在宅 マ ッ サージ ・ リ ハ ビリと誤嚥防止 メ ソ ッ ドで Q O L 向上図り

[注目レポート]
在宅マッサージ・リハビリと誤嚥防止メソッドで
QOL向上図り、高齢者住宅・施設運営をサポート
わが国の人口のボリュームゾーンである
して、肺炎や窒息を引き起こすといわれ、
高 齢 者 に と っ て リ ス ク の 高 い 症 状 で す。
この誤嚥のリスクを避けるため、お腹に
穴を開けチューブを通して栄養分を送り
込む胃ろうや、鼻からチューブを入れて
なわれています。これらの処置は延命の
胃に栄養分を送り込む経鼻経管栄養が行
たサービスを、全国の高齢者施設・病院
ためですが、QOLは著しく低下します。
そこで私どもは、誤嚥を防止し、胃ろう
などに普及させることです」
。
その医学面を支えるバックボーンとな
や経鼻経管栄養を避け、自分で食事がで
誤嚥性肺炎に対する予防訓練を採り入れ
い て は、
「当協会には多くの国家資格者
と眞砂氏は語る。また具体的な展開につ
知らぬ間に気管を通り、それが肺に到達
最後に同プログラムを導入する施設な
縮予防にも有効、などである。
筋肉に対するアプローチに加え関節の拘
このように、在宅マッサージ・リハビ
用者)側 の メ リ ッ ト と し て は、 ① サ ー ビ
一方、
サービス提供を受ける入居者( 利
身の健康をサポートし、質の高い人生の
ひとりを大切に、協会の理念である『心
ついて眞砂氏は「サービスご利用者一人
054
S e n i o r B u s i n e ss M a r k e t
2013.JUL.
歳以 上 と なる2025年に
っているのが、会長を務める愛媛大学大
きるように手助けするための訓練プログ
リ サ ー ビ ス お よ び「 誤 嚥 防 止 メ ソ ッ ド 」
が在籍しており、プロスポーツ選手の体
ど事業者側のメリットとしては、以下の
いても脳血管障害などに伴う嚥下機能の
スは在宅で受けられるため、移動に困難
実現と健全な社会の発展に貢献する』を
誤嚥防止メソッド
団 塊 世 代が
学院医学系研究科公衆衛生・健康医学教
ラム『誤嚥防止メソッド』を開発しまし
舌の筋肉と唇周囲の筋肉を鍛える段階的
の提供を軸に、高齢者のQOLの向上を
調管理を担っているアスレティックトレ
点があげられる。
低下に悩む高齢者の処遇は大きな問題と
が伴う重度者も容易に利用が可能、②サ
モットーに全国に活動のネットワークを
→
歳 という 超 高 齢
授 の 谷 川 武 氏( 医 学 博 士 )で あ る。 谷 川
マ ッ サ ー ジ・ リ ハ ビ リ に つ い て は、「 関
な訓練プログラムで、エビデンス( 科学
目 指 す 同 協 会 だ が、
「 協 会 と し て は、 谷
ーナー、マッサージ師等がおります。協
まず同協会と覚書を交わすことでサー
なっていることは間違いない。しかも年
ービス利用にあたっては同協会と医師
拡げていきたい」とするが、全国に拡大
誤嚥・胃ろうの防止
は、 全 人口の約3割が
=生活の質)を支える在宅医療やリ
Of Life
た」と語る。
節の可動領域を広げ、筋力の維持・強化
的 根 拠 )を 基 に、 よ り 効 果 的 な 訓 練 方 法
川会長の指揮の下、多くの医学・介護関
会では提携する施設ごとに『アソシエイ
ビス導入が図れるため、施設側にコスト
齢とともに誤嚥をしても本人はそれと気
( 主治医)が連携するため、健康保険が使
するとなれば、当然にさらなる人材育成
社会を迎える。それに伴い、QOL(
ハビリテーションに対 するニーズは一段 と
教授は東京大学医学部、ハーバード・メ
に有効である」として早くから評価して
としてすでに実践しているという。舌と
る。 同 時 に、 口 元 や 首 筋 が 引 き 締 ま り、
係者の皆様のご協力をいただきながら活
ト』と呼ぶこれらの国家資格者を配置し
負担はなく、リスクも発生しない。しか
づかないケースも多く、単なる呼吸器系
え安価で適正利用が可能、③「誤嚥防止
が 必 要 に な る こ と か ら、「 あ く ま で も 現
マッサージ・リハビリテーション
Quality
拡大することが予想される。 こうした流
ディカルスクール、筑波大学大学院など
いた。また、後述する誤嚥性肺炎の予防
唇周囲の筋肉を鍛えることで誤嚥防止に
分 行 な う、
を 目 指 す 「一般 社 団 法 人 日本 在 宅マッサ
プ ロ グ ラ ム に つ い て も、
「誤嚥の防止だ
効果があるだけではなく、脳梗塞やそれ
回
ージリハビリテーション協会」が発足。 そ
けではなく、脳血管障害後のリハビリま
に伴う身体の麻痺症状にも効果があると
下した高齢者に対して
誤嚥防止メソッドとは、嚥下機能が低
れを見据えて、 在宅マッサージ・リハビリ
での要職を歴任して、
の狙いと活動内容を取材した。
で考えて構成され、さらに睡眠時無呼吸
されており、同協会ではその因果関係に
年に現職に就任。
テーションサービスの全国的な普及・拡大
同協会の理念と取組みについて、事務
症の改善にも有効である」と、その効果
同協会が提供するサービスの中核をな
外見も変化することから美容にも効果が
ふえる誤嚥性肺炎に対応する
「誤嚥防止メソッド」とは
局長の眞砂由明氏は、以下のように話す。
を高く評価している。
の高齢者に対して質の高いマッサージと
す「誤嚥防止メソッド」とは、その名の
ついても現在、研究データを集積中であ
「わたしたちが目指すのは、第一に在宅
リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン( 以 下 リ ハ ビ リ) を
動を進めております。さらにリハビリや
てサービスを提供しますが、サービスの
も施設側はたとえば入居者募集に際して、
著名アスリートの
トレーナーなどがサービス提供
あるとしている。
眞 砂 事 務 局 長 は、
「 誤 嚥 性 肺 炎 と は、
とおり誤嚥性肺炎を予防するプログラム
年人口
提供すること。第二に最近の死因別疾患
歳 以 上、 厚 生 労 働 省
として注目されるものである。
歳~
で、がんや脳卒中に次いで増加している
肺 炎(
誤嚥防止は全国の高齢者施設・病院にと
質の維持向上を目的として定期的にこれ
同協会が提供するサービスを「付加価値」
誤嚥により細菌を含んだ唾液や飲食物が
っても大きな課題ですから、協会を通じ
らアソシエイトの技術、患者さまとの応
としてPRすることが可能で、施設の差
%を占めるといわれる
て、できる限り広めていきたい」
( 眞砂氏)
対、施設との緊密な連携等を評価しなが
別化戦略として利用できる。
動態統計)
、その
現 在、 介 護 老 人 福 祉 施 設( 特 別 養 護 老
ら適切な指導を行なっていきます」とい
と述べている。
万
人 ホ ー ム )の 介 護 保 険 受 給 者 数 は 約
立区)
、明治安田生命グループの介護付
現 在、 導 入 施 設 は 友 愛 病 院( 東 京 都 足
アソシエイトには、プロゴルファーの
有 料 老 人 ホ ー ム「 サ ン ビ ナ ス 立 川 」
(東
う。
片 山 晋 呉( 賞 金 王 5 回 )を は じ め、 J リ
京 都 立 川 市 )な ど、 首 都 圏 を 中 心 と し た
人、 介 護 老 人 保 健 施 設( 老健)に は 同 約
万5000人の高齢者が存在し、さらに
ーガー、大相撲の力士、プロ野球選手な
万人、介護療養型医療施設には同約7
7818施設にのぼる有料老人ホームが
ど著名アスリートのトレーナーなども所
施設( 延べ利用人数約 300人/月)に
万戸を超えるサービス付き高齢
あり、
疾患( 肺炎)ということで処置されるケ
メソッド」による訓練で誤嚥性肺炎を予
在のご利用者さまに支障をきたさないス
のぼっている。同協会の今後の方向性に
そ こ で 同 協 会 の 出 番 と な る。
「在宅や
防し、胃ろうや経鼻経管栄養などを回避
ピードで展開していきます」と話す。
属し、現場で活動している。
施設の高齢者の健康を維持すること、質
し、QOL向上を実現、④主治医や家族、
者向け住宅も整備中である。いずれにお
の高いマッサージ・リハビリや誤嚥性肺
親族に施術の経過報告を行なうため、安
防止メソッド」は、多くの高齢者に求め
ースもふえているという。
炎の予防訓練を提供して、衰えた機能の
心が得られ適切なサポートが可能、⑤マ
マッサージ・リハビリ、そして「誤嚥
回復を図り、健康な人生をお送りいただ
られるサービスだけに、その普及拡大に
事務局長
→
13/06/20 12:53
SBM1306[60-61].indd 54-55
国家資格者による質の高いマッサ
ージリハビリテーションを提供
在宅マッサージリハビリテーションの提供、誤燕防止
メソッドの提供
活動内容
2013年7月
055
眞砂由明氏
誤嚥防止メソッド
専用の器具を使用し嚥下機能を回復することで、誤
嚥性肺炎の予防を図る
3
リハビリテーション協会
寝たきり・関節拘縮・麻痺の改善
会長 谷川 武(医学博士)
1
1
ッ サ ー ジ に リ ハ ビ リ を 導 入 す る こ と で、
http://www.jvmr.jp
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けるよう手助けすることが協会の使命」
URL
12
注目したい。
TEL.03-5567-3310 FAX.03-5567-3320
10
日本在宅マッサージ
連絡先
<提供するサービス>
東京都豊島区巣鴨3-26-6
○「質の高いマッサージ・リハビリテーション」の提供
○「誤嚥・胃ろう防止訓練」の提供
所在地
協会の目的
一般社団法人
日本在宅マッサージリハビリテーション協会
提供するサービスを通して患者さまの
QOL の向上と「生きがい」の創造をお手伝いする
団体名
08
65
75
80
70
65
11
33
代表者
■協会活動内容概要
法人概要
一般社団法人 日本在宅マッサージリハビリテーション協会
注目レポート 日本在宅マッサージリハビリテーション協会