研究科長挨拶 ること、地域のケアニーズに応じて看護 テムを構築・改善できる人材の育成を を含むヘルスケア資源をシステム化する 目指す地域看護管理学分野があります。 こと等が求められ、役割を発展・拡大し 地域包括ケアリーダーとなり得る臨床 ていくことが期待されています。ヘルス 能力の高い高度実践看護職育成のため ケア資源は様々な組織によって提供さ の教育に力を入れており、平成26年度 れており、また、その質・量は、離島や からは38単位の高度実践看護師教育課 過疎地域、都市部などの地理や文化・ 程を開始しました。また、本学では平成 歴史などの特性によって様々です。この 27年8月に看護師特定行為研修センタ ことを踏まえて看護実践の課題を捉え ーを設置し、厚生労働省の指定研修機 ることによって、より高度な看護実践の 関に認可されていますが、看護職の役 開発につながると考えます。 割拡大に伴う技術開発や活動体制の改 自治医科大学大学院看護学研究科は、 善・構築も視野に入れた教育・研究を へき地にも都市部にもどこにでも存在 行っています。修了生は専門看護師や するヘルスケア資源の乏しい施設・地域 認定看護管理者等の高度実践看護職と における看護実践あるいは看護サービ して活躍しています。一方、博士後期課 少子化・超高齢社会という人口構造 ス提供システムの改善・改革、ならびに、 程は、博士前期課程の2分野をそれぞ の変化や社会構造の変化、経済の低成 高度専門医療と地域医療あるいは保健 れ発展させる分野として、広域実践看護 長、国際化の進展などを背景に、人々 福祉介護システムとの連動による人々へ 学分野の一分野を置き、ヘルスケアシ の保健医療福祉ニーズは多様化してい の安全・安心なヘルスケアの提 供に貢 ステムを視野に入れ、複数の看護専門 ます。そして、21世紀に入って以降の我 献できる人材を育成することを目的とし 領域にわたる広域的な視座から、看護 が国の保健医療福祉制度も目まぐるし て開設されました。 実践の開発を追究することのできる教 く変化しています。このような変化から、 本看護学研究科博士前期課程には、 育研究者の育成を目指しています。 看護職には、高度な看護ケアを実践す 5つの看護専門領域の専門看護師に求 高度専門医療と地域医療が直面する ることや、ヘルスケアマネジメントによ められる高度な看護実践能力の育成を 課題に対し、高度看護実践や教育研究 り多機関・多職種と協働しながら「チー 目指す実践看護学分野と、効果・効率 を通して挑んでいく意志と意欲のある方々 ム・ケアのキーパーソン」として活躍す 的な看護ケアの提供を具現化するシス が入学されることを期待しております。 看護学研究科長 春山 早苗 自治医科大学大学院看護学研究科の沿革 1972(昭和47)年 4月 学校法人自治医科大学設立 2002(平成14)年 4月 自治医科大学看護学部開設 2006(平成18)年 4月 自治医科大学大学院看護学研究科看護学専攻修士課程開設 2008(平成20)年 2月 専門看護師教育課程認可(日本看護系大学協議会) (母性看護、小児看護、クリティカルケア看護、精神看護) 3月 自治医科大学大学院看護学研究科看護学専攻修士課程第1回修了式 4月 修士課程実践看護学分野にがん看護学領域を追加設置 2010(平成22)年 2月 がん看護専門看護師教育課程認可(日本看護系大学協議会) 2011(平成23)年12月 自治医科大学大学院看護学研究科看護学専攻課程変更認可 2012(平成24)年 4月 自治医科大学大学院看護学研究科看護学専攻博士後期課程開設 修士課程は博士前期課程に名称変更 1 2014(平成26)年 2月 5専門分野の高度実践看護師教育課程(38単位)認可(日本看護系大学協議会) 2016(平成28)年 3月 自治医科大学大学院看護学研究科看護学専攻博士後期課程第1回修了式 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 自治医科大学大学院看護学研究科 看護学専攻 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 医療の谷間がへき地を意味した自治医科大学の創設期から40年以上が経ち、現在の日本の医療は、都会にあっても医療難民があるとい う状況にあります。2010(平成22)年に、自治医科大学は我が国の地域の医療状況を改善するために、新たなミッションを策定しました。 自治医科大学の新たなミッション 1.地域医療、および地域の医療/保健/福祉ネットワークの構築とその維持に貢献する医療人を育成する。 2.医療難民を作らない地域医療提供体制への研究/提言/支援を行う。 3.医療/健康に貢献する研究を推進する。 自治医科大学大学院は、医学研究科(修士課程・博士課程)と看護学研究科の2つの研究科から構成されています。このミッションに基 づいて、本看護学研究科の博士課程(前期および後期)は次の教育目的をもっています。 看護学研究科の教育目的 豊かな学識と高度の研究能力を身につけ、地域の保健医療および福祉の向上や看護学の発展に指導的 な役割を果たす人材を養成する。 看護学研究科の組織 本看護学研究科の博士前期課程は、実践看護学分野(小児看護学、母性看護学、クリティカルケア看護学、精神看護学、がん看護学の 5領域)と地域看護管理学分野(老年看護管理学、地域看護管理学、看護技術開発学の3領域)の2分野で構成されています。 博士後期課程は、これらの2つの分野をそれぞれ発展させ、看護に関する問題の全体像と本質をとらえる看護学の教育研究を行う、広 域実践看護学分野の1分野となっています。 《領 域》 《専攻分野》 実践看護学分野 小児看護学 母性看護学 クリティカルケア看護学 精神看護学 がん看護学 博士前期課程 看護学研究科 老年看護管理学 地域看護管理学分野 地域看護管理学 看護技術開発学 博士後期課程 広域実践看護学分野 Contents 01 研究科長挨拶 14 生涯学習をサポート 25 修了後の進路とサポート 02 自治医科大学大学院看護学研究科 看護学専攻 15 開講科目一覧 26 活躍する修了生からのメッセージ 19 学修と学生生活のサポート 27 よくある質問FAQ 03 看護学研究科 博士前期課程 21 学修生活の実際 29 充実した教育研究環境 11 看護学研究科 博士後期課程 24 国際交流 30 学生募集情報 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 2 看護学研究科 博士前期課程 教育目標 入学定員 8名 収容定員 16名 高度な看護実践能力を有し、組織機能を向上拡大させながら高度医療と 地域医療をつなぐチーム形成と機能向上を図る高度看護職者を育成する。 アドミッション・ポリシー カリキュラム・ポリシー ディプロマ・ポリシー (入学者受け入れの方針) (教育課程編成・実施の方針) (学位授与の方針) 1. 高度看護専門職業人として、 1. 高 度看護実践力の育成強化を中心に編成し、その 所定の単位を修得し、 学位論 保健医療福祉の多様なニー ために必要不可欠な共通科目と専門科目を置く。 文審査に合格した者で、 高度 ズに対し高い倫理観と実践 2. 共 通科目は、高度実践看護職として機能するために、 な看護実践力を有し、 組織機 看護学領域を越えて共通に必要となる実践、教育、 的な専門性を身につけ、 社 相談、調整、研究、倫理、管理、ならびに地域医 会に貢献したい人 2. 看 護管理的活動を通して、 保健医療福祉の組織機能の 療に関する学識を修得するための科目を置く。 「看 護管理・政策論」は必修科目とする。 3. 実 践看護学分野では、個人およびその家族を対象 能を向上拡大させながら高度 医療と地域医療をつなぐチー ム形成と機能向上を図ること のできる人材に、 修士(看護 とする高度な看護実践力を修得するための科目を 学)の学位を授与する。 改善や向上に寄与する新た 配置する。地域看護管理学分野では、地域社会 高度な看護実践力とは、 以下 な提言をしたい人 において看護サービスを提供し、組織化すること の通りである。 に求められる看護実践力の修得のための科目を配 3. 知的好奇心に富み、実践に 適した様々な解決方法を自 置する。 4. 実 践看護学分野では、5つの看護学領域毎に専門 科目である講義、演習、特別演習、専門看護実習、 ら考え、リーダーシップを 課題研究を置き、必修科目と選択科目で構成する。 発揮できる行動力のある人 4. 将 来に対するビジョンと信念 を有し、 未来を切り拓いて また、選択科目である全領域共通の実践看護学特 別研究を置く。 5. 地 域看護管理学分野では、3つの看護学領域毎に いこうとする情熱のある人 1. 実践看護学分野では、高度 な判断力・応用力および調 整力等の看護実践力 2. 地域看護管理学分野では、 看護ケアの効果・効率的な 提供を具現化する看護活動 専門科目である講義、演習、特別演習を置き、ま や看護サービス提供システ た、全領域共通の地域看護管理学特別研究を置く。 ムを構築・改善できる力 すべて必修科目で構成する。 6. 課 題研究、特別研究のいずれかを履修させ、研究 活動および修士論文の作成を指導する。研究課題 の設定および研究方法等を幅広い観点から検討す る機会を大学院生に提供するために、博士前期課 程・博士後期課程合同研究セミナーを開催する。 7. 実 践看護学分野には、母性看護、小児看護、クリ ティカルケア看護、精神看護、がん看護の5つの 専門看護師教育課程を設ける。 修了要件 修了するためには、 次の条件を満たし、 共通科目から4科目(8単位)以上を履修し、 入学試験で選択した領域の科目を 22単位以上取得しなければならない。 1. 博士前期課程に2年以上在籍すること 2. 30単位以上を修得して必要な研究指導を受けて修士論文の審査と最終試験に合格すること 標準修業年限…2年(在籍可能年限 最長4年) 取得学位…修士(看護学)Master of Nursing 3 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 履 修 方法とモデル 博士前期課程では、 入学試験で選択した専攻分野の領域を中心に履修し、 共通科目 「看護管理・政策論」 を必ず履修し なければなりません。 専門看護師*を目指す場合には、 高度実践看護師教育課程で認定された共通科目を選択し、 実践看護学分野の各領域の専 門看護実習を履修しなければなりません(下図参照)。また、 地域看護管理学領域を選択した場合、 一定の要件を満たせ ば認定看護管理者**の受審資格を得ることができます。 さらに、 入学時に決定した研究指導教員から研究指導を受けます。研究題目の設定および研究方法等について、 研究倫理 審査を受ける前に 「合同研究セミナー」 で研究構想を発表して幅広い観点から検討します。原則として修了予定年度の12 月第3月曜日までに修士論文を提出し、 審査および最終試験を受けます。 [履修モデル] [履修モデル] 標準 共通科目 専門看護師 を目指す場合 「看護管理・政策論」(2単位)は必修項目 「病態生理学特論」(2単位) 「フィジカルアセスメント特論」 (2単位) 「臨床薬理学特論」(2単位) 「看護実践研究論」(2単位) 「コンサルテーション論」(2単位) 「看護倫理」(2単位) 「看護継続教育論」(2単位) 「地域医療論」(2単位) 「地域調査法」(2単位) 6単位以上 選択 「病態生理学特論」(2単位) 「フィジカルアセスメント特論」 (2単位) 「臨床薬理学特論」(2単位) 必修 「看護実践研究論」*(2単位) 「コンサルテーション論」*(2単位) 「看護倫理」*(2単位) 「看護継続教育論」*(2単位) 「地域医療論」(2単位) 「地域調査法」(2単位) *印の4科目 から3科目 選択のうえ、 合計6単位 以上選択 共通科目として8単位以上 共通科目として14単位以上 各領域(地域看護管理学分野もしくは、実践看護学分野) 各領域(実践看護学分野)の講義・演習科目より の講義・演習科目より12単位以上選択 14単位以上選択 各領域の専門看護実習(10単位) 各領域の課題研究(4単位) 各領域の特別演習(4単位) 各領域の特別研究(6単位) 専門科目として22単位以上 合計30単位以上 専門科目として28単位以上 修士論文の提出 合計42単位以上 *専門看護師(Certified Nurse Specialist) 専門看護師とは、保健・医療・福祉現場において、複雑な健康問題を有する患者にキュアとケアを統合し、卓越した直接ケアを提供するとともに、 相談、調整、倫理的調整を行い、ケアシステム全体を改善することで、看護実践を向上させる高度実践看護師(Advanced Practice Nurse) をいう。専門看護師の教育は、日本看護系大学協議会で認定された大学院において行われ、その資格の認定審査等は日本看護協会が担っている。 **認定看護管理者(Certified Nurse Administrator) 認定看護管理者とは、日本看護協会認定看護管理者認定審査に合格し、 管理者として優れた資質を持ち、 創造的に組織を発展させることがで きる能力を有すると認められた者をいう。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 4 授業科目一覧 科目区分 共通科目 専攻分野 領域 小児看護学 母性看護学 実践看護学分野 専門科目 クリティカルケア看護学 5 授業科目 単位数 必修 選択 配当年次 学期 看護管理・政策論 1 前 病態生理学特論* 1 前 2 北田 志郎 フィジカルアセスメント特論* 1 前 2 村上 礼子 臨床薬理学特論* 1 前 2 大塚 公一郎 看護実践研究論** 1 前 2 半澤 節子 コンサルテーション論** 1 前 2 永井 優子 看護倫理** 1 後 2 小原 泉 看護継続教育論** 1 後 2 本田 芳香 地域医療論 1 前 2 北田 志郎 地域調査法 1 後 2 渡邉 亮一 配当年次 学期 必修 小児看護学講義Ⅰ 1 前 2 横山 由美 小児看護学講義Ⅱ 1 前 2 横山 由美 小児看護学講義Ⅲ 1 後 小児看護学演習Ⅰ 1 前 2 横山 由美 小児看護学演習Ⅱ 1 後 2 横山 由美 小児看護学演習Ⅲ 1 後 2 横山 由美 小児看護学演習Ⅳ 2 前 2 横山 由美 小児看護専門看護実習Ⅰ 2 前 8 横山 由美 小児看護専門看護実習Ⅱ 2 後 2 横山 由美 小児看護学課題研究 2 後 4 横山 由美 小児看護学特別演習 2 前 4 横山 由美 母性看護学講義Ⅰ 1 前 2 成田 伸 母性看護学講義Ⅱ 1 後 2 野々山 未希子 母性看護学講義Ⅲ 1 後 母性看護学演習Ⅰ 1 前 2 成田 伸 母性看護学演習Ⅱ 1 前 2 成田 伸 母性看護学演習Ⅲ 1 後 2 野々山 未希子 母性看護学演習Ⅳ 1 後 2 成田 伸 母性看護専門看護実習Ⅰ 2 前 6 成田 伸 母性看護専門看護実習Ⅱ 2 後 4 成田 伸 母性看護学課題研究 2 後 4 成田 伸 母性看護学特別演習 2 前 4 成田 伸 クリティカルケア看護学講義Ⅰ 1 前 2 クリティカルケア看護学講義Ⅱ 1 前 2 クリティカルケア看護学講義Ⅲ 1 後 クリティカルケア看護学演習Ⅰ 1 前 2 中村 美鈴 クリティカルケア看護学演習Ⅱ 1 前 2 中村 美鈴 クリティカルケア看護学演習Ⅲ 1 後 2 中村 美鈴 クリティカルケア看護学演習Ⅳ 1 後 2 中村 美鈴 クリティカルケア専門看護実習Ⅰ 1 後 2 中村 美鈴 クリティカルケア専門看護実習Ⅱ 2 前 4 中村 美鈴 クリティカルケア専門看護実習Ⅲ 2 後 4 中村 美鈴 クリティカルケア看護学課題研究 2 後 4 中村 美鈴 クリティカルケア看護学特別演習 2 前 4 中村 美鈴 授業科目 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 2 科目責任者 備考 春山 早苗 選択 2 2 専門看護師を目指す場合は、*印の 全科目および**印の3科目以 上を 選択して履修し、計14単位以上必 要である。 科目責任者 備考 横山 由美 成田 伸 中村 美鈴 中村 美鈴 2 合計8単位以上履修する。ただし、 中村 美鈴 実践看護学分野を専攻する場合、 専攻する各領域の講義Ⅰ・Ⅱ、演習 Ⅰ~Ⅳ、特別演習、実践看護学 特 別研究を選択し、22単位以上を履 修する。 ただし、専門看護師を目指す場合 は、各専攻領域の特別演習を除く 講義Ⅰ~Ⅲ、演習Ⅰ~Ⅳ、実習の全 科目を履修する必要がある。なお、 精神看護学領域は演習ⅣとⅤのい ずれか一つを選択して履修する。さ らに各領域の課題研究または実践 看護学特別研究のいずれかを選択 し、計28単位以上を履修する。 専攻分野 領域 単位数 必修 選択 精神看護学 実践看護学分野 専門科目 がん看護学 配当年次 学期 精神看護学講義Ⅰ 1 前 2 精神看護学講義Ⅱ 1 前 2 精神看護学講義Ⅲ 1 後 精神看護学演習Ⅰ 1 前 2 永井 優子 精神看護学演習Ⅱ 1 後 2 永井 優子 精神看護学演習Ⅲ 1 後 2 精神看護学演習Ⅳ 2 前 2 永井 優子 精神看護学演習Ⅴ 2 前 2 永井 優子 精神看護専門看護実習Ⅰ 1 後 2 永井 優子 精神看護専門看護実習Ⅱ 2 前 6 永井 優子 精神看護専門看護実習Ⅲ 2 後 2 永井 優子 精神看護学課題研究 2 後 4 永井 優子、半澤 節子 精神看護学特別演習 2 前 4 半澤 節子 がん看護学講義Ⅰ 1 前 2 がん看護学講義Ⅱ 1 前 2 がん看護学講義Ⅲ 1 後 がん看護学演習Ⅰ 1 前 2 本田 芳香 がん看護学演習Ⅱ 1 前 2 本田 芳香 がん看護学演習Ⅲ 1 後 2 小原 泉 がん看護学演習Ⅳ 1 後 2 小原 泉 がん看護専門看護実習Ⅰ 2 前 6 本田 芳香 がん看護専門看護実習Ⅱ 2 後 4 小原 泉 がん看護学課題研究 2 後 4 本田 芳香、小原 泉 がん看護学特別演習 2 前 4 本田 芳香 授業科目 科目責任者 備考 永井 優子 永井 優子 2 永井 優子 永井 優子 本田 芳香 本田 芳香 2 小原 泉 中村美鈴、成田伸、 実践看護学特別研究 2 後 6 野々山未希子、半澤節子、 永井優子、本田芳香、 横山由美、小原泉 老年看護管理学 老年看護管理学講義Ⅰ※ 1 前 2 宮林 幸江 老年看護管理学講義Ⅱ※ 1 後 2 宮林 幸江 老年看護管理学演習Ⅰ 1・2 前 4 宮林 幸江 老年看護管理学演習Ⅱ 地域看護管理学 地域看護管理学 専門科目 看護技術開発学 1・2 後 4 宮林 幸江 老年看護管理学特別演習 2 前 4 宮林 幸江 地域看護管理学講義Ⅰ※ 1 前 2 春山 早苗 地域看護管理学講義Ⅱ※ 1 後 2 春山 早苗 地域看護管理学分野を専攻する者 地域看護管理学方法Ⅰ 1・2 前 2 春山 早苗 は、当該分野他領域の※印の科目 地域看護管理学方法Ⅱ 1・2 後 2 春山 早苗 も選択して履修することができる。 地域看護管理学演習 1・2 後 4 春山 早苗 地域看護管理学特別演習 2 前 4 春山 早苗 看護技術開発学講義Ⅰ※ 1 前 2 村上 礼子 看護技術開発学講義Ⅱ※ 1・2 後 2 村上 礼子 看護技術開発学演習Ⅰ 1 前 4 村上 礼子 看護技術開発学演習Ⅱ 1・2 後 4 村上 礼子 2 前 4 村上 礼子 6 春山早苗、宮林幸江、 村上礼子 看護技術開発学特別演習 地域看護管理学特別研究 2 後 専攻する領域の全科目および地域 看護管理学特別研究の計22単位以 上を履修する。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 6 授業科目の概要 1 ) 共 通科目 授業科目 単位数 必修/ 選択 開講時期 概 要 看護管理における理論、 看護管理の過程および活動方法を教授する。保健医 看護管理・政策論* 2 必修 前 期 後半 集中 療福祉システムのなかで質の高いケアを提供するために高度実践看護職の機 能と役割および高度実践看護職の行う医療チ-ム内の調整や保健医療福祉関 係者間の調整ならびに管理的立場にある看護職との協働に関わる活動方法を 教授する。ケアの質向上や看護職の資質向上のための制度改革や政策決定過 程への高度実践看護職の働きかけについて教授する。 病態生理学特論* フィジカル アセスメント特論* 臨床薬理学特論* 看護実践研究論* 2 2 2 2 選択 選択 選択 選択 前期前半 病態生理学の基礎および診断・治療の原則、 および日常的によくみられる代 表的な病態生理的変化に関する看護実践上の判断方略について、 事例演習を 含めて教授する。 前期後半 高度実践看護職として、 複雑な健康問題をもった対象の身体状況を的確にア セスメントし、 臨床判断を行うための高度な知識と技術を、シミュレータ学習 を取り入れながら教授する。 特に、 対象の複雑な病態を踏まえたうえで、 臨 床判断プロセスを磨くための技能を教授する。 前期 薬剤の人体における作用機序と体内動態、 有害作用、 治療薬物モニタリング 等の臨床薬理学の基礎的知識を教授する。また、 緊急応急処置、 症状調整、 慢性疾患に必要な薬物療法について、 薬剤使用の判断、 投与後の患者モニタ リング、 生活調整、 回復力の促進、 患者の服薬管理の向上を図るための知識 と技術を教授する。 前期 看護実践における研究の重要性を理解し、 専門的看護の質の向上に寄与する 研究を進めていくうえでの各種研究法の具体的展開について教授する。また、 看護研究に重要な文献検討ならびに研究論文のクリティークについて講義する とともに研究者としての倫理課題について検討する。さらに、 看護実践にお ける研究成果をもとに専門的看護の質の向上に役立つ評価方法について教授し、 高度看護実践研究の発展への寄与についても言及する。 コンサルテーションに関する理論と倫理的側面を含むコンサルテーションをめ コン サ ル テ ー シ ョ ン 論* 2 選択 前期 (一 部 集 中 ) ぐる問題と課題について教授する。コンサルテーションおよびコンサルタント の役割体験やグループコンサルテーション、 模擬コンサルテーション体験を通 して、 高度実践看護職が必要とするコンサルテーション技術と役割について 考察する。 看護倫理* 2 選択 後期 医療の現場における生命倫理の現実的な課題と看護職の倫理的行動と責務を 教授する。看護場面において複雑な判断を要する倫理的葛藤・課題について、 関係者間での倫理的調整活動に必要な知識を教授し、 高度実践看護職が果た すべき機能について考察する。 看護継続教育論* 2 選択 後期 高度実践看護職が、 看護のケアの質を高めるために必要な看護職への教育的 働きかけとして、 教育現象を経験学習の視点から体系的に計画された学修、 個人の自律的な学修など様々な学修形態をとるための教育環境づくりに関する 知識と技術を教授する。さらに看護実践の実際から、 看護ケアの向上の基礎 となる教育的関わりについて探究する。 地域医療論 2 選択 前期 (6月~7月) 地域に根ざした医療や保健を展開する方法を教授する。具体的に、 地域のニ ーズのとらえ方、 ニーズに即した医療の提供の方法、 地域の保健医療福祉施 設の有機的な連携、 医療資源のアウトソーシングを検討する。 地域調査法 2 選択 後期 (土曜日) 地域における健康問題や健康ニーズを把握するための方法を教授する。また、 調査で収集した資料やデータの分析方法、 結果の読み方を教授する。 *は高度実践看護師教育課程(38単位)認定科目。開講時期等は原則を示しており、科目等履修生の希望者は募集要項で確認してください。 7 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 2 ) 実 践看護学分野の専 門 科 目 領 域 概 要 小児看護専門看護師を目指す場合、主要な理論、研究の動向、最近の知見、社会資源の活用などを踏まえて小 児看護の現状を分析し、小児看護専門職としての課題および役割について学ぶ。また、小児看護専門職として 必要な診断・治療のプロセスを含む子どものヘルスアセスメントについて学び、看護実践に活用できる能力を 修得する。 課題研究では、実習を通して明らかになった課題を探究し、修士論文を作成する。 研究を主体として学ぶ場合、講義・演習・特別演習を通して明らかになった小児看護の実践的課題のなかから、 小児看護学 ケアの改善・改革に関連する研究課題を設定する。特別研究では個別に研究指導を受けながら研究活動を展開 し、修士論文を作成する。 <修了生の研究テーマ> ○苦痛を伴うために鎮痛・鎮静下で検査・処置を受ける子どもの体験 2014年 ○摂食・嚥下に問題のある子どもの経口摂取における看護支援の検討 2014年 ○重症心身障害児となる可能性について説明を受けた母親が在宅療養を選択する過程での体験 2011年 ○へき地診療所における子どもへの看護に関する研究 2008年 母性看護専門看護師を目指す場合、周産期の母子やその家族の状況を理解し、高度看護実践、コンサルテーシ ョン、コーディネーション、倫理調整、施設スタッフへの教育および研究的な関わりを実践し、チーム医療に おける医師との協働を踏まえた、専門看護師としての基礎的能力を養う。主として課題研究として、母性看護学、 女性の健康看護学、助産学に関連する実践的課題の改善・改革の方法について検討し、修士論文を作成する。 研究を主体として学ぶ場合、母性看護学、女性の健康看護学、助産学に関連する研究課題の改善・改革の方法 母性看護学 について、特別研究として研究活動を展開し、修士論文を作成する。 <修了生の研究テーマ> ○助産外来から産科混合病棟への継続看護システムの検討 2015年 ○初めて妊娠糖尿病と診断された妊婦の自己管理上の課題と助産師の支援の検討 2015年 ○初めての子どもが早産児である母親の母乳育児を通じた体験 2014年 ○女子受刑者のリプロダクティブヘルスの実態とそのケアニーズに関する検討 2014年 急性・重症患者看護専門看護師を目指す場合、急性・重症患者の代謝病態生理と特有の治療・処置における 看護診断技術および診断プロセスについて理解を深め、自律した看護実践の関与を可能とする高度な知識と 技術を修得する。実習では、急性・重症患者・家族に対する高度看護実践者として6つの能力の発揮に加え、 ICU・CCU、救命救急など関心領域におけるサブスペシャリティを強化する。主として課題研究では、実習 で見出したクリティカルケアを必要とする患者と家族に対する高度看護実践や事例の中で遭遇した事象に関し クリティカルケア 看護学 て修士論文を作成する。 特別研究では、クリティカルな状況にある患者・家族へのケアの改善・改革に関連する研究課題を探究し、修 士論文を作成する。 <修了生の研究テーマ> ○救急搬送された患者の入院後に到着した家族への関わりに対する熟練看護師の看護実践 2014年 ○重症患者における低活動型せん妄の早期発見のための看護実践 2012年 ○三次救急患者の治療における初療での代理意思決定を担う家族員への関わりに対して 2011年 看護師が抱える困難とその理由 ○食道がん患者の術後疼痛の様相と開胸術後疼痛症候群を予防するための看護支援の検討 2011年 本領域で履修するコースとして2つのタイプのいずれかが可能である。ひとつは精神看護専門看護師を目指す コースである。卓越した精神看護実践に必要な理論、アセスメント法、各種療法等の最新の知識と技術、精神 看護専門看護師の役割と機能を学ぶ。加えて、精神科医療施設における実習、 「リエゾン精神看護」もしくは「地 域精神看護」のいずれかのサブスペシャリティに関する実習を行い、修士論文を作成する。もうひとつのコー 精神看護学 スは、研究を主体に学ぶコースである。講義・演習・特別演習を履修しながら、精神看護領域における実践的 課題を踏まえて研究課題を設定し、研究活動を展開し修士論文を作成する。 <修了生の研究テーマ> ○慢性統合失調症事例の地域生活の困難に関する精神科看護職の認知 2010年 ○地域で生活している統合失調を持つ人たちの金銭管理に関する認識 2007年 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 8 授業科目の概要 領 域 概 要 がん看護専門看護師を目指す場合、がん診断期から終末期に至るがん患者とその家族が抱えるあらゆる苦痛症 状および苦悩を系統的かつ包括的に把握するため、がんの疫学、病理、診断、治療法に関連する最新の専門的 知識と技術、およびその基盤となる概念枠組みおよび諸理論、キュアとケアを統合する多路の臨床推論・判断 過程を学び、実習にて包括的介入方法を探究する。またがん看護学領域における自己の研究課題を見出し、高 度実践に関する事例研究などを中心に修士論文を作成する。 がん看護学 研究を主体として学ぶ場合、緩和ケアを必要とするがん患者とその家族へのケアの改善・改革に関連する研究 課題を設定し、特別研究で個別指導や研究ゼミによる研究指導を行い、修士論文を作成する。 <修了生の研究テーマ> ○終末期にある造血器腫瘍患者のその人らしさを支える看護 2015年 ○若年性終末期がん患者と家族に対するケアリング 2012年 ○治療継続中に状態が悪化し死の転帰を迎えた造血器がん患者と関わる看護師の感情体験 2010年 ○根治治療終了後に再び化学療法を受ける乳がん患者の療養態度 2009年 ※ 「 特 別 演 習 」「 課 題 研究」「特別研究」を除いた各領域の 授 業 科 目 は 高 度 実 践 看 護 師 教 育 課 程 ( 38単 位 ) 認 定 科 目 で あ る 。 3 ) 地 域看護管理学分野 の 専 門 科 目 領 域 概 要 講義では高齢期に特徴的で必要な病態生理、疾病知識と看護実践に関し教授する。特にジェリアトリック・シン ドロームと称される高齢期特有の身体問題と高齢者のケア技術に関する実践や、多死社会を担う喪失関連の看 護とケア管理を見越した思考力を培う。また倫理的な側面の重要性と法的制度についても、必要とされる状況 をおさえつつ思考できるように教授する。 演習では、ケア決定上の診断プロセスや在宅にて必須の高齢期フィジカルアセスメント、喪失ケアの実践力など を総合的に教授・検討する。 老年看護管理学 特別研究では、講義・演習・特別演習を通して明らかになった課題から、高齢期のケアと看護管理の改善・改革 関連の研究課題や、高齢期の発達課題とも言える喪失に関するテーマなどについての論文作成への研究指導を行う。 <修了生の研究テーマ> ○「物忘れ外来」における外来看護師の看護実践内容の分析 2011年 ○特定機能病院における急性心筋梗塞DPCコード別の高齢者看護ケアの特徴 2011年 ○高齢者の口腔吸引・鼻腔吸引に伴うリスク要因の検討 2010年 ~FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)を用いて~ ○自宅で認知症高齢者を介護する家族の生活の再構築に関する研究 2009年 講義では、へき地を含む地域の特性および人々のヘルスニーズならびに保健医療福祉施策を踏まえて、地域看 護管理、特に地域ケア体制づくりの理論と考え方およびへき地における看護活動の展開方法に関する理論を教 授する。また、医療機関における地域連携体制の構築およびへき地を含む地域の看護管理活動ならびに施策化・ 政策化に関わる看護活動の方法について、実践事例や国内外の先行研究から検討する。 演習では、地域特性および人々のヘルスニーズの分析から、行政機関、訪問看護ステーション、地域中核病院、 へき地診療所、へき地医療拠点病院等の看護提供体制を評価検討し、地域看護管理に関する改善・改革の課 題を探究する。 特別演習では、地域看護管理に関する改善・改革の課題を達成するための方法について、文献検討およびフィ 地域看護管理学 ールド演習等により多面的に検討し、改善・改革に関連する研究計画を検討する。 特別研究では、地域看護管理学の講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかから、地域 看護の対象となる人々へのケアと看護管理の改善・改革に関連する研究課題を設定し、研究活動を展開し、修 士論文を作成するために、個別指導や研究ゼミによる研究指導を行う。 <修了生の研究テーマ> 9 ○地域ケアネットワーク構築後のネットワーク事業の進行管理における保健所保健師の活動方法 2014年 ○初回のレスパイト入院の利用がALS患者の療養生活に及ぼす影響 2014年 ○潜在性結核感染症の治療を受ける患者の体験 2013年 ○へき地診療所における看護の役割を発揮できるための看護サービス提供体制づくりに関する研究 2010年 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 領 域 概 要 講義では、看護技術の概念および特徴、ならびに安全かつ有効な特定行為を含めた看護技術の開発に関する研 究の動向を教授する。また、特定行為研修を含めた看護技術教育の実際および理論的根拠に基づいた看護技術 教育のあり方について教授する。 演習では、看護技術開発のプロセスおよび看護技術開発研究における倫理的課題について教授するとともに、 特定行為研修を含め看護技術開発に活かせる研究課題や特定行為研修後のフォローアップまでを見据えた看護 看護技術開発学 技術教育の研究課題を探究する。また、看護技術開発で用いられるさまざまな研究方法を実践的に検討すると ともに、看護技術開発研究における研究方法上の課題を探究する。 特別演習では、特定行為研修を含め看護技術開発に関する自己の研究疑問について文献の系統的レビューを行い、 自己の研究課題の明確化および研究計画を検討する。 特別研究では、看護技術開発学の講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかから、看護 ケアや看護サービスを提供する技術の開発・改善に関連する研究課題を設定し、研究活動を展開し、修士論文 を作成するために、個別指導や研究ゼミによる研究指導を行う。 教員組織(専任教員) 実践看護学分野 小児看護学領域 横山由美教授★★ 母性看護学領域 成田伸教授★★ クリティカルケア看護学領域 中村美鈴教授★★ 佐藤幹代准教授 精神看護学領域 永井優子教授★★ 半澤節子教授★★ がん看護学領域 本田芳香教授★★ 小原泉教授★★ 実践看護学特別研究指導教員 地域看護管理学分野 老年看護管理学領域 宮林幸江教授★★ 地域看護管理学領域 春山早苗教授 看護技術開発学領域 村上礼子教授★★ 地域看護管理学特別研究指導教員 野々山未希子教授★★ 角川志穂准教授 ★★印の教員 ★★ 浜端賢次准教授 川上勝准教授 鈴木久美子准教授 塚本友栄准教授 里光やよい准教授 ★★印の教員 ※受験希望者は希望する領域の研究指導教員(★★印)の事前面接を受けなければならない。 共通科目(看護系教員を除く) 渡邉亮一教授 大塚公一郎教授 北田志郎准教授 ●各教員の業績等はホームページをご参照ください Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 10 看護学研究科 博士後期課程 教育目標 入学定員 2名 収容定員 6名 ヘルスケアシステムや看護提供システムを視野に入れつつ複数の看護専門 領域の視座を理解した上で、看護に関する問題の全体像と本質をとらえ探 究し、看護学を発展させることのできる教育研究者を育成する。 アドミッション・ポリシー カリキュラム・ポリシー (入学者受け入れの方針) (教育課程編成・実施の方針) 1. 人々の生命・健 康・福 祉を守り、 1. 広 域実践看護学分野は、ヘルスケアシステムや看護提供システムを視野に入れつつ複数の看護専 生活の基盤となる保 健・医療・福 門領域の視座を理解した上で、科学的な根拠に基づく看護ケアの開発やその看護ケアを効果的・効 祉サービスを提供する組織化され 率的に提供するためのケアシステムならびに、施策・政策化に寄与する看護学の教育研究を行う分 た仕組みの整備状況、機能性、課 野である。このような分野の考え方から、博士前期課程の実践看護学分野と地域看護管理学分野を 題を踏まえ、看護学の教育研究活 相補的に深化させた教育内容の専門科目と専門関連科目により、カリキュラムを編成する。 動の未来を切り拓く熱意のある人 2. 専 門科目は、講義、演習、特別研究で構成する。 2. 地 域社会の変容を背景とした地域 3. 専 門科目の講義科目では、看護に関する問題の全体像と本質を捉えた上で、研究課題と研究方法を 医療及び高度専門医療が直面する 探究できるようにするための必修科目と選択科目を置く。必修科目は、ヘルスケアシステムや看護提 課 題に対し、ヘルスケアシステム 供システムに関わる課題に対する研究的アプローチを学修する科目とする。選択科目は、複数の看 や看護提供システムを視野に入れ、 護専門領域の研究的アプローチを学修する科目とする。 複数の看護専門領域の視座から理 4. 専 門科目の演習科目は必修科目とする。4つのテーマを設け、システムと看護ケアの各面からテーマ 解し、看護実践を開発できる優れ を1つずつ選択させ、看護の対象を取り巻くヘルスケアシステムを視野に入れつつ、ヘルスケアシス た研究能力を身につけ、看護学の テムや看護提供システムと看護ケアの課題を結び付けて、研究課題を焦点化し、研究計画に反映で 教育研究活動に貢献したい人 きる学修内容とする。 3. 科 学的な根拠に基づく看護ケアの 5. 専 門科目の特別研究は、1年次から3年次をとおした必修科目とする。研究活動および博士論文の作 開発や看護ケアを効果的・効率的 成を、主研究指導教員と2名の副研究指導教員の体制で指導する。 に提供するためのケアシステム、 6. 専 門関連科目は、広い視野、深い洞察力、総合的な判断能力、および看護の新たな概念・知識体 施策・政策化に寄与し、看護学の 系を構築するための基盤を養い、研究方法を探索できるように看護学分野以外の分野の知見や研究 発展に貢献できる新たな提言をし たい人 方法を学修する選択科目で構成する。 7. 専 門領域外の看護職者や研究者ともコミュニケーションを図りながら研究を推進していく力を身につけ るために、演習・特別研究の一環として、博士前期課程・博士後期課程合同研究セミナーを定期的 に開催する。 教育課程の構造図 博士論文 いずれか一つを選択 <クリニカルケア> <メンタルヘルスケア> いずれか一つを選択 広域実践看護学特論Ⅱ (クリニカルケア研究法) 選択科目(2単位) 広域実践看護学特論Ⅲ (メンタルヘルスケア研究法) 選択科目(2単位) 広域実践看護学特論Ⅳ (看護教育・管理研究法) 選択科目(2単位) 1科目以上を選択 1科目以上を 選択 ) 広域実践看護学持論Ⅰ(ヘルスケアシステム研究法) 必修科目(2単位) 専 門 科 目 必 修 10単 位 以 上 選 択 2 単 位 以 上 11 異文化精神医療論 2(単位 ) <ヘルスケアシステム> <看護教育・管理> 地域保健医療研究論 2(単位 ) 広域実践看護学特別研究 6(単位 広域実践看護学演習(2単位) Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 専 門 関 連 科目 2 単 位 以上 ディプロマ・ポリシー (学位授与の方針) 所定の単位を修得し、 学位論文審査に合格した者で、 ヘルスケアシステムや看護提供システムを視野に入れつつ複数の看護専門 領域の視座を理解した上で、 看護に関する問題の全体像と本質を捉えて探究し、 看護学を発展させることができる教育研究力を備 えた人材に、 博士(看護学)の学位を授与します。備えるべき教育研究力とは、 以下のとおりである。 1. 複数の看護専門領域の視座から従来の知見を踏まえ、 看護実践を基盤とした新たな知見を創出できる力 2. 学際的な分野への対応能力を含めて、 看護実践に即した研究を自立して企画・推進できる力 3. 研究的手法を用いてヘルスケアシステムや看護提供システムを評価できる力 4. 看護実践力や研究能力を付与できる力 修了要件 次の3条件を満たすことが必要であるが、 優れた研究業績をあげた者については、 研究科において特に認めた場合に限り、 在学期 間を短縮できる。(学則12条第4項) 1. 博士後期課程に3年以上在学すること 2. 専門科目のうち必修科目から10単位以上及び選択科目から2単位以上、 専門関連科目の選択科目から2単位以上の合計14単位 以上を修得すること 3. 必要な研究指導を受け、 博士論文の審査および最終試験に合格すること 標準修業年限…3年(在籍可能年限最長6年) 取得学位…博士(看護学)Doctor of Science in Nursing :DSN 教員組織(専任教員) 研究指導教員 春山早苗教授 中村美鈴教授 永井優子教授 成田伸教授 半澤節子教授 本田芳香教授 宮林幸江教授 野々山未希子教授 横山由美教授 小原泉教授 ※受験希望者は、研究指導教員のうち、指導を希望する教員の事前面接を受けなければならない 副研究指導教員 渡邉亮一教授 大塚公一郎教授 研究指導補助教員 塚本友栄准教授 角川志穂准教授 村上礼子教授 ■2015年度修了生の研究テーマ ◯離島町村で働く新任期保健師の看護実践能力の向上につながる経験 ◯助産師の職業生活の変化の様相と職業生活の変化に影響する要因 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 12 授業科目の概要 授業科目 広 域 実 践 看護学特論Ⅰ (ヘルスケアシ ス テ ム 研 究 法 ) 広 域 実 践 看護学特論Ⅱ (クリニカル ケ ア 研 究 法 ) 専 門 科 目 広 域 実 践 看護学特論Ⅲ (メンタルヘル ス ケ ア 研 究 法 ) 広 域 実 践 看護学特論Ⅳ (看護教育・ 管 理 研 究 法 ) 広 域 実 践 看護学演習 単位数 必修/ 選択 2 必修 概 要 看護ケアやヘルスケアを効率・効果的に提供するためのヘルスケアシステムおよび 看護提供システムの構築・マネジメント、 施策・政策化に関する看護実践の開発に 関する研究方法を探究する。 看護現象の客観的な分析と分析結果を探究する研究方法論および方法についての 2 選択 2 選択 2 選択 看護教育・管理の現状と課題について理解し、 看護行政・政策の動向を踏まえて、 人材育成システムの開発と改善に関わる研究方法を探究する。 2 必修 4つのテーマ(ヘルスケアシステム、クリニカルケア、メンタルヘルスケア、 看護 教育・管理)から2つを選択し、文献レビューや自らのフィールドワークなどを通じて、 さらに研究へと発展させるための方策を修得する。 批判的吟味を通し、クリニカルケアにおける新たな看護実践を創出するための研究 方法を探究する。 精神保健上の健康に関わる課題について理解し、 国内外における精神保健医療福 祉の歴史や現状を踏まえて、メンタルヘルスケアに関わる看護実践の開発につなが る研究方法を探究する。 ヘルスケアシステムや看護提供システムを視野に入れつつ複数の看護専門領域の 広 域 実 践 看 護学特別研究 6 必修 視座を理解したうえで、 科学的な根拠に基づく看護ケアの開発やその看護ケアを効 率・効果的に提供するためのケアシステム、ならびに施策・政策化に寄与する研究 課題を設定し、 研究計画を立案し、 研究活動を展開して、 博士論文を作成する。 専門関連科目 地 域 保 健 医療研究論 2 選択 地域に根ざした医療や保健を展開する方法を教授する。具体的に、 地域のニーズ のとらえ方、ニーズに即した医療の提供の方法、 地域の保健医療福祉施設の有機 的な連携、 医療資源のアウトソーシングを検討する。 異 文 化 精神医療論 2 選択 地域における健康問題や健康ニーズを把握するための方法を教授する。また、 調 査で収集した資料やデータの分析方法、 結果の読み方を教授する。 広域実践看護学特別研究の主研究指導教員とその研究テーマ 春山 早苗 教授 中村 美鈴 教授 ヘルスケアシステムや健康危機管理体制など地域を 慢性的に経過する健康課題を抱える人々とその家族 基盤としたヘルスケアシステムの構築・機能化に関わ に対する看護実践を有効に機能させるための看護提 る看護実践、 特に行政分野に所属する看護職の看護 本田 芳香 教授 関わる看護実践を、 高度看護専門職業人の育成方 を探究する。 法の観点も含めて探究する。 クリティカルケア看護学ならびに周手術期看護学に 悲嘆経験者のメンタルヘルスとグリーフケアについて、 関する看護ケア/看護モデルの開発、 患者と家族の とくに遺族からの相談に関して、グリーフケアにおけ QOL向上の観点からヘルスケアシステムを見すえた 宮林 幸江 教授 看護実践の開発と臨床への有用性の検証について 精神的な問題をもつ人および精神障害者とその家族セ 生涯を通じた女性の性と生殖に関する健康問題につ 野々山 未希子 教授 ルフケアを促進し、 地域生活を継続するとともに、よ 成田 伸 教授 ブヘルス/ライツの概念を反映させ、さらにジェンダ 我が国のヘルスケアシステムや対象の居住する地域 横山 由美 教授 役割に関する看護実践の開発を探究する。 に関連するテーマを探究し、 精神障害の予防、 治療、 半澤 節子 教授 リハビリテーションに役立つ基礎的研究を行う。ステ ィグマ、 精神障がい者家族介護、 社会復帰など社会 文化的環境要因について探究する。 13 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 資源の状況も視野に入れ、 健康を障害された子ども とその家族に対する看護実践の開発を探究する。 ーの視点を取り入れ、 母性看護学・助産学の特性と 国内外の科学的知見を踏まえながら我が国の精神保健 いて、 特に思春期の健康問題および性感染症予防 に関する看護実践の開発を探究する。 り質の高い生活となるような看護実践を探究する。 ヘルスケアシステムを見すえながら、リプロダクティ る看護実践の現状と課題、 ならびに研究方法を探究 する。 探究する。 永井 優子 教授 供システムやヘルスケアシステムの構築・機能化に 実践やへき地と都市部など地域特性に応じた看護実践 がん診断期から終末期ケアに至るまで特にがん患者 小原 泉 教授 の抗がん剤治療における臨床試験に関する意思決定 モデルを中心に、がん患者とその家族に対する看護 実践の開発を探求する。 生涯学習をサポート 科 目等履修制度 学 び た い 1 科 目 か ら 単 位 取 得 が 可 能 開講されている授業科目のうち希望する科目を履修して、試験または履修した科目の審査を受けて合格すれば、単位を取得することが できます。科目によっては、事前に学修課題がでることもあります。 なお、修得した単位は、本看護学研究科に入学した際に、10単位まで既修得単位として認められます。興味や関心のある科目を学ぶ だけではなく、大学院で学ぶ体験を踏まえて進学後の学修について検討することもできます。 履修期間は、各学期の初めから当該年度の終わりまでで、年度を超えることはできません。履修期間内には、本看護学研究科の学生と して図書館等の学修施設を利用することができます。 平成27年度までに延べ36名が学んでおり、科目等履修をしたのちに、本看護学研究科に進学した人も7名います。 費用 開講科目 (博士前期課程) すべての共通科目と一部の専門科目です。開講科目と開講時期 については、p.15「開講科目一覧」を確認してください。共通 科目の開講時期は原則毎年同じです。 (博士後期課程) 入学金 授業料 28,200円 14,800円 (1単位につき) 広域実践看護学特論Ⅰ(ヘルスケアシステム研究法) 履修 の 条件 入学選抜試験(書類選考) 原則として博士前期課程では学士(取得見込を含む)、博士後 毎年7月に次年度の募集要項を発行します。 期課程では修士(取得見込を含む)の学位を有することが必要 博士前期課程では次年度の前期と後期に開講される科目につい です。または、本看護学研究科の出願資格認定試験(毎年9月 て毎年1月に募集します。また、当該年度の後学期科目につい に行われる学力認定試験)に合格しなければなりません。詳細 て追加募集が9月にあります。博士後期課程では毎年2月に募集 は募集要項をご覧ください。 します。なお、試験はいずれも出願した科目ごとに、出願書類 また授業科目によっては、受講の条件がありますので、募集要 での選考審査を行います。 項で必ず確認してください。 詳細は募集要項を必ずご確認ください。 専門科目の履修を希望する場合、または博士前期課程・博士後 期課程への入学を含めて検討している場合は、希望する科目の 科目責任者に事前に必ずご相談ください。 ■研 究 生 看護学に関する専門事項について、研究したい人を研究生として受け入れ、看護学研究科の修了後にも研究指導を受けることが できます。履修期間は原則として1年以内です。平成27年度までに27名が利用しました。希望者は、指導を希望する教授に事前 に必ずご相談ください。 資格 授 業料 大学院(修士課程、博士前期課程)を修了した者、またはそれと同等以上の学力があると認められる者 180,000円(年額) ただし、研究科長が特に必要と認めた研究をする場合に限り、本看護学研究科、本看護学部、自治医科大学看護短期大学、自治 医科大学附属看護学校の卒業生は、半額までの範囲で授業料が減免されます。 ■特 別 聴講生 本学以外の大学院または外国の大学院の学生で、本看護学研究科の授業科目を履修することを希望する人を特別聴講学生として 受け入れています(授業料:月額1,000円)。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 14 開講科目一覧 博士前期課程 平成28年度 科目等履 修 生( 博士前期 課程)開講 科目一覧 科目区分 授業科目名 単位 数 開講予定 最大受 入人数 時間割※ 共通科目 看護管理・政策論 2 前期 (6月~7月) 3 土 3.4 病態生理学特論 2 前期 前半 5 火 1.2 1.看護師の資格を有する者 2.病態生理学に関心のある者 フィジカルアセスメント特論 2 前期 後半 5 火 1.2 臨床薬理学特論 2 前期 5 火 5 1.看護師の資格を有する者 2.2年以上の臨床経験を有する者 看護実践研究論 2 前期 5 火 3 看護実践経験が3年以上あり、取り組んだ看護研究を研究会など の場で研究発表してみたいという意欲のある者 コンサルテーション論 2 前期 2~3 水 3 看護倫理 2 後期 2 講師都合により 4~6限の間に予定。 連続コマの場合あり 看護継続教育論 2 後期 2 水 1.2 1.看護師の資格を有する者 2.看護実践教育の経験のある者 3.卒後教育に興味関心のある者 地域医療論 2 前期 後半 5 水 4.5 1.看護師の資格を有する者 2.地域医療に関心のある者 地域調査法 2 後期 5 土 1.2.3 1.看護師の資格を有する者 2.地域調査に関心のある者 授業科目名 単位 数 開講予定 最大受 入人数 小児看護学講義Ⅰ* 2 前期 2 月 6 母性看護学講義Ⅰ* 2 前期 2 金 1 母性看護学講義Ⅱ 2 後期 2 木 1 クリティカルケア看護学講義Ⅰ* 2 前期 5 月 2 クリティカルケア看護学講義Ⅱ* 2 前期 5 水 2 クリティカルケア看護学講義Ⅲ* 2 後期 5 月 2 精神看護学講義Ⅰ* 2 前期 2 金 5 精神看護学講義Ⅱ* 2 前期 2 火 4 火 3 一部集中 講義あり 一部集中 講義あり 火 分野 領域 小児看護学 科目 区分 履修条件等 1.保健師、看護師、助産師としての看護実践経験が3年以上の者 2.非常勤講師の都合により、多少変則的になる可能性あり (曜日の変更はない。 ) 1.看護師の資格を有する者 2.臨地においてフィジカルアセスメントを 実施した経験のある者 9〜15回(集中講義)すべてに出席可能な者 4 保健師、看護師、助産師としての看護実践経験が3年以上の者 時間割 履修条件等 母性看護学 1.看護師の資格を有する者 2.小児看護の臨床経験が4年以上の者 3.小児看護学への関心が高い者 助産師の資格と助産師としての臨床経験を有していること クリティカルケア 看護学 実践看護学 1.看護師の資格を有する者 2.クリティカルケア看護学への関心が高い者 精神看護学 専門科目 精神科領域の看護実践経験が3年以上であること がん 看護学 管理学 老年看護 地域看護 管理学 看護技術 開発学 地域看護管理学 精神看護学講義Ⅲ* 2 後期 2 がん看護学講義Ⅱ * 2 前期 2 金 1 1.看護師の資格を有する者 2.がん看護学への関心が高い者 老年看護管理学講義Ⅰ* 2 前期 2~4 月 6 1.看護師の資格を有する者 2.老年看護学への関心が高い者 地域看護管理学講義Ⅰ 2 前期 3 金 5 1.看護師の資格を有する者 2.継続看護を含む地域における看護実践への関心が高い者 地域看護管理学講義Ⅱ 2 後期 3 金 5 1.看護師の資格を有する者 2.へき地における看護実践への関心が高い者 看護技術開発学講義Ⅰ* 2 前期 2 金 5 1.看護および看護技術の提供、看護技術教育について疑問や 関心を持ち、改革についての興味を持っている方 2.積極的に参加できる方 一部日程変更 の可能性有 *がついている科目は、科目責任者との事前面接を要します。 1時限( 8:50~10:20) 授 業 時 間 2時限(10:30~12:00) 3時限(13:00~14:30) 4時限(14:40~16:10) 5時限(16:20~17:50) 6時限(18:00~19:30) 15 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 開講科目講義内容 平成28年度科目等履修生(博士前期課程)開講科目講義の内容と科目責任者 1)共通科目 p.7「授業科目の概要」をご参照ください 2)専門科目 領 域 開講科目名 科目責任者 概 要 小児看護学 子どもの成長発達および家族や子どもを取り巻く環境との相互作用を 小 児 看護学講義Ⅰ 横山由美 理解するための主要な理論および子どもの生活に関する最近の知見を 学び、小児看護における看護実践への活用を検討する。 周産期にある母子と家族の状況を理解するための諸理論(遺伝学的知 母 性 看護学講義Ⅰ 成田伸 識、周産期医学的知識、愛着や親役割理論、発達危機論、人間関係論 等)の理解を通して、周産期にある母子とその家族の状況と健康問題 母性看護学 について思考する。 生殖内分泌学、性感染症、ホルモン剤使用等を含め各ライフステージ にある女性の健康問題について理解し、最新の研究成果の女性の保健・ 母 性 看護学講義Ⅱ 野々山未希子 医療への適用や、女性医療ケアシステムとその組織化に関する理論、 生涯を通じた女性の健康を守る保健施策、男女共同参画社会政策など、 女性のライフサイクル全般にわたる援助について思考する。 危機的な状況にある急性・重症患者と家族を総合的に捉え、援助的関 ク リ テ ィカルケア看護学 講義Ⅰ わりを深めるための危機理論ならびに諸理論について教授する。さら 中村美 鈴 に、患者と家族の状況を把握し、高度な看護実践を行うために必要な 諸理論、支援方法ならびに看護の課題について、講義・発表・討議を 通して教授する。 クリティカルケア看護学 急性・重症患者の看護診断技術、および自律した看護実践の関与を可 能とする高度な知識と技術を教授する。急性・重症患者の代謝病態生 ク リ テ ィカルケア看護学 講義Ⅱ 理を、成人を中心に教授し、小児ならびに高齢者の特徴も教授する。 中村美 鈴 さらに、急性・重症患者の代謝病態生理と必要な治療・処置を理解し、 高度実践看護師として、クリティカルケア治療・療養環境を管理しな がら、患者・家族が最善の医療を受けるために必要な知識を、講義・ 討議を通して教授する。 集中的・高度な治療を必要とするクリティカルケアな成人を中心にフ ィジカルアセスメントについて教授し、小児ならびに高齢者の特徴も ク リ テ ィカルケア看護学 講義Ⅲ 中村美 鈴 教授する。さらに、クリティカルならびにポストクリティカル状態に ある成人の病態、生理学的変化ならびに生活行動、機能回復の状況を 把握するためにシミュレーション教育を取り入れながら、高度な知識・ 技術と高度看護実践について教授する。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 16 開講科目講義内容 領 域 開講科目名 科 目 責任 者 精神看護学講義Ⅰ 永井優子 概 要 精 神 保 健 医 療 福 祉 の 歴 史 と 政 策 動 向 と 高 度 看 護 実 践 の 役割 と 活 動について検討する。 精神看護学 心 理 社 会 的 発 達 理 論 、 精 神 力 動 理 論 、 対 人 関 係 論 、 ス トレ ス 理 精神看護学講義Ⅱ 永井優子 論 、 家 族 理 論 、 リ カ バ リ ー 論 な ど に つ い て 精 神 保 健 医 療福 祉 領 域 に お け る エ ビ デ ン ス に 基 づ い て 教 授 し 、 高 度 看 護 実 践の 課 題 を検討する。 精 神 疾 患 お よ び 障 害 の 診 断 基 準 と 臨 床 検 査 、 向 精 神 薬 の薬 理 作 用 と 処 方 の 原 則 、 薬 効 の 評 価 な ど を 主 と す る 精 神 科 身 体療 法 に 精神看護学講義Ⅲ 永井優子 ついて教授し、精神科外来における診療に陪席することにより 、 見 立 て と 治 療 に 関 す る 臨 床 判 断 を 試 み 、 担 当 医 と と も に検 討 す る。最後に、精神科診断と治療に関する高度看護実践について 、 検討する。 がん看護学 が ん 看 護 領 域 に お け る 実 践 ・ 研 究 ・ 教 育 の 発 展 を 概 観 し、 が ん がん看護学講義Ⅱ 本田芳香 患 者 と そ の 家 族 を 理 解 す る た め の 基 盤 と な る 概 念 枠 組 み及 び 諸 理 論 を 理 解 す る 。 ま た が ん 患 者 と そ の 家 族 を 理 解 す る ため の 基 盤となる看護モデルを探求する。 管理学 老年看護 老 年 看 護 の 概 念 及 び 老 年 の 特 徴 と 健 康 上 の 課 題 、 並 び に老 年 期 老 年 看護管理学講義Ⅰ 宮林幸 江 の 発 達 課 題 に つ い て 教 授 す る と 共 に 、 老 年 看 護 管 理 に 関わ る 家 族や政策について学ぶ。 文 献 検 討 、 並 び に 、 近 年 の 地 域 看 護 活 動 の 現 状 と そ の 課題 の 検 討 に よ り 、 個 人 ・ 家 族 ・ 地 域 の 特 性 に 応 じ て 主 体 的 に 住民 が 健 地域看護管理学 地 域 看護管理学講義Ⅰ 春山早 苗 康 生 活 を 送 れ る よ う な 看 護 活 動 や 住 み や す い 生 活 環 境 づく り 、 継 続 看 護 や 在 宅 看 護 の あ り 方 、 保 健 、 医 療 、 福 祉 、 教 育、 産 業 に 関 わ る 職 種 や 機 関 と の 連 携 ・ 調 整 及 び 在 宅 ケ ア シ ス テム 、 地 域ケア体制づくりの理論と考え方を教授する。 文 献 抄 読 に よ り 、 へ き 地 に 住 む 人 々 の ヘ ル ス ニ ー ズ を 明確 に す る た め の 地 域 診 断 の 視 点 、 並 び に 、 へ き 地 看 護 活 動 に 関わ る 概 地 域 看護管理学講義Ⅱ 春山早 苗 念 と 看 護 活 動 の 展 開 方 法 に 関 す る 理 論 を 教 授 す る 。 さ らに 、 へ き 地 に お け る 地 域 看 護 管 理 体 制 の 現 状 と そ の 課 題 か ら 、へ き 地 における地域看護管理体制のあり方を検討する。 開発学 看護技術 17 看 護 技 術 の 安 全 性 と 有 効 性 の 検 証 を 目 的 と し た 研 究 論 文を 主 と 看 護 技術開発学講義Ⅰ Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 村上礼 子 し て 取 り 上 げ 、 看 護 技 術 開 発 研 究 の 現 状 、 変 遷 お よ び 今後 の 課 題について教授する。 開講科目一覧 博士後期課程 平成28年度 科目等履 修 生( 博士後 期 課程)開講 科目について 1)科目等履修生開講科目一覧 開講科目名 平成28年度 開講予定 広域実践看護学特論Ⅰ (ヘルスケアシステム研究法) 前期 土曜日 2・3時限 単位数 必修 選択 2単位 (15回) 科目責任者 春山早苗 2)科目等履修生開講科目の概要および講義の内容 授業科目 単位数 必修/ 選択 概 要 専門科目 看護ケアやヘルスケアを効率・効果的に提供するた 広域実践看護学特論Ⅰ (ヘルスケアシステム研究法 ) 2 必修 めのヘルスケアシステムおよび看護提供システムの 構築・マネジメント、施策・政策化に関する看護実 践の開発に関する研究方法を探究する。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 18 学修と学生生活のサポート 実務経験のある看護職が学びやすい制度、経済的支援を充実させています。 学業に専念で き る 格 安 な 授 業 料 博士前期課程、博士後期課程ともに、入学金、授業料とも国公立大学大学院とほぼ同額で、私学としては格安になっています。このほ かに日本看護学校協議会共済会の総合補償制度「WILL」の年間掛け金4,500円が必要です。 入学金 282,000円 授業料(年額) 585,800円 働きながら学ぶために 社会人が勤務を離れて大学院で学ぶ可能性を開くために、大学院設置基準第14条特例および長期履修制度があります。 在学のまま学ぶことを希望する人は、本看護学研究科博士課程に出願するときに、所属施設長による入学試験の受験許 可書および履修許可書を提出する必要があります。学修する際には、直属の上司や同僚等の協力が不可欠となるため、 受験にあたっては事前に十分に調整することが重要です。 大学院設置基準 第 1 4 条 〈 教 育 方 法 の 特 例 〉 本看護学研究科の人材育成の目標から、看護職として活躍している社会人を受け入れ、教育方法の特例(大学院設置基 準第14条)を適用しています。授業時間を夜間等にするほか、へき地等の遠隔地からの通学を可能とするために、授業 時間を週末、または夏季・冬季に集中限定して開講することがあります。 長期履修制度 社会人が審査のうえで、標準の修業年限に要する授業料総額で、標準の修業年限に1年を加えた修業年限で、入学時か ら計画的に履修することを許可する制度です。在職のほか、育児や介護等の理由でも利用できます。平成28年度は、前 期課程17人中8人が、後期課程は8人中7人が利用しています。 学修途中で標準修業年限に短縮することはできますが、許可された履修年限を延長することはできません。その後は通 常の授業料となります。 利用を希望する場合、入学試験に出願する際に行う教員との事前面接でご相談ください。入学時からの計画的な履修を 前提としていますので、定められた期間内に申請しなければ適用されません。 長期履修の 修 業 年 限 と 年 間 授 業 料 課程 制度適用 後 の 修 了 年 限 制度適用後の年間授業料 博士前期課程 3年間 年間授業料×2年間÷3年間 博士後期課程 4年間 年間授業料×3年間÷4年間 教育訓 練 給 付 制 度 (博士前期課程のみ) この制度は、労働者の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度のひとつです。本看護学研究 科博士前期課程は、 「厚生労働大臣指定教育訓練講座」に指定されています。給付には条件がありますので詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。 ※「一般教育訓練給付制度」で検索してください。 19 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 奨学金等 本看護学研究科では、日本学生支援機構奨学金、または同機構の奨学生に採用されなかった場合に、本学独自の奨学金を利 用することができ、教育研究経験をすることで手当が支給される制度もあります。 日本学生支援機構奨学金 人物・学業ともに優秀かつ健康で、経済的理由によって修学が著しく困難な者には、日本学生支援機構から奨学金(表1参照)が貸与 されます。募集は毎年春で、在学採用のみです。採用時から最短の修業年限の終期までが貸与されます。希望によっては採用年度の4 月にさかのぼって借りることができ、貸与期間中に必要に応じて貸与月額を変更することもできます。 貸与終了から6か月後に、定められた期間内に金融機関の口座振替によって割賦(月賦、または月賦と半年賦の併用のいずれかを選択) で返還しなければなりません。 [表1]平成28年度入学者の貸与月額 区分 博士前期課 程 博士後期課程 第一種奨学金(無利息) 50,000円または88,000円 80,000円または122,000円 第二種奨学金(利息付※) 50,000円・80,000円・100,000円・130,000円・150,000円のいずれか ※年利3%を上限とする利息付(在学中は無利息) 自治医科大学大学院博士前期課程奨学資金・博士後期課程奨学資金 学業、人物ともに優秀かつ健康で、経済的な理由で修学に支障を来すと認められ、日本学生支援機構奨学生に応募して採用されなかっ た者に対し、最短修業年限の終期までの期間、奨学金(表2参照)を無利子で貸与しています。修了した日の翌月から定められた期間 で返還(毎年12月の年賦均等償還)しなければなりません。 [表2]平成28年度入学者の貸与月額・貸与期間・返還期間 区分 博士前期課 程 博士後期課程 貸与月額 50,000円または88,000円 80,000円または122,000円 貸与期間 24月以内 36月以内 返還期間 6年以内 9年以内 ティーチングアシスタント(TA)・リサーチアシスタント(RA) 優秀な大学院生には、教育指導や研究の補助業務をトレーニングの機会として提供するとともに、手当を支給して処遇の改善の一助と しています。 TAは、看護学部や博士前期課程の授業担当教員の指示に従って、教育補助業務を行うことです。平成28年度は4名が利用します。RAは、 看護学部の研究プロジェクト等に参画して、そのプロジェクト責任者の指示に従って研究補助業務を行うことで、研究遂行能力を育成 し、本学の学術研究の活性化を果たすものです。 福利厚生 遠隔地からの通学等を支える福利厚生施設もあり、働きながら学修する環境もととのっています。 住宅の貸与 ( 単 身 者 ) 臨 時 宿 泊 室 (女性のみ) 遠方からの通学が難しい場合、教職員住宅( 1LDK)に月額 授業等のために遠隔地から通学するために宿泊が必要な場合、 11,000円(駐車場別途)で入居することができます。入居希 空室があれば自治医科大学附属病院看護師女子宿舎に、1泊約 望者が多い場合は、優先順位を勘案したうえで、抽選となります。 1,000円(リネン含)で臨時宿泊をすることができます。 なお本学周辺の同等のアパートの家賃は月額6万円程度です。 駐車場 通学等に必要な場合、構内の指定された駐車場を月額1,000円 で利用できます。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 20 学修生活の実際 ▶標準年限で専門看護師を目指す 1.複雑化する妊娠・出産の現場に水準の高い看護ケアを 私は助産師・看護師として、 主に周産期の臨床で11年勤務しました。最近では、出 産年齢の高齢化に伴う合併症を持つ妊産婦さんの増加、 少子化・核家族化による産後 の母親の孤立や支援不足を背景とした精神的不安、 母親の精神的不安定さから繋がる 児童虐待など、複雑な問題を抱える妊産婦さんに関わる機会が多くなりました。しかし、 自分では解決の方法が分からず、看護が至らないもどかしさがありました。そんな時、 「複 雑で解決困難な看護問題を持つ対象に水準の高い看護ケアを提供すること」 が目的の ひとつとなっている専門看護師の存在を知り、 高度実践看護師教育課程で学びたいと 思うようになりました。中でも本学を選んだ理由は、 地域医療に貢献できる人材を育成 することを目的としているためでした。周産期分野でも、 地域レベルで妊娠・出産を支 えていこうという動きになっています。そのため、 周産期における地域医療について自 分なりの考えを持ちたいと思ったからです。 2.退職して手にした、 学ぶための環境と進路の選択肢 休職という選択肢もあったのですが、 学習に集中したい気持ちや卒業後の進路の選 択肢を広げるために、 退職をして修学することにしました。 経済面は寮に入って出費を抑えたり、 奨学金の申請をして調整しました。また、ティ ーチングアシスタントとして学部生への教育に関わらせてもらいました。自身の学びにも なりましたし、 手当てが支給されるので経済的にも助かりました。 受験の準備は、 英語の勉強が学生時代以来だったので不安がありました。自分が興 味を持てる周産期分野の短い英論文を読み込んで、まずは英語の長文に慣れるように しました。 入学後も英語の教科書を使う授業や英論文を読む機会があるため、 勉強し 鈴木仁子さん 博士前期課程2年次 実践看護学分野 母性看護学領域 ていたことが役立ちました。 進学が決まってから入学前までは、 指導教授が一緒に論文の抄読をして下さり、 論 文の読み方の指導を受けたり、 興味があるテーマについての知識を少しずつ深め、 準 備しました。 3.様々な領域の学生が集まる研究室で視野を広げる 1年次前学期は、 共通科目の授業が中心にあります。スケジュー ●1年次(平成27年度前期)のある週のスケジュール ルは選択する科目によって異なりますが、 専門看護師を目指すため 区分 必修が多くほとんどの科目を選択しました。授業は与えられた課題に 1時限 対して学生が自分で調べてプレゼンテーションをする形式が多く、 空 2時限 き時間には授業に向けての事前準備をしました 3時限 研究室は、 一人ひとりにデスクとパソコンが割り当てられており、 24時間使用可能で、集中して学習に取り組むことができます。現在、 4時限 私が入っている研究室は、 様々な領域を合わせて6人の修士課程の 5時限 学生がいます。同じ母性看護学領域の先輩にはアドバイスを頂いたり、 月 火 水 病態生理学特論 (共通) 看護実践研究論 コンサルテーション論 (共通) (共通) 臨床薬理学特論 (共通) 木 金 講義・演習 (専門) 研究指導 土 日 看護管理・政策論 (共通) 地域医療論 (共通) また他の領域の方とは違った視点での意見交換ができたりと、とて も刺激を受けています。 4.自分の考えをまとめ、 伝える力を身に付ける授業内容 患者さんにとってどのようなケアが適切なのかを考え、 周囲のスタッフに伝え、チームで実践していく時にエビデンスに基づいて考える力、自分の考えを論理 的にまとめる力、 伝える力が重要になります。大学院では、 講義や討論、プレゼンテーションなどを通して、その力を深めていくことができます。また、 幅広い 知識を身に付けることや多様な価値観を知ることで、 考える力を深めることができます。私はこれまで、 周産期の対象者との関わりがほとんどだったのですが、 周産期だけでなく、 出生から老年期まで各ライフステージに寄り添い生涯を通して女性を支えることの大切さを学びました。妊産婦さんに関わる時でも、 今だけ でなく将来を見据えてどうすれば良いか、という視点で考えるようになりました。 まだまだの部分が多いですが、 実践でより良い看護が提供できるように、 授業での学びを土台に自ら学習を深めていかなければいけないと思っています。 5.学習を通して、自分の成長を自覚 大学院では、 学びへの意欲と、 主体的に取り組む姿勢が大切だと感じています。私自身、 入学前は大学院での勉強についていけるかとても不安でしたが、 指導教員や先輩、 同期の仲間に支えられて、 大変ながらも楽しく頑張ることができています。また、この1年の学習を通して、自分なりの成長を自覚することが でき、 有意義だったと実感しています。一緒に学ぶ仲間が増えると嬉しいです。 21 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 ▶長期履修制度を利用して働きながら学ぶ 1.多様になる看取り看護に対応するために 看護師資格取得後、 数年間は大学病院等に勤務したものの、 地域医療に従事するよ うになり20余年が経過しています。現在福島県いわき市の、 急性期や慢性期はもちろ んのこと、 在宅看取りまで積極的に行っているクリニックに勤務しています。東日本大 震災時、 海沿いのクリニックは津波により全壊しました。仮設のクリニックで患者さんと 支えあいながら仕事をした日々は何事にも代えがたい貴重な経験となりました。それ以来、 より地域のために貢献できることはないだろうかと考えるようになりました。 団塊の世代が後期高齢者へと差しかかる2025年を目前にし、 多死社会を迎えるにあ たり、 看取りの形も多様になりつつあります。地域のケアニーズに応じた他職種連携、 協働のシステムを学び実践につなげていけたらとの思いより、進学を決意いたしました。 2.在職のまま修学するために 勤務先のクリニックにおいては師長としての役割とともに、 他機関への患者紹介、 受 け入れ時の情報交換、 調整、 準備などの役目も担っており、 退職は考えられませんで した。 大学院には、 社会人が在職のまま大学院で学ぶという可能性を開くために、 大学院 設置基準第14条特例というものがあります。本学でもこの特例を適用し、 授業時間を 夕方以降の時間に設けていたり、講義を週末も開設しています。長期履修制度を利用し、 標準より1年長い修業年限で計画的に履修すれば在職のまま学ぶことも可能ではないか と思い、 職場に相談しました。幸い、 院長が自治医大で学び地域医療の実践を行って いる先生でしたので、 思いを伝えると応援してくださいました。私は現在福島県在住で すが、 集中講義を受講したり、 週末の講義を選択することなどで、 遠隔地からの通学 上野千鶴子さん 博士前期課程2年次 地域看護管理学分野 老年看護管理学領域 が可能となっています。 講義が続き、 勤務を抜けざるを得ない時が多くなるとスタッフの方たちに申し訳ない 気持ちになりますが、 午後休診時に講義を選択したり日中勤務できなくても夜間診療ま でには戻るなど、 出来る範囲で調整するようにしています。 応援してくれているスタッ フのためにも、 大学院での学びを職場へもフィードバックできればと思っています。 3.視野が広がり実践を見直せる授業 授業の形態は受け身のものではなく、 事前学習が必要なのはもち ●1年次(平成27年度前期)のある週のスケジュール ろん、学生自らが資料を作り、プレゼンテーションの準備をするなど、 区分 在職のまま学ぶ私には想像以上にハードでした。 慣れない作業に、 1時限 多くの時間を要しました。でも、他領域で学ぶ仲間たちと協力し合っ たり、 意見交換しながらの学びは大変刺激になりました。 新たな知 見を得ることが多く、これまでの実践を改めて見直すことが出来ました。 月 火 2時限 フィジカル アセスメント持論 (共通) 3時限 看護実践研究論 (共通) 4時限 5時限 水 木 金 土 日 特別研究に向けた 看護管理・政策論 個別指導 (共通) 地域医療論 (共通) 4.経験を振り返り、 学びを深め、 実践に活かす 大学院進学者の内訳を見ると大学病院や総合病院で活躍されて来た方がほとんどで、地域での実践経験ばかりであった自分ではと、ためらわれるものがありました。 しかし、だからこそ経験を振り返り学びを深め、 実践に活かしていけるのではと考えました。様々な分野で経験を積んできた学生たちとの討論ではこれまでの視 野や価値観が広がるのを感じました。 自分の意見を伝えることを苦手としていましたが、適切に誰もが理解しやすいように言語化する重要性を痛感し、日々取り組んでいます。地域医療論等において、 現在の地域における問題点を探り、その解決のためにはどうすべきかプレゼンテーションや討論できたことは、今後の自己の在り方を考えさせられるほどの経験でした。 地域の医療を必要とする人々のみならず、 医療職にも自己の学びを発信していけるべく今後の学びを深めていきたいと思います。 5.多くの人に支えられた、かけがえのない時間 大学院では、自ら学ぶべきことが多く、また研究の壁にぶつかって自信を無くすこともあります。しかし一方で、 高い志を持ち集っている仲間や、 指導してく ださる先生方、 担当教授の温かい支えがあります。今私は、 大学院でなければ経験することの出来なかったかけがえのない時間を過ごしています。成長した自 分を見つけられる機会となるかもしれません。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 22 学修生活の実際 飯島 早絵さん(自治医科大学とちぎ子ども医療センター勤務) 博士前期課程1年次 実践看護学分野 小児看護学領域 (平成26・27年度 科目等履修生) 1.看護師としての自身を振り返った時に 看護師として小児看護に関わって8年目。たくさんの子どもやその家族と関わる中で、自分自身が行った看護が本当に最善だったのか、もっと違う関わり方が あったのではないかと振り返ることがあります。科目等履修生として大学院に進学したのは、 改めて学ぶことで理論的基盤など、 根拠をもって看護を実践してい けるのではないかと考えたからです。小児看護に対する考え方や、日頃何気なく行っている看護を見直す機会にもなると思いました。また、 立場上後輩に指導 を行う機会も多く、 実践している看護をきちんと伝えていきたいと思っていました。 2.授業前の準備と、 授業後の補足で学びを深める 職場では、 週1回の授業に合わせて勤務を調整していただきました。授業は、自分自身が調べてきたことを発表し、ディスカッションする形式。事前の準備が 必要であったため、仕事が休みの時に本を読み、資料にまとめ授業に備えました。また、授業後に自身が学んだことで不足していた部分の資料を読み返すことで、 内容をより深く理解し、 学びにつなげていくことができたと思います。 3.学んだことを、 そのまま職場で実践 学んだことをそのまま職場で実践に活かすことができるとともに、 普段行っていることと理論を結びつけながら考えることができ、 仕事を続けながら学ぶことの 良さを改めて実感しました。また、学ぶという経験を通して、改めて知識を深めることの楽しさを感じることもできました。継続して学ぶことの大切さもわかりました。 4.興味から拓ける、 幅広い学び 興味のある科目を学び看護について考えることで、日頃の実践において幅広い考え方を持つことにつながると思います。また、1科目から履修できるので、無理・ 無駄なく学び続けることもできます。興味のある科目・分野があれば、 科目等履修をおすすめします。 岩永 麻衣子さん 博士前期課程2年次 実践看護学分野 がん看護学領域 1.プレゼンテーションで身に付いた論理的思考と焦点化 1年次の11月に行われる研究構想発表会に向けて、入学した4月から自己の研究課題の絞り込みを行うため文献検討をしてきました。自己の疑問は何であるか、 その疑問は看護の発展に寄与できる意義として成り立つことであるか、 文献検討を何度も繰り返しました。自己の疑問を焦点化する作業は、 多大な時間と労力 を要しますが、プレゼンテーションをするなかで自己の思考プロセスを言語化し伝えていくという作業を通して、自分では見えていない視点からの考察や、 論理 的思考、 疑問点を焦点化する力を引き出す御指導をいただきました。また、 授業以外でも他の領域の同級生とディスカッションを行い率直な意見を交わせたこと が、 研究を進めていく上で大きな意味をなしたと考えています。 2.自ら運営する研究構想発表会 研究構想発表会は、 学生自らプログラムを作り、 会場の設営や進行などを先輩方のお力を借りて行いました。また、 様々な領域の先生方から質問や御助言を いただけることで、 新たな視点で研究を捉えることのできる場となりました。 3.大変なことも貴重な時間に 入学当初から研究構想発表会がひとつの大きな目標であるため、 半年近くの時間を費やし、身体的・精神的に負担を感じることもありました。しかし、 発表会 に向けての研究プロセスを歩む経験や、 発表会の場で先生方から御指導をいただけることは、とても貴重な時間であったと思います。 4.研究構想発表会は伝える力を高める場 研究プロセスを経験でき、 発表に向けた準備のなかで、 論理的に相手に伝えることの難しさと重要性を感じました。教員や学生とプレゼンテーションやディス カッションを繰り返すなかで、 伝える能力が高められたと思います。また、 研究構想発表会で発表を行うことで今後の自己の課題が明らかになり、 更に研究を発 展させる機会となると思います。 5.たくさんの大きな壁を乗り越えて看護師として成長 大学院での勉強は、これまでの臨床での経験が役に立たないことや、自己の弱さと向き合わなくてはならないことなど、 数多くの大きな壁があります。同級生 や先輩方、 教員のサポートをいただくなかで自分の壁を乗り越える体験は、 一人の人間として看護師として大きな成長の機会となり、 医療をとりまく全ての方々 に還元することにつながると思います。 23 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 国 際交流 国際交流を推進し 、 国 際 的 視 野 を 広 げ る 〜 国 際 学 会 や 国 際 セ ミ ナ ーへの参加を促進するための支援を強化〜 自治医科大学は、今まで培った地域医療の実績を礎として、アジア地域を中心とする国外での地域医療の推進にも貢献することを目指 しています。 これを踏まえ、本看護学研究科では、健康問題や看護問題を国際的な視野からとらえて解決することができる人材を育成することを目 的に、学生の国際交流活動を支援しています。具体的には学生が国際学会に参加し、研究を発表するために旅費や参加費の一部を助成 しています。 平成24年度からは本看護学研究科の学生のうち年間3名程度について、審査のうえでアジア地域の若手研究者が集う「 East Asia Forum of Nursing Scholars(EAFONS:東アジア看護研究者フォーラム)」の参加に対する助成をしています。平成27年度3月には 千葉県で開催され、博士前期課程2年生1名、1年生2名が参加し、研究発表と海外研究者との交流を行い、終了後には学内での報告会 も実施しました。 その他、広く看護学全般に関する学術情報やスカラシップなど、国際交流の機会や支援に関する情報提供も積極的に行っています。 国際学会に 参 加 し て の 学 び 佐藤 博昭 さん 博士前期課程2年次 実践看護学分野 クリティカルケア看護学領域 私はこの度、本学看護学研究科の国際学会参加に伴う補助金交付の支援を頂き、平成28 年3月に千葉県で開催された“ 19th East Asian Forum of Nursing Scholars”に参加 いたしました。 学会参加の目的は、東アジアの救急看護に関する情報を得ることにより、国際的な視野で看護の現状を理解するこ と、参加者と意見交換を行うことにより知見を深め、修士論文に取り組む一助とすることでした。学会では、修士論文 に関する文献検討の一部をまとめ、ポスター発表を行いました。発表を通して、多国の参加者とディスカッションをす ることができ、自身の専門分野であるクリティカルケア看護領域において、東アジアでの看護の共通性と相違性を理解し、 国際的な視野を大いに拡げることができました。 また、様々な講演を聴講することにより、東アジア諸国で取り組まれている研究の動向や看護の視点、価値観を理 解することができ、研究活動を行う上でとても良い刺激となりました。学会参加により得た学びを通して、自身の研究 を深めていき、より良い看護実践を考察していきたいと考えております。加えて、語学力向上の必要性を実感した学会 でもありましたので、今後も語学力の向上を図るための自己研鑽を行っていきたいと考えております。 自治医科大学大学院看護学研究科の在籍学生の状況(平成28年4月1日現在) Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 24 修了後の進路とサポート 修 了 後の進路 平成27年度までの修了生は博士前期課程71名で、博士後期課程2名です。博士前期課程の修了生の約6割は、休職を含めて働きなが ら学修していました。在職のまま修了後に現職に復帰した者は20名、休職後に元の職場に復帰した者17名でした。博士後期課程の修 了生の2名は教員で働きながら学修し、修了後も現職に復帰しています。 本看護学研究科博士前期課程修了後の進路 専門看護師・認定看護管理者の有資格者の概要 実践経験等の受審条件を満たしている修了生は、修了翌年度以降に実施される専門看護師および認定看護管理者の認定審査を受けるこ とができます。平成27年度までに高度実践看護師として認定された修了生は26名です。 修了 生 のサポート 本看護学研究科の修了生の多くは、修了した後も教員と交流を続けています。特に研究指導教員は、看護実践および研究活動に関する スーパーバイズ、専門看護師や認定看護管理者の認定審査の準備に関するアドバイス、修士論文の学術雑誌等への投稿の支援など、修 了生の希望に応じて支援しています。また、修了生には非常勤講師や共同研究への関与を依頼して教育研究上の協力を得ています。 さらに平成24年度からは本看護学研究科の組織的支援として、修了生と在校生との交流を図り、相互に学び合い支援しあうネットワ ークを構築できるように、修了生のフォローアップをしてきました。修了生と協力して年3回の研修会を開催するなかで、平成25年 度には、継続的に看護実践の変革につながる情報の共有と技能を高めるための知識の向上を図るため、 「修了生の会」が結成されまし た。この「修了生の会」は、地域医療の現状、特に看護実践の改善に貢献するために、平成26年度から「自治医科大学看護学部同窓会」 と合併しました。これからは、卒業生、博士前期課程および博士後期課程の修了生が一体となって相互の親睦と連携を図り、「看護フ ォーラム」等の同窓会事業を展開することになります。本看護学研究科は、今後も修了生の活動を継続的に支援します。 25 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 活躍する修了生からのメッセージ 市 川 定 子 さん 茨城県保健福祉部厚生総務課 国 民 健 康 保 険 室 係 長 (博士前期課程 地域看護管 理 学 分 野 地 域 看 護 管 理 学 領 域 第 8期 修 了 生 ) 私は、茨城県の保健所に勤務しながら長期履修制度を利用し博士前期を履修しました。3年間の在学中には、 勤務先の異動、家族の入院や子どもの受験等があり、公私共に厳しい状況でした。しかし、長期履修を利用し多 くの方の理解や協力を頂きながら、修了することができました。 現在、私は茨城県保健福祉部厚生総務課国民健康保険室に勤務しております。業務の内容は、県内の市町村国 保が実施する特定健康診査等の国保保健事業の推進が担当です。担当者向けの研修会や会議の開催、国保保健事業補助金関係を担当しな がら市町村の相談役となり実施の支援を行なっています。また、特定健康診査等の受診率向上などを目的とした「社会全体のしくみづくり」も 試みています。 私の職場は私以外はすべて事務職で、他県では私の位置に保健師を配置される例は珍しいことです。行政に働く看護職として「看護職が配 置される意義」を示さなければと思っており、大学院の学びで備わった力が業務に反映できていると自負しております。 今後も行政に働く看護職として、研究的な視点を活かしながら「看護の判断が入った効果・効率的な社会のしくみの構築及び改善」を意識し、 地域に貢献したいと思います。 小 幡 祐 司 さん 公立大学法人横浜市立大学附 属 市 民 総 合 医 療 セ ン タ ー 急 性 ・ 重 症 患 者 看 護 専 門 看 護 師 (博士前期課程 実践看護学 分 野 ク リ テ ィ カ ル ケ ア 看 護 学 領 域 第 6期 修 了 生 ) 私は、2013年に本学を修了し、休職していた現職の高度救命救急センターに復職し、同年に急性・重症患者 看護専門看護師の資格認定を受けました。高度救命救急センターでは、突然の発症により生命の危機状態に陥っ た患者さんと家族に寄り添い、多職種との連携を図り、最善のケアを提供することを目指し活動してまいりました。 緊急度や重症度の高い患者・家族は身体的な問題だけではなく、心理的・社会的な問題を抱えています。そのよう な複雑な問題に向き合い、常に命の尊さを感じながら、患者さんや家族が持っている力を引き出し支えていくという信念を持ち、全人的ケア に取り組んでまいりました。 現在は、看護師長として急性・重症患者看護専門看護師の役割を兼務しています。クリティカルケア看護は、集中治療室などの療養の場に 限らず必要とされています。社会の動向を見据え、組織全体を俯瞰しながら、継続的な急性期看護を提供していくためのシステムづくりが求 められています。現在は、地域との連携強化に取り組み、急性期看護の課題分析に着手し始めました。 これらの活動の基盤は、急性・重症患者看護専門看護師として学ぶべき要素が巧みに組み込まれた本学のカリキュラムと、学びの意味づ けを深化させてくれた先生方や仲間の存在によって培われたものと感じています。専門看護師は誰かに成長させてもらうものではありません。 自らの実践を振り返り、その実践に意味づけをしていくことの繰り返しが、急性・重症患者看護専門看護師としての成長につながると信じ、こ れからも努力していきたいと思います。 町 田 真 弓 さん 前橋赤十字病院 急性・重症 患 者 看 護 専 門 看 護 師 (博士前期課程 実践看護学 分 野 ク リ テ ィ カ ル ケ ア 看 護 学 領 域 第 8期 修 了 生 ) 私は救命救急や集中治療部門での自己の看護実践を振り返り、今後看護師としてどのように向き合っていくか考 え、専門看護師を目指して大学院へ進学しました。大学院ではこれまで経験値でやり過ごしてきた看護実践を高 度看護実践として明文化し、他者へ伝えるために必要な知識と思考プロセスを実践する重要性を実感する日々でした。 2年間の休職での勉強は長いのではと感じていましたが、研究や専門看護実習が始まると時間が早く経過しました。 また、同期の学生とのディスカッションでは、様々な視点からの意見や思考から多くの刺激を得ることができました。また研究では、テーマ の絞り込みからじっくりとご指導いただきながら論文として形にできたことは、ひとつの自信につながったと考えます。 大学院修了後はポストクリティカル病棟に復職しています。救急外来をはじめ救急病棟やICUから患者さんを受け入れている病棟のため、 どのような形でケアを継続することが患者さんの回復のためにより良いのかなど様々な課題が見出されています。進学前では気が付かなかっ た場面や状況も、2年間の学びにより気づき、実践につなげることができたのではないかと考えます。昨年専門看護師の資格を取得しましたが、 今後も継続して学ぶ姿勢を忘れず、業務に活かしていきたいと思います。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 26 よくある質問F A Q Q1 看護系大学を卒業していません。 出願資格認定試験では、 どのような学力が必要となりますか。 Q3 働きながら高度実践看護師教育課程 で学ぶことができますか。 博士前期課程では、看護系以外の大学(通信制を含む)の 本看護学研究科における高度実践看護師教育課程は、平 卒業生、または日本学位授与機構等により学士の認定を受 成26年度から従来の26単位から38単位に変更されました。 けている場合は、出願資格認定試験を受ける必要はありま うち、10単位は専門看護実習で、修了するためには、さら せん。出願資格認定試験では、本看護学研究科の学修に に課題研究を選択して42単位以上を取得しなければなりま 必要な「学士力」があることを提出された書類によって審査 せん。学業に専念しても2年間で修了することはやさしいこ します。 とではありません。職場等と十分に調整し、学業に専念す ①知識・理解(文化、社会、自然等) ることをお勧めします。 ②汎用的技能(コミュニケーションスキル、数量的スキル、 問題解決能力等) ③態 度・志向性(自己管理力、チームワーク、倫理観、 社会的責任等) ④総合的な学習経験と創造的思考力 出願資格認定試験では、看護学に関するこれらの内容につ いて、資格取得後の看護実践活動および社会的活動とこれ までの実績について記載された書類から審査します。各自 の看護実践経験を「書いて伝える力」「まとめる力」「社会 的倫理性・責任感」を中心に、学術団体における研究発表 や活動、職務上の業績で表現することが必要です。 なお、出願資格認定試験の有効期間は、合格後2年間です。 Q4 看護学研究科博士課程の 前期と後期の5年間を通して 学修することはできますか。 自治医科大学大学院看護学研究科博士課程では前期課程 と後期課程を連続して5年間で学修することはできますが、 入学試験は別に行っています。すなわち、まず博士前期課 程の入学試験に合格して博士前期課程で学び、修了予定年 度の最終試験後に実施される博士後期課程の入学試験に合 格することが必要です。 Q2 看護職の勤務期間が通算5年未満です。 専門看護師や認定看護管理者を目指 して学ぶことはできますか。 本看護学研究科で学ぶためには一人前の看護職としての実 践能力は必要ですが、入学試験の「看護学」科目で看護実 践能力も含めて審査をしていますので、実務経験の制限は ありません。 ただし、専門看護師、認定看護管理者ともに、看護師の資 格取得後、看護の実務経験が通算5年以上あること等が認 定審査を受けるために必要とされています。認定審査の要 件を満たしていない場合は、修了後に必要な実践経験を積 む必要がありますので、修了の翌年度に受審することはで きません。 Q5 博士前期課程・博士後期課程 合同研究セミナーとはどのようなも のですか。 博士前期課程・後期課程合同研究セミナーは、年間4回開 催され、両課程の学生が一堂に会してそれぞれのテーマや 計画について検討します。博士前期課程では原則として1年 次の、11月に開催される本セミナーで研究課題の設定およ び研究方法等の構想を発表し、幅広い観点から検討します。 博士後期課程では、6月、9月、11月、1月に開催される本 セミナーで、広域看護学「特別研究」の一環として研究の 進捗状況について発表し、指導教員以外の看護職者や研 究者とディスカッションを通して研究を推進していく力を身 につけます。各年度当初に本セミナーの開催日程が発表さ れます。研究指導教員が必要と認めた場合は、学外の教育 研究者や看護職者も参加します。このセミナーを活用して 研究倫理審査や研究計画審査の準備を進めることができます。 27 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 Q6 日本型地域ケア実践開発研究事業の研修を受けることができますか。 本看護学研究科では、平成25年度から私立大学戦略的研究基盤形成事業として採択された「日本型地域ケ ア実践開発研究事業」を実施しています。詳細は、下のコラムと本事業のホームページをご参照ください。 この研究事業では、チーム医療の中で機能していくための特定行為に係るスキルおよび地域ケアスキルのトレ ーニングプログラムを実施します(平成27年10月から実施) 。希望者は、指導教員と相談のうえ、一部のプロ グラムを受講することができます。 Q7 特定行為に係る看護師の研修を受けることができますか。 自治医科大学では平成27年8月に看護師特定行為研修センターを立ち上げ、同年10月から指定研修機関として研修を開始してい ます。本看護学研究科博士前期課程の看護技術開発学領域では、特定行為を含む看護技術の開発・改善も学修テーマとしており、 同領域を専攻した場合、研修を受けることが可能です。また、それ以外の領域を専攻した場合でも、希望者は専攻領域の研究指 導教員と相談のうえ、受講することができます。ただし、研修生の募集期間に応募し選考される必要があり、大学院費用とは別 に研修費用がかかります。 日本型 地 域 ケ ア 実践開発研究事業について 本大学院看護学研究科では、文部科学省の私立大学戦略的研究基礎形成支援事業に採択され、 「日本型地域ケア実践開 発研究事業」 (平成25年度〜平成29年度)に取り組んでいます。わが国では、医師の負担増大と地域医療崩壊の危機が 問題となっており、チーム医療の推進と看護師の役割拡大への期待が高まっています。この研究事業では、以下の2つの 研究テーマに取り組むことにより、医師と看護師の協働のあり方など、日本における地域ケアの実践モデルを構築するこ とを目指します。 テーマ1 地域ケアスキル・トレーニングプログラムの開発研究 看護師が複雑・高度な臨床判断能力と侵襲性の高い医療技術を備え、キュアとケアを統合できる卓越した地域ケアスキル を獲得し、チーム医療の中で機能していくためのトレーニングプログラムの内容及び教育方法を検討します。このことにより、 卓越した看護実践に基づいて地域ケアのリーダーとなり得る看護師を育成することを目指します。 テーマ2 地域ケア実践看護師の教育・支援システムの開発研究 看護師が地域ケアスキルを獲得するための教育体制と、地域ケアスキル獲得後のフォローアップシステムを構築するために 必要となる条件や関連因子を、地域特性かつ医療施設の機能別に明らかにし、地域ケア実践看護師の教育・支援システム 構築のための指針を検討します。このことにより、地域特性や保健医療福祉資源の相違があっても地域ケアスキルを獲得 した看護師が、当該地域又は医療施設に定着し、またケアの質が維持向上されることを目指します。 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 28 充実した教育研究環境 C amp u s m a p 自治医科大学看護学研究科は緑豊かで広大なキャ ンパスにあり、附属病院と直結している図書館と同 じ建物内に教室と研究室が配置され、教育研究活 動に集中できます。また、広大なキャンパス内には 看護学部学生寮(女子) 看護師宿舎 Jプラザ(ショッピングセンター)、専門書店、郵便局、 医学部学生寮 銀行等の福利厚生施設があり、看護学部校舎の施 設も利用することができます。 体育館 看護学部 看護学部 男子学生寮 学友会館 医学部教育・ 研究棟 先端医療 技 術 開 発 センター 4 創立20周年記念棟 (メディカルシミュレーションセンター) 実 験 医 学 セ ン ター 3 とちぎ子ども医療センター 2 大学本館・附属病院 地域医療情報研修センター (2F・3F図書館) 4F 看護学研究科 研究室 J プラザ I 看 護 学研究科施設の紹介 教室 研究室 談話スペース 機器備品を整えた小教室3室、演習室1室があり、 机と書棚を完備している研究室が5室あり、コンビ 研究科フロア直結のエレベーター前のラウンジと小 授業で使用されていなければ自由に使えます。共用 ュータ一等の共用物品を院生で話し合って使用して 教室と演習室をつなぐ空間で、食事や休憩のほか、 の複写機等は、研究指導室に完備しています。 います。ほかに男女別更衣室も完備しています。 体験の共有をすることができます。 1 図書館 2 附属病院 3 とちぎ子ども医療センター 4 メディカルシミュレーションセンター 蔵 書24万冊と数多くの電子ジャーナ 病 床 数1,132床、 診 療 科46科で、 専 大学病院併設型の子ども医療センター 創立20周年記念棟6・7階に位置し、 ルの提供、保健医療関係の統計資料、 門看護師7人、認定看護師23人が活躍 として、高度で専門的な小児医療を提 実践的能力を高めるために、高度なシ 視 聴覚資料も充実し、大判印刷が 可 しています。充実した臨床教育の場で、 供しています。 能なメディアスタジオも併設しています。 演習と実習を展開します。 29 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 ミュレータを利用して医療技術の習得 や研修等のトレーニングを行います。 学生募集情報 受験資格等 原則として、博士前期課程は学士(取得見込を含む)、博士後期課程は修士(取得見込を含む)の学位が必要です。看護系の短期大学、専修学校、各種 学校等を卒業・修了した方は、本看護学研究科の出願資格認定試験に合格することにより、各課程の受験資格と同等以上の学力があることが認められ、 受験資格が得られます。科目等履修生も同様ですのでご留意ください。 なお、働きながら学ぶことを希望する場合、所属施設長による受験・履修の許可書が必要です。 受 験 前 の 事 前 面接 出願に当たっては、博士前期課程、博士後期課程ともに、希望する研究指導教員との事前面接を必ず受けなければなりません。看護学研究科博士 課程説明会開催後から出願期間の最終までに、余裕をもって看護学務課に連絡して日程を調整してください。また、面接時には事前面接票(ホーム ページからダウンロード)に必要事項を記入してお持ちください。 出 願 資 格 認 定 試験 博士前期課程、博士後期課程、科目等履修生ともに年1回書類審査により行いますので、来学する必要はありません。 出願資格認定試験 出 願 期 間 平 成 2 8 年 8 月 1 2 日 ( 金 ) ~ 8 月 1 9 日 ( 金 )( 必 着 ) 出願資格認定試験 平成28年8月31日(水) 認定試験結果通知 平成28年9月上旬に本人あて結果郵送 博 士 前 期 課 程 入学試験 看護学、外国語(英語)の学力試験と面接試験を行います。入学検定料は30,000円です。 出願期間 平 成 2 8 年 9 月 6 日 ( 火 ) ~ 9 月 1 3 日 ( 火 )( 必 着 ) 入学試験 平成28年9月24日(土) 合格発表 平成28年10月5日(水) 入学手続期間 平 成 2 8 年 1 0 月 6 日 ( 木 ) ~ 1 0 月 1 4 日 ( 金 )( 必 着 ) 博 士 後 期 課 程 入学試験 看護学、外国語(英語)の学力試験と面接試験を行います。入学検定料は30,000円です。 出願期間 平 成 2 9 年 1 月 2 7 日 ( 金 ) ~ 2 月 3 日 ( 金 )( 必 着 ) 入学試験 平成29年2月15日(水) 合格発表 平成29年2月22日(水) 入学手続期間 平 成 2 9 年 2 月 2 3 日 ( 木 ) ~ 3 月 3 日 ( 金 )( 必 着 ) 科 目 等 履 修 生 選抜試験 書類審査により行いますので、来学の必要はありません。入学検定料は9,800円です。 区 分 出願期間 結果通知(郵送) 入学手続期間 平成28年度追加募集 平成29年度募集 平成28年9月6日(火)~9月13日(火)≪必着≫ 博士前期課程:平成29年1月10日(火)~1月16日 (月) 博士後期課程:平成29年2月20日(月)~2月24日 (金) 平成28年9月下旬 博士前期課程:平成29年2月上旬 博士後期課程:平成29年3月上旬 平成28年9月26日(月)~9月30日(金)≪必着≫ 博士前期課程:平成29年2月10日(金)~2月17日 (金) 博士後期課程:平成29年3月6日(月)~3月10日 (金) ※詳細は募集要項でご確認ください 看護学研 究 科 博 士 課 程 説 明 会 日 程 平成28年7月9日(土) 13時30分~16時(受付は13時から) 場 所 自治医科大学看護学部校舎南棟2階 大教室Ⅱ 内 容 ◯ 本看護学研究科の概要 大学院で学ぶ意味、入学試験の概要、学修上の支援 申し込みは必要ありません。 受付票を本看護学研究科ホームページからダウン ロードしてご記入の上お持ちいただくと便利です。 ◯ 在学生・修了生の体験談 ◯ 個別相談 Jichi Medical University Graduate School of Nursing 2017 30
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