米金融当局は利上げに前のめり気味 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 7 月 31 日
米金融当局は利上げに前のめり気味
1.7 月のFOMC、利上げ時期については示唆せず
米連邦準備制度理事会(FRB)は、7 月 28-29 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金融政策(フ
ェデラルファンド(FF)金利の目標誘導:0~0.25%)の現状維持を決めました。公表した声明文では、景
気の判断は「緩やかに拡大している」と、前回と同じだったものの、住宅部門、労働市場については、改善度
合いが強まったとの認識を示しました。
前回のFOMCの声明との主な違いは図表 1 のとおり。
図表 1. FOMC 声明文のポイント
<6 月 16─17 日>
経済活動全般
経済活動が第1四半期の多少の変化を経て、
<7 月 28─29 日>
経済活動がここ数か月間で緩やかに拡大
緩やかに拡大
家計支出
伸びは緩やか
同左
住宅部門
いくらかの改善
さらなる改善
(some improvement)
(additional improvement)
企業の設備投資と輸出
軟調なまま
同左
労働市場
就業者数の増加ペースが上向き(picked
堅調な(solid)就業者数の増加と失業率の
up)、失業率は引き続き安定的
低下を伴って、引き続き改善
総じて、広範な労働市場の指標は、労働資源
総じて、広範な労働市場の指標は、労働資源
の活用不足がいくらか減少
の活用不足が今年初め以降減少
それまでのエネルギー価格の下落とエネルギー以
同左
インフレ率
外の輸入価格の低下を反映して、FOMCの
長期的な目標を引き続き下回った。
インフレ期待
エネルギー価格は安定したようにみえる。
削除
将来のインフレを示す市場ベースの指標は低い
同左
ままだが、調査に基づいた長期的なインフレ期待
の指標は引き続き安定
※網掛けは前回と変わらず
(出所)FRB の資料を基に、しんきん投信作成
今回のFOMCでは、イエレンFRB議長の記者会見、経済見通し発表は予定されていなかったため、利上
げ開始時期について何らかの示唆があるかどうかが注目点でした。FRBは、利上げ開始に際しては、金融市
場の過剰反応を防ぐ意図から、ある程度利上げ開始を織り込ませることが見込まれますが、今回は利上げ時期
についての示唆はありませんでした。また、利上げに積極的なタカ派のリッチモンド連銀のラッカー総裁が、
利上げを主張して反対に回ることなく、賛成票を投じたことから、9 月利上げはやや遠のいたとの見方もでき
ます。もっとも、住宅部門、労働市場について一段の改善の見方が示されたため、9 月利上げ開始の可能性は
残ります。
イエレンFRB議長は、米金融政策についての発言に注目が集まる恒例のジャクソンホールの経済シンポジ
ウム(8 月)に参加しないことから、今後発表される米雇用統計などの経済指標から、9 月利上げ開始の有無
を占うことになります。
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
1
投資環境
2015 年 7 月 31 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
2.FOMCは利上げにやや前のめり気味か
FRBは 7 月 24 日、6月のFOMCに提出されたスタッフの経済見通しを公表しました。6 月 29 日にF
RBのホームページに誤って掲載されていたことが判明したことから、今回、正式に数値を公表した模様です。
FOMC委員見通しと比べ、経済成長率、インフレ率についてはやや弱い見通しです(図表 2)。政策金利
についても、2015 年末が 0.35%、2016 年末が 1.26%と、FOMC委員見通し(2015 年末 0.625%、2016
年末 1.625%)と比べ、緩やかな利上げを見込んでいます。どちらかというと、短期金融市場の織り込みに近
い水準です(図表 3)
。市場やFRBスタッフより、実際に金融政策を決定するFOMC委員は、利上げに対
してやや前のめりの姿勢と言えそうです。
因みに、直近の短期金利(フェデラルファンド(FF)レート、翌日物)は 0.14%。FF金利先物レート
(短期金融市場が織り込む短期金利の水準)は 9 月限月で 0.18%、12 月限月で 0.33%。0.25%の政策金利
引き上げを前提とすると、市場では 9 月の利上げ開始は、さほど織り込まれていない状況です。したがって、
9 月利上げの蓋然性が高まった場合には、金融市場が不安定になる可能性があり注意が必要です。しばらくは、
米金融政策をめぐって、神経質な相場が続きそうです。
図表2. 前回FOMC(6月)のFRBスタッフの見通しとFOMC経済見通し
2016
2017
2018
2019
1.55
2.41
2.23
1.91
1.72
FRBスタッフの見通し
実質GDP成長率
FOMC経済見通し
1.8 ~ 2.0
2.4 ~ 2.7
2.1 ~ 2.5
5.34
5.24
5.18
FRBスタッフの見通し
失業率
FOMC経済見通し
個人消費支出(PCE) FRBスタッフの見通し
価格指数
FOMC経済見通し
5.2 ~ 5.3
4.9 ~ 5.1
4.9 ~ 5.1
0.61
1.59
1.77
0.6 ~ 0.8
1.6 ~ 1.9
1.9 ~ 2.0
1.31
1.56
1.77
1.3 ~ 1.4
1.6 ~ 1.9
1.9 ~ 2.0
FRBスタッフの見通し
コアPCE価格指数
FOMC経済見通し
FRBスタッフの見通し
0.35
1.26
政策金利(フェデラルファンド
FOMC委員見通し 0.125 ~ 0.875 0.375 ~ 2.875
金利誘導目標)
(中央値)
0.625
1.625
米10年債利回り
(%)
2015
FRBスタッフの見通し
2.63
2.0 ~ 2.3
5.15
2020
1.73
*
5.15
5.0 ~ 5.2
1.92
5.16
*
1.96
2.0*
1.94
2.12
2.80
1.96
1.97
3.17
3.34
2.0 ~ 3.875
3.25 ~ 4.25*
2.875
3.75*
3.14
1.97
3.62
3.94
4.11
4.20
*長期見通し
(注)GDPと価格指数は第4四半期の前年同期比。失業率は第4四半期中の水準。政策金利は末値
(出所)FRBの資料を基に、しんきん投信作成
図表3. 政策金利見通しとFF金利先物レート
4.5
(%)
長期見通し
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
FOMC見通し(中央値)
2015/7/30
19/6
19/3
18/9
18/6
18/3
17/12
17/9
17/6
17/3
16/12
16/9
16/6
16/3
15/12
15/9
15/6
15/3
FOMC見通し(最高、最低)
18/12
(限月)
0.0
FRBスタッフ見通し
(出所)Bloomberg、FRBより、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト 鈴木和仁)
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
2
投資環境
2015 年 7 月 31 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆様に投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント
投信株式会社が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するも
のではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではあ
りません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※投資信託は、預金や保険契約とは異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の補償の対象ではありません。
また、金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
※投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)に投資しますので、基準価額
は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されているものではありません。運用による損益は
すべて投資者の皆様に帰属します。
※特定ファンドの取得のお申込みに当たっては、販売会社より当該ファンドの投資信託説明書(交付目論見書)
をあらかじめ又は同時にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。また、請
求目論見書については、販売会社にご請求いただければ、当該販売会社を通じて交付いたします。
【お申込みに際しての留意事項】
 投資信託に係るリスクについて
投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)
に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されてい
るものではありません。運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。
また、投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対
象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては交付目論
見書や契約締結前交付書面をよくご覧ください。
 投資信託に係る費用について
(お客様に直接ご負担いただく費用)
 ご購入時の費用・・・購入時手数料 上限 3.24%(税抜 3.0%)
 ご換金時の費用・・・信託財産留保額 上限 0.3%
(保有期間中に間接的にご負担いただく費用)
 運用管理費用(信託報酬)
・・・純資産総額に対して、上限年率 1.5984%(税抜年率 1.48%)
 その他の費用・・・監査費用、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、有
価証券売買時の売買手数料等及び外貨建資産の保管等に要する費用は、ファンドより実費と
して間接的にご負担いただきます。また、運用状況等により変動するものであり、事前に料
率、上限額等を示すことができません。
投資信託に係る上記費用(手数料等)の合計額については、ご投資家の皆様がファンドを保有
される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費
用の料率につきましては、しんきんアセットマネジメント投信が運用する全ての投資信託のう
ち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に係るリ
スクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、事前に交付目
論見書や契約締結前書面をよくお読みください。
※「日経平均株価」
(日経平均)に関する著作権、知的所有権その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。
日本経済新聞社は日経平均株価を継続的に公表する義務を負うものではなく、その誤謬、遅延又は中断に関
して責任を負いません。
※東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など株
価指数に関するすべての権利は東京証券取引所が有しています。東京証券取引所は、TOPIX の算出若しくは
公表の方法の変更、TOPIX の算出若しくは公表の停止又は TOPIX の商標の変更若しくは使用の停止を行う
権利を有しています。
※東証 REIT 指数は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など、東証 REIT
指数に関するすべての権利は、東京証券取引所が有しています。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
3