5 月 18 日付朝日新聞は「マンション管理 どう変わる/標準管理規約が改定、ポイント は?」の見出しで、3 月に大きく改定されたマンション標準管理規約のポイントについて解 説しています。 記事は、標準管理規約はあくまで参考という位置づけで、管理組合が規約を作る際に同 じにしなくても問題はないが、多くのマンションでひな形になっている、と前置きした上 で、‹「コミュニティ形成」条項削除/管理費使途に厳しい目/「催し×」誤解の懸念も›と‹ 外部の専門家も組合役員に/高齢化、なり手不足に対応›の2つ見出しで、それぞれの実態 を紹介しています。 前者では、今回の改定で注目されるのは「コミュニティ形成」条項が削除されたことだ として、これに反対した弁護士の‹「『コミュニティ活動が一切できなくなった』と管理組 合や住民が誤解しかねない」›とのコメントを紹介。また、標準管理規約と同時に改定され た「マンションの管理の適正化に関する指針」では、 「良好なコミュニティの形成に積極的 に取り組むことが望ましい」と明記されたことに触れ、‹「専門家らは「規約と矛盾してい る」と指摘している›と記しています。 記事は改定の背景に、理事会の飲食に管理費が使われるなど、その使い道にあることを 指摘しつつ国交省の“見解”を次のように紹介しています。‹同省もコミュニティ活動が一 切できないとはしておらず、 「親睦目的の飲み会や一部の人のサークル活動などに管理費を 出すのは適切でないが、居住環境の維持や向上に役立つ活動には支出可能。支出するかど うかは管理組合の合意形成による」としている› 後者では、これまで区分所有者に限っていた管理組合の役員に外部の専門家を活用する ことが選択肢のひとつとして盛り込まれた点を解説しています。 この特集には日本マンション学会の梶浦恒男会長のコメント「マンションのよさは住民 自ら考え、規約などを決めること。標準管理規約は参考であり、その通りにしなくてもよ く、住民が主体的に決めればよい。行政は、全国一律に規約や運営を指導するような施策 は避けるべきだ」(部分)も付けられています。 関住協でもこの問題を重視し、分かりやすい解説書の作成などの検討を始めています。
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