は、20 ~ 25 年前に屋上
用の低さに加え、技術力と故障時等の
の機械室が不要等のメリットから中低
対応力があるのだ。
層ビルに用いられた方式。その後、モ
■低工費の改修工事も増加中
ーターの薄型化などでロープ巻上式が
油圧式の改修対応にも注目
主流となり、メーカーもすでに製造し
ここにきて、同社業務のなかでとく
ていない。そのためメーカーは油圧式
[問合せ]
コスモエレベーター㈱
東京都千代田区神田美倉町3
TEL.03-3255-5581
FAX.03-3255-5590
http://www.cosmo-elevator.co.jp
LH-NEXT 2017 ● vol.31
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