小川かつみ副会長 メッセージ 昭和 45 年 4 月、私は北九州市小倉南区は足立山の麓、九州労災病院の構内にあった労働福祉事業団九州リ ハビリテーション大学校の門をくぐりました。桜並木の続く細い坂道の先にその小さな専門学校はありました。 当時、理学療法はおろかリハビリテーションという言葉すら誰も知らない時代であり、高校を卒業してどこ に進学したのかと尋ねる親戚や知人に進学先を説明するのに難渋した記憶があります。リハビリテーション と言えばおうむ返しにリハビリステーション? どこの駅? とか、ハリビリ? 鍼灸師さんの学校? とか…。 私はその度に聞きかじりの知識を総動員してリハビリテーションの説明から始め、その上で理学療法の説明に 及ぶのですが、その頃には頭の上に?マークが沢山飛んでいるような表情になる者あり、あるいは相槌は打つ もののまるで聞いていない体となる者ありで、こちらもしまいには説明に倦んでしまうということの繰り返し でした。 理学療法士という身分制度ができて 50 年。リハビリ テーションという言葉はほぼ社会的認知を受けたと言え ますが、 理学療法士という職名なり職業はどこまで理解 されているのでしょうか。平成 27 年度まで 6 年間にわた り、私は厚生労働省に置かれたチーム医療推進会議の WG 委員として議論に参画させていただきましたが、多くの コメディカルのほとんどに対する理解は、相互に相当に 欠如していると感じました。互いの専門性を知らずに何 のチーム医療でしょうか。よって、これからは理学療法 (士)に対する国民的理解を得ることに 10 万人の会員が総 力を挙げて努力しなければならないと強く思う昨今です。 小川かつみ3つの約束 1 私は、高齢社会の幸福な国民生活に資する医療・介護の体制を作ります。 ◆ 理学療法士が本来持つ専門能力を発揮できる体制を作ります。 ◆ 理学療法士が主体的に支える仕組みを構築します。 ◆ 理学療法士が国民の地域生活をより幅広く支援できる仕組みを作ります。 2 私は、理学療法士の処遇改善に努めます。 ◆ 教育環境(学内教育・臨床実習)を改善して職務の高度化と地位の向上につなげます。 ◆ やりがいのある仕事ができる職務環境を整備します。 ◆ 理学療法士の卒後教育制度を公的レベルまで引き上げ、処遇改善へとつなげます。 3 私は、高齢者や障がいを有する方々の尊厳ある自立生活を守ります。 ◆ 高齢者や障がいを有する方々の参加型社会を構築します。 ◆ 高齢者や障がいを有する方々が日々の生活を安心・安全に過ごせる環境を作ります。 ◆ 地域包括ケア論議に高齢者のみならず障がい児(者)問題を濃厚に反映させます。 JPTA NEWS No.300 8
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