解析学 I 第4回 (担当:日野) [4-1] (X, M) を可測空間,{fn }∞ n=1 を X 上の実数値可測関数列とする. A = {x ∈ X | {fn (x)}∞ n=1 は n → ∞ のとき収束する } とおくと,A は可測集合であることを示せ. [4-2] 次の R 上の実数値関数は Borel 可測(B(R)/B(R)-可測)であることを示せ. (1) R 上の右連続な実数値関数 f . (2) g を R 上の全ての点で微分可能な実数値関数としたとき,その導関数 g ′ . 定義 (X, M, µ) を µ(X) > 0 なる測度空間,f を X 上の実数値可測関数とするとき, inf{α ∈ R | µ({f > α}) = 0} (ただし inf ∅ = +∞ とする) を f の本質的上限 (essential supremum) と呼び,ess sup f (x), ess sup f 等と表わす. x∈X [4-3] (1) ess sup f ∈ (−∞, +∞] であること(すなわち,ess sup f = −∞ とはならないこと)を示せ. (2) ess sup f < +∞ のとき,上の定義中の inf は min で置き換えられることを示せ. (3) 実数値可測関数 f, g に対して,ess sup (f + g) ≤ ess sup f + ess sup g を示せ. 定義 (X, M, µ) を測度空間,f, f1 , f2 , . . . , fn , . . . を X 上の可測関数の列とする. • {fn }∞ n=1 が f に概収束するとは,µ(N ) = 0 なる N ∈ M が存在して,任意の x ∈ X \ N に 対して lim fn (x) = f (x) となることをいう. n→∞ • {fn }∞ n=1 が f に測度収束するとは,任意の ε > 0 に対して lim µ({|fn − f | ≥ ε}) = 0 とな n→∞ ることをいう. [4-4] X 上の実数値可測関数 f, f1 , f2 , . . . , fn , . . . に対し,{fn }∞ n=1 が f に測度収束するならば,部分列 {fnk }∞ k=1 をうまく取ると f に概収束することを以下の方針で示せ. 第 1 段:無限大に発散する単調増加自然数列 {nk }∞ k=1 をうまく取り,任意の k に対して µ({|fnk − f | ≥ 1/k}) ≤ 2−k となるようにする. 第 2 段:Ak := {|fnk − f | ≥ 1/k} (k ∈ N) に Borel–Cantelli の補題を適用して結論を得る. [4-5]∗∗ (時間が余った人向け)f を区間 [0, 1] 上の実数値連続関数としたとき, φ(t) = “集合 {x ∈ [0, 1] | f (x) = t} の元の個数”(∈ N ∪ {0, +∞}) で定義される R 上の関数 φ は Borel 可測であることを証明せよ. 以上
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