第2次藤井寺市特定事業主行動計画 (職員を対象とした次世代育成支援行動計画) 平成 28 年 4 月 藤井寺市 0 《 目 次 》 Ⅰ 総論 1 はじめに 2 計画期間 3 計画の推進体制 4 計画で目指す数値目標 Ⅱ 具体的な内容 1 職員の勤務環境に関する事項 (1)妊娠中及び出産後における配慮 (2)男性の子育て目的の休暇等の取得促進 (3)育児休業等を取得しやすい環境の整備等 2 ワーク・ライフ・バランスの実現 (1)超過勤務の削減 (2)休暇の取得促進 3 その他の次世代育成支援対策に関する事項 (1)子育てのバリアフリー (2)子ども・子育てに関する地域貢献活動 Ⅲ 最後に 1 Ⅰ 総論 1 はじめに わが国では少子化が急速に進んでおり、次代を担う子供が健やかに生まれ、育成 される社会を形成していくことを目的とし、国、地方公共団体、企業等が一体とな って取り組んでいくために次世代育成支援対策推進法が制定されています。 地方公共団体は、行政機関としての立場から子どもたちの健やかな育成に取り組 むのは当然ですが、同時に、職員を雇用する事業主としての立場から、自らの職員 の子どもたちの健やかな育成についても役割を果たしていかなければなりません。 このような考え方から、次世代育成支援対策推進法では、地方公共団体も「特定事 業主」と定め、自らの職員の子どもたちの健やかな育成のための計画(特定事業主 行動計画)を策定することとされています。 これを踏まえ、本市においては「藤井寺市特定事業主行動計画(職員を対象とし た次世代育成支援行動計画)」を平成 19 年 2 月に策定し、市職員であると同時に、 父親・母親である職員が「市職員としての仕事」と「子育てという親の責務」とを 両立させやすい環境整備に取り組んできました。 この度、国においては次世代育成支援対策の継続的な推進・強化を図るために次 世代育成支援対策推進法の一部改正が行われ、法の期限が平成 37 年 3 月 31 日まで 期間延長されました。 そこで、本市としても法律延長の趣旨を理解し、この第2次藤井寺市特定事業主 行動計画を策定するものです。 この計画の策定・推進にあたっては、前計画に引き続き、職員が男女の別なく職 員一人ひとりが子育ての重要性について理解を深め、互いに支えあうことで、仕事 と子育てを両立できる職場環境を築くことを推進するものです。 なお、この計画は、藤井寺市の各任命権者(市長、水道管理者、市議会議長、教 育委員会、選挙管理委員会、代表監査委員、公平委員会、固定資産評価審査委員会、 農業委員会)が合同で作成したものです。 2 2 計画期間 改正された次世代育成支援対策法では、平成 37 年 3 月 31 日までの時限立法とし て延長されました。 そこで、この計画も同様に平成 37 年 3 月 31 日までの計画期間とします。 なお、中間期の平成 33 年 3 月 31 日までを前期期間として捉え、この時点での状 況と計画の内容を精査・検討し、計画の見直しが生じた場合には平成 33 年 4 月 1 日から平成 37 年 3 月 31 日までの後期期間に見直しの内容を反映するなど、必要に 応じて見直していくものです。 3 計画の推進体制 (1) この計画を実効性のあるものにするために、これまでと同様に藤井寺市特定 事業主行動計画推進委員会(以下、 「検討委員会」という。)を存続させ、推進 策の検討・実施、計画の見直し等を行います。 (2) 検討委員会の事務局を政策企画部人事課に置き、計画の総合的かつ継続的な 推進を担当します。 (3) 検討委員会等は計画の推進状況等を把握するとともに、必要に応じて、職員 の意見聴取などにより、職員のニーズを踏まえてその後の対策の実施や計画の 見直しを図ります。 (4) 検討委員会等は計画の内容を広く周知、徹底するとともに、取り組み状況や 実績等をホームページへの掲載等により公表します。 4 計画で目指す数値目標 この計画を実効性のあるものにするためには、現状の把握と今後の目標を明確に することが重要です。 この計画では、休暇等の取得状況の数値、また、 「平成 27 年度男女共同参画の職 場づくり研修会報告書」の職員へのアンケート調査結果(以下、 「アンケート結果」 という。)の数値を参考として、各事項で【目指す数値目標】を掲げ、節目におい て、どの程度推進できているのかを可視化し、指標としていくものです。 3 Ⅱ 具体的な内容 1 職員の勤務環境に関する事項 (1)妊娠中及び出産後における配慮 妊娠中や出産直後はメンタル面や身体面等さまざまな面で母体に負担がかかり やすくなっています。そのため母体と子どもを保護するためにさまざまな制度が設 けられています。 その制度を十分に理解、活用せずに制度がその意義を失うことがないよう周知徹 底するとともに、女性職員の身体的負担等を考慮した職場環境の整備に努めます。 ① 《人事担当》は、職員に対し、母性保護及び母性健康管理の観点から設けられ ている特別休暇等の制度について、新規採用時研修並びに庁内イントラネット等 により周知徹底を図ります。 ② 出産時の費用に対する給付等の支援措置について情報提供をするとともに、悩 みがある場合は、《人事担当》で個別相談を行います。 ③ 《所属長》は、妊娠中及び出産後の職員の健康や安全に配慮し、必要に応じた 業務分担の見直し等を行うよう努めます。また、妊娠中の職員に対して、本人の 希望に応じて、超過勤務時間を制限するなどの配慮に努めます。 ④ 《同僚》は、前述の業務分担の見直しや超過勤務時間の制限に対して、自発的、 積極的に取り組むなど、職場全体で妊娠中及び出産後の職員の配慮に努めます。 ⑤ 《本人》は、父親、母親になることが分かったら、できるだけ速やかに(遅く とも出産予定日の5か月前までに)育児をするようになることを所属長に申し出 てください。母性保護のためにも、育児休業、産前産後休暇などの諸制度の活用 のためにも、また人事上の配慮のためにも必要となります。 【目指す数値目標】 ・保健指導休暇(妊婦健診のための休暇)、産前産後休暇といった特別休暇の取得率 を可能な限り 100%にすることを目標とします。 (2)男性の子育て目的の休暇等の取得促進 子育ての始まりの時期に親子の時間を大切にし、子どもを持つことの喜びを実感 するとともに出産後の配偶者を支援するため、子どもの出生時における父親の休暇 取得の促進を図ります。 ① 《人事担当》は、男性職員に対し、職員の妻が出産する場合の出産補助休暇等 の特別休暇等の制度について、新規採用時研修並びに庁内イントラネット等によ 4 り周知徹底を図ります。 ② 《所属長》は、子どもの出生時には父親が特別休暇及び年次休暇を利用するこ とにより 5 日間程度の連続休暇を取得できるような職場環境の整備に努めます。 また、《同僚》からも休暇取得のために支援、協力します。 【目指す数値目標】 ・妻の出産補助休暇男性職員の育児参加のための休暇といった特別休暇の取得率を 可能な限り 100%にし、年次休暇も含めて結果、妻の出産前後には5日以上の連 休を取得することを目標とします。 (3)育児休業等を取得しやすい環境の整備等 「職場を離れると仕事に差し障る」といった気兼ねや「長時間仕事を休むと職場 に復帰しにくくなる」という不安を感じることなく育児休業を取得できるよう、育 児休業の代替要員等の措置について検討を進めるとともに、職場復帰への支援の充 実を図ります。また、育児休業に関する制度や手続き等の情報提供を拡充します。 ① 妊娠を申し出た職員に対し、《人事担当》で個別に育児休業等の制度・手続き について説明を行います。 ② 《人事担当》は、育児休業等の制度趣旨や内容、及び休業期間中においても育 児休業手当金が受給できるといった経済的な支援について情報提供をしていき ます。 ③ 育児休業中の業務に支障が出ないよう、《人事担当》は、代替要員として各々 の職場実態に応じて臨時職員、嘱託員の配置(予算措置)をします。また、《所 属長》は業務分担の見直しを検討するなどして、職員が安心して育児休業を取得 できるように努めます。 ④ 《人事担当》は、男性職員にも育児休業、部分休業を取得できること新規採用 時研修並びに庁内イントラネット等により周知徹底を図り、男性職員の育児休業 等の取得を促進します。 ⑤ 《所属長》と《同僚》は、育児休業を取得した職員が円滑に職場復帰できるよ う、職場復帰前に、当該職員から希望があれば育児休業期間中の職務の内容(変 更、新規事業及び現況)について説明を行います。 【目指す数値目標】 ・出産した女性職員が完全に育児休業を取得するだけではなく、1年以上(中期間) の取得率を可能な限り 100%にすることを目標とします。 ・男性職員の育児休業又は、部分休業の取得者数を、年々、増加することを目標と します。 5 ・アンケート結果において、周りの職員の負担が増えるから、育児休業を取得した いが無理だと思うという回答が全体で 68%(1 位)となっているので、この数値を 減少することを目標とします。 ・アンケート結果において、男性職員の同僚等が育児休業等を取得することについ て、「応援したい」や「お互い様だと思う」といった肯定的な回答が全体で 70%とな っているが、この数値を更に増加することを目標とします。 2 ワーク・ライフ・バランスの実現 アンケート結果では、年次休暇取得が年 5 日以内の回答が全体で 35%と割合が低 く、また、月平均の残業時間が 40 時間以上の回答が全体で 5.5%と一部の職場では ありますが長時間労働が常態化している状況です。 職員一人ひとりが、仕事上の責任を果たしながら、子育て、介護、家庭、地域活 動、自己啓発等の様々な場面で活躍するワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の 調和)を実現するためには、超過勤務の削減や休暇の取得促進など、仕事優先のあ り方を見直す取り組みが必要です。 (1)超過勤務の削減 超過勤務の削減については、すべての職員に対して健康保持や公務能率の維持向 上という観点から様々な取り組みを行うとともに、父親・母親である職員に対して 子育てを職場としてサポートしていくという観点からもさらなる削減を図ること が必要です。 ① 《所属長》は、小学校就学始期に達するまでの子供のいる職員に対して、深夜 勤務及び超過勤務時間を制限するなどの配慮に努めます。また、《同僚》も子育 てと仕事の両立の大変さを理解して、サポートすることに努めます。 ② 《人事担当》は、定時退庁日(ノー残業デー)に注意喚起を図るとともに、幹部 職員が率先して定時退庁するよう努めます。 ③ 定時に退庁していない職員が多い部署を《人事担当》が把握し、《所属長》へ 定時退庁の指導を促します。 ④ 《人事担当》は、所属ごと超勤勤務の状況及び特に超過勤務の多い職員の現状 を《所属長》に通知し、超過勤務削減の検討、対策を図ります。 ⑤ 《所属長》は、担当業務の見直しを行うとともにできる限り業務の簡素化、簡 略化を推進し、また、定例・恒常的業務に係る事務処理のマニュアル化を図り、 率先して業務改善を実施します。 6 【目指す数値目標】 ・職員一人あたりの超過勤務を 1 年度で 120 時間以内、月平均で 10 時間以内にす ることを目標とします。 ・突発的な事象による繁忙時を除き、原則、超過勤務については、職員一人あたり 月 25 時間以内を限度とすることを目標とします。 (2)休暇の取得促進 特に子育て中の職員は、子どもの体調不良や予防接種、健康診断、学校行事参加 などで年次休暇等の休暇を必要とする機会が多くなります。また、適時な年次休暇 の取得は、心身もリフレッシュし、結果、業務効率が向上することから有用です。 しかしながら、「みんなに迷惑がかかる」「後で多忙になる」といった理由から、 職員は休暇の取得にためらいを感じています。 職員が心置きなく休暇を取得できて、休暇を取得した時のバックアップ体制を整 えるなど、職場全体で休暇を取得しやすい環境づくりに取り組みます。 ① 《人事担当》は、職員に対し、子の看護休暇等の特別休暇等の制度について、 新規採用時研修並びに庁内イントラネット等により周知徹底を図ります。 ② 《所属長》は、部下職員が安心して特別休暇、年次休暇の取得ができるように、 事務分担を正・副の複数で担任するなど事務処理において相互応援ができるよう 体制の整備に努めます。特に、子の看護休暇については、取得を希望する職員に 対して、《所属長》は必ず取得できる雰囲気の醸成を図ります。 ③ 《所属長》は、年次休暇の取得促進を図るため、自らが率先して取得するとと もに、部下職員に年次休暇の取得を促し、所属全体で計画的な年次休暇の取得を 図ります。 ④ 《所属長》は、部下職員に子どもの予防接種日や授業参観日における年次休暇 の取得促進を図ります。 ⑤ 《所属長》は、職員やその家族の誕生日、結婚記念日等の家族の記念日におけ る年次休暇の取得促進を図ります。 ⑥ 《所属長》は、ゴールデン・ウィークやお盆期間における会議の自粛を行いま す。 ⑦ 休暇の取得促進の環境整備のために、《同僚》も理解、協力し、職場全体で意 識改革に取り組みます。 【目指す数値目標】 ・一人あたりの年次休暇の取得を平均 10 日以上にすることを目標とします。 7 3 その他の次世代育成支援対策に関する事項 (1)子育てのバリアフリー 外部からの来訪者の多い庁舎等において、乳幼児を連れた方が安心して来庁でき る環境づくりに取り組みます。 ① 《施設の管理者》は、各施設の実情を踏まえ、乳幼児を連れて来庁する方に対 応するため、ベビーベットや授乳スペースの設置を進めます。また、申請・相談 に対応するため、窓口のローカウンターの設置も進めています。 (2)子ども・子育てに関する地域貢献活動 子ども・子育てに関する地域貢献活動への職員の積極的な参加を支援する環境づ くりに所属長、人事担当、同僚の関係なく《全体》で取り組みます。 ① スポーツや文化活動など、子育て活動に役立つ知識や特技を持っている職員も いると思います。そのような職員をはじめ、地域の子育て活動に意欲のある職員 の積極的参加を促します。また、職員が地域活動に参加しやすい職場の雰囲気作 りを図ります。 ② 子どもを交通事故から守るため、職員に対し、交通安全講習を受講するよう啓 発します。 ③ 子どもの安全な環境で安心して育てることができるよう、地域住民等の自主的 な防犯活動や少年非行防止等の活動への職員の積極的な参加を支援します。 Ⅲ 最後に 市政に対する市民ニーズが複雑・多様化するとともに、業務量が増大する中、現 下の厳しい財政状況や限られた人員で市民サービスを低下させることなく、計画を 推進していくためには、男性職員も、女性職員も、また子育て中の職員も、近い将 来に子育てを行う職員も、すべての職員一人ひとりが計画の目標達成に向けた取り 組みを進めていく必要があります。 計画では、主に所属長が、人事担当が、同僚が、様々な環境整備を行い、計画実 現のために率先して行動、サポートするよう整理していますが、重要なのは、各職 員が職場の仲間である職員一人ひとりを思いやる気持ちが大切です。自己の要求を 主張するのではなく、普段から互いに協力しながら仕事に取り組む協調的、好意的 な姿勢が大切です。 8 これらの取り組みにより、職員のワーク・ライフ・バランスを推進して仕事と生 活の調和が図られた社会の実現に近づくとともに、職員の公務遂行能力の向上、し いては市民サービスの向上にもつながるものと確信しています。 9
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