庁内メールシステムへの不正アクセスの発覚について

平成28年5月18日
記者発表資料
最高情報セキュリティ責任者
副市長 井上 茂利
庁内メールシステムへの不正アクセスの発覚について
マイナンバー制度の施行に伴い、庁内において公用パソコンの増
設・更新・セキュリティ対策を行っていたところ、庁内メールシス
テムにおいて不正に他の職員のメールシステムにアクセスしたと思
われるパソコンの操作記録があったことが判明しました。このため、
警察へ被害届を提出していたところ、昨日の5月17日に市役所等
において強制捜査が行われました。
1 経緯
(1)
不正アクセスの発覚
平成28年度からのマイナンバー制度の本格実施にあたり、
総務省からの平成27年12月25日付け通知を受け、市のセ
キュリティ対策を強化するため、平成28年1月下旬から2月
にかけて公用パソコンの使用の実態を調査しました。
その結果、平成27年6月から、特定の公用パソコンを用い
て、他の職員の庁内メールシステムへ不正アクセスが行われて
いる事実が発覚しました。
なお、住民基本台帳や税情報システムには不正アクセスはあ
りませんでした。
(2)
警察への被害届
他者のメールシステムへアクセスすることは、まさしく「不
正アクセス行為の禁止等に関する法律」に定める不正アクセス
行為であるため、平成28年2月下旬に三木警察署に被害届を
提出しました。
市役所内には市民の貴重な情報が集まっていることから、市
民の情報を守り抜くために警察に被害届を提出しました。
1
2 情報セキュリティ対策の強化
(1) 具体の情報セキュリティ対策
このたびの不正アクセスが発覚した後、本年2月から3月に
かけてシステムの専門家をアドバイザーとして招き「情報セキ
ュリティ会議」を開催し、より徹底した具体の情報セキュリテ
ィ対策を決定しました。
(具体的な強化策は別紙のとおり。
)
今後は、職員に対して市民の大事な個人情報を扱うことの重
要性を再度徹底するとともに、情報セキュリティ対策を具体的
かつ計画的に進めてまいります。
(2) マイナンバー制度の本格実施に向けた対策
上記の情報セキュリティ対策には、総務省からの通知に沿っ
たセキュリティ対策が含まれており、本年度からのマイナンバ
ー制度について万全の対策を講じていますが、今後さらに強化
してまいります。
3 職員の処分
不正アクセスは犯罪行為であり、不正アクセスをした者が特定さ
れた場合には、原則として地検、裁判所の判断を受け、職員賞罰審
査委員会に諮り厳正に処分してまいります。
「三木市職員の懲戒処分に関する指針」には、
「不正アクセス行為」
の処分として、停職、減給と規定しています。
なお、このたびの不正アクセスされた多数のメールのうち、部長
会懇親会の案内メール等が、特定の新聞記者や市議会議員の手元に
渡っていますが、不正アクセスした上に情報を漏えいさせた場合は、
免職、停職が基準となります。今後の警察の捜査を注視するととも
に、市としても事実確認を進めます。
2
4
その他(強制捜査開始に伴う職員倫理審査会議事録の非公開に
ついて)
三木市職員倫理審査会では、部長会懇親会の案内メール等につい
ても議論されたため、議事録を非公開としていました。これは、こ
のたびの不正アクセスに関する警察の捜査に影響を及ぼす恐れがあ
ると判断したためです。
また、議事録を非公開とした理由も明確にしなかったのは、非公
開理由の条文そのものを示すことにより、警察の捜査が入っている
ことが分かってしまうからでした。
あわせて、このたびの警察による強制捜査が行われたことを受け、
非公開として決定通知をした請求者の皆様には、本日付けで情報提
供いたしました。
なお、議事録についての公開・非公開の決定は、本来市長の権限
であるにもかかわらず、三木市職員倫理審査会委員長の名前で議事
録の非公開決定を通知してしまったことは誤った処置であり、この
ことについて深くお詫びいたします。
問合せ先
統括情報セキュリティ責任者
企画管理部長 赤松宏朗
内線 180
3
別紙
具体的な情報セキュリティ対策
(1) 国の補正(自治体情報セキュリティ強化対策事業)に伴う対策
対策内容
・基幹系パソコン(住基情報を取り扱う端末)の起動時に生体認証を導
入
・基幹系パソコンからの USB メモリへのデータ移行を制限
・マイナンバーによる情報連携に活用される LGWAN を活用する業務用シ
ステムと、インターネット閲覧などのシステムの通信経路を分割
(2) 市の独自対策
①ハード、システム系
対策内容
○サーバーの移設
市民課設置の「住基ネットサーバー」、「戸籍サーバー」を情報シス
テムマシン室に移設
情報システムマシン室への入室管理のため、扉に生体認証、防犯カメ
ラを設置
○パスワード管理
・ネットワークパスワード
基幹系端末はパスワードと生体認証システムの二要素認証を導入
・住基システム等パスワード
現行の年に1度のパスワード変更を厳格に運用 (前年度と同じパス
ワードは不可等)
○メールシステム
・個人パスワードの管理
初期パスワードからの変更と定期的な変更を義務付け
・外部(LGWAN 以外)へのメール送信
自動的に所属長が Bcc に設定されるシステムに変更し、添付ファイル
にはパスワードの設定を推奨
○情報系共用端末
情報系共用端末は可能な限り少数とし、共用端末に生体認証を導入す
ることで使用者を特定できるシステムを導入
4
②ソフト系
対策内容
○職員の意識改革
・マイナンバーの取扱い等に関する研修の実施
・情報セキュリティに関する研修の実施
・標的型メール訓練の抜き打ち実施
○セキュリティ監査
外部機関によるセキュリティ対策の運用に関する監査を実施
○USB メモリの管理
現行の台帳管理を徹底し、USB 貸出金庫の設置も検討
③その他
対策内容
○庁舎の防犯カメラの設置
庁舎建物内への不法侵入を防止すため、北玄関、南玄関、職員通用口
等に防犯カメラを設置
○重要書類の保管方法
マイナンバーを記載している書類など、重要書類については施錠でき
る保管庫での保管を徹底
○執務スペースへの部外者(業者等)の入室制限
業者等の部外者の執務スペースへの立入り制限
5