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ゲートキーパーへの第一歩
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□ 相手の気持ちを尊重し、話せる環境をつくる
□ 真剣に聴いているという姿勢を相手に伝える
□ 相手の話を否定せず、しっかりと聴く
市では、今後ゲートキーパー養成講座の開催を予定しています。詳細は本紙などでお知らせします
ので、ぜひ参加してください。
近年、社会情勢や人間関係
などが原因で、心の不調を訴
える人や自殺者の増加が社会
的な問題となっています。全
国では年間約2万5千人近く
の人が、自ら命を絶っていま
す。その原因は一つではあり
ません。体や心の不調、暮ら
しや仕事の悩み、家族間の問
題など、複数の要因が複雑に
絡み合い、心に不調をきたす
ことは誰にでも起こりうるこ
とです。自殺は、悩みや心配
事を一人で抱えて誰にも相談
できず、心理的に追い込まれ
た結果であり、その多くが防
ぐことのできる社会的な課題
とされています。
「 命を支えると
講演会では
いうこと」をテーマに、鎌田
さんから心の健康や命を守る
ためにできることについて、
次のとおり話がありました。
心の健康のために
心の健康を保つには
体が健康であることが大切
心と体はつながっています。
体が健康でないと、心は健康
ではいられません。現代社会
には健康に関する情報があふ
れています。それらに振り回
命を支えるゲートキーパー
ゲートキーパーの原点は
「相手の身になって考え
行動すること」
人と接する中で一番大切な
のは、自分だったら何をして
もらいたいかを考えて行動す
ることです。人はつい自分の
ことばかり考えてしまいます
が、自分のために一生懸命生
きるだけでなく、毎日ほんの
少しでも人のために生きるこ
とが、大切な人を守ることに
つながります。
人は弱い生き物です。生き
ていく中で、必ずつまずくこ
とがあります。苦しいことが
起きたとき、絶望の中で一人
で生きていくことはできませ
▲講演会の様子
ゲートキーパーとは悩んでいる人に気付き、声を掛け、必要な支援につなげ、
見守る人です。ここでは3月19日に文化会館で鎌田實さんを講師に招いて行わ
れた「ゲートキーパー講演会」の内容を紹介します。お互いに支え合える地域づ
くりのために、まず大切な人の悩みに気付いてください。
問い合わせ 健康管理センター(☎23-6675)
みのる
た
かま
□「眠れていますか?」
□「どうしたの? なんだかつらそうだけど・・・」
□「何か悩んでる? よかったら話して」
□「元気がないけど、大丈夫?」
□「何か力になれることはない?」
みのる
た
プロフィル:医師・作家。現在、
諏訪中央病院名誉院長を務める傍
ら、イラクの難民キャンプでの診察
や東日本大震災の被災者支援など、
多方面で精力的に活動している。
ゲートキーパーには誰でも
なることができます。悩んで
いる人に会ったとき、身近な
人の様子がいつもと違うなと
思ったとき、何と声を掛けた
らいいかと迷い、声を掛ける
勇気がない人もいるでしょう。
誰でもゲートキーパーに
ん。大変そうにしている人が
いたとき、特別なことをしよ
うと思う必要はありません。
「大変そうだね」「大丈夫?」
な
ど、ちょっとしたことでもい
いので、声を掛ける。その一
声で救える命があります。少
しでも自分のことを考えてく
れる、自分のことを気に掛け
てくれる人がいると思うと、
人は笑顔になれます。生きよ
うと思います。
「生きたい」
と思う
人間には
本能が備わっています。少し
の失敗で人生が駄目になるわ
けではなく、何度だってやり
直すことができます。思い悩
んでいるときは、そうした前
向きな気持ちになることが難
しくなってしまいます。だか
らこそ、周りの人がほんの少
しの優しい気持ちを持ち、勇
気を持って声を掛けることが
人に希望を与え、大切な命を
救うことにつながります。
そんなときは、そっとそばに
いて話を聞く
だけでもい
いです。話
を聞いてあ
げるだけで、
相手の心が楽
になることがあります。
誰か一人でも自分のことを
理解してくれる、思ってくれ
ている人がいると思うと、人
は救われます。その一人に、
誰でもなることができます。
一人一人がほんの少し変わる
だけで、多くの人を救うこと
につながります。
ゲートキーパーへの第一歩
は、周りの人にほんの少しで
も声を掛け、手を差し伸べる
ことから始まります。自分が
できることから、少しずつ始
めることが大切です。
* *
鎌田さんは、ちょっとした
ことが人の命を守ることにつ
ながると来場者に語り掛けま
した。ほんの少しでも、身近
にいる誰かのことを考えてみ
ませんか。
心の健康に不安があるとき、
人の悩みを聞いてどこかに相
談したいときなど、困ったと
きには健康管理センターに連
絡してください。支援のため
の相談窓口を紹介します。
オキシトシンは脳の疲れを
癒やし、気分を安定させ、心
地よい幸福感をもたらすとい
われるホルモンです。スキン
シップを取る、相手のことを
考える、人の幸せを思うこと
でオキシトシンは分泌されま
す。自分のことだけでなく、
人の幸せを思うことが、自分
のためにつながります。
幸せホルモン オキシトシン
れてしまうことがあります。
されず、一つのことを繰り返
そうならないために、時々リ
し行うことが健康への第一歩
ラックスして副交感神経を優
です。やるかやらないかは自
位にし、ストレスに負けない
分次第。まずは行動に移すこ
心と体をつくりましょう。
とから始め、心の健康のため
に体の健康を維持しましょう。 【効果的なリラックス方法】
●ゆったりとした音楽を聞く
●少しぬるめのお風呂に入っ
副交感神経を刺激する
てゆっくり体を温める
●体操などでゆっくり体を動
かす
活動しているときや緊張し
ているとき、体では交感神経
が働いています。また休息し
ているときや眠っているとき
には、副交感神経が働いてい
ます。この二つの神経がバラ
ンスよく働くことで、健康を
維持しています。
ストレスを感じているとき
は交感神経が優位になります。
気持ちを奮い立たせて頑張る
ことは大切ですが、ずっと頑
張り続けることはできません。
頑張り過ぎると、心と体が疲
れてしまい、突然ポキッと折
講師 鎌田 實さん
かま
2
2016年
(平成28年)
5月16日号
広報いせさき No.274
3
<相手の話に耳を傾ける>
眠れていないようだ
食欲がないようだ
口数が少なくなった
普段より疲れた顔をしている
元気がない、など
~ゲートキーパーになりませんか~
●自ら相手と関わるための心の準備をする
●温かみのある対応をする
●相手のこれまでの苦労をねぎらう
●心配していることを伝える
●分かりやすく、ゆっくりと話す
●ゲートキーパー自身の健康も大切にする
<声を掛ける>
命を支えるということ
ゲートキーパーの心掛け
<悩みのサインに気付く>