稲作情報No.2(H28.5.2)

稲作情報No.2
発行日:平成28年5月2日
発 行:仙北地域振興局農林部農業振興普及課
~ 健苗育成で初期生育を確保しましょう ~
気
象
概
況
1.これまでの気象経過(アメダス大曲)
気温(℃)
降水量(mm)
2.今後の天気
(仙台管区気象台)
〈予想される向こう1か月の天候〉
平成28年4月28日発表
天気は数日の周期で変わります
が、平年に比べ晴れの日が多い見
込みです。向こう1か月の平均気温
は高い確率60%です。降水量は平
年並又は多い確率ともに40%です。
日照時間は少ない確率40%です。
〈予想される向こう3か月の天候〉
平成28年4月25日発表
6月は平年と同様に曇りや雨の日
が多い見込みです。気温は平年並
又は高い確率ともに40%です。
7月は平年に比べ曇りや雨の日が
多い見込みです。降水量は平年並
又は多い確率ともに40%です。
本年は育苗期前半からかなり高
温で推移しています。育苗期の高
温は苗立枯病やもみ枯細菌病の発
生原因となります。育苗後半も高
温傾向が続く見込みですので、温
度・水管理には注意が必要です。
日照時間(時間)
3.本田の準備
稲の順調な生育には、必要な養
分吸収ができる根域を確保し、田
植えや直播作業に最適で、その後
の管理が十分にできるほ場条件に
することが重要です。田面均平の
悪いほ場では、耕うん前にあらか
じめ土を移動しておくと均平を確
保しやすくなります。また、耕う
ん作業は作土を深く肥沃にするた
め、耕深15cmを目標に行ってく
ださい。
当面の主な技術対策
1.育苗期後半の管理
(1)温度管理
表 温度管理の目安
稚苗
(葉数2.0~2.5葉、草丈10~13cm)
中苗
(葉数3.5~4.0葉、草丈13~15cm)
育苗日数:20~25日
○出芽から緑化に移る際に急激な温度変
化に注意する。
緑化期間
○日中は20~25℃、夜温は10~12℃
(葉数1.5葉まで)
を保つ。
播種後
20日間
育苗日数:35~40日
○1葉期頃から通風管理を行う。
○最高気温25℃以下、最低気温5℃
以上を保つ。
○日中は十分光を当てるが温度の上がり
○昼夜間ともハウスを開放し外気に
すぎに注意する。
慣らす※1。
硬化期間
○夜間は5℃以上を保つ。
2.5葉期以降
(葉数2.0~2.5葉まで) ○移植5~7日前から昼夜間ともハウスを
開放し外気に慣らす※1。
(2)水管理
※1 極端な低温が予想される場合はハウスを閉めて苗を保護する。
かん水は朝又は午前中に十分に行い、かん水回数を少なくします。育苗期後半は床土が乾いて白く
なったり、葉が巻き始めたらかん水します。
2.病害虫・雑草防除
(1)病害虫防除対策
○育苗期いもち病
育苗ハウス内や周辺にある稲わら・籾殻は撤去し、ベ
ンレート水和剤かビームゾルで必ず育苗期いもち防除
を行ってください。また、移植後の余り苗は発病しや
すく伝染源になりやすいので、放置せず直ちに処分し
もみ枯細菌病
リゾープス菌による苗立枯病
てください。
○苗立枯病(リゾープス菌)
本病菌は育苗箱の種子層に太く白い菌糸をはびこらせ、床面にも繁殖します。生育不良を引き起こし、
ひどいものは枯死します。出芽期間中32℃以上の高温や、育苗期間中の高温に注意しましょう。
○もみ枯細菌病
本病は新葉基部と葉鞘部が白色~淡黄色となり次第に腐敗枯死します。発病苗の新葉を引き抜くと基部か
ら容易に抜けます。一度発病してしまうと薬剤による消毒方法は無く、苗箱交換等での対応となるため、
育苗期間中の高温と過剰かん水に注意しましょう。
○フタオビコヤガ
稲わらや雑草などで蛹で越冬し、年に3~4回発生します。幼虫の生育には多湿条件が好適で、丘陵や山
林で取り囲まれた風通しの悪い水田での発生が多いです。近年の発生量は減少傾向ですが、前年発生量
の多かったほ場では、フェルテラ箱粒剤やルーチンアドスピノ箱粒剤等の箱施用剤で防除を行ってくだ
さい。
(2)雑草対策
雑草の生育は代かき後から始まり、最短で約10日でノビ
エ2葉期になります。一発剤はノビエ2葉期までに散布す
ると安定した除草効果が得られます。より効果的な使用
のためにも除草剤散布時は、田面の高いところでも水深
5cmを確保し、散布後7日間は落水やかけ流しは行わな
いようにしましょう。また、散布後の補植は除草剤の処
理層を破壊し効果を低下させるため行わないでください。
ノビエ2葉期
ホタルイ3葉期
一発剤は「代かきから10日以内の使用」が最も効果的です。