建設新聞社「東北ジャーナル」 第4回 建設産業界でいきいきと働く女性にスポット 橋の支承防錆で早く一人前に 日綱道路整備㈱東北支店 遠田 真琴さん 青森市出身。青森県立青森商業高等学校を 中退後、塗装職人の女性と出会ったのをきっ かけに、17歳で塗装業界に飛び込んだ。地元 で約2年半ほど塗装の仕事を経験した後、主 に融雪業務、道路の区画線工事、橋梁の支承 防錆防食工事業などを営む日綱道路整備㈱東 北支店(仙台市)に入社し、4月で2年目を 迎えた。現在は工務部に所属し、先輩社員と ともに、主に橋梁の支承防錆作業に携わる。 同社初の現場で働く女性。入社後は社内を盛 り上げるムードメーカー的な存在と、若手で ありながら優秀な腕が評価されるなど、今後 出身 青森市 の活躍が期待されている。 社歴 2015年4月入社 現在の仕事の内容について 橋梁を長期的に安全に維持するため、橋の支承部を錆や腐食から守る工事に携わってい ます。それは支承防錆工事と言って、橋梁の下など狭くて塗装の塗り直しがしづらい箇所 に対し、塗装が長持ちするように金属の膜を張る仕事になります。その作業は素地調整や 粗面化処理など全部で4工程ありますが、3工程はマスターし、残りの金属溶射が最も難 しくまだ習得していないので、早く出来るようになりたいです。初めて経験する仕事でし たが、以前の塗装の仕事と手順や要領が似ているので、仕事を覚えることに対してもちろ ん大変なこともありますが、それが辛いと思ったことはないですね(笑)。この仕事は面白く、 楽しく仕事をしています。 84 専 用 溶 射 機 を 使 用 し、 金 属 溶 射 が 完 了 し た 箇 所 へ M O塗料を吹き付け て い る 様 子 I 仕事のやり甲斐、 面白さは 辛い現場にあたった時、その仕事をやり終えた瞬間の達成感が本当に最高ですね。 「やっ と終わったー!よっしゃー!」という気持ちになります(笑) 。仕事をしていて一番面白い のは、以前出来なかったことが、やっていくうちにだんだんと出来ていくのが実感できる ことです。 女性という点で苦労した点、 困ったことは 強いていうなら、重いものを持つことくらいですね。溶射の機材(約25kg)が小さいの にとても重いんです(泣)。でも、力仕事もちょっとの時間だけなのと、重くても気合いでな んとかなるので大丈夫です(笑)。また、片付けなどは基本的に男性がしてくれるので、そ の点はとても助かっています。 趣味 ・ プライベートは 趣味はオートバイに乗ることです。17歳の時、移動手段としてバイクが欲しくて免許を 取り、ドラッグスターという車種を購入しました。地元に置いてきてしまったので、今は なかなか乗る機会がないですが、もしあればいろんなところに行ってみたいですね。その ほかでは、家でまったりとDVDを観ているのが好きです。 今後の目標は 金属溶射を早く覚えて、支承防錆の一連の流れを最初から最後まで一人でやり遂げたい です。そのためには経験しかありませんが、頑張っていきたいです。また、年齢制限があ り早くても4年先になってしまいますが、2級土木施工管理技士の資格取得も目指して日々 取り組んでいきたいと思います。 同じ部の奥山さん (男性) から見た、 遠田さんの印象 若いですが、気が利き、頭の回転も早く、とても優秀だなと思います。また、いるだけ で空気が和み、雰囲気が明るくなります。それに、 「仕事が楽しい」と言ってもらえるので、 その言葉がとても嬉しいですね。今後は、いろんな現場で経験を積んでもらい、最終的に 現場の責任も任せられるように、大事に育てていきたいですね。 85
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