特定原産地証明における原産地規則について バンコック駐在員事務所 小沢 康正 サワディーカップ。今回は第 13 回目で『特定原産地証明における原産地規則』についてレポート致します。 原産地証明書とは、貨物の原産地・国籍を証明するための書類で、輸入国の法律・規則に基づく要請がある場 合や、契約や信用状で原産地証明取得の指定がある場合に取得します。また特定原産地証明とは、EPA・FTA 等各 協定に基づく関税率の減免を受けるための書類で、通常よりも低い関税率が適用になる場合に取得します。 今回は特定原産地証明における原産地規則についてまとめました。F/S への活用や今後の投資計画の一助とし ていただければ幸甚です。 特定原産地証明における原産地規則とは、協定・製品(HS コード)により原産地規則の内容が違うため、協定 ごとに確認が必要で、原産地規則に沿った書類・申請を進める必要があります。 記号 概要 WO WHOLLY OBTAINED:当該締結国で完全に得られ、または生産される産品(農水産物、鉱物等) PE PRODUCED ENTIRELY:当該締結国の原産材料のみから当該締結国で完全に生産される産品 PS PRODUCT SPECIFIC:加工の結果、産品に付加された価値を基準に原産品とする基準 また PS の基準は下記の 3 つです。 基準 関税分類変更基準 概要 輸入原料の HS コードと、完成品の HS コードが異なれば、完成品製造国の原産品とする 基準 加工工程基準 非原産品に特定の加工工程が施されたことをもって原産品とする基準 付加価値基準 非原産材料を使用して当該締結国内で完全に生産される産品 上記のように、原産地規則といっても様々な基準等があり、書類も多岐に渡ります。 例えばタイでは、二国間協定と、ASEAN の枠組みを利用した多国間協定が存在します。 ○二国間協定 日・タイ経済連携協定 (JTEPA) 特定原産地証明書:FORM-JTEPA タイーオーストラリア自由貿易協定(TAFTA) 原産地証明書:Form FTA タイーインド自由貿易協定(アーリーハーベストが実施中) ○多国間協定 ASEAN 自由貿易協定(AFTA) 原産地証明書様式:Form D、 ASEAN―中国自由貿易協定(ACFTA) 原産地証明書様式:Form E 次回は付加価値基準についてまとめてみたいと思います。手続きは複雑なこともありますので、是非専門家に ご相談して下さい。お問い合わせいただければ専門家をご紹介致します。 (2016 年 5 月)
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