SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス

ホワイトペーパー
SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス
951 SanDisk Drive, Milpitas, CA 95035
©2014 SanDisk Corporation.All rights reserved
www.SanDisk.com
SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス
はじめに
本書では、Microsoft SQL ServerのTPC-Cベンチマークテストに基づく通常のOLTPワークロードを使用して測定した、
SanDisk DAS Cacheのパフォーマンス機能について説明します。このテストでは、SanDisk DAS Cacheにより、HDDベースの
ストレージのみを使用した基本構成に比べてシステムパフォーマンスが11倍 近く向上しました。
概要
SanDisk DAS Cacheを使用すると、
ソリッド・ステート・
ドライブ
(SSD)
をサーバー内のアクセス頻度の高いデータに対する
キャッシュとして機能させることができます。このソフトウェアはサーバーにインストールされ、
ホスト・オペレーティング・
システムと連動して機能します。サーバーに搭載された高速のSSDにホットデータをキャッシュすることで、アクセス時間
を短縮し、アプリケーションが読み取り/書き込み処理の完了を待機する時間を減らすことができます。
オペレーティング
システムと
アプリケーション
サーバー
ボリューム
ボリューム
ボリューム
ボリューム
ボリューム
ボリューム
SanDisk DAS Cacheのブロック図
手法
このパフォーマンステストは、SanDiskが独自に実施したものです。TPC-Cベンチマークテストから導出したワークロード
を使用し、真のOLTPワークロードを作成するために400 GBのデータベースを用意して、64人のアクティブユーザーが同
時にアクセスする、4,500の倉庫から成るネットワークのシミュレーションを実施しました。
テストでは、ユーザーがデータベースに対してトランザクションを実行する完全なコンピューティング環境をシミュレー
トします。ベンチマークの中心は、
オーダーエントリー環境の主要なアクティビティ
(トランザクション)
です。これらのト
ランザクションには、
オーダーの入力、
オーダー品の配送、支払いの記録、
オーダーステータスの確認、倉庫の在庫レベ
ルの監視などがあります。テストでは卸売サプライヤのアクティビティを再現しますが、特定のビジネスセグメントのア
クティビティに制限することはしません。そうではなく、製品やサービスの管理、販売、配送を行う必要がある任意の業
界を再現します。
SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス
テストは複数回実施しました。まず、SanDisk DAS Cacheをインストールせずに、HDDのストレージバックエンドをすべて使
用してシステムの基準パフォーマンスを確認しました。次に、120 GBのキャッシュ
(ワークロードのサイズの30 %に相当す
る容量)
を使用し、SanDisk DAS Cacheを有効にして、同じテストを実施しました。最後に、SSDの全容量
(1.8 TBのキャッシュ:
ワークロード全体を格納し、
テストシステムで可能な最大パフォーマンスを引き出すのに十分な容量)
を使用してテスト
を実施しました。
テストの概要
テスト
説明
構成
バックエンドストレージ
基準
高速化していない直接接続型ストレージの
基準の測定
SAS 2 TB 7.2K RPM HDD x 8
(RAID-5構成)
ライトバックモードの
SanDisk DAS Cache
(キャッシュサイズ: 120 GB)
SanDisk DAS Cacheソフトウェアを使用して高速
化されたバックエンドのパフォーマンスの測定。
キャッシュ = ワークロードのサイズの30 %
ライトバックモードの
SanDisk DAS Cache
(キャッシュサイズ: 1.8 TB)
SanDisk DAS Cacheソフトウェアを使用して高速化
されたバックエンドのパフォーマンスの測定。
ワークロード全体がキャッシュ内に格納される
SAS 2 TB 7.2K RPM HDD x 8
(RAID-5構成)
SATA 200 GB SSD x 18
(RAID-10構成)
SAS 2 TB 7.2K RPM HDD x 8
(RAID-5構成)
SATA 200 GB SSD x 18
(RAID-10構成)
SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス
システム構成
サーバー
•
•
•
Dell PowerEdge R730xd(13Gベータ)
CPU: Xeon E5-2690
(2.6 GHz、2ソケット/12コア)
メモリ: 64 GB DDR-4 DIMM
オペレーティングシステム/ソフトウェア
•
•
Windows Server 2012 R2 SP1
SanDisk DAS Cacheバージョン1.0
ストレージ/キャッシュ
•
•
RAIDコントローラ: PERC H730P Mini
o SATA SSD 200 GB 6 Gbs x 18(SanDisk SDLLEOD7M)
o SAS HDD 1.8 TB 7.2K RPM 6 Gbs x 8(Seagate ST2000NM0023)
SAS HDD 3 TB 10.6K RPM 6 Gbs x 1(Seagate ST300MM0006、
オペレーティングシステム専用)
ベンチマーク
•
•
•
OLTPワークロード: 読み取り/書き込み
データベースサイズ: 400 GB
TPC-Cデータベーススキーマ:
o 4,500の倉庫
o 64人の同時接続ユーザー
パフォーマンステスト
パフォーマンステストは、8台のHDDと18台のSSDを搭載したシステムで実施しました。HDDはRAID-5を使用して構成し、
SSDはRAID-10を使用して構成しました。8台のディスクで構成されたHDDディスクグループ上にデータベースボリューム
用とログ用のLUNを1つずつ作成しました。また、18台のデバイスで構成されたSSDディスクグループ上にキャッシュ用の
LUNを1つ作成しました。このLUNは、実施するテストに合わせて、必要に応じてサイズを変更しました。サーバーのオペ
レーティングシステムは、直接接続された1台のHDDに格納しました。
PERCコントローラには2 GBのキャッシュが搭載されています。この一連のテストでは、PERCコントローラのキャッシュを
有効なままにして、出荷時の通常のデフォルト構成と一致するようにしました。SanDisk DAS Cacheを通じてキャッシュサ
イズを大きくすることに伴い、PERCのオンボードキャッシュのサイズを小さくしましたが、
テスト結果全体に対する影響
はごくわずかだったと思われます。
テストは全部で3回実施しました。まず、HDDのみのストレージバックエンドの基準パフォーマンスを確認し、その後、異な
るサイズのキャッシュを使用し、
ライトバックモードでSanDisk DAS Cacheを有効にして同じテストを2回実施しました。テ
ストごとにRAIDのLUNのサイズを変更し、キャッシュサイズを調整しました。2回目のテストでは、キャッシュ容量をワーク
ロード全体のサイズの30 %に設定しました。これは典型的なキャッシュ操作です。3回目のテストでは、キャッシュ容量が
ワークロード全体よりも大きくなるようにしました。これにより、キャッシュを使用した場合にSanDisk DAS Cacheで実現で
きる最大パフォーマンスが分かります。また、3回目のテストでは、
システムパフォーマンスに悪影響が生じないようにす
るために、
ログファイル用のLUNもSanDisk DAS Cacheを使用して高速化しました。高速化パフォーマンステストは10,000秒
(2.7時間)
間実行しました。これは、キャッシュウォーミングを十分に行えるように算出された時間です。
SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス
パフォーマンス測定1
テスト
tpmC
読み取り操作
ヒット率
書き込み操作
ヒット率
1,985
--
--
--
--
SanDisk DAS Cache(120 GB)
(データのみ高速化)
21,627
58,080,464
85.69 %
35,153,797
86.72 %
SanDisk DAS Cache(1.8 TB)
(データとログを高速化)
74,737
199,549,865
97.02 %
147,889,899
71.63 %
すべてのHDD(基準)
結論
パフォーマンステストの結果から、SanDisk DAS Cacheを使用した場合、標準のHDDストレージに比べてパフォーマンスを向
上できることが示されました。キャッシュの特性により、パフォーマンスは、高速化されたデータの影響だけでなく、
ワーク
ロードに対するキャッシュのサイズの影響も受けます。それにもかかわらず、
このOLTPデータベースの例(ワークロードの
サイズの30 %のみをSanDisk DAS Cacheによって高速化した、
「実際」のコンピューティング環境のシミュレーション)
では、
データベースのトランザクション速度
(tpmC)
が1,985から21,627に向上しました
(パフォーマンスが約11倍向上)
。
1. SanDiskが実施した社内テストに基づく。測定はすべて、一定のシステム/テスト構成において、
まったく同じOLTPワークロードを使用して実施。
SanDisk® DAS Cache: OLTPのパフォーマンス
著作権および商標
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る場合があります。
各仕様は予告なく変更されることがあります。
文書番号
SDF-A-WP-SEP14-r1.0-vDC1
リビジョン
2014年9月
お問い合わせ
SanDisk Corporation
951 SanDisk Drive
Milpitas, CA 95035