近づく米利上げ - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 5 月 20 日
近づく米利上げ
▣ 4 月の議事要旨で 6 月利上げを意識
米連邦準備制度理事会(FRB)は 5 月 18 日、4 月の米連邦公開市場委員会(FOMC、26~27 日)の
議事要旨を公表しました。主なポイントは以下の 2 点になります。

大方の委員が、6 月の利上げの可能性を示唆したこと※

数人の委員から、市場の織り込みが過度に低いとして、6 月のFOMCまでに市場との対話を進める
べきとの意見が出ていたこと
市場では 6 月利上げの可能性はないとの見方が大勢でしたが、この議事要旨を受け 6 月利上げ観測が浮上
してきました(図表 1)
。
FRBが利上げを決定する上で重視していることとしては、
(1)米国の労働市場が回復し、インフレについても目標の 2%に近づいていること
(2)海外経済の下振れリスクが後退していること
(3)利上げを受け市場が過剰反応しないこと
などが挙げられます。
(1)については、今後入手されるデータが引き続き良好に推移した場合には 6 月会合で利上げすることが
適切との見方が大勢となっている模様です。
(2)については、既に 4 月のFOMCの声明文から、
「世界経済
や金融市場の動向がリスク」との文言が除かれました。(3)については、市場の政策金利見通しは今回の議事
要旨を受けて上昇したとはいえ、まだFOMC委員の見通しと乖離がある状況です(図表 2)
。
また、今回の議事要旨では“6 月”という単語が 6 回使われており、6 月のFOMC(14~15 日)が強く意
識されることになりました。ただ、6 月については 23 日に欧州連合(EU)離脱を問う英国の国民投票が予
定されており、離脱の可能性が高まると、米利上げが 7 月などに先送りされる可能性が出てきます。
▣ 昨年 12 月の利上げ開始決定前とやや似通った米金融当局の動き
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、
やや低調だった 4 月の雇用統計を受けた 5 月 6 日のインタビューで、
今回の雇用統計をさほど懸念していないとし、年内 2 回の利上げは引き続き妥当な予想との考えを示しました。
ダドリー総裁を含む利上げに慎重なハト派とみられるFOMC委員からも、利上げに前向きな発言が相次いで
図表1. 2016年6月の米政策金利の予想確率
90%
6月利上げなし
5月6日
5月19日
80%
60%
市場の織り込み(FF金先レート)
3.0
30%
2.0
20%
0%
FOMCの政策金利見通し(中央値)
4.0
6月利上げあり
40%
10%
6.0
5.0
70%
50%
7.0
図表2. 米政策金利の推移と見通し
1.0
(%、政策金利水準)
0.25-0.5 0.5-0.75 0.75-1 1-1.25 1.25-1.5 1.5-1.75 1.75-2
(注)FF(フェデラル・ファンド)金利先物レートが織り込む予想確率
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
0.0
00/1
01/1
02/1
03/1
04/1
05/1
06/1
07/1
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
17/1
18/1
100%
(%)
(出所)Bloomberg等よりデータ取得し、しんきん投信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
(年/月、月次)
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投資環境
2016 年 5 月 20 日
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いましたが、市場の反応はいまひとつ。ただ、今回の議事要旨を受け、半身ながら 6 月利上げが意識されるこ
とになりました。19 日の講演でもダドリー総裁は、
「年内2回の利上げは合理的な想定」、
「想定通りに経済成
長が進めば、6、7月の追加利上げは合理的」
、また、
「市場が織り込む6月利上げの確率が高まったことに満
足している」と述べました。米金融当局が、利上げをほとんど織り込んでいなかった市場に6月もしくは7月
の利上げを織り込ませようとしていることが窺えます。
昨年 9 月のFOMCでは利上げ観測が高まりましたが、会合前の米金融当局者からの発言はまちまちでした。
一方、
実際に利上げ開始を決定した 12 月のFOMC前には、
年内の利上げに前向きな発言が相次ぐとともに、
利上げのペースは緩やかになるとの見方を示し、利上げを受けた金融市場の過剰反応を抑えようとの姿勢がみ
られました。今回の議事要旨、最近の金融当局者の発言などは、昨年 12 月のFOMC前と似通った状況にな
っています。
▣ 市場への影響
6 月の利上げの蓋然性が急激に高まると、ドルや米金利に上昇圧力が、米株については下押し圧力がかかり、
米金融市場が不安定になる可能性があります。もっとも、今回の議事要旨や当局者の発言などで利上げを意識
させるとともに、緩やかな利上げペースとの認識を浸透させることで、市場の過剰反応を抑えることが見込ま
れます。
ドル円については、日米金融政策の方向性の違いからドル高・円安も、米利上げへの警戒から投資家のリス
ク選好が弱まると逃避需要から円買いが強まり、ドル円の上昇が抑制されることも想定されます。米株につい
ては、米経済が緩やかながらも堅調、米利上げのペースも漸進的との見方が広がれば、底堅く推移することが
見込まれます。急速な米金利の上昇も避けられそうです。一方、円安地合いとなれば、日本株にはプラスに働
きそうです。国内金利についても上昇圧力がかかりますが、日銀の国債市場への支配力が強いため、動きは限
定的になることが見込まれます。
▣ 6 月 6 日に注目
今後は、FRBのイエレン議長のハーバード大学での講演(5 月 27 日)
、5 月の米雇用統計発表(6 月 3 日)
、
イエレン議長のフィラデルフィア国際問題評議会での講演(6 月 6 日)が予定されています。特に米雇用統計
を受けた 6 月 6 日のイエレン議長の発言が注目されます。米経済指標やイエレン議長の発言などを睨みなが
ら、利上げ時期やペースを探っていくことになります。
※「大方の参加者は、今後入ってくるデータが、4-6 月(第 2 四半期)に経済成長が上向き、労働市場が引き続き
力強さを増すとともに、インフレが委員会の目標 2%に向けて進展している状況と一致すれば、フェデラルファン
ド(FF)金利の誘導目標のレンジを 6 月に引き上げるのが適切になる可能性が高いと判断した。
」
(Most participants judged that if incoming data were consistent with economic growth picking up in the
second quarter, labor market conditions continuing to strengthen, and inflation making progress toward
the Committee's 2 percent objective, then it likely would be appropriate for the Committee to increase
the target range for the federal funds rate in June.)
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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