衆議院厚生労働委員会において、ALS 当事者が

衆 議 院 厚 生 労 働 委 員 会 において、 ALS 当 事 者 が
参 考 人 として出 席 できなかった件 に関 する声 明
私たちソーシャルワーカーは、本年5月10日の衆議院厚生労働委
員 会 に お い て ALS( 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 )当 事 者 が 参 考 人 と し て 出 席
できなかったことについて、以下の観点から抗議します。
今回の委員会においては、
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的
に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案」が審
議 さ れ て お り 、ALS 当 事 者 が 参 考 人 と し て 意 見 を 陳 述 す る こ と は 、そ
の生活の実態を把握することも含めて、審議に有意義であったと思わ
れます。当初予定されていた参考人が出席できなくなった経緯につい
ては、与野党の説明に食い違いがありますが、報道によりますと「コ
ミュニケーションに時間がかかること」が論点の一つに挙げられてい
たとのことです。このようなことが出席の可否の論点になること自体
が、本年4月から施行されている「障害を理由にした差別の解消の推
進 に 関 す る 法 律 」に 反 し て い る こ と は 明 ら か で あ り 、国 会 は ALS 当 事
者が参考人として十分に意見を陳述できるよう配慮すべきであったと
考えます。
また、一部報道によりますと、他の法案の審議を巡る与野党の対立
が 、ALS 当 事 者 が 参 考 人 と し て 出 席 で き な か っ た 原 因 と し て 挙 げ ら れ
ております。もしこれが事実であるならば、障害者の人権に係る案件
を政争の具としたことになり、これはとうてい許されることではあり
ません。
私 た ち は 、人 権 と 社 会 正 義 を 守 る ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー と し て 、今 後 、
国会を始めとする全ての政府機関が「障害を理由にした差別の解消の
推進に関する法律」の精神を遵守し、全ての障害者が基本的人権を享
有できるために必要な配慮を行うよう強く要望いたします。
2016 年 5 月 14 日
公益社団法人日本社会福祉士会
会長
鎌倉
克英